国務院、日本との対朗共同勧告に同意
ロデニウス大陸情勢愈々開戦間近か!?
国務院外交部は連日深夜まで続く会議を行い、ロデニウス大陸で蠢動を強めるロウリア王国に対する方針の策定に苦慮していた。3月17日に満日両帝国宰相が共同で発効した勧告に対するロウリア王国政府の返答は未だない。おそらくロウリア王国政府は我等の勧告を黙殺したものとみられており、我が国民のロウリアに対する感情は悪化の一途を辿っている。
勧告を無視したものと判断した国民の一部は、昨29日の日曜日に大同公園にてロウリア非難の国民大会を挙行した。大会主催には、与党協和会の支援組織と見受けられている「満洲政経会議」、野党自由党の同様の組織「満蒙の声」、満洲社会党の支援団体「労農団体連合会」などが名を連ね、大会参加者は大会実行委員会発表で7万人を記録し、「ロウリアは手を引け」「ロデニウスの平和を守れ」のシュプレヒコールを叫び、実行委員会幹部と抽選で選ばれた300人が国務院、外交部、軍政部の3か所に向けてデモ行進を挙行し、それぞれ「政府は毅然とした態度を取れ」、「外交部は舐められるな」、「国軍を速やかに派兵せよ」とのシュプレヒコールを唱和した。
一方で自由党と社会党の幹事長は連名で、政府は今現在も外交努力を放棄することなくロデニウス大陸の平和維持に向けて尽力しており、その努力を無にしてはならない。政府・外交部には最後の最後まで外交的解決を図られるよう野党も協力していきたいとのコメントを発し、現時点での外交的解決の放棄には反対の立場をとっている。
22日に東京で決定された、ロデニウス大陸の安定化に関する満日外交行動指針は、ロウリア政府に対してさらに強い態度での勧告を行うことを決定づけたが、国務院はこの程ロウリア政府に対して行う再度の勧告案を日本側との間で決定した。これによると、第一次勧告よりも強い表現でロウリア政府を非難し、開戦よって生じるロウリア将兵の悲惨なる最期を憂い、開戦に反対する意思を表現している。(勧告文書は3面に掲載)
一方で、満日2か国の勧告だけではなく、大東洋諸国の国々を巻き込んでのロウリア封じ込め政策も実現された。「ロデニウス大陸の平和維持に関して行う大東洋諸国の共同宣言」は、満日以外のクワ・トイネ公国、クイラ王国、アルタラス王国、アワン王国、シオス王国、トーパ王国、マオ王国の7か国を含む合計9か国の外相級閣僚が宣言に名を連ねており、ロウリア王国の開戦に懸念を表明するととれる内容を記載している。(宣言文書は3面に掲載。)
駐満クイラ公使のマヌカバール・ラーカーン・サウワース氏は「満日両国の非常に心強い、そして力強い対応だ。これまで大東洋諸国会議などでこのような戦争回避に向けた宣言などが採択された歴史はない。クイラ王国は満日両国の強力なリーダーシップに感謝したい。」と述べた。一方、駐満シオス公使のエミリオ・カラバジョ氏は、「本国からの連絡では、ロウリア国王の至高の権力を制限しないよう特に注意した内容となっており、ロデニウス大陸における動向に我が国が直接介入するような意思もなければ、その予定もない。空虚な、とまでは言わないが、取り立ててコメントすべき内容ではないと理解している。」と述べ、各国での宣言の取り扱いについては合意が取れていないことが明らかとなった。
満日両国の勧告と「ロデニウス平和共同宣言」は、本日シオス王国及びアルタラス王国に駐箚するロウリア王国の大使を通じてロウリア本国に魔信で知らせられることとなっている。
(朝刊紙3面)
「
大日本帝国及び満洲帝国両政府は共同して貴ロウリア王国政府に対して誠意を以て再度の勧告を為す。
貴国政府が我等の勧告を受領して以来、我等両政府は貴国の動静の注視を継続したり。しかしながら、貴国東部貴族領における兵隊の集合状況に変化は見られず、またジン・ハークを出発した貴国軍隊は行軍を停止せざりことを確認せり。斯くの如き状況を見るに、我等両政府の首脳は、貴政府が未だに現状を直視せず、将来に向ひて破滅の道程を歩みたるままにあることを特に憂ふ。
既に勧告せりしことなるも、クワ・トイネ公国及びクイラ王国は我等両国の友好国なれば、我等は友邦の危機を黙過することを恥辱と覚ゆる思考を有す。貴国政府の無文別な政策の結果は貴軍将兵の破滅を以て迎えられるのみなり。クワ・トイネ公国及びクイラ王国が貴軍将兵に破滅の途を歩ませる準備は着々と進行中なれば、貴国政府は無謀なる政策を直ちに改め、貴軍軍隊の行軍を停止せらるべく迅速な行動を開始されたし。
我等両政府は貴政府の賢明なる選択を心底より願はざるを得ず。我等の勧告を受容せられざる責任は貴政府にあり、事態の推移によりては貴政府の存廃をも考慮せらるることを我等は通牒す。
神武天皇即位紀元2675年即ち中央暦1639年3月31日
大日本帝国内閣総理大臣 山上 誠一
満洲帝国国務総理大臣 李 陽詢
」
「
ロデニウス大陸の平和維持に関して行う大東洋諸国の共同宣言
我等、大日本帝国、満洲帝国、クワ・トイネ公国、クイラ王国、アルタラス王国、アワン王国、シオス王国、トーパ王国、マオ王国の外交当局は、ロデニウス大陸における平和を維持し、安定した経済活動の実施のためには、平和的な状態の維持が望ましいことを確認した。我等は、いずれの国家も経済的利益の追求のためには紛争状態が発生することは望ましからざることを念頭に置き、平和的手段である外交当局による交渉を国家間の紛争状態を解決するための基礎として設定することに同意する。
我等は、ロデニウス大陸の不安定化は我等の国家においても経済的不都合を生じさせるものであって、決して好ましい事態ではないことは、この宣言に名前を連ねていない国家であっても同様の認識であることを信じる。
我等は、外交当局の責任に於て本宣言を為すものであって、国家を代表してこの宣言を発するものではないことを確認するが、この共同宣言はそれぞれの政府においても重要性を認識させるべく外交当局者の責任に於て政府に提言を行っていくことを約束する。我らは、この宣言に名前を連ねていない国家であっても、この宣言の精神に共感して行動されることを期待する。
中央歴1639年3月31日
大日本帝国外務大臣 侯爵 徳川 義輝
満洲帝国国務院外交部大臣 森山 直次
クワ・トイネ公国外務卿 ビーデン=リンスイ
クイラ王国外務卿 ハムダーン・フワイリド・アル=ハーンジー
アルタラス王国外務卿 シモン・ド・ユグモンテ
アワン王国外務卿 レオン・オルバネハ
シオス王国外務卿 アマドル・エスパルテロ
トーパ王国外務卿 トイミ・ノウシアイネン
マオ王国外務卿 マルク・コセンコ
」