取れた歯車と止まらぬ世界   作:匿名さん1950

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第零話

1944-10/24

 

世界はこの日、大きな転換点を迎えた。

 

レイテ沖海戦が発生していたこの海域で突如として出現した海上を滑るように動く人型の兵器。

 

それは海戦を繰り広げていたアメリカ軍と日本軍へと襲い掛かる。

 

両軍とも攻撃を人型に集中させるがいくらか被害は出せど小型艦が真っ先に沈んでゆき、暫くすると大型艦が沈んでいった。

 

突如として爆音が鳴り響く。両軍とも音の方へ向けば目を疑うような光景が広がっていた。

 

日本海軍艦艇・[戦艦武蔵]が人と同じ大きさの航空機に群がられ弾薬庫に誘爆したのか巨大な爆発を発生させながら沈む様子だった。

 

勇ましかったその艦体は二つに折れ、美しかった甲板は捲り上がり、威圧感があった砲塔は見るも耐えれない姿になってしまった。

 

日本軍はその姿を見て決戦兵器でもあった武蔵が沈み嘆くもの、武蔵に乗っていた友の死に泣くもの。

見るからに士気が下がったのはわかりきったことであった。

 

だが、アメリカ軍も同じように士気が低下していた。

あの巨大戦艦がいともたやすく沈められたのだ。

自分たちが乗っている艦も沈めようとすれば沈められるのではないか?

弄ばれているのではないか?

通常兵器がまるで効いていない現実と武蔵が沈んだことによる推測は兵をパニック状態にさせた。

あるものは死ぬのだと叫び、またある者は海へと飛び込み、そして中には装備していた銃器をこめかみにあて自決するものまで現れた。

 

そして、両軍の海軍は抵抗も虚しく深海へと散っていった。

 

 

 

 

 

 

 

そこから世界は変動していく。

 

人型の攻撃による世界各国の海軍の壊滅・諸島の占領、要塞化

 

これにより世界は一つになろうとしていた。

 

 

 

だが、そんな世界にあるものが現れた。

 

それは世界各国に突如として現れた新たな人型。

 

それらは人間と接触しこう名乗る。

 

 

 

 

 

 

「私達は"艦娘"です。この海を支配している...あの"深海棲艦"を討ち滅ぼすために生まれました。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1948-7/7

 

世界が転換点を迎えてから数年が経った。

 

アメリカ・日本・ナチスドイツ・イギリスの四か国は艦娘保有大国として君臨し、対深海棲艦戦線を"表面上"は組んでいた。

 

だが、艦娘と深海棲艦の出現とともに海上に発生した《資源地帯》の奪い合いが裏では行われていた。

 

初期は資源地帯を共有し資源を四か国で配分するという決まりがあったが、次第に資源地帯の占領がおもむろに始まり現在は艦娘潜水艦隊による作戦行動の妨害、または"敵"艦娘艦隊の排除も行われるようになる。

 

そして、変化を迎えていたのは海上だけではなかった。

 

1945年に艦娘を陸上作戦に組み込むという試みがナチスドイツによって行われ、ワルシャワ目前まで迫ってきていたソ連軍を3年でモスクワまで押し返すことに成功する。

 

それにより、日本陸軍も艦娘を陸上作戦に使用し日中戦争の終結、フィリピン・インドネシアの占領が成功する。

 

その結果豊富な資源を入手することに成功し艦娘をさらに量産出来るようになる。

 

アメリカ海軍は本土上陸がされないよう深海棲艦が少ない海域の警戒をしながらも資源地帯の奪取や奪還を目指す。

そして、より効率的な艦娘の運用を目指し"洗脳"による思想統一化を行っている。

 

イギリス海軍は朽ちてしまった栄光を取り戻すため海軍力を増強しつつドーバー海峡に艦載機を飛ばしナチスドイツの艦隊が通るたびに攻撃を行っている。

 

ドイツ海軍は陸軍と協力しながらより効率的な軍拡を行っている。

特に陸軍は艦娘の登場によって新しい兵器の開発にいそしんでいる。

 

 

 

艦娘の登場は陸上の戦術だけでなく、兵器さえも変えてしまった。

 

艦娘には艦種によっては大口径砲が通じるものがあるが大型艦には戦車の主砲など通用しない。

その為、艦娘に効率的に攻撃ができるように様々な兵器が考案された。

いくつもの珍兵器が誕生する中、日本でとある事件が発生する。

それは"提督素質"という艦娘を指揮し、艦娘とともにいる妖精が見ることができる素質を持ったものが艦娘に対し拳銃を発砲、その結果艦娘が死亡するというものだった。

 

これにより日本軍は提督素質を持ったものを集めた[対艦娘部隊]を編成する。

そして、英領インドとの戦争で支援に来た艦娘を対艦娘部隊が撃破したことによって世界は対艦娘兵器の開発を加速させることになる。

 

 

 

 

 

 

そして、世界は狂い続け1950年へと突入する———————————————

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