大日本帝國召喚   作:もなもろ

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ここからはしばらく政治ターンです。


東西新聞朝刊 2675(平成27・2015)年4月27日(月)

大捷 マイハーク沖海戦

日満連合艦隊、ロウリア艦隊を鎧袖一触す

(写真:対空攻撃を実施する戦艦常陸)

 

 昨26日午後2時頃より、クワ・トイネ公国マイハーク西部沖に於て発生した海戦は、終始日満連合艦隊の一方的な攻撃により、ロウリア艦隊を圧倒し、我が方の被害なく、敵艦隊を再起不能と言わしめる一大戦果を達成した。

 大本営海軍部は、昨26日午後8時、戦闘の終結を宣言し、戦果の発表を行う臨時ニュースを発表した。午後2時に会敵した我が海軍部隊は、艦隊司令長官吉田文吾海軍大将閣下自ら敵の大艦隊に対して回頭勧告及びクワ・トイネ公国領海からの退出警告を発し、警告射撃を実施した。瞬く間に敵の20数隻を行動不能に陥れ、一時間の猶予を与えた。

 午後3時、敵艦隊の行動が回答を選択せず、マイハーク港に向けての進撃を計測中であると判断した艦隊司令部は、躊躇なく攻撃を開始した。一番槍は吉田長官座乗の戦艦常陸による超長距離からの主砲攻撃であった。戦艦主砲は、密集して海が見えなかった敵艦隊の一部に穴をあけ、その周囲の艦船にも火災、破損などの被害を与え、敵の艦隊行動を恐慌状態に陥らせた。姿も見えぬところからの攻撃である。それまでマイハークに向けて一直線に進んでいた艦船部隊の速度が落ちたり、それを避けるために転舵が繰り返されたりと狼狽している状況が散見された。

 紀伊級戦艦である戦艦常陸は3連装3基合計9門の主砲を持つ。それを各砲塔2発と1発の6発と3発づつの交互打方を行っていた。密集状態のロウリア艦隊に戦艦の主砲弾が爆発するたびに海域に無数の穴が出現していた。

 3時15分には、敵の航空部隊との交戦が行われた。敵ワイバーン隊、約250騎による航空攻撃である。航空攻撃を早期から警戒していた我が艦隊司令部は、彼らが王都周辺から長距離を飛行してきたことを既に察知していた。敵航空部隊がロウリア艦隊の上空に差し掛かろうとしていたその時を狙って、戦艦常陸の3連装主砲3基合計9門の一斉打方が行われた。主砲弾はロウリア艦隊の上空を通過し、敵ワイバーン隊の眼前で大爆発を起こし、大火球を作成した。この主砲攻撃によって来襲するワイバーン隊の三分の一程度が撃墜された。続く重巡部隊の攻撃は、戦艦の主砲と比較して小口径の主砲弾であったため、一射撃あたりの撃墜数は減ったものの速射性能が優れていたためにワイバーンを数騎ずつ撃墜していた。流石にワイバーン隊も散開を始めたため、続く戦艦主砲の一斉射では、その撃墜数も押さえられる形となったが、艦隊上空を警戒していた、満洲国海軍空母戦闘攻撃機部隊と回転翼機部隊の投入により、次々に撃墜され、ロウリア艦隊の上空を通過するころにはワイバーン部隊は文字通り全滅した。

 ワイバーン部隊の消滅は、戦場に変化をもたらした。尚も戦闘に向け、自身の兵器の射程圏内に迫ろうと我が艦隊へ全力で航行を継続する艦船、速力を落としつつも航行する艦船、左右に舵を切り、我が攻撃を避けようと試みる艦船、帆を降ろし、降伏の白旗を掲げようとしている艦船、そして回頭し戦場を離脱しようとする艦船などが入り混じり始めた。艦隊正面には、軽巡と駆逐艦からなる水雷戦隊が速射砲を以て射程圏外から一方的な攻撃に終始し、敵を近づけさせない。水雷戦隊の後方にいた重巡部隊は前方に移動し、20mm機関砲を使用して敵艦への攻撃を行っていた。満洲海軍空母艦載機部隊も、機関砲を使用して攻撃を行った。ロウリア艦隊が密集態勢を解いたために、砲撃による効果が薄いと判断した戦艦常陸もまた小火器による攻撃を実施しようと戦場海域に向かった。そして、その巨艦の姿をロウリア艦隊の残存部隊が視認するや、前進を続けていた各艦から降伏の白旗を掲げる艦船が見え始めた。吉田司令長官は、帆を降ろして停船させ、白旗を上げることを再度通告した。

 斯くして、午後2時頃を始めに行われた戦闘は、午後3時より本格化し、その戦闘は約一時間後の午後4時11分、吉田司令長官より発せられた戦闘終了宣言によって終了した。

 戦闘の様子は、各マスメディアを通じて配信されたが、戦闘により与えた損害の集計が終わり、それが発表されたのは、午後8時であった。前田俊彦海軍大佐(大本営海軍部報道課長)は、軍令部庁舎にて戦闘終了後の戦果発表を行い、敵艦船中25メートル級3本マスト帆船を323隻、10メートル級ガレー船を1896隻を撃沈したことを公表した。敵航空部隊、ワイバーン隊の総撃墜数は249騎であった。また、救助した溺者と降伏者を捕虜とし、合計で2704名の捕虜を獲得した。降伏した艦船の武装解除を行い、数隻の帆船に捕虜を収容して曳航するとともに、艦船長や艦隊司令及び溺者を直接に勾留して、マイハークに帰投中であることが併せて知らされた。

 海戦の結果発表後に行われた記者会見で、柳沢隆俊軍令部総長は、戦闘は一方的なものとなり、敵の侵攻意図を挫くことに成功し、吉田艦隊は、国民諸君の期待の声に応えられたと思うと述べ、海軍は更なる作戦実施を検討中であることを述べた。また、山上総理も記者との囲み会見において、陸海両方で勝ち戦となり、戦争が我々の主導で進んでいることは、講和交渉において我々に有利な展開に持ち込む材料となるだろうと述べた。

(政治欄に関連記事)

 

 

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東京帝國大学医学部に魔法医学講座開設へ

文部・厚生・兵部三省検討会最終報告を三大臣に上程

 

 昨26日に文部省庁舎内で行われた、文部厚生兵部三省合同の魔法問題検討会医学分科会(座長:安藤博康東京帝國大学医学部長)は、東京帝國大学医学部に魔法医学に関する講座を設置し、クワ・トイネ人の魔導師を教授として招聘する方向の報告書を採択し、伊田文相、飯島厚相、大田原兵相に報告書を上程した。

 新世界には、魔法と呼ばれる技術体系が存在しており、その技術を科学的手法を取り入れることで各分野の技術向上に資することができないかを検討する検討会が日満各界に存在している。今回魔法を使って医療技術を進歩させることができないのかを研究するための検討会分科会が報告書を出したのは、今月12日のスーシュウェイ会戦の結果を受けた兵部省が文部省・厚生省の両省に検討を依頼したことが契機である。分科会の議論を受けて、東京帝國大学官制・東京帝國大学講座令の二勅令の改正案も含めて文部省内では検討が開始されており、早ければ、大学の後期日程から魔法医学についての講義が開始される見込みとなっている。

 

 

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国債二次募集開始を今月29日に実施

公債発行特別法の改正も視野 近日中の閣議上程もありうるか?

 

 大蔵省は、本日発効の官報に於て国債の二次募集の日程を公表した。起債総額は、前回と同じ200万円であり、年利は1厘5毛(0.15%)と前回発行の国債の年利よりも0.05%下げた形での発行となった。公債発行年利を定めた平成二十七年勅令第七十四号は、本日発布即施行の同勅令九十八号によって早くも改正される結果となった。

 大蔵省サイドは安定財源に乏しい状況での公債発行について、懸念を示していた。去る4月20日の衆議院大蔵委員会における質疑に於て野党立憲民政党議員からの国債償還についての財源に対する質問に対して、宮本幸温大蔵省主計局長(政府委員)は、現時点においては、各種行財政整理によって財源を捻出すること、時限立法による一時的な税率変更、戦後の賠償金による返済など各種の方策を現在検討中と答弁し、安定財源に乏しい現状での起債については難色を示していた。

 22日の衆議院与野党国対委員長会談では、国債発行についての協議が行われ、野党側は国債発行のための時限立法新設に同意する旨の合議が行われた。大迫立憲民政党国対委員長は、党本部にて、時局不透明な時期であり、政府与党の意見には聞くべきところがあると記者団に話し、所得税法の改正ではなく、別途の時限立法による一時的な増税であれば、協調は可能だと述べた。

 大蔵省幹部筋の話によれば、元々所得税法法人税法改正法案と特別税法の2案を用意していたが、22日の国対委員長会談の結果を受けて、大蔵省は特別税法の法案を閣議提出するための最終調整に入ったと話した。併せて、安定財源を確保したことを受けて、公債発行枠を増額する公債特別法の閣議上程についても省議を再開したことを話し、潤沢な戦時予算確保に向けた取り組みは加速しつつある。

 

 

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『広告』

クワ・トイネ産小麦愈々日本市場へ上陸

 

 伊藤忠商事

 

 

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