超昂大戦 二次創作SS エスカ・チーム最強化計画、始動! 作:環 藍河
※pixiv様にも投稿します。
「ヤルトラマンに! 我はなる!」
さーあ、うららの底抜け脱線・勝手にエスカ・チーム最強化計画も、遂に第3弾。オープニングから早くも、湧き上がるドクロ雲の予感しかしませんよー。
3連ペダル装備の敗走用チャリンコ…あれ、令和のご時世なら買えるんですかねえ?
「ヤルトラマン…って、なれるの?」
「いぇす、うぃー、きゃーん!!」
(…We? そこは“I”でヨロシク〜…)
(アカリ、許せ。うららはお前ひとり巻き込めば十分満足するからな。)
エリーとヒビキは永世中立。
「前回の敗因は『法令遵守』だったのよ! 免許が要るだの、車体サイズが規格外だの、そんなモノは、神騎の力や接現力で補えば問題なし!」
…え〜、コンプライアンスは大事ですよ〜。
「というわけで、私は神騎の力で、わたしを身長20mにする! これであの口の悪いお地蔵さんやドラ猫軍団、ハニワも異次元ゴジ○もいっちょこーい、ジュワッチ!」
『ぴんぽーん、発明将軍さやかさんよりお知らせでーす。そうなるとD2エネルギーじゃ始末に負えないのでー、今回はさやかさん、一切関与しませーん。他所あたりやがれコノヤロー、でーす。以上!』
「おう上等だべらんめえ、今回はスペシャルゲストが他にいるのだよ!」
…
「それで我輩たちを頼みに来た、とな?」
「はいっ、是非とも!」
「ほうほう、なかなか興味深い話でんなー。超昂戦士のお二人はんに頼られちゃあ、無碍には断われまへんなぁ。よっしゃ、ウチもひと肌、ひとウロコ脱ぎまっせー!」
魔女にして錬金術師の師弟コンビ・ルカとプカルル。
数々の高度な発明と研究成果でNAUの金庫を潤す一方、実験室の爆発頻度もピカイチ。
エリーがこの場にいたら、
(もうダメな予感しかしないっ!)
と退却していたであろう、箱船メンバー誰もが一目置き、そして距離も置く凶科学者ペアである…。
(…う、うららちゃ〜ん、だ、大丈夫…だよね?)
「生身の人間を巨大化し、巨大な敵に対抗する試みか。人類の見果てぬ夢の一つだな。…問題は立方と平方の壁、これを如何に超えるか、だが…弟子よ、簡潔に戦士どのに説明したまえ」
「はいなー、お師匠様ー。」
「…りっぽー、へいほー?」
プカルルちゃんの、かがくきょーしつー。
「あのなー、ここに箒の柄があるやん。」
こくっ。こくこくっ。
「この棒、太さ2倍にするんと、長さだけ2倍にするんと、硬くなるんはどっち?」
…そりゃあ、太さの方ですね。
「人間やろうと合体ロボやろうと、身長10倍いうんは、同時に幅も奥行も10倍になるんよ。せやけどそのうち、骨の長さや背の高さだけは、硬さに関係あらへん。」
…つまり?
「もとの人間の10倍サイズでヤルトラマンを作ったら、重さは10倍の10倍のまた10倍で、結局もとの1000倍。せやけど、骨の強度は100倍にしかならへんのよ。」
…あっ。
要するに。
うららがヤルトラマンになるためには、体格10倍と同時に、鉄骨をカーボンファイバーに置き換えるように、骨を10倍強化する必要がある、ってこと。
「…き、鍛える! 今日から牛乳飲む!」
「うららちゃん…!」
成長期の小学生みたい。
「残り10倍を補う、骨強度10倍秘薬もあるでー。効果は3分」
「そ…それだあああああっ! ヤルトラマンそのもの、望むところよっ! ふ…ふふふ…待ってなさいNOOB!!」
「副作用でその後30分、骨密度が百分の一になるけどなー」
「…はい?」
「くしゃみ一発で複雑骨折の寝たきりコースやさかい、護衛をつけて車いすで絶対安静やでー」
骨粗鬆症のおばあちゃんみたい。
…
研究室を後にするうららとアカリ。
「ううう〜っ、でももう少し、もう少しでヤルトラマンが私のものに…! 他にないの、強度10倍の骨強化策!?」
「う〜ん…骨でできるかはわからないけど、あの子なら…?」
…
ぜはーっ、ぜはーっ、ぶはーっ。
全身全霊で箒の柄に闘気を注入。
「う…うららさん、これ、どうですか?」
協力者(本日のうらら巻き込まれ4号)、閃忍ライカこと、鈴森頼夏。物質を強化する特殊能力を持つのだが、未だ完成の域には至らず。
「フラックスプロージョン・ビートチェンジ」
うらら、トパーズに変身。
次の瞬間、両手で箒を振り上げ、
ばきっ。
突き上げた膝にひと下ろし。
「ぎ…ぎゃーーーーーーす!?」
渾身の一本を呆気なくへし折られ、心もへし折られた頼夏が発狂。
「何よー! ぜんっぜん頑丈になってないじゃないのよー!」
「超昂戦士のココナッツクラッシュに耐えられるわけがないでしょーがっ!!」
「わかった、龍輪功が足りないのよ、龍輪功が! あんた、今夜はこの10倍充填してきなさいっ! 先輩命令よっ!」
「は…はあー!? パイセン、チィースとか、アタシ、そーいうしきたり、いっちばん大キライなんスけどー!」
…
「う、うららちゃん、落ち着いて、いったん帰ってハムちゃんモフろっ…頼夏ちゃん、ゴメンね~」
ご立腹の頼夏とうららを引っぺがし、退場するアカリ。
「ぐぬぬぬぬぬ~! 強度10倍…10倍…!」
「あ、あのさ、うららちゃん? 発想の逆転はどう?」
…?
「骨の強度を10倍にするんじゃなくて、体重を10分の一にするんだよ。」
…!!!
「なっるほどねー、私も毎年、青森ねぶたと弘前ねぷたを手伝って、作ってるよー! 作り方? 教える教えるー!」
閃忍ツルコこと、春馬鶴子。春夏秋冬問わず法被にふんどしの『THE・お祭り娘』は、想破の任務で日本全国津々浦々を巡り、その先々で祭りを支援する。
中をがらんどうにしながら、ガワを広げ、骨組みの強度で支えながら軽量化と両立させる、青森が誇る山車、ねぶた。
台座と主要な骨組みを材木で作った後、太めの針金を材木に巻き付け(ドリルで穴を開け、針金を貫通させても良し)、折り曲げて立体的に外側の形を作っていく。ハムを縛るたこ糸のように、外の形ができたら、平行に並んだ針金と針金の間に、さらに垂直に針金を通し、上から貼る和紙の強度を保つように差し渡す。
和紙を上から貼っていき、乾いたら墨汁や絵の具でキャラを彩色し、完成。
「なんだか、学校祭みたいで楽しいね、うららちゃん」
「むふー、むふー、これで上手くいったら、遂にわたしがヤルトラマン・トパーズ…!」
うん、うららはぶれない。
だが、最後の強度テストが残っている。
「でも頼夏ちゃん、すっごく怒ってたね…もう協力してもらうのはムリじゃ…?」
「ふっふっふっ、願えば叶う。我に秘策あり!」
…
「ライカー、ライカー! わはーーーっ!」
ばっ! がしっ、ぐるっ、どがん!
「むぐっ! あっ、ぐふっ…!」
頼夏、撃沈。
「ライカに頼みがあるー」
「何かしてほしいなら、親愛ハグみたいなノリで、フライングヘッドシザースぶっ込むんじゃないわよーっ!」
閃忍、戦部イノリ(うらら巻き込まれ6号)と鈴森ライカ(同通算7号・本日2回目)のお約束ランデブーである。
「ライカの等身大ねぶた、作ったー。ダイビートまつりで使う」
「うげっ!? …コレ、私…?」
顔や髪はペイントだが、閃忍の衣装は縫製仕立て、サイズはもちろん1/1。いつの間に…?
「ライカの闘気で、ねぶたの表面、ありったけ強化してほしい。」
「あ…、ああ、いい…けど…」
闘気注入。みるみるうちに、和紙を骨組みの木材と針金に木工用ボンドで数枚引っ付けただけの表面が、カッチカチに固まっていく。ホームセンターにありそうな硬化スプレーよりは頑丈な、ライカねぶたが完成した。
「できたよー、うららー、お願い。」
「…うらら?」
「ヒーロー見参っ!」
そう言うなり、トパーズに変身したうらら突入。
ライカねぶたの強度を各箇所まんべんなく確かめるように。
頭突き『べきっ』
首刈りハイキック『ぽーんっ、ぐしゃっ』
ブライトネス・エスカレーション『べりべりべりびしゅびしゅびしゅばきばきばき』
「ぎゃーーーーーー?!ーー★◎▲□◆☆ーーーーーす!?」
さっきまでライカの等身大ねぶただった物体が。
そのカケラをひらひら空中に漂わせ、
首なし滅多斬り惨殺死体として、力なく大地に横たわる。
「なんだー、やっぱりハリボテじゃ戦えないのねー。実験失敗」
「うららー、約束のお菓子。」
「後ほど、松水のしるこスナックサンドに、丼村屋のあずきバーアイスをとらそう。」
「むふー、得した」
「あああああああ、あんたらーーーーーーー!!!!!!」
なお、後日。
鈴森頼夏は、うららをカンペキに敵認定。
うららは学校で、何故かボールペン・サインペン・フリクションのインクが全部固まってしまい、授業も小テストもメモ書きも終日苦労するハメになったり。
丼村屋のあずきバーアイスが激硬になり、噛んでも噛んでも全く砕けず、うららの歯にトラウマレベルのダメージを残したり。
ナイトヒーローショーに持っていったサイリウムが折れなくなり、会場の一体感に乗れなかったり。
…とまあ、ひたすら、地味で陰険な嫌がらせを受けたという。
なお、最後のサイリウムでは、慌ててトイレに駆け込み、トパーズに変身してサイリウムを折ろうと試みるも、硬すぎて魔力全開で力を入れ過ぎ、中の蛍光液が吹き出すレベルで粉砕してしまい、絶望。
そして。
「うららさん、正座! そんなことに神騎の力を使うんじゃありません!」
その後滅茶苦茶、エリス師匠に説教されたという。
さらに、騒動が大きくなり、サイリウムの残骸から閃忍の闘気が検出されたことで、頼夏の所業は想破の知るところとなる。
「そんなことに閃忍の力を使うんじゃない!」
「さ…先に使えと言ってきたのは、うららさんなのにーっ!! 納得、いかねえーっ!!」
滅茶苦茶、成敗された。
…
「ところで…うららちゃん? もともと、身長を10倍にするって、神騎の力でそんなのできるの?」
「う~ん…まず、魔女の接現力ならイケるっしょ。アレって要するに、日本で言うところの妖怪みたいに、いると信じることが存在のエネルギー源なんだから、できると信じることで、ヤルトラマン化も実現可能!」
(ヤ…ヤルトラマンは、妖怪じゃないよーーーっ!?)
「あとは、魔女の力で可能なら、神騎の魔力でもたぶん可能! 同じ『魔』つながりでイケるっ!」
軽自動車に軽油を入れてエンジンを壊す人の思考パターンである。
「あばよヤルトラマンっ、よろしく超昂合体ロボ!」
次回・延長戦!
(つ…続くのコレーーーーっ!?)
さしものアカリも冷や汗が止まらない。
こんばんは、環 藍河です。
うらら爆走ネタは演出がはかどる一方、僕のシナリオは「空想科学」スタイルなので、わかりづらさや解説のクドさをどこまでアク抜きすべきか、いつも迷いながら書いてます。
結果、合体ロボ編に入る前に、巨大化ヤルトラマンネタ部分で文章量が爆発。泣きのもう1話をやらせてくださいませ(懇願)。
あとは、特別ゲストで急遽登板の、第2部主役バディ・ライカとイノリ。間もなくあさってからシナリオが進みますが、トキサダ的に「ポイント高い」ライカが、イノリとどう心を交わし、ダイビートの閃忍になっていくのか、すっげぇ今からドキドキしてます。