少年達の蒼炎の軌跡   作:ウィングゼロ

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序章『魔導士』

達矢達を逃がすため自らを囮にした優輝は度々の追っ手による攻撃を辛くも避けながら必死になって逃げる。

 

優輝「はぁ…はぁ…」

 

運動神経がいい優輝といえも何度も襲撃をかわしているから疲労もピークにたっしておりその上矢を何度か掠っており身に付けていた長袖の上着も所々破けていた。

 

優輝「…達矢達は上手く逃げれたかな?」

 

自分の心配もそうだが優輝が囮となったことで達矢達は逃げ切れたか心配していた。

 

優輝「…人がいるのは確かなんだしどこか良い人がいるところにいこうそうすれば安全…」

 

優輝が言い切る前に彼の横を矢が通過して木に刺さる。

 

優輝「!?」

 

山賊「おいおい、逃げられると思ってんのか?」

 

優輝は矢が飛んできた方向を振り向くと追いかけてきた山賊がようやく追い詰めたという表情を浮かべていた。

 

そして続いて優輝の右左後ろからも山賊が出てきて完全に囲まれた。

 

優輝「囲まれた!」

 

山賊「ははっ!ちょこまかと逃げ回りやがって」

 

優輝「…ここで終わりか…達矢…すまん」

 

山賊「死ねぇ!」

 

そして左にいた鉄の剣をもった山賊が優輝に襲いかかってくる。

 

だが…

 

???「危ない!」

 

聞こえてきた女性と声でありそして木の間から炎が飛んできて襲いかかってくる山賊に当たった。

 

山賊「ぎゃああぁぁぁぁっ!」

 

優輝「ひっ!」

 

山賊は悲痛な叫び声をあげてその場で倒れた。

 

目の前で人が火だるまになって死んだことに優輝は恐怖にかられた。

 

???「あなた!大丈夫ですか!?」

 

そして木の間から出てきたのは優輝とそれほど年が離れていないように見える少女で手には赤い本を持っていた。

 

山賊「くそ!魔導士か!」

 

???「そこのあなた!直ぐに離れてください!」

 

優輝「あ…あ」

 

優輝は恐怖により動けないことを察知した魔導士は優輝のもとに駆け寄る。

 

優輝「ひっ!」

 

俺も傍で死んでいる山賊と同じようになるのかと思い優輝は彼女から逃げようとしたが震えて逃げることができない。

 

???「大丈夫、君は私が守りますから安心して…」

 

魔導士はやさしい言葉で優輝に話しかけ優輝はその言葉で彼女に対する敵対心が自然に弱まる。

 

山賊「死にさらせぇ!」

 

山賊が矢を放ち魔導士に向かって飛んでいくが本を開けて日本語ではない何かを口ずさむと先程の炎を放ち矢を燃やしてそのまま弓矢を持っている山賊を燃やし絶命した。

 

優輝(なんで、あんな簡単に…)

 

優輝は自分とそれほど年が離れていないのに人殺しになにもためらいを持たないことに疑問を覚えてしまう。

 

山賊「なかなかやるじゃねえか、なら俺とやりあおうぜ!」

 

そしてリーダーと思われる山賊が魔導士に近づき鋼の斧を振るい魔導士はそれをよけてファイアを放ち山賊はそれを避ける。

 

その硬直状態は長く続かなかった。

 

???「きゃっ!」

 

先程倒した山賊の死体につまずき体制を崩してしまう。

 

優輝「あっ!やめろ…」

 

助けてくれた魔導士が殺されるその光景をみて優輝は止めてくれという

 

山賊「楽に殺してやるじゃあな!」

 

優輝「やめろぉぉっ!」

 

優輝は自分の近くにあった、始めに死んだ山賊が持っていた鉄の剣をもって、ふたりが戦う場所に走りだし山賊は気づいたが遅かった、優輝は鉄の剣を振るい山賊の肉を切り、切りつけたところから血が大量に吹き出す。

 

山賊「こんな…ガキに…」

 

優輝「あ…ああ…」

 

山賊は息絶えて優輝は冷静になり左手にこべり付いた返り血が自分がやったことを自覚させる。

 

優輝「あぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

優輝は初めて人を殺した…

 

そして優輝は人を殺したことを悔やんだが悔やむ時間がなかったために直ぐにここから離れて数キロ離れた所で魔導士の少女と野宿していた

 

???「…よかったらこれどうぞ」

 

魔導士は暖まったスープを優輝に手渡し軽く頷いて礼をするとスープを少しずつ飲んでいく。

 

優輝「…あんたはさっきのことどう思ったるんだ?」

 

???「さっき?…人を殺したことですか?あれは、しょうがないですよ、やらなかったらこっちがやられていましたし正当防衛です」

 

優輝「でも!それでも!」

 

戦争も争い事もない日本で生まれた優輝にとっては人を殺すなど考えたこともなく

 

???「少し前にあなたのような異国の服を着た人達と会ったことがあります…」

 

優輝「!?」

 

???「その人たちは私を見るなりここはどこなんだと詰め寄ってきました」

 

優輝「それで…教えたのか?」

 

???「はい、そしたら意味がわかっておらず現実から目を背けて何処かへ、私は一度はほっておこうと思いましたがそうもいかずにその人たちが歩いていった方向に向かったんです、そしてそこで見たのは…その人たちの死体でした」

優輝「っ!!」

 

???「山賊にとって武器を持たず珍しい衣服を着ていますから狙われて当然でした…恐らくあなたとは違い抵抗もできずに…」

 

優輝「…何が言いたいんだ」

 

???「あなたには戦う力がある…それを使わなかったらあの時死んでいましたよ、私もあなたもそれでも悔やみますか?」

 

優輝「…それは…確かに生きたいでも!」

 

???「誰も殺したくない…欲張りですね」

 

優輝「二兎追う者は一兎をも得ずってか」

 

???「え、え?」

 

優輝「…ようするに死にたくないと誰も殺したくないっていう2つの目的を欲張ってやったらどっちもできないってこと」

 

???「な、なるほど…」

 

優輝「…生き残るため…あいつらの約束を果すためにも生きないと…か」

 

???「お仲間ですか?」

 

優輝「ああ、俺が囮になったから離れたけど絶対に再開する、もう俺の手は血で汚れたけどさ」

 

???「そうですか…それではこれを」

 

魔導士は優輝に鞘に収まっている鉄の剣を渡される。

 

???「先程山賊から使えそうな武器を奪いました、それはあなたが使った剣です」

 

優輝「…そうだな…なにもなしよりかはましだな」

 

優輝は鉄の剣を腰に身に付け魔導士をみる。

 

優輝「そういえば名前聞いてないし言ってなかったな篠崎優輝…俺のことは優輝でいい」

 

カタリナ「カタリナです、よろしく、ユウキ」

 

こうして優輝はこの世界で戦うことを決意するのであった。

 

 

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