ログイン後、街中をウロチョロしていると、古ぼけた会館を見つけた。
「会館……。何かしらのイベントの予感を感じます!!」
と、言うことで早速会館の中へと入ろうとした。が、
「し、システムめぇ……」
システムによって入れなかったのだった。
「むぅ、こうなったら二層に八つ当たり突撃じゃあっ!!」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「到着したどー!」
そう叫ぶボクの目の前には石造りの遺跡の入口がある。そう、この入り口こそが二階層に繋がるダンジョンだ。
毒竜のギターを構えつつ、遺跡の中を進んでいく。
そうして歩いている内にモンスターに遭遇した。現れたのは少し大きめの猪だった。
「ちょっと鳴らして……【パラライズシャウト】」
ギターの弦の音をトリガーにした【毒竜】に内包されているスキルの一つ【パラライズシャウト】によって、猪の身体は麻痺する。
「そしてそこに〜……はい、ドーン!!」
動きが止まった猪目掛けて、ギターを叩きつける。このギター、ボディの側面が刃物みたいになってるから、近接武器としても優秀なのよね。
こうして、時に猪、時には熊と、モンスターを倒しつつ進んでいった。
幸いとダンジョンはそこまで深くなかったようで、十回ほどモンスターとの戦いを挟んだだけで、ボス部屋に到達することが出来た。
「うわー……ちょっと緊張してきたぁ……ま、殺るけど」
気合新たに、大扉を開けて中に入る。
天井の高い広い部屋で奥行きがあり、一番奥には大樹がそびえ立っていた。
それをボンヤリと眺めていると背後で扉が閉まる音がする。
そして。
大樹がメキメキと音を立てて変形し、巨大な鹿になってゆく。
樹木が変形して出来た角には青々とした木の葉が茂り、赤く煌めく林檎が実っている。
樹木で出来た体を一度震わせると大地を踏みしめ睨みつけてくる。
「オッケーオッケー!バトっちゃう?な・ら……最高に素敵なパーティーしましょ♡」
鹿の足元に緑色の魔法陣が現れ輝き出す。戦闘開始だ!
鹿が地面を踏み鳴らすと魔法陣が輝き、巨大な蔓が次々に地面を突き破り現れ、ボクへと向けて襲いかかってきた。
蔓の猛攻を躱しつつまずは小手調べとして【飛撃】で攻撃を放つ。が、鹿の目の前で緑に輝く障壁に阻まれて消失した。
「なっ!?狡いぞそれ!チートや!チーターや!!」
またもや襲い掛かってくる蔓を躱し、攻撃しつつ、鹿の観察をする。そして……
角の部分には攻撃が通る、か。……障壁はあの林檎が維持してるっぽいね」
木の葉の中で煌めく林檎が障壁発動時には、より赤く輝いていたのを見て、そのネタに気付く。
「絡繰を見破ったら後は、全力で叩き潰す!」
【超加速】【瞬足】【足捌き】【跳躍】を使い、鹿の背中へと跳び乗る。
「んじゃ、止めを刺させてもらうわよん!」
角へ向けて【飛撃】を多量飛ばす。すると、今度は障壁を越えてダメージが入った。
「つ・づ・け・てー……【ウィンドカッター】!【ファイアボール】!【サンドカッター】!」
【飛撃】を一度止め、今度は連続して魔法を放つ。すると大量の赤いダメージエフェクトが派手に散る。
「お次は大技、行ってみよー!!」
攻撃を避けつつ、MPポーションを取り出しMPを回復させると、こちらを狙う蔓を【飛撃】で弾き飛ばす。
「【毒竜】!!」
ギターから姿を現す毒の竜が、鹿へと襲い掛かる。先程までよりも更に大量に飛び散るダメージエフェクト。それが致命傷になったか、鹿は力無く倒れ始めた。
『レベルが26に上がりました』
「おっと!……勝ったはいいけど、その後に死んじゃあ意味無いよね♪」
難無く着地して振り返ると、鹿が消えたところに大きな宝箱があった。
「よっしゃ!またまたユニークシリーズGETだぜ!」
「何が出るかな〜♪」と鼻歌を歌いつつ、宝箱を開けてみると、
『森の羽衣』
【VIT +20】
【破壊不可】
スキルスロット空欄
『聖木のハープ』
【INT +25】
【破壊不可】
スキル【癒しの旋律】
『木漏れ日の結晶』
【STR +15】
【破壊不可】
スキル【音響防壁】
「おーっと?今度は新スキルが2つですかー」
スキル【癒やしの旋律】
この楽器で演奏中、自身を起点に一定範囲の味方(自身を含む)のHPを5秒に1%回復させる。
スキル【音響防壁】
この武器を装備して演奏中、音の防壁である一定の強さまでの攻撃を防ぐことが出来る。
「……へぇ、取り敢えず。木漏れ日の結晶は左手に装備して……と。おお!!周囲をふわふわと7色の結晶が飛んでる!!スゲー!!」
少しばかり幻想的な光景に、ちょっと興奮しつつも、ステータスを開いてポイントを割り振ると、そのまま第二層を目指すのだった。