大日本帝國召喚   作:もなもろ

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在郷軍人名簿は、エクセルで作ったのを貼り付けただけなので読みにくかったらごめんなさいです。


平成二十七年臨時動員関係文書 / 大日本帝國長崎県対馬市 対馬要塞司令部 2676(平成28・2016)年1月18日(月) 午後3時30分

平成二十七年臨時動員関係文書

 

平成二十七年臨時動員令第一號(兵部大臣発 内閣総理大臣・各聯隊區司令官宛)

平成二十七年長崎聯隊区臨時動員令第一號(長崎聯隊區司令官発 長崎縣知事・各警察署長・各市長宛)

平成二十七年十二月二日 長崎縣知事発各警察署長・各市長宛通知文書

平成二十七年度在郷軍人名簿 長崎市 (一部抜粋)

臨時召集令状(予備役陸軍憲兵少佐 横川喜三郎宛)

 

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(美濃紙縦書)

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臨動第一號

  臨時動員令

 別紙ノ臨時動員計画ニ定ムルガ如ク予備役タル陸軍憲兵将校並ニ同下士官兵、陸軍経理部主計将校並ニ同下士官、海軍主計将校並ニ同下士官、陸軍法務部法務将校並ニ陸軍法事務下士官及海軍法務将校並ニ同下士官ノ臨時動員ヲ令セラル動員第一日ハ平成二十八年一月十七日ナリ

 平成二十七年十二月二日午後三時二十三分

     兵部大臣 大田原信頼

     兵部次官 陳芳次郎

     兵部次官 勝田道真

     兵部次官 三好重正

  内閣総理大臣 山上誠一殿

 

(別紙には臨時動員計画において臨時召集される人員の各人数を記載・別紙略)

 ―――――

 

(美濃紙縦書)

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臨動第一號

  臨時動員令

 別紙ノ臨時動員計画ニ定ムルガ如ク予備役タル陸軍憲兵将校並ニ同下士官兵、陸軍経理部主計将校並ニ同下士官、海軍主計将校並ニ同下士官、陸軍法務部法務将校並ニ陸軍法事務下士官及海軍法務将校並ニ同下士官ノ臨時動員ヲ令セラル動員第一日ハ平成二十八年一月十七日ナリ

 平成二十七年十二月二日午後三時二十三分

     兵部大臣 大田原信頼

     兵部次官 陳芳次郎

     兵部次官 勝田道真

     兵部次官 三好重正

  各聯隊区司令官 殿

 

(別紙は各聯隊區毎に調製された臨時召集名簿・別紙略)

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(美濃紙縦書)

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臨動長第一號

  臨時動員令

 兵部大臣ノ指示シタル別紙ノ臨時動員計画ニ基キ長崎憲兵分隊ニ於テ予備役タル陸軍憲兵将校並ニ同下士官兵、陸軍経理部主計将校並ニ同下士官、海軍主計将校並ニ同下士官、陸軍法務部法務将校並ニ陸軍法事務下士官及海軍法務将校並ニ同下士官ノ臨時動員ヲ令セラル動員第一日ハ平成二十八年一月十七日ナリ

 当該動員ニ係ル臨時召集令状ハ本日中ニ各警察署及各市ニ急使ヲ以テ到着ノ見込ナリ

 平成二十七年十二月二日午後四時三分

     長崎聯隊區司令官 河野一郎

  長崎縣知事  伊藤志郎  殿

  浦上警察署長 山田剛太郎 殿

  時津警察署長 田中一郎  殿

  雲仙警察署長 大河内広助 殿

  平戸警察署長 佐々木雅人 殿

  厳原警察署長 小川雄大  殿

  長崎市長   渡哲二郎  殿

  佐世保市長  下柳涼介  殿

  島原市長   太田豊子  殿

  諫早市長   佐川幸太郎 殿

  大村市長   下田美恵子 殿

 

(別紙は、長崎縣知事宛が長崎縣内全域の臨時召集名簿、各警察署長・各市長宛が各警察署管内・各市管内毎に調製された臨時召集名簿・別紙略)

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(美濃紙縦書)

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[部外秘]

題名  :臨動長第一號ニ関スル縣知事通知文書

発翰区分:知事通知第二號

発翰日 :平成二十七年十二月二日

発信者 :長崎縣知事

宛先  :浦上警察署長、時津警察署長、雲仙警察署長、平戸警察署長、厳原警察署長、長崎市長、佐世保市長、島原市長、諫早市長、大村市長

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[部外秘]

知事通知第二號

  平成二十七年十二月二日

        長崎縣知事 伊藤志郎 官印

 

  関係警察署長・市長 殿

 

    臨動長第一號ニ関スル縣知事通知文書

 

 今般、長崎聯隊區司令官ヨリ達セラレタル臨時動員令ニ付関係各位ニ於テハ所定ノ召集業務実施手順書ニ基キ遺漏無ク臨時召集令状ヲ応召員ニ交付セラルベク訓示スル

 市長ハ直ニ警察署長ハ町村長ニ照会シ名簿ノ応召員ガ名簿ニ記載サレタル住所地ニ現在時点デ居住シアリシコトヲ確認スベシ名簿ニ不整合アリタルトキハ聯隊區司令官ニ其ノ旨通知スベシ猶臨時動員第一日ハ平成二十八年一月十七日ナリ

 

(添付文書:長崎縣知事宛の長崎縣内全域の臨時召集名簿・名簿略)

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(美濃紙縦書)

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[部外秘]

題名  :臨動長第一號ニ関スル市長ヨリ市民部長ヘ通達

発翰区分:内達第二十三號

発翰日 :平成二十七年十二月二日

発信者 :長崎市長

宛先  :長崎市市民部長

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[部外秘]

内達第二十三號

  平成二十七年十二月二日

        長崎市長 渡哲二郎 公印

 

  市民部長 殿

 

    臨動長第一號ニ関スル市民部長ヘノ命令ニ関スル通達

 

 今般、臨時動員令ガ発セラレ、長崎聯隊區司令官ヨリ当市ニ達セラル。市民部長ハ当市管内ノ臨時召集サルル応召員ヘノ召集令状交付事務ニ付テハ事前ニ定メラレタル召集業務実施手順書ニ基キ遺漏無ク執行スベシ。

 市民部長ハ市民課長ト共ニ市民課戸籍係並ニ兵事係ヲ監督シ本日中又ハ明日到着セル臨時召集令状ト在郷軍人名簿及臨時召集名簿トヲ照合シ名簿ノ応召員ガ名簿ニ記載サレタル住所地ニ現在ノ時点ニ於テ居住シアルシコトヲ確認スベシ。名簿ニ不整合アリタルトキハ聯隊區司令部ニ其ノ旨通知スベシ。猶臨時動員第一日ハ平成二十八年一月十七日ニシテ期日ニ余裕アリタルト雖モ本件作業ハ速ニ終了スベシ。

 

(添付文書:長崎市管内の臨時召集名簿・名簿略)

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(表紙)

平成二十七年度在郷軍人名簿

      長崎市市民課兵事係

 

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(在郷軍人名簿 一覧の部)

適用 / 兵籍番号 / 戸主又ハ家族若ハ召集通報任住所氏名 / 本籍地(住所地) / 兵種部 / 官等級 / 職業 / 健康状態 / 氏名生年月日 / 個人番號 / 予備役又は後備役満了年月日 

  / 久憲第2643號 / 長崎縣長崎市住吉町○○○・横川美恵子 / 長崎縣西彼杵郡長与町岡郷○○○○(長崎縣長崎市住吉町○○○) / 憲兵 / 少佐 / 弁護士 / 良 / 横川喜三郎・昭和49年5月3日 / 1282 9542 7581 / 平成37年3月31日

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(在郷軍人名簿 個人の部)

横川喜三郎略歴

 予備役陸軍憲兵少佐 横川喜三郎

年月日 年齢 記事

昭和62年3月31日 12歳10ヶ月 長与町立長与北小学校卒業

昭和62年4月1日 12歳10ヶ月 長与町立長与青年学校尋常科入学

平成1年4月1日 14歳10ヶ月 長崎縣立長崎青年学校本科編入

平成4年3月31日 17歳10ヶ月 長崎縣立長崎青年学校卒業

平成4年4月1日 17歳10ヶ月 陸軍予科士官学校入校

平成6年3月31日 19歳10ヶ月 陸軍予科士官学校卒業。陸軍憲兵上等兵に命ぜらる。

平成6年4月1日 19歳10ヶ月 久留米憲兵隊本部附を命ぜらる。任期中に陸軍憲兵伍長任官。

平成6年10月1日 20歳4ヶ月 陸軍士官学校入校

平成8年9月30日 22歳4ヶ月 陸軍士官学校卒業。陸軍憲兵曹長任官。陸軍見習士官を命ぜらる。

平成8年10月1日 22歳4ヶ月 久留米憲兵隊本部附を命ぜらる。

平成9年4月1日 22歳10ヶ月 陸軍憲兵少尉任官。叙正八位。長崎憲兵分隊長附を命ぜらる。

平成9年10月1日 23歳4ヶ月 陸軍憲兵学校入校を命ぜらる。丁種学生課程。

平成10年4月1日 23歳10ヶ月 陸軍憲兵学校丁種学生課程修了。久留米憲兵分隊第三分遣隊長を命ぜらる。

平成11年2月1日 24歳8ヶ月 久留米憲兵隊本部部員を命ぜらる。

平成11年4月1日 24歳10ヶ月 陸軍憲兵中尉進級。叙従七位。

平成11年10月1日 25歳4ヶ月 松本憲兵分隊第一分遣隊長を命ぜらる。

平成13年4月1日 26歳10ヶ月 台北機動憲兵隊第七十一大隊第二中隊長を命ぜらる。

平成15年4月1日 28歳10ヶ月 陸軍憲兵大尉進級。叙正七位。

平成15年10月1日 29歳4ヶ月 鳥取憲兵隊本部副官を命ぜらる。

平成16年4月1日 29歳10ヶ月 陸軍現役軍人婚姻條例による結婚許可。

平成16年11月1日 30歳5ヶ月 高等試験司法科試験に及第。

平成16年12月1日 30歳6ヶ月 京城憲兵隊本部高等部員(法務係長)を命ぜらる。

平成17年4月1日 30歳10ヶ月 京城憲兵隊本部附を命ぜらる。京城府警察局に出向を命ぜらる。

平成18年4月1日 31歳10ヶ月 宇都宮憲兵分隊長を命ぜらる。

平成19年4月1日 32歳10ヶ月 陸軍憲兵少佐昇進。叙従六位。福岡憲兵分隊長を命ぜらる。

平成21年4月1日 34歳10ヶ月 福岡機動憲兵隊第四十大隊本部副官を命ぜらる。

平成22年3月1日 35歳9ヶ月 久留米憲兵隊本部附を命ぜらる。

平成22年4月1日 35歳10ヶ月 願に依り予備役編入を命ぜらる。

平成22年4月2日 35歳10ヶ月 長崎弁護士会にて弁護士登録。

平成22年10月1日 36歳4ヶ月 特旨により位一級進めらる。叙正六位。叙勲六等瑞宝章。

平成28年1月17日 41歳8ヶ月 臨時召集。

平成36年5月31日 50歳0ヶ月 満50歳に達する日。

平成37年3月31日 50歳10ヶ月 退役日。

 

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(美濃紙縦書)

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  受 領 證

一 平成二十八年一月十七日 長崎憲兵分隊ヘ臨時召集ノ

臨時召集令状

右受領ス

 平成 二七年十二月  七日午前後(前後は横並び、前の字に〇・後の字に抹消線) 十時二八分

 予備役陸軍憲兵少佐 横川 喜三郎

本人ニ代リ受領シタル者ハ左ニ記名捺印スベシ

   受領者 本人妻 横川 美恵子 印

長崎聯隊區司令部御中

 

 ――――― 切リ取リ線 ―――――

 

到着日時 第一日

 

 臨 時 召 集 令 状

 

 長崎縣長崎市住吉町○○ (長崎市管内)

  予備役陸軍憲兵少佐 横川 喜三郎

右臨時召集ヲ令セラル依テ左記日時到着地ニ參着

シ此ノ令状ヲ以テ當該召集事務所ニ屆出ヅベシ

到着日時 平成二十八年一月十七日十一時

到着地  長崎県長崎市浜町 長崎憲兵分隊營内

召集部隊 長崎憲兵分隊

 

長崎聯隊區司令部 官印

 

乗車(船)區間 長崎電気軌道 自 住吉驛(驛の字に抹消線、その隣に停留所と自署、以下同じ) 至 長崎憲兵分隊前驛

乗車(船)等級 參等(參等の字に抹消線)

運賃急行料金 20圓(圓の字に抹消線)銭

 

◎後拂證ニ關シテハ該證裏面注意書ヲ參照スベシ

 

 ――――― 切リ取リ線 ―――――

 

  臨時召集廳召員旅客運賃後拂證

乗車(船)氏名 横川 喜三郎    

乗車(船)區間 長崎電気軌道 自 住吉驛 至 長崎憲兵分隊前驛

乗車(船)等級 參等(參等の字に抹消線)

運賃急行料金 20圓(圓の字に抹消線)銭

乘車(船)年月日 平成二八年一月七日

乘車(船)証明者 長崎電気軌道株式会社 運転士西原田一郎 印

 

發行官衙 長崎聯隊區司令部 官印

 

運賃支払部隊 久留米憲兵隊本部

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大日本帝國長崎県対馬市 対馬要塞司令部 2676(平成28・2016)年1月18日(月) 午後3時30分

 ― 大日本帝国陸軍予備役陸軍憲兵少佐 横川喜三郎

 

 俵星中隊長以下の中隊幹部が四散したかと思えば、すぐに戻ってきて、パスポートを持ってこさせるのに軍の輸送機を借りたいなどといいだした。それは、職権乱用だと私は司令官をいさめたが、大森司令官はまあ待てと言いながら、少し考えたいなどと言い出した。羽田から福岡空港、そして福岡空港から対馬空港行きの飛行機に乗れば、ギリギリ今日中に間に合うだろうが、わざわざ時刻表をみていないので、何とも言えないところだ。

 それから事態は急変した。大森司令官は、私に司令部建物外の喫煙所に付いて来るように言った。それで私は陸軍支給の携帯電話を見せられた。

 

『

時刻:2676年1月18日 午後0時24分

件名:要塞準戦備発動の必要性の調査依頼

発信:兵部省軍務局動員課長

宛先:対馬要塞司令官

内容:

 要塞準戦備令の発動の必要性の調査のため、対馬要塞司令官には適宜必要となる措置を採られたい。本件に関しては、高度の柔軟性を維持しつつ臨機応変に対処すべきことが必要となるがため、高等将帥たる現地司令官の差配が重要となる。軍務局動員課としては、当面の間、対馬要塞司令官の権限において要塞司令部に若干名の臨時増員を認め、その必要となる予算措置を本日中に陸軍機密費を以て計上する。重ねて言うが、これは、軍務局動員課としての正式な臨時動員の指示ではない。要塞司令部令第三條に定める「防衛計画上必要ナル事項ノ調査」の範囲を若干拡張して行うに過ぎず、要塞準戦備発動の必要性の調査である。

』

 

「閣下、これは、正式な中央官衙の命令ではないということですな。」

 

 中央官庁からの命令である「達」ではなく、中央官庁による行政指導でもない。内容としては行政指導とも読めなくはないが、一部局からの依頼の範疇に留まる。陸軍武官をフェンに越境してまでの調査とは認められていないということを指摘するが、大森司令官は苦笑した。

(注:他の省庁では「通達」と表現されるが、兵部省では陸軍省以来「達」の表現を採る。)

 

「事は重要だ。そう簡単に中央からの命令が出るわけがなかろう。玉虫色の表現というのはこういう時に使用するものなのだ。」

 

 そんなことがあってたまるものか。現代陸軍において、法令の順守というのは重要だ。軍隊は法令によって禁止されていること以外を原則として行える。これをネガティブリスト方式というが、だからこそ軍は法令を遵守しなければ、なんでもありの無法集団となってしまう。

 

「閣下、やはり自分は越境はやりすぎであると思います。軍服を脱いでとはいえ、陸軍中央の精兵を他国に送り込むような真似は陸軍刑法上重大な疑義があると思います。」

 

 翻意を願ったが、大森司令官はここを見ろとスマホの画面を指さした。

 

「高度の柔軟性を維持しつつ臨機応変に対処すべき事態なのだ。軍令側がどう考えているのか分からんが、少なくとも軍政側は要塞司令部に若干名の臨時増員を認めている。これは動員準備を進めていると解釈できんか。」

「それは、確かに。」

 

 そう、要塞司令官の権限で司令部要員の増員を認めている。だが、これは正規の予備費支出によるものではない。

 

「まあ、よい。このまま君には少し付き合ってもらうぞ。正規の動員指示があるまでは、わしの権限で増員が認められているのだ。監査が終われば、復員までは召集された軍人だ。別命がないのであれば、当該地域の上官に従ってもらう。」

 

 別命がない以上は当該地域の上官の指示に従うのは確かなことだ。それはよいと思っていたが、巻き込まれたという思いが強い。だが、事態は更に急転した。

 

 ―――――

大日本帝国陸軍対馬要塞司令官 陸軍少将 大森義忠

 

「横川君、これを見ろ。」

 

 俵星中隊長たちの状況を待っていたところ、兵部省から追加の電信が届いた。

 

『

時刻:2676年1月18日 午後3時21分

件名:要塞準戦備令発動の兵部省軍務局達

発信:兵部省軍務局動員課長

宛先:対馬要塞司令官

内容:

 要塞準戦備令発動については、既に陸軍次官がこれに署名し、兵部大臣の署名を待つ状況となっている。対馬要塞司令官においては、兼ねてより準備したる防衛計画に沿った動員計画ではなく、兵部省軍務局の作成しつつある警急戦備命令案に沿って臨時動員を進めるべく準備されたい。ただし、あくまでも準備段階であり、この件は軍機扱いとする。引き続き、要塞戦備令発動に向けて、更なる高度の柔軟性を維持しつつ、必要と判断される処置については臨機応変に対処されたい。臨時動員内容については追って指示する。

』

 

「これはまた、なんとも評価に困る内容で・・・」

 

 やはりこの若者にはこの状況の変化についてこれていないな。だが、陸軍中央の風向きが変わったことだけは確かだ。中央は何かを掴んだとみて間違いないだろう。わしがそういうと、横川もそのことを認めた。

 

「要塞準戦備令の発動は、戦時・変事を想定したればこそ発動されます。司令官の予想通り、軍を動かすだけの何かが起こったことは確かで、そして、この対馬要塞司令部に要塞戦備の命令が下るということは、認めたくはありませんが、俵星中隊長の勘が当たったというほかにありません。」

 

 その通りだ。何が起こったのかは分からんが、フェンでの異常現象が発生し、そしてこの要塞への戦備準備の達だ。軍を動かす何かが起こったのは間違いない。

 

「では、横川憲兵少佐。臨時動員が降るまでの間にできる事を進めたい。差し当たっては、俵星中隊長たちに連絡だ。司令部内に入り次の指示を待てとな。それから、細君たちを呼び出しておろうから、一応軍の輸送機を手配しよう。福岡空港から一番近い陸軍飛行場に連絡を取り、輸送機で対馬空港に来てもらおう。」

「了解しました。手すきの憲兵を指揮して事に当ります。」

 

 まずはこれでよかろう。さて、ここからどうなるのか。一体何が起きたのか分からんのが不安ではある。まずは、中央からの続報待ちだな。

 

 ―――――

大森義忠略歴

氏名 大森 義忠(おおもり よしただ)

身分変遷 戸主大森義貞三男(出生) → 戸主(分家)

族籍 石川縣平民 → 石川縣平民

本人続柄 氏名 当人続柄

父 義貞(よしさだ) 慶尚道平民大森義弘と佐和子の次男

母 小夜子(さよこ) 滋賀県平民江川博介と祥子の長女

妻 佳那子(かなこ) 和歌山県平民大河内大二郎と恵の三女

年齢 年月日 記事

0歳0ヶ月 昭和34年2月15日 石川縣鳳至郡輪島町において出生

6歳1ヶ月 昭和40年4月1日 輪島町立輪島小学校入学

12歳1ヶ月 昭和46年3月31日 輪島町立輪島小学校卒業

12歳1ヶ月 昭和46年4月1日 石川県立輪島中学校入学

13歳1ヶ月 昭和47年3月31日 石川県立輪島中学校第一学年修了

13歳1ヶ月 昭和47年4月1日 大阪陸軍幼年学校入学

16歳1ヶ月 昭和50年3月31日 大阪陸軍幼年学校卒業

16歳1ヶ月 昭和50年4月1日 陸軍予科士官学校入校

18歳1ヶ月 昭和52年3月31日 陸軍予科士官学校卒業

18歳1ヶ月 昭和52年3月31日 士官候補生・陸軍上等兵

18歳1ヶ月 昭和52年4月1日 金沢歩兵第七聯隊附

18歳4ヶ月 昭和52年7月1日 陸軍伍長任官(判任官四等相当)

18歳7ヶ月 昭和52年10月1日 陸軍軍曹進級(判任官三等相当)

18歳7ヶ月 昭和52年10月1日 陸軍士官学校入校(陸士91期)

20歳7ヶ月 昭和54年9月30日 陸軍士官学校卒業(38位/398人)

20歳7ヶ月 昭和54年9月30日 陸軍見習士官・陸軍曹長進級(判任官二等相当)

20歳7ヶ月 昭和54年10月1日 金沢歩兵第七聯隊附

21歳1ヶ月 昭和55年4月1日 任 陸軍少尉(高等官八等)

21歳1ヶ月 昭和55年4月1日 叙 正八位(法定叙位)

21歳1ヶ月 昭和55年4月1日 金沢歩兵第七聯隊第二大隊第三中隊附(初年兵教育掛)

22歳1ヶ月 昭和56年4月1日 金沢歩兵第七聯隊本部聯隊旗手

24歳1ヶ月 昭和58年4月1日 鯖江歩兵第三十六聯隊本部聯隊旗手

24歳1ヶ月 昭和58年4月1日 陸軍中尉進級(高等官七等)

24歳1ヶ月 昭和58年4月1日 叙 従七位(法定陞叙)

24歳7ヶ月 昭和58年10月1日 鯖江歩兵第三十六聯隊第三大隊第一中隊附(古参兵教育掛)

25歳9ヶ月 昭和59年12月1日 陸軍大学校入校(陸大99期)

28歳9ヶ月 昭和62年11月30日 陸軍大学校卒業(48位/64人)

28歳9ヶ月 昭和62年12月1日 金沢第九師団司令部参謀(作戦)

29歳3ヶ月 昭和63年6月1日 神戸歩兵第八十二聯隊第二大隊第三中隊長心得

29歳5ヶ月 昭和63年8月1日 神戸歩兵第八十二聯隊第二大隊第三中隊長

29歳2ヶ月 昭和63年5月1日 叙 正七位(法定陞叙)

29歳5ヶ月 昭和63年8月1日 陸軍大尉進級(高等官六等)

30歳11ヶ月 平成2年2月1日 参謀本部部員(総務部総務課員)

31歳8ヶ月 平成2年11月9日 陸軍現役軍人婚姻條例による結婚許可

31歳8ヶ月 平成2年11月10日 分家届提出(東京都麹町区役所・本籍同前)

32歳3ヶ月 平成3年6月1日 熊本歩兵第十三聯隊第一大隊第一中隊長

33歳6ヶ月 平成4年9月1日 水戸歩兵第二聯隊第二大隊副官

34歳4ヶ月 平成5年7月1日 叙 従六位(法定陞叙)

34歳9ヶ月 平成5年12月1日 兵部省軍務局兵務課員

35歳3ヶ月 平成6年6月1日 陸軍少佐進級(高等官五等)

35歳3ヶ月 平成6年6月1日 葛城宮仲仁親王元帥附副官(兼任) 

35歳4ヶ月 平成6年6月15日 叙 勲六等瑞宝章(定期叙勲)

35歳11ヶ月 平成7年2月1日 台中歩兵第七十聯隊附(動員掛首座)

36歳11ヶ月 平成8年2月1日 参謀本部部員(総務部人事課員)

37歳3ヶ月 平成8年6月1日 オーストリア=ハンガリー帝國大使館附武官

39歳3ヶ月 平成10年6月1日 福知山歩兵第二十聯隊第二大隊長

39歳5ヶ月 平成10年8月1日 叙 正六位(法定陞叙)

40歳8ヶ月 平成11年11月1日 教育総監部本部第一課課員

40歳8ヶ月 平成11年11月1日 陸軍中佐進級(高等官四等)

40歳8ヶ月 平成11年11月10日 叙 勲五等瑞宝章(定期叙勲)

42歳0ヶ月 平成13年3月1日 大本営第二部計画課長補佐

43歳3ヶ月 平成14年6月1日 釧路第二十二師團参謀(情報主任)

44歳5ヶ月 平成15年8月1日 台湾軍司令部副官

44歳7ヶ月 平成15年10月1日 叙 従五位(法定陞叙)

45歳7ヶ月 平成16年10月1日 兵部省軍務局兵務課員

46歳2ヶ月 平成17年5月1日 陸軍大佐進級(高等官三等)

46歳2ヶ月 平成17年5月1日 兵部省軍務局兵務課長

47歳6ヶ月 平成18年9月1日 金沢歩兵第七聯隊長

47歳8ヶ月 平成18年11月10日 叙 勲四等瑞宝章(定期叙勲)

49歳6ヶ月 平成20年9月1日 統合総軍訓練主任参謀

49歳11ヶ月 平成21年1月15日 叙 正五位(法定陞叙)

50歳7ヶ月 平成21年10月1日 愛媛第二十四師團参謀長

51歳11ヶ月 平成23年2月1日 教育総監部本部第一課長

53歳1ヶ月 平成24年4月1日 陸軍少将進級(高等官二等)

53歳1ヶ月 平成24年4月1日 台湾軍司令部高級副官

54歳11ヶ月 平成26年2月1日 対馬要塞司令官

55歳0ヶ月 平成26年3月10日 叙 勲三等瑞宝章(定期叙勲)

55歳3ヶ月 平成26年5月15日 叙 従四位(法定陞叙)

55歳11ヶ月 平成27年1月16日 転移災害

55歳11ヶ月 平成27年1月17日 要塞戦備令下達(対馬警備隊を編合)

55歳11ヶ月 平成27年2月6日 要塞戦備令解除

56歳9ヶ月 平成27年11月28日 平成27年度陸軍特別大演習

 

 

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