大日本帝國召喚   作:もなもろ

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最近、内容薄くてすみません。


大日本帝國東京都首相官邸 2676(平成28・2016)年1月12日(火) 午前10時30分

大日本帝國東京都首相官邸 2676(平成28・2016)年1月12日(火) 午前10時30分

 ― 通商産業大臣 田山宏茂

 

「ふむ・・・。」

「厄介なことだ・・・。」

「パーパルディアは何を考えているのだ。」

 

 閣議後の閣僚懇談会の席上で徳川外相から報告された事項は、我々国務各大臣に苦い顔をさせた。

 

「皆さん、お待ちください。まだ、フランスの工作員がパーパルディアに捕らえられたというのは、確定情報ではないのです。」

 

 我々を落ち着ける為だろうか、德川外相が説明を続けた。

 新世界転移後、国内で諜報活動を行っていた他国の工作員は、我が国の特例国籍を取得できなかった。できなかったというよりも、取得する意思も資格がなかったとでもいうべきだろう。工作員は大使館職員と言う身分を持ち、不逮捕特権に守られていた。そうした上で我が国の技術や機密を狙っていた以上、我が国による他国人への政策的配慮である特例国籍付与にすがるわけにはいかなかった。また、大使館職員は、原則として特例国籍付与の条件にはふくまれていなかった。他国の一般国民ではなく、国家公務員が我が国の国籍を大量に取得する。国民ということになれば、参政権を取得する為、国政に影響を与えかねないと国は判断した。

 そのなかで、徐々に大使館公使館職員の中に退職者が出始めた。異世界転移と言う異常事態に対して日に日に不安感が増大していき、大公使館職員と言う地位を捨て、一民間人となることで特例国籍取得の資格を得たのだ。

 そして、工作員のなかにもそのような行動を採る者が出始めた。工作員は、日本語は堪能であり、日本国内で職に就くことは容易にできた。派遣工作員の中には、潜入先の現地で現地の新世界の人間と所帯を持ち、任務を離脱する例もあった。

 

「このような事例が存在する以上、その失踪していたとされる工作員も現地で、任務から離脱し、現地の人間と所帯を持った可能性もあるのです。いまこの閣僚懇談会で、パーパルディアへの既定の対応を再検討しようという話ではありません。」

 

 やれやれ・・・。我が省は対ムー国貿易のため、アルタラス水道の安定を図るために、この件を利用して、パーパルディアの頭をおさえることを考えていたのだが、外務省は違うことを考えているということだな。

 

 ―――――

 ― 情報局総裁 殿山真二郎

 

 外務省はパーパルディア懐柔の方針を変えずか。いや、開発の方針を変えずというところか。

 外務省に忍ばせている内情職員からの連絡によれば、パーパルディア皇国から届いた国交樹立の際の経済協力協定には、港湾整備、空港整備、工場地帯の整備などへの実質的な援助要請が入っているという。国と国との経済協力による援助ということであれば、これは政府開発援助の予算から出る。即ち、外務省の予算からということになる。外務省の権益の拡大ということだ。他省庁にとっては、面白くない話だろう。

 大田原兵相も若干睨み顔だ。この件を利用して、パーパルディアを一叩き出来れば、軍の管理区域をパーパルディア国内に持てるかもという淡い期待があったのだろうな。

 だが、李俊の爺さんが不機嫌な顔をしているぞ。大蔵省にとっては、パーパルディアの経済援助と言うのは大きな額になるだろうということは想像に難くない。まだまだ、一波乱ありそうだな。

 

 

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