大日本帝國召喚   作:もなもろ

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満洲帝國陸軍黒竜江軍第九師団歩兵第三十二連隊第二大隊当直日誌

1月15日

 当直将校 第二大隊第三中隊長 陸軍上尉 細井保道

 副直将校 第二大隊第三中隊本部 陸軍准尉 王精栄

 当直下士官 第二大隊第三中隊第二小隊 陸軍中士 河野忠行

 

15日

午後11時

報告者  当直将校(当直下士官にて打電代行)

報告形態 定例報告

報告宛先 連隊司令部

報告手段 電信

報告内容 異常なし

 

16日

午前0時7分

報告者  当直将校本人

報告形態 緊急報告

報告宛先 連隊司令部当直将校

報告手段 無線

報告内容

 午前0時を超過して間もなく、暗夜にも関わらず、一瞬昼間と間違うばかりの明るさが出現。当直兵・事態を把握せりし隷下中隊長より一斉に報告。連隊司令部の指示を請う。

連隊命令

 連隊司令部当直将校より第二大隊当直将校へ命令。現在、詳細不明なれども、各大隊当直より同様の通信之有り。本件師団司令部に上申中なれば、第二大隊当直部隊は、上級司令部からの下命を待つべし。続けて連隊当直将校より大隊当直将校へ、大隊長に待機指示を発する旨、通知せられたし。なお、連隊当直将校より大隊当直将校へ、大隊武器庫開錠の許可を与えるが、武器出庫については、大隊長の命を待つべし。

 

午前0時15分

 週休の第一中隊長より質疑具申。休暇取消の上、中隊各員の即応待機の必要ありや。当直より、第一中隊長へ。未だ即応待機指示の上級命令なし。現状維持を要請。ただし、即応待機の命令発行の可能性はなきものとはいえず、第一中隊長は隷下部隊の状況を確認されたく希う。

 

午前0時17分

連隊司令部より通信命令

 連隊司令部当直将校は、陸軍部隊当直勤務令の規定に基づき、連隊当直将校命令を現刻を以て発令する。事前に指名せる当直待機者をして、当直応援勤務を命じ、大隊当直室へ出頭せよ。応援勤務を命ぜられた者は、同じく応援勤務下士官兵とともに、本日の当直将校の指揮下に入り、連隊司令部の命令を待つべし。なお、現時点においては、当直勤務の範囲内として適宜処理すべし。

 

午前0時19分

 連隊司令部の命令を応援予定の第四中隊長以下に通知。大隊敷地営門より進藤大隊長到着との報告あり。現状報告のため、大隊当直室へ案内されたしと営門下士官へ通達。

 

午前0時21分

 大隊長到着。現状を報告し、小隊編成の必要性につき確認。小隊編成につき「準備」の必要ありと認め、大隊長にて事前作成の名簿の発令につき対応されるとのこと。このため、当直下士官一名当直勤務より除外す。当直下士官1名をして、これまでの経過につき大隊隷下の各中隊への連絡を命ず。

 

午前0時27分

連隊司令部より通信

 連隊司令部当直将校は、現刻を以て当直任務を中止し、連隊隷下部隊への指揮命令権限を連隊長に返還する。

連隊司令部より通信命令

 歩兵第32連隊長は、隷下各大隊当直将校に対し、現刻を以て当直任務を中止し、大隊長への大隊指揮命令権限の返還を命令する。大隊当直将校は、速やかに大隊長に連絡し、到着までの間大隊指揮権を代行すべし。

一、大隊武器庫の開錠を命じ、大隊司令部は武器庫に警備兵を複数名配置すべし。

二、各中隊の小隊編成について準備すべし。なお、小隊編成下命は別に連隊長命令を以て発するまでは留保する。

三、各中隊の小隊編成については、陸軍編成令に準じて、小隊長中小尉一名、小隊附准尉一名乃至二名、下士官五名乃至八名、兵二十五名乃至三十名を以て一小隊と為し、各小隊につき、大隊駐屯地周辺の捜索警備行動を実施するため、捜索分隊を編成すべし。

四 武器使用については、陸軍戦闘規範・警備出動の項目を根拠とし、拳銃・小銃の使用につき小隊長は、規範内の使用に留めるよう留意すべし。小銃を超える口径の武器使用については、之を連隊長が留保する。

五 本件小隊編成準備を午前1時までに完了し、各大隊長は完了の報告を連隊司令部に為すべし。

六 陣中日誌の作成については、連隊長別命があるまでは、当直将校に責任の下、当直日誌記載にて対応すべし。

 

午前0時28分

 連隊長命令により、大隊長へ大隊指揮権を移譲する。以下、当直日誌は、当大隊における陣中日誌として記載するものとする。

 

午前0時30分

大隊長命令

陸軍准尉 王精栄に命令

 大隊武器庫開錠に際して、下士官1名警備兵4名を監督し、これの警備にあたれ。下士官兵の選抜は、監督者において行い、警備開始とともに大隊副官に報告すべし。

大隊隷下各中隊長に命令

 中隊長に応急招集命令を発する。中隊副官を伴い、速やかに大隊本部に出頭せよ。

大隊営門不寝番当直隊責任者 陸軍中士 矢野正明に命令

一、応急招集を発したため、人員を総動員し、営門警備強化を実施せよ。

二、時間外入門に際しての軍隊手帳確認を目視手続に変更すべし。

三、時間外入門許可については、地方自治体関係者・警察関係者に限定し、細井中隊長より口頭許可を発する。但し、許可証不携帯の民間人、就中マスコミ関係者の入門は固く禁ず。

第三中隊長 陸軍上尉 細井保道に命令

一、大隊日誌の記録にあたる大隊本部附主計係の到着まで、当直日誌の記録継続を命ずる。動員令下令前につき、陣中日誌の記録用紙の使用ではなく、大隊報告として別に処理すべし。

二、営門守衛からの報告に対しての入門許可の発行を命ずる。応急対応につき、許可は口頭許可として、大隊日誌に許可発行者の氏名、連絡先を記載すべし。

 

午前0時35分

営外外出中の第二中隊第六内務班長 陸軍中士 李昭礼より入電

陸軍歩兵一等兵 孫文修が応対

国境付近の実家帰省中、自宅付近にて騎馬する西洋式鎧を具備したる人物7名からなる集団を発見。国境外から国境内に侵入したる模様。当人は家屋内より隠れてこの集団を視認。全員が槍状の武器を携帯している模様。当初周囲を警戒していたが、畑付近に駐車していた乗用車の窓ガラスを壊して、内部を物色。2,3分ののちにこれに放火し、現地を逃走し、国境外の方向へ騎乗のまま去っていった。派出所に連絡するとともに、大隊本部にも報告したとのこと。

本件直ちに、大隊長へ報告。

 

午前0時38分

大隊長命令

大隊長より李中士に命令。現地に残留し周辺地域の偵察任務を命ずる。ただし、大隊より応援要員を派遣するため、それまでは、自身の安全を保持すべく警戒行動のみを行うべし。

大隊長より第二中隊長に命令。

一、第六内務班員を応急呼集し、偵察任務実施地へ派遣せよ。この際、大隊本部との連絡のため、中隊より准士官一名を偵察隊長として派遣せよ。

二、武装については、拳銃・小銃の携帯を命ずる。武器使用については、陸軍戦闘規範・警備出動の項に基づくこと。戦闘行動については、武装勢力の駆逐を第一義とし、捕縛は現地警察官の応援を得られる限りにおいて許可する。現地隊長の判断において、武装勢力の駆逐が困難と判断される場合は、無力化を実施せよ。

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