エリンシア一行を追うデイン軍の追撃部隊の魔の手から逃れた優輝達、だが先に離脱していたエリンシア達は敵の待ち伏せにあい、護衛は全滅エリンシアも絶体絶命の前にある一団に保護された。
アイクという若者が率いていたグレイル傭兵団…彼らが気を失っていた、エリンシアを保護しあとを追いかけてきていた優輝達も傭兵団と一緒に彼らの拠点としている砦へと向かう。
アイクの話では先日優輝が囮になり逃すことができた達矢達がいるという、その報に心躍りながら優輝は砦での再開を待ちどうしたかった
アイク「着いたぞ、此処が俺達の砦だ」
優輝「ここに…達矢達が…」
ミスト「お兄ちゃん、どうしたの?帰ってくるの予定より早いけど何かあったの?」
アイク「ミストか、実はメリオルに行く途中にデイン兵と交戦してな、その場所の茂みに女性が倒れていたんだ、ユウキ達から聞いた話だがメリオルから逃げてきたらしい、何か、聞けると思って帰ってきたんだ、それでその女性が目を覚ますまで部屋に寝かせたんだが」
ミスト「え?そうなの?分かったわ、直ぐに準備する」
アイク「少し待て、タツヤ達今どこにいる?」
ミスト「え?食堂だけど…」
アイク「そうか、ティアマトと俺は親父に報告することがあるからな…セネリオ、ユウキに食堂まで案内してやれ」
セネリオ「わかりました、こっちです、案内します」
カタリナ「ユウキ、再開に剣は物騒なので私が持っていますよ」
優輝「そうだな、頼む」
優輝は確かにと思い腰につけている武器を外そうとする。
セネリオ「何をしているんですか?さっさとしてください」
優輝「これでよしっと、すみません、これで大丈夫です」
セネリオ「……」
優輝は武器をカタリナに渡しセネリオについていく。
そしてついていくとある建物の前で止まった。
優輝(此処に達矢達がいる)
セネリオ「どうしたんですか?入らないんですか?」
優輝がそう思っているを他所に黙っていたから入らないのかと直球で言ってくる。
優輝「いや、入ります」
そういって食堂に入ると中には傭兵団の仲間と優輝が心配していた達矢達がいた、こっちを振り向いていないのでまだ気づいていないようだ。
優輝「あっ!」
ボーレ「セネリオ!帰ってきたのか!なんか成果はあったのか?」
セネリオ「いえ、まだわかりませんがメリオルから逃げてきたと思われる女性を保護しました、目を覚ませば直にわかります」
ボーレ「そっか…んで、となりのやつは?」
セネリオ「彼は…」
達矢「優輝?」
ボーレが隣にいた優輝に気がつきセネリオが説明しようとしたときに達矢が気づき優輝の姿を見て固まる。
一真「優輝だって?」
葉月「あっ!」
明日香「篠崎さん?」
詩音「あなた生きていて…」
瑞希「あっ!篠崎のお兄ちゃんだ!」
達矢の一言がきっかけにその回りにいた一真達も優輝の存在に気づいた。
優輝「よ、よう」
達矢「よう、じゃねえよ!お前生きてたんだな!」
優輝「ああ、あのあとカタリナって言う女の子に助けられてな」
一真「まあ、生きててよかったじゃねえか、それでその子と一緒にここまで?」
優輝「いや、その子と一緒にメリオルまで…でもデイン軍に襲われていたから引き返してきたんだ、そこでアイクさんたちと」
明日香「そうだったんだ、よかった…そのカタリナさんには感謝しなくちゃね」
セネリオ「いや、あなたも…」
ボーレ「そりゃあ運が良かったな」
セネリオが優輝も戦っていたというのに合わせて何かを察したのかボーレが被せるようにいう。
セネリオ「……」
そして達矢達との再開してこれまでのことなどの雑談を交わしているとすっかり夜になりその間にエリンシアが目を覚ましグレイル傭兵団にガリアまでの護衛の依頼をした…その話をカタリナから聞いた優輝はエリンシアが藁にもすがるほど心細いのだろう…
優輝「…はぁ…」
カタリナ「どうしたんですか?ため息なんかして…」
優輝「いや、俺…達矢達に嘘ついてしまったなって思ってな…人を討ったこと」
カタリナ「…ユウキ」
ヨファ「大変だ!デインが僕たちの砦を囲んでる!」
優輝「っ!」
カタリナ「そんな!?」
ヨファ「と、とにかく、みんな集まって!」
砦がデイン兵達に囲まれたという緊急事態に優輝達は急いでみんながいる場所に来た。
グレイル「…全員集まったな」
アイク「親父、デインはなんって」
グレイル「この砦で匿っているクリミアの王女の身柄引き渡たし、この地から去れと」
カタリナ「っ!」
優輝「ばれてたってわけだ」
グレイル「それで、団の命運を左右する問題だ、此処にいる全員の意見を聞きたい、ティアマト」
ティアマト「今回の戦いはデインに非があります。将来、依頼主に与える信用を考えても、ここはクリミア王女を送り届け、名声を高めるべきだと考えます」
グレイル「セネリオはどうだ?」
セネリオ「考えるまでもありません、王女をデインに引き渡すべきです」
グレイル「義はクリミアにあってもか?」
セネリオ「我々は傭兵です。傭兵は利によって動くもの。我が団の安全を確保し、さらに勝者のデインに恩を売る。これ程利のある話もないと思われますが」
ティアマトとセネリオは全くの正反対と意見が出てきてシノンも誰が好き好んでガリアに行くかと反対ガトリー、ボーレ、オスカー、キルロイはガリアへの護衛に賛成それにミスト、ヨファも賛成、そして達矢達は自分達では判断できないとグレイルに判断を委ねた。
グレイル「カタリナ、ユウキ、あんた達はどうなんだ?」
カタリナ「エリンシア様をガリアまで護衛すべきだと思います、ここまでに何人もクリミア騎士達が命を散らしました、散った人達が報われるためにもガリアに送り届けるべきだと思います」
優輝「俺も…カタリナと同じ気持ちです、あの時敵の足止めしたジョフレ将軍やクリミア騎士達のためにも、クリミアの未来のためにもガリアに向かうべきだと思います」
優輝の意見を聞いたあと最後にアイクの意見を聞き最後はグレイルの判断を待つだけだった。
グレイル「なるほど、みんなの意見はよくわかった………では、決を伝える。我々は、王女をガリアまで護衛する」
その答えにカタリナや優輝はほっとした、二人以外もミストもヨファも同じだった。
アイク「それでいいのか?親父」
グレイル「ああ、どっちみち、選択の余地はなくなったようだからな」
達矢「?どういうことですか?」
グレイル「耳を澄ませてみろ。ほら、全員だ」
グレイルに言われて全員が耳を澄ませる。
澄ましてみると何も聞こえてこなかった。
その時優輝とカタリナは何か違和感を覚える。
瑞希「何も聞こえませんよ?」
シノン「馬鹿野郎!それが可笑しいんだろ!」
瑞希「はひぃ!?」
優輝「っ!普通なら虫の音とかが聞こえるはず!でも」
葉月「何も聞こえてこない、四方八方から!」
ガトリー「あっ!そういうことすか!」
カタリナ「これはつまり…」
アイク「デイン兵に囲まれた!」
セネリオ「我々を油断させ、この砦ごと始末、というところでしょうか」
詩音「そんな!こちらの意見は無視ということですか!?」
グレイル「だろうな。だが、こちらもそれに乗ってやる程甘くはない。全員配置につけ!一気に片を付けるぞ!!」
グレイルの一声でアイク達が武装して外へと出ていく。
グレイル「ユウキ、カタリナ、お前達は戦えないミスト達を守れ何かあったときに守れるやつがいないと危険だ」
優輝「っ!わかりました」
そういってグレイルも外へとでていき部屋は静かになる。
明日香「グレイルさん達大丈夫だよね」
一真「当たり前だろ!グレイルさん達が負けるはずかない信じようぜ」
詩音「そうですわね」
外では戦闘が始まったのか叫び声や鉄がぶつかり合う音等が聞こえてくる。
優輝「…始まったな」
エリンシア「ユウキくん、カタリナちゃん!」
優輝「エリンシア様!」
ミスト「やっぱり、一ヶ所に固まった方がいいと思って連れてきたの」
エリンシア「私のせいで…アイク様達は…」
優輝「心配はいりませんよ、アイクさん達が決めてやっていますから」
エリンシア「そうですか…」
達矢「なあ…優輝…さっきグレイルさんにここを守れって言われたよな」
優輝「ああ、確かに」
達矢「可笑しくはないか?カタリナは戦えるけど優輝は…」
優輝「っ!!それは…」
カタリナ「戦うことができるからですよ」
優輝「カタリナ!?」
カタリナ「ここでかえって誤魔化したら心配されますよ」
達矢「戦うことができるって…それじゃあお前…」
優輝「此処に来るまでに山賊やデインと戦った…そして命を奪った…」
達矢「っ!!」
優輝から言われた一言で異界メンバーは血の気が引いた。
明日香「わ、わかってるんですか!?命を奪ったってことは」
優輝「人殺しだ…生きるためには、殺さないなんていう甘い考えを捨てたんだ…」
一真「…お前…」
優輝「…もう、俺は血で汚れたんだ…だからもとの世界に帰るまで戦い続ける」
達矢「…」
ミスト「…あっ!デインが引いていくみたい!」
優輝「アイクさん達がやったみたいだな…でも此処からが本番だな俺は武器持ってくるから先にアイクさん達のところにいっといてくれ」
カタリナ「わかりました」
達矢「優輝…」
そして優輝は部屋から武器を取ってくるとミスト達の手伝いをして準備を整った次第にガリアへと続く樹海に向かった。
次回予告
ガリアを目指して樹海に進むグレイル傭兵団と優輝達、だが樹海の出口の先にはデインの待ち伏せが待っていた
次回『陽動作戦』