大日本帝國召喚   作:もなもろ

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愈々、あの時が始まります。ここからは細かく描写していきます。


帝都新聞朝刊 2676(平成28・2016)年1月15日(金)

帝都新聞朝刊 2676(平成28・2016)年1月15日(金)

 

德川外相、今日渡朗

 

 昨年4月、ロウリア王国は、我が国の友好国であるクワ・トイネ公国及びクイラ王国に侵攻戦争を開始し、ロデニウス大陸に混乱を持たらした。このロウリア王国の動きは鍬杭両国救援に駆け付けた我が国と満洲国の陸海軍の精鋭たちの手により、ほどなく鎮圧された。4月初旬の陸戦 同下旬の海戦において我が精鋭なる陸海軍はロウリア陸海軍を完膚なきまでに叩きつぶし、ロウリアの継戦能力は一気に喪失した。これがためか、ロウリア政府と軍との間に6月末には休戦協定が発効した。ロウリア政府は、協定発効と同時に直ちに講和交渉を我等に申し入れ、アルタラス王国に於て講和会議が開かれた。一月余りに及ぶ交渉の末、8月中旬講和交渉は妥結した。

 この講和交渉に当っては、ロウリア王国を殊更に辱めることが無いようにとの大御心降る。德川外相は聖旨を奉戴すべく自ら講和全権団長に就任して、講和条項の談判に臨み、而して講和条約にはロウリア国の国体に関して聊かも容喙する条項なく締結した。敗者に対しても礼を失することとなく、暴慢なる態度で臨むべきではない。

 大御心の寛大さを体現したる講和条約は確かに締結された。しかし、それは、対外戦争を推し進め、それに敗退し、祖国に損害をもたらした政治的失策からロウリア国王が逃れられるということではない。ロウリア国王の進退はロウリア国王が決めるべきものである。責任の果たし方は一様ではない。在位のまま、国の再建の陣頭指揮を執るというのもまた責任の取り方の一つであろう。今回は現ロウリア国王が新ロウリア国王に譲位するということで退位を以て責任を果たすということになった。

 1月18日にロウリア王国首都ジン・ハークにおいて、新国王となるハーク・ロウリア・ウィンチェスター・フォン・テールマエ国王陛下の戴冠式が挙行される。この戴冠式には我が国から德川外相、満洲国から森山外相といった外交責任者が出席する。また、ロデニウス大陸の二か国クワ・トイネ公国からビーデン・リンスイ外務卿、クイラ王国からアイーラ・メッサル外相といった外交責任者も出席する。それ以外もいわゆる第三文明圏外各国からは駐在大使が出席する。加えて、トーパ王国トイミ・イント・ノウシアイネン外務卿もアールバラの我が陸軍航空隊基地から我が軍の輸送機に乗って戴冠式に出席することとなっている。

 

 

パーパルディア皇国の真意は何処にあるか

 1月18日には、ロウリアの新国王戴冠式が行われるが、それと同日にも関わらずアルタラス王国でも新国王の戴冠式が行われる。アルタラスの国王位は直系男子であるホーラント王太子が継承することが内々には決まっていたが、その戴冠式の日取りは決まっていなかった。ところが、アルタラス新国王の戴冠式の日取りは急にとも言うべき速さで決定された。それが、ロウリアの新国王の戴冠式と同日だった。

 ターラ国王の崩御後、アルタラス王国政府とその背後にいたパーパルディア皇国は、ホーラント王太子の即位に向けて動いていたが、アルタラス王国の外務卿であったシモン・ド・ユグモンテは新王即位棚上げの主張を政府内部で行っていた。ホーラント王太子の母親はパーパルディア皇国貴族の地を引くメラニエル男爵夫人であり、ユグモンテ卿はパーパルディア皇国の勢威が高まることを恐れたと言われている。

 一方で、反ユグモンテ陣営とも言われているアルタラス軍部は、ホーラント王太子の擁立に動いていた。ユグモンテ卿はこの世界の列強であるミリシアル帝国と深いつながりを持っていることから、ミリシアルの後ろ盾を背景にアルタラス政府内部を牛耳るつもりがあったとされ、軍部から軟禁の憂き目にあった。

 抗争は軍部のクーデター的なユグモンテ卿軟禁により決着が着き、王太子の即位が決定的となった。しかし、戴冠式の日取りを他国の戴冠式と被せてきたのにはアルタラス側には理由がない。德川外相をはじめとしてアルタラスと国交を有する各国外相の多くがロウリア国王の戴冠式に出席することが既に予定されている。戴冠式を盛大なものとするためには、数多くの来賓が必要であるが、各国は駐在大使の出席のみとなっている。

 この戴冠式同日挙行を推し進めたのが、アルタラス駐在のパーパルディア大使をはじめとしたパーパルディア貴族であると言われている。彼らの意図は何処にあるのだろうか。外務省は報道官の定例会見で、パーパルディアの真意については分析中であるという回答をしているが、その分析結果が待たれる。

 

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