大日本帝國召喚   作:もなもろ

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ある程度戦闘経過が進んでからじゃないとアンケート取れなかったとはいえ、アンケート取るのが遅かったです。
 少し視点を変えて、グレイブゲルト子爵領ヘンゲン村出身の兵士ガルーデ君の動きを記述していきたいと思います。勿論拙作は素直に書いてはいきません。

なお、アンケート結果は以下のようになりました。

暴風に吹き飛ばされたガルーデの運命や如何に?
戦死 8 / 22%
負傷の為後送 4 / 11%
気絶後原隊復帰 1 / 3%
気絶後捕虜 22 / 59%
その他 2 / 5%

投票総数37人と多数の方にアンケートへの参加を頂きました。投票誠にありがとうございました。



四箇国聯合軍総司令部について / 三宅幸之『日朗戦争』(石浪新書、平成2x年)より

 クワ・トイネ公国西方に位置する国境の街ギム。この街のさらに西にはギムを守るために築かれた防衛陣地がある。

 現在ギムの街には避難命令が発せられており、自力で動けるものは東にあるエジェイを目指して避難している。家財道具などを馬車に積み、徒歩で移動する者が多い。人が乗る馬車を用意することはできなかった。人が乗るくらいならば、当面の食料、衣類や商売道具など避難先でも生計を維持できるようある程度の物資を運ぶ必要がある。

 自力で移動できないものはやむを得ず、日満軍の輸送ヘリを使う。もちろん、避難のためだけには派遣したりはしていない。ギム西方防衛陣地は急速な補給を必要としている。このために、まだ悪路が多く、自動車の輸送が難しい陸路よりも、航空機によるピストン輸送を必要としていた。往路に物資を運び、復路にエジェイを経由して人を運ぶ。

 このように空き家が増えつつあるギムには、四箇国聯合軍総司令部の後方部隊が設置されている。後方部隊は文字通り戦場の後方にあり、兵站を担う。便宜的に、陸軍兵科より輜重科出身の少将が後方司令となり、各部将校すなわち、技術部、経理部、衛生部、法務部の陸軍各部の後方支援任務を行う部隊が集う。

 

 

 ――――――

三宅幸之『日朗戦争』(石浪新書、平成2x年)より

著者紹介

 みやけゆきひさ。昭和32年7月、台中県に生まれる。台中県立中央中学、台北高等学校を経て、東京帝國大学法学部に入学する。卒業後は、大蔵省に入省するが、わずか5年で退官。東西新聞政治部に中途入社し、往時政界に於て絶大な権力を誇った立憲政友会顧問、木曜俱楽部(田中派)最高顧問の田中角栄氏の知己を得る。田中氏の縁で、立憲政友会のみならず立憲民政党や日本社会党、日本民社党、立憲帝政党の政界の重鎮と関わり合いをもつ。田中氏と後の内閣総理大臣となる竹下登氏の権力闘争を扱った『角竹戦争』が高い評価を得て、中央大学法学部政治学科の客員教授に招聘される。田中氏の枢密院議長就任後は、政界との縁が薄くなったと言われているが、現在も政民両党の派閥の会合などには参加している。

 

 

・・・3月22日に開催された日満2+2にて採択された日満外交指針では、日満鍬杭の四箇国からなる合同司令部を設置することが定められた。この指針を受けて、日満両国はまず各々派遣軍の軍制を定めた。

 日本側の動きとしては、帝國陸海軍の派遣について帝國議会が積極的に認めたことを示す、「平成二十七年臨時軍事費特別会計法」が平成二十七年四月二日法律第二十三号として公布され、即日施行された。

 一般会計からの支出ではなく、特別会計を設立したというのが評価のポイントである。一般会計は毎年度帝國議会の予算審議を経て成立する。すなわち、事前に各省庁から出された概算要求を大蔵省主計官が査定したうえで作成する大蔵原案と帝國政府と帝國議会によるチェックを必要とし、チェックを通過するためには勘定する費目についての必要性の詳細な記述が必要となる。速やかにそして秘匿すべきことの多い軍事行動を行うには不都合な点が多々ある。これに対して特別会計は、一般会計のような事前のチェックも詳細な説明も必要としない。事業や事件の初めから終わりまでを一会計年度として処理し、終局後に決算清算が行われる。事件の終局後には迅速性も秘匿性も集結していることが多いため、軍機に属する事項以外は開示される。

 この特別会計法を皮切りに、数々の法令が発行された。

 

法律

◎平成二十七年臨時事件ニ関スル臨時軍事費特別会計法(平成二十七年四月二日法律第二十三号)

 帝國陸海軍の派遣についての費用は、特別会計を以て計上されることが規定される。この時点では、戦争となることは決定事項ではないが、内閣はその事態を想起していた。それが平成二十七年臨時事件という表現に現れている。

 この法律は、3月22日の日満外交指針を受けて大蔵兵部の両省で検討を開始され、3月25日の午後に急遽閣議決定され、衆議院に送付された。翌26日の午前中に大蔵委員会に回され、当日中に委員会採決され、27日の午後には衆議院の本会議を通過した。週明けの30日の朝に貴族院に回付され、同様の手続きが取られて、31日の午後に本会議で可決された。4月1日に裁可され、翌日の官報にて公布され、即日施行された。

 この3月25日の午後の性急な動きが、帝國政府がロウリア王国の開戦意思を掴んだ証拠と言われている。

 また、一般予算で組まれていた、内閣総理大臣所管費目「ロデニウス大陸調査費」、大蔵省所管費目「ロデニウス大陸調査予備金」、「クワ・トイネ公国及クイラ王国陸海軍調査予備金」、兵部省所管費目「クワ・トイネ公国及クイラ王国陸海軍調査費」、大本営所管費目「クワ・トイネ公国及クイラ王国陸軍兵力調査費」、「クワ・トイネ公国及クイラ王国海軍兵力調査費」、「クワ・トイネ公国及クイラ王国航空戦力兵力調査費」を特別会計に移譲した。この予算はだいたい1,000,000円に相当する。加えて、これらに相当していた財源として、所得税の一部が割り当てられた。

 移譲した予算額の比率は、内閣所管費目:大蔵省所管費目:兵部省所管費目:大本営所管費目でおおよそ0.5:1.5:1:2に相当する。

 

◎平成二十七年臨時事件ニ関スル臨時軍事費支弁ノ為公債発行ニ関スル法律(平成二十七年四月二日法律第二十四号)

 戦費は100万円では足りないと考えていた帝國政府は国債の発行を検討し、そのための特別法律を準備した。但し、この時点では当然に戦争はおこっていないので、控えめに500万円を上限とした。

 大蔵省は、所得税の税率を半年間のみ1分(1%)引き上げ、それを財源とする「所得税法ノ課税税率ノ特例ニ関スル法律案」を準備していたが、閣議で反対が相次ぎ、議会提出は先送りとなる。

 

◎平成二十七年臨時事件ニ限局スル兵役法中ノ特例ニ関スル法律(平成二十七年四月二日法律第二十五号)

 帝國陸海軍の「兵」は、期間雇用のいわゆる契約社員的な位置づけである。3月20日から4月2日までの期間に契約期間を終了した兵について勅令省令の定むるところにより、継続雇用を遡って可とする内容である。

 また4月3日以降を兵役の雇用契約の満了日としている場合は、事件の終局迄雇用契約を延長できるとした。

 

 

勅令

◎平成二十七年法律第二十五号施行令(平成二十七年四月二日勅令第六十九号)

 4月1日以降4月10日までの間に退役した兵と雇用契約を新たに締結した企業については、臨時軍事費特別会計より雇用調整助成金を支出することにより対処することができるとした。3月31日の時点で既に就労中の者については、企業に対して雇用調整助成金の割増措置を可能とした。4月11日以降を雇用契約の開始日とした場合は無条件に兵役の契約期間を事件終局迄延期できるとした。

 

◎平成二十七年法律第二十四号施行令(平成二十七年四月十日勅令第七十四号)

 国債の発行について後日詳細を公布した法律施行令。年利2厘(0.2%)の国債200万円を起債した。購入は郵便局及び都市銀行、地方銀行窓口にて行われ、即日完売した。

 

 

省令

◎平成二十七年法律第二十五号施行規則(平成二十七年四月二日兵部省令第二十一号)

 兵役期間延長の対象となる兵を以下の区分に従い策定。

  陸軍兵科より歩兵、工兵並びに輜重兵の3つの兵種

  海軍兵科

  陸軍航空兵科

  陸海軍各部より技術部、経理部、衛生部衛生科、法務部法事務科

 陸軍工兵・輜重兵、技術部、衛生科については甲種延長対象、それ以外を乙種延長対象とした。甲種は一月分の雇用調整助成金を150円、乙種は100円とした。割増措置は、甲種が50円、乙種が30円を加算。

 

 

軍令

◎平成二十七年臨時事件ニ関スル陸軍部隊編成ニ関スル件(平成二十七年四月二日軍令陸第十三号)

 クワ・トイネ駐箚各部隊の編成及び留守部隊の編制について

 近衛師団とは明記せずに、師団司令部、歩兵三個連隊、砲兵連隊一個中隊、飛行連隊一個中隊、輜重兵連隊、衛生隊を編組することを規定。(近衛工兵連隊は2個中隊が既にクワ・トイネに派遣済み。)

 クワ・トイネ公国との間に軍の駐屯に関する協定がほぼ発行される見込みとなったことから発せられたものである。ポイントは衛生隊が編組されたことである。この時点で、陸軍は明確に戦闘を意識していた。

 

◎平成二十七年臨時事件ニ関スル海軍派遣艦隊ノ臨時編成ニ関スル件(平成二十七年四月十二日軍令海第二十六号)

 陸軍とは違って、海軍の派遣艦隊は、宣戦布告が行われてから、正式に出師命令が発せられた。勿論、この時点では戦闘序列は既に決定されている。ただ、4月12日の時点では戦闘序列は当然に軍機であり、本令は各艦隊から戦隊などが抽出されて、臨時の艦隊が編成されることが規定されているに過ぎない。

 本令は、これに続く大本営海軍部の命令(大海令:発行の時点では非公示)を行うための根拠づけである。

 

◎平成二十七年臨時事件ニ関スル陸軍航空隊ノ移動ニ関スル件(平成二十七年四月二日軍令空第九号)

 本令は、大日本帝國軍における実質的な空軍部隊である陸軍航空隊の移動について規定したものである。陸軍航空隊の任務は陣地防衛と地上攻撃である。しかし、空軍機の派遣には滑走路の整備が欠かせない。そこで、本令は、航空隊の作戦機の内、大型輸送ヘリコプターをクワ・トイネ公国とクイラ王国に派遣する準備を行うことを空軍の参謀部である作戦本部に対して許可を与えている。

 

 

(参考)

 ――――――

朕帝國議会ノ協賛ヲ経タル平成二十七年臨時事件ニ関スル臨時軍事費特別会計法ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム

 

 御 名 御 璽

 

   平成二十七年四月一日  

 

       内閣総理大臣 山上  誠一

       大蔵  大臣 李  俊太郎

       兵部  大臣 大田原 信頼

 

法律第二十三號

 平成二十七年臨時事件ニ関スル臨時軍事費特別会計法

第一條 平成二十七年臨時事件ニ関スル臨時軍事費ノ会計ハ一般ノ歳入歳出ト区分シ事件ノ終局迄ヲ一会計年度トシテ特別ニ之ヲ整理ス

第二條 一般会計ニ属スル内閣総理大臣所管ノ「ロデニウス」大陸調査費、兵部省所管ノ「クワ・トイネ」公国及「クイラ」王国陸海軍調査費、大本営所管費目「クワ・トイネ」公国及「クイラ」王国陸軍兵力調査費、「クワ・トイネ」公国及「クイラ」王国海軍兵力調査費並ニ「クワ・トイネ」公国及「クイラ」王国航空戦力兵力調査費並ニ大蔵省所管ノ「ロデニウス」大陸調査予備金、「クワ・トイネ」公国及「クイラ」王国陸海軍調査予備金及其ノ財源ニ充ツベキ歳入ハ之ヲ本会計ニ移シ整理ス

  附 則

本法ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス

 

 ――――――

朕帝國議会ノ協賛ヲ経タル平成二十七年臨時事件ニ関スル臨時軍事費支弁ノ為公債発行ニ関スル法律ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム

 

 御 名 御 璽

 

   平成二十七年四月一日  

 

       内閣総理大臣 山上  誠一

       大蔵  大臣 李  俊太郎

 

法律第二十四號

平成二十七年臨時事件ニ関スル臨時軍事費支弁ノ為政府ハ五百万円ヲ限リ公債ヲ発行シ又ハ借入金ヲ為スコトヲ得

前項ノ規定ニ依ル公債ノ発行価格差減額ヲ補填スル為必要アル場合ニ於テハ前項ノ制限以外ニ公債ヲ発行シ又ハ借入金ヲ為スコトヲ得

  附 則

本法ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス

 

 ――――――

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