SHs大戦   作:トリケラプラス

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5-7 四戦目

 青の少女と緑の少女はサボテンが植生する嵯峨の河原で向かい合っていた。彼女らは以前にもここで相まみえたことがある。その時はこうなった。

 

「自分が最初に敗れた場所を再戦に指定するとは。私に負けた記憶が余程忘れられないと見えますね」

 

「そりゃお前だろ。自分が胸揉まれた場所を再戦に指定するとかどんだけ気持ち良かったんだよ。またやってやろうか?」

 

 あまりにもぶしつけな言葉を返されたリクは頬を真っ赤に染め。殺意と共に睨みつけた。

 

「ぜんっぜん!気持ちよくなんてなかったですけど!あまりの下手さにショックを受けてしまわないように気を使ってあげただけですけど~!?」

 

「リクちゃん様、平静、平静でござるよ~」

 

「アークゥ頑張るのだ~」

 

 戦いを始める前からぎゃいぎゃいのと言い争う二人に外野から声が飛ぶ。観戦者たちは向き合う二人から少し離れた位置から安全に流れを見守っていた。

 そんな彼女たちを横目に債務者を指さしリクは問う。

 

「分かっていますね?あなたが今度負けたら一生地下で労働活動に従事してもらいます。私の手となり足となり働いてもらいますのでそのつもりで。メアさんに最後のお別れを言う時間くらいは上げますよ」

 

「いらねーよ。オメーこそわかってんだろうな?アタシが勝ったら借金チャラってことをよ」

 

「はぁ!?私は万が一勝てたら返済期限の延期を考えてあげてもいいといったんですよ!?頭どうにかなってるんじゃないですか!?」

 

「この前傷つき倒れたアタシの胸を無理矢理揉みしだいた罪忘れたとは言わせね~!借金ぐれぇチャラにしね~とワリに合わねーんだよ訴えんぞ!」

 

「そもそも先に揉んできたの貴方でしょーが!私はその分を返しただけですがぁ!?」

 

「なぁ~にを言ってやがる。オメーのをもんだのは嵯峨で助けてやった分と場所を変えてやった礼だろうがよぉ~。つまりお前のパイ揉みにゃあ正当性がねーんだよ!」

 

「なんですって~!?パイ揉みに正当性も不当性もないでしょうが~!!」

 

 再び激しく論争を繰り返す中、アークから決定的な一打が放たれる。

 

「つーか借金チャラにするのいやって負けた時のこと考えてるの、ホントは自信ねーんじゃねーのぉ?」

 

「は~~~!?いーですよぉ?借金チャラでぇ!まあ~私が負けることとか~あり得ない話ですけどねぇ~~~~~!?」

 

「リ、リクちゃん様ぁ!?」

 

「うるっさい!!」

 

 条件は確定した。後は力をぶつけ合うのみ。二匹の獣は互いに武器を構え。そして。

 激突する。

 

 双のBoxdileによる連撃、その手数を補うため、アークは右手にハンマーナックル、左手にチェーンソードを装備し振るう。

 射程の長いチェーンソードで牽制し、近づかれると地形ごとハンマーナックルで打ち砕く。Pain of Alligatorを警戒してか、決して深追いはしない堅実で防御的な戦い方であった。そのおかげか両者ともにまともに一撃が入ることがなく時が過ぎる。

 

「埒があきませんねぇ。」

 

 そんな中で痺れを切らしたのかリクは橋下でアークを追う足を止めBoxdileを地面へと構え。

 コンクリートを打撃し、割り、砕く。

 浮かび上がった拳大のコンクリート欠片を手で、足で、次々と投擲していく。

 

「こんーなもん当たるわきゃねーだろ!げ!?」

 

 飛礫に交えて投擲されていたDeath rollから四.四のエネルギー体が現出。至近距離からアークに突っ込んでいく。

 

「うおおおおおおお!?ぶねええええええ」

 

 大跳躍でデスロールを下に通し、回避したアークは着地すると同時にリクに向って駆けていく。至近距離で斬りかかろうとした時、違和感を覚えた、リクは片腕を口の中に突っ込んでいるのだ。そしてそれに気づいた次の瞬間。

 アークは左腕に強烈な痛みを覚える。見ればそこには新鮮な切り傷とそれとは別に鰐の歯型のような傷が存在していた。

 

「イテーアリエーター!?な、なんで!?噛まれちゃいねえぞ!?」

 

 戸惑う間にもリクは次の歯に手をかけている。アークは瞬間的にミニアークを呼び出しハンマーナックルを構える。設定ソフトインパクトに変更し丁度拳の先に現出しなおさせたチェーンソードの柄尻を殴りつける。

 ハンマーによって射出させられた鋸刃は驚異的な速度でリクの元に飛来。被弾こそしなかったもののリクは歯を折ることは断念しなければならなかった。舌打ちを一つし、再び歯に手をかけようとした時、二度目の鋸刃が飛来した。

 浅く切り傷を得つつも直撃を免れたリクは三射目を回避しながら笑う。

 

「なるほど。そういえばあなたにはおチビさんがいましたね。放った矢は瞬間的に格納して再度手元に現出させれば何度でも撃てるということですか。なかなか面白いことをしてくれます」

 

「そーいうお前こそやってくれたじゃねえか」

 

 アークは次のチェーンソードをつがえ警戒をあらわにしいう。そんなアークにリクは心外だというように大仰にポーズを取り。

 

 「人聞きの悪い。私が一体何をしたっていうんです?」

 

「歯だよ。コンクリートの時か、サイコロ躱した時までかはわからねえが、お前は自分の歯を他の攻撃に混ぜて投擲してたんだ。このイテーアリエーターが発動したってことは、それがアタシの肌を傷つけたってことだろ」

 

「御明察。手足のもう2~3本くらいはこの手法でとれると思ったのですが、鋭いですね」

 

「そりゃもう四肢潰れてんだろうが!」

 

 射出と共に突貫。接近戦へと切り替える。

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