超昂大戦 二次創作SS エスカ・チーム最強化計画、始動! 作:環 藍河
「夢はでっかくスパロボ参戦!
いつ叶える!? 今でしょ!」
「『《古っ!!!》』」
うららにはツッコんだら負け、なのだが、エリーもヒビキも、アカリさえもツッコんでしまった。2013年、半沢直樹やあまちゃんと並ぶ流行語である。
「諸君! ここまで我々エスカ・チームは、新兵器開発・愛されアニマル化・巨大化ヤルトラマンと、見果てぬ夢に挑んでは跳ね返され、苦難の日々に耐えてきた!」
(う〜ん、耐えたのは主にアカリかな?)
(エリー、私達も犠牲者だ、ゆめゆめ忘れるな)
(…アレはむしろ、忘れたいーっ!)
「しかーし! 失敗の全ては、今日の大成功のためにあったのだあ! 見よ!」
談話室のモニターに映し出される、イメージムービー。
「みんな! 行くわよっ!」
「『《おうっ!》』」
トパーズの檄に応え拳を突き出す、ルビー・サファイア・アメイズ。4人が揃って右の掌で天を衝く。
「〔『《超昂合体!》』〕」
成層圏に輝く4つの光に、四人が吸い込まれる。
ゴールドの煌めきに呼応し、右手のレッド、左手のバイオレット、両足のブルーが、一つになる。
「〔『《完成! 最強ロボ・エスカ=ジュエルV4!》』〕」
「か…カッコいいっ!! 凄いよ、うららちゃんっ!!」
(私は両足かっ…! しかし、誰が作ったんだ、このトレーラームービー…?)
(…いるじゃない、いつも捏造ギリギリの配信動画、作っちゃう子が…!)
「やだなー、あくまでイメージですよ、イメージ! …え? トパーズさん、本気だったんですか?」
【勝手に】ダイビート【公式チャンネル】・ナビゲーターこと、ビートファインダー・フェリニは、後にこう語ったという。【 】部の係り結びがおかしい点は、ツッコむとおねいさんスナイパーにヘッドショットされちゃうので、君と僕との秘密だぞ!
「リニアモーターカーの要領で常に機体を浮かせ、舗装や建築物への影響も軽微! 動力は全て、我らが原動力・D2エネルギー!」
(あ…長官くん、枯れちゃうかも…!)
スパロボ参戦が叶えばシリーズ初となる、えっちなエネルギーで戦う合体ロボ、ここに爆誕。
「さすがに燃費は悪いから、エスカ・チームは全員、☆5まで限界突破、仁王納豆全員装備!」
「『《そんな課金ムリーーー!!!》』」
限界突破、何が要るの?
絵馬でしょ。
『ぴんぽんぱん、ぽ〜ん! メカならおまかせ、さやかちゃんだぞいっ。』
「出たなっ、赤い夕陽のバラバラマンガール!」
『チョコレートの贈り物、欲しいなあ! …で、問題は駐機場所ー。ヤルトラマンなら普段はうららだから、置き場には困らないのよ。でもロボは物理的に縮小しないでしょ? もうダイビートの本部は、ジェットコースターや観覧車、通常の戦闘車輌用の駐車スペースで、敷地面積的にいっぱいいっぱいなんですけどー』
「が…合体ロボなんだから、合体前なら小さいでしょー! 置くわよ!」
『どこにー?』
「へ…部屋よ! 搭乗者の各部屋に別々に収納すんの!」
…?
……??
…ロボを? 部屋に?
「うらら…お前、机とかベッドとか、店頭で見たサイズ感で『置ける!』って買ったら、配達されてから狙ったスペースに収まらなくて苦労したこと、絶対あるだろ…?」
ヒビキ、そんな日常レベルの誤差じゃない。
「高さが人の10倍でしょ? お部屋4人分じゃ足りないよ?」
アカリも、ツッコむところは、そこじゃない。
「り…リビングに置くもん! 頭は本部のあたしの部屋、首と肩はあたしの家の部屋、胸から下は母さん説き伏せて、うちのリビングもロボ置き場にするもん!」
合体ロボ、どこに置くの?
居間でしょ。
『さあさあ、どこに停めるのー? 決まらないと、車庫証明が取れないから車検証も発行されませーん。つまりナンバープレート取得して公道走ることができないってワケー。』
合体ロボを一台一台、ぜんぶ陸運局に持ち込んでナンバー登録するつもりのさやかさんも、大概だなあ。
「ぐぬぬ…ひらめけ〜、ひらめけ〜!!」
突然、壁に向かい逆立ちを始めるうらら。
お前ら、本当の歳はいくつだ。
「ひらめいたあああああーーーーーっ!」
「ぎゃーーーっ!?」
うらら絶叫、飛び上がるアカリ。
「宇宙! 宇宙よっ! 待機は静止衛星の要領でダイビート本部の上空に、出動時はそのまま降下して着地! これならどうよ! 知恵と勇気とヒーロー愛の、しょーーーーーり!」
『はいダメーーー!』
「なんでじゃーーー!」
『撤収のたびに第一宇宙速度で静止衛星にするエネルギー…は、まあ長官さんが頑張るとして、』
ちなみに第一宇宙速度は時速28400km。単純に、新幹線の10000倍の運動エネルギーが必要。
…勃ち上がれ、トキサダ…!
『エスカ=ジュエルV4、だっけ? 宇宙船みたいに弾丸型や丸型じゃ、ないよね? そうなると大気の抵抗とかで、ぜんぜん真下になんか落ちない、落ちない。正直、軌道計算がおっそろしく複雑になるんで、狙った戦闘ポイントに着陸させる保証はできませーん』
「た…多少のズレなら、地表近くでポイントまで飛び直せばいいのよー!」
『その【多少】が、1万キロメートル単位でも?』
「…え? いち…まん?」
『静止衛星をそのまま真っすぐ降ろすには、軌道計算して推力を与えないと、ふつーに南半球くらい行っちゃうからねー。』
つまり、こんな感じ。
ブーッ、ブーッ、ブーッ。
「緊急警報、異空間からグナガンが出現中!」
「よっしゃー、エスカ=ジュエルV4、大気圏突入して、閂市に出動!」
…
……
「ダメです! エスカ=ジュエルV4、軌道を外れました! 偏西風とコリオリの力で、どんどん流されてます!」
「あ…あんですってええええ!?」
「計算、出ました! 予想着地点、南緯12度36分、西経77度12分!」
「な…なんい? せいけい?」
「南半球、日本から見てほぼ地球の真裏、具体的には南米、ペルーの首都です!」
合体ロボ、どこに落ちるの?
リマでしょ。
…
「ん、ん、んがーーーーーーーっ!!!
できない理由ばっかり並べてんじゃ、ないわよーーーっ、この現実主義勇者どもーーーーっ!!!」
『いや〜、理想と現実は、常にせめぎ合うものなのだよ。』
「あきらめないっ、現実なんかに、絶対、負けない! 現実の壁!? そこは、ガッツで!」
『アカリちゃんっぽく言ってみても、ダメなモンはダメー。』
「う…うららちゃ〜ん! 私のセリフで、雑にまとめるのやめてよ〜!!」
最後までアカリを巻き込み尽くし。
エスカ・チーム最強化計画は、恒久的凍結を余儀なくされた。
だが、人類がうららのヒーロー空想力を忘れたとき。
第五第六の最強化計画が、突如として我らの前に現れるかも、しれない。
《ククク…しょせん奴等は我等の中でも最弱の計画…!》
【未完】
ご機嫌いかがでしょうか。作者の環藍河です。
2~3日の間隔が空きましたが、連投ペースの疲労蓄積で、ちょっと文章に自信がなくなっていました。少しチャージできたので(原作が第2部ストーリー少し進んだのもGOOD)、また週末バリバリできればいいなぁ、なんて。
あ、こちらの「最強化計画」シリーズ、読者さまの反応が比較的良いので(ありがとうございます!)この方向性は何らかの継続をしたいですね。ただ、今回のギャグが大外しだったらどうしましょう…。
…え? 環はアラサーですよ。四捨五入で30ですよ…16進法で。
それでは第5作でお目にかかりますことを…!