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政府広報 号外 2675(興信27・2015)年4月12日(日曜日)
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詔 書
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天佑を保有し万世一系の帝祚を践める満洲帝國皇帝は昭に忠誠勇武なる汝有衆に示す。
朕茲にロウリア王国に対して戦を宣す。朕が陸海空将兵は全力を奮て交戦に従事し、朕が百僚有司は励精職務を奉行し、朕が衆庶は各々其の本分を尽し、凡そ國際条規の範囲に於て一切の手段を尽し、必す遺算なからむことを期せよ。
曩に大東洋の地域に帝國が転移したる日より朕は朕の政府に命じて此の地域の各国に友好の使者を送らしめ、大東洋の平和を侵さざることを念とせり。クワ・トイネ公国の政府及びクイラ国王陛下の政府は、帝国の平和的接触の求めに応じ、友好国として永久平和の礎となる条約を帝國政府と締結せり。先の二国を通じ、数多の友好国と平和的交際を開始せりしことは朕深く慶ぶところなり。此の時に方りロウリア国王王祖考以来のロデニウス大陸統一の野望を逞しうし遂にクワ・トイネ公国及びクイラ王国に対し釁端を開くに至れり。
朕は大東洋の平和を維持せむがため、朕の政府に命じてシオス王国及びアルタラス王国に駐箚せしめたる帝國特命全権公使を通じ、同国に駐箚せりしロウリア王国の大使に対して誠意を以てロウリア王国政府に勧告する所あらしめたり。然れとも朕の政府は終に其の応諾の回牒を得るに至らざるばかりか、ロウリア王国政府は朕の政府の勧告を黙殺し、クワ・トイネ公国及びクイラ王国の国境を侵犯せり。
今不幸にしてロウリア王国と釁端を開くに至る。豈朕か志ならむや。然れども朕はロウリア王国の侵攻を座視せむか友好国たるクワ・トイネ公国及びクイラ王国の二か国存立が正に危殆に瀕せらる事となりしを強く憂ふ。之朕が帝國政府に対して朕が陸海空の将兵の出師を命じたる所以なり。
朕は汝有衆の忠実勇武に倚頼し速に平和を克復し以て帝国の光栄を宣揚せむことを期す。
御 名 御 璽
興信二十七年四月十二日
執政兼参議府議長 張 彗雲
国務総理大臣 李 陽詢
国務院官房長官 テレンス・ストーニー
民政部大臣 遠山 重治
外交部大臣 森山 直次
財政部大臣 劉 浩仙
軍政部大臣 ローベルト・コチェルキン
文教部大臣 山本 猛
司法部大臣 古田 正武
実業部大臣 高橋 康順
交通部大臣 平井出貞三
厚生部大臣 エドガー・トールマン
農務部大臣 王 康望
建設部大臣 楊 文玄
労働部大臣 唐 白央
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執 政 布 告
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満洲帝國執政は、満洲帝國憲法の手続に依り参議府の諮詢を経て以下の事項を満洲帝國臣民に布告す。
一 執政は、満洲帝國政府が本十二日正午を以てロウリア王国政府との間に戦争状態が生じたことの宣言を行ふ。
二 執政は、本布告に規定する開戦宣言の発効時刻以降は満洲帝國陸海空軍が国際法規に反せざる限りに於て自由行動を行ふ権限を容認す。
三 臣民一同は 聖旨を奉戴し、一致協力して軍国の急務に対処するよう切に願ふ。
満洲帝國執政 張 彗雲
興信二十七年四月十二日
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告 示
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◎国務院告示第三十四号
帝國は本十二日ロウリア王国と交戦状態に入れり。
興信二十七年四月十二日
国務総理大臣 李 陽詢
◎宮内府告示第九号
宣戦に付建国神廟に奉告の期日左の通定めらる
四月十三日
興信二十七年四月十二日
宮内府大臣兼参議府副議長 シプリアン・マントノン
◎幕僚総監部発表第一号
帝國陸軍は本十二日早朝クワ・トイネ公国西方に於てロウリア軍と戦闘状態に入れり。
興信二十七年四月十二日
幕僚総監 元帥陸軍上将 陳 平原
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宮 廷 録 事
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◎建国神廟に奉告の儀 明十三日宣戦に付建国神廟に奉告の儀を行はせらる。
一、執政、参議府副議長、愛新覚羅家総代一人
右午前九時五十分建国神廟参集所に参集
二、大勲位親任官国務院閣僚の礼遇を受くる者前官礼遇参議府議員の内一人、元老院議長元老院副議長の内一人、衆議院議長衆議院副議長の内一人、陸軍上将総代一人、海軍上将総代一人、空軍上将総代一人、勅任官同待遇総代一人、勲一等総代一人、各庁高等官同待遇総代各一人
右午前九時五十分建国神廟参集所に参集
服装通常服軍装服制ある者は之に相当する服。
◎帝陵に奉告の儀 宣戦に付康徳皇帝陵昭徳皇帝陵並に建国忠霊廟に奉告の期日左の通仰出さる。
四月十四日
康徳皇帝陵に奉告の儀
四月十五日
昭徳皇帝陵に奉告の儀
四月十六日
建国忠霊廟に奉告の儀
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満洲各紙号外
〇新京日報号外
宣戦の大詔渙発さる
帝国陸海空軍の指揮天を衝く ― ロウリア撃滅の炎は燃え盛る
〇満洲日日新聞号外
帝国、ロウリアに宣戦を布告す!
畏し大詔渙発
〇奉天新聞号外
暴戻ロウリアの横暴を正す 帝国遂に宣戦を布告
畏くも聖戦の大詔を渙発さる
〇哈爾賓新報
帝国陸軍、ロウリア軍と戦闘状態
クワ・トイネ西方にて今未明より入る
〇旅順日報
勇進、帝國海軍部隊母港を出航す
ロウリア懲罰の聖戦・大詔正午に渙発
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李陽詢国務総理大臣談話「大詔を拝し奉りて」
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帝國政府は実に三度に渡り、大日本帝國政府とともに共同して、ロウリア政府に対して和平実現のための勧告を為したのであります。この意図するところは、明白なのであります。畏き詔書にも述べられておりますように、ひとえに平和を保持し、大東洋諸国と帝國は共存共栄の途を遂げ、我らの子孫が末代までの繫栄を保持するがためにロウリア政府に対して自重を求めた。ただそれだけなのであります。
皇帝陛下の皇恩は山よりも高く、海よりも深く、ただただ我等満洲国人民2億の民だけではなく、また隣国同盟国大日本帝国人民3億の命だけでもなく、大東洋各国の人民全ての生命の保全とその子孫の繁栄を願い、我等臣僚に対して、最後の最後まで和平の途を探るようにと下命あらせられたのであります。しかれども、我等は陛下の命を達することができず、こうして対ロウリア開戦の日を迎えたことは、誠に慙愧に堪えないのであります。
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我々国務院を始めとした政府統帥部一同は、聖旨を奉戴し、速やかに敵の意図を挫き、以てロウリア政府の反省を促し、平和回復へ向けて邁進する決意であります。国民一同には今後動員令を発するなどして、不自由な生活を送らせてしまうことになりましたことは、私にとっても誠に遺憾に思うのであります。しかしながら、友邦大日本帝國とともに、この世界で初めてできた友人を助けるため、国民皆さんの力を貸していただきたいのであります。
我等の国是は「五族協和」。五族には、クワ・トイネやクイラの民族も含むのであります。そういう精神こそが我等国民の宝なのだと思うのであります。
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ロウリア政府に対する断固たる懲罰の一撃は既に加えられたのであります。この上は、ロウリア政府の反省を示すためにも敵軍に対する強力なる衝撃が必要なのであります。この準備はすでに統帥部が進めており、ロデニウス大陸には大規模な部隊を派遣しつつあります。空でも陸でも海でも皇帝陛下の軍隊が敵を威圧し、戦意を減退させ、降伏に至らしむる算段は整いつつあります。国民一同にはしばしの辛抱をお願いし、私の談話の結語とさせてください。
・・・4月12日午後0時10分、宣戦詔書の発表後に行われた国務総理大臣談話より