「ついに、ついに手に入れたー!!」
自室の中心でゲームのパッケージを掲げて狂喜乱舞している女が居るらしい。僕だ。
「……って、何言ってんだろうボク」
ふと、正気に戻って、先程までの自分を思い出し、我が事ながらドン引きした。
「けど、ここから始まる!我がVRMMO伝説ー!」
そう言って、ボク、涼風光希は改めて手に入れたゲーム……『NewWorld Online』通称NWOのパッケージを見つめてニヤニヤするのだった。
「おっと、早速決めよう!思い立ったが吉日それ以外はすべて凶日!」
そう呟いて早速ハードの設定を始めるのでした。まる。
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そうして、ハードの設定を終えて、電脳空間へと入ったら、真っ白な世界にいくつもの四角にラインの入ったデザインの入った場所にいた。
「これより、初期設定を開始する!」
「あ、身バレ防止で髪色と目の色だけは変えれるんだ。……まあ、体が色々突然変わったらリアルでも大変だしねぇ。ここは、最強スライムのリムル様に因んで青色で〜……。そうそう、このColoring!Very Good!Very Good!目の色は〜。右紅左蒼でオッドアイに!」
ピッ
「え~っと、次はプレイヤー名か。本名でやっても良さそうだけど、どうせなら全力で遊び心を全開に!」
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「光希……光る希望……。駄目だ!?フラッシュホープとか、ダサダサの特撮ヒーローみたいになっちゃう!?……これじゃあ、片一方だけから取るしかないか?」
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「希望より光の方から取ったほうがいいかも?……ライト?なんかシンプル過ぎて逆にやだ。……あ、確か光関連の単位でルクスってあったような……。よし!ル、ク、ス!っと。自画自賛だけどボクのネーミングセンスって良すぎ!?」
ピッ ウォン
名前を打ち込むと入力画面が消え、様々な透明な武器が現れた。
「うわっ!?武器が一杯!ってことは次は 初期装備ね」
様々な武器を見つめ、じっくりと考える。
「杖に槍に弓、片手剣、双剣、大剣、メイス、斧…あ、大盾なんてのもあるんだ。杖を使って魔法使い?槍を片手にクー・フーリンごっこ?弓とか片手剣とかもカッコいいけど……。ん?」
ふと視線を動かすと、先にあったのは武器に並んだ異色のもの。
「いやいや、なんで初期装備にハープ交じってんの?吟遊詩人でもいるの?」
ハープ。楽器である。
もう一度言おう。
思わず気になり、詳細を開く。
「えーっとなになに?《楽器》?……ハープは武器だったのか?えっと、一応、打撃系の武器なのか。お?まだ、詳細が……」
《楽器があればどこでも楽しく演奏できる》
……それ、何か意味あるのかな?
……けど、面白そうだ。
「次がステータスってことはこれが最後の設定かな?ステータスポイントは100あって、HP、MP、パラメータのSTR、VIT、AGI、DEX、INTに振ることができるってわけね。いいね!楽しそうね!ここはプレイしてて面白そうなキャラメイクにしよ!
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「昔の偉人は言いました。……速度こそ最大の攻撃!」
そう、AGIに極振りしました♪
「さあ、____ゲームを始めよう!」
はい。私です。