目を開くとそこは大きな街だった。
「ロ・グ・イ・ン。完了!」
片手にハープを持って、軽くポーズを取る。が、周りに見られたため、コソコソと退散する。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「いやー……。つい調子に乗っちゃったよ。っと、その前にステータス確認っと」
ルクス
Lv1
HP 40/40
MP 12/12
【STR 0〈+9〉】
【VIT 0】
【AGI 100】
【DEX 0】
【INT 0】
装備
頭 【空欄】
体 【空欄】
右手 【初心者のハープ】
左手 【空欄】
足 【空欄】
靴 【空欄】
装飾品 【空欄】
【空欄】
【空欄】
「……お?あちらにボクと同じような貧相な装備の人達が……。レベリングスポットだな?よし、行くか!」
ハープを片手に人の波を追いかける。
「ついてく。ついてく……」
そうして、森へと到着すると、ボクは取り敢えずハープを持ち直して、
「死に晒せぇ!」
すぐ近くにいた魔物を殴りつけた。
「きゅい!?」
殴り飛ばされたのはりんごっぽいカラーリングのうさぎ。うん。かわゆい。
「君が!鳴くまで!殴るのを!止めない!」
「きゅっ!?きゅっ!?きゅうううっ!!」
「ごめん!訂正!鳴いても!止めない!」
「きゅいいいいっ!!」
うさぎを殴って殴って殴り続けて、相手に行動させずに終わった。
そして、殴り続けて暫くし、パリンという音と共に白兎は光輝く粒子となって消えていった。ドロップアイテム一つも落とさず、跡形も無く無くなってしまった。
『レベルが2に上がりました』
「お?レベルアップきた?」
少しにやけながらぱぱっとステータスを開いて手に入れたポイントをAGIへと振り分けた。
「これでまた速度アーップ!っと?蜘蛛?」
殺気を感じて横に避けると、蜘蛛が襲い掛かってきたようだった。
「……蜘蛛って食べたらなんの味がするのかな?」
ふと気になったが最後。どうしても確かめたくなって、蜘蛛へと襲いかかった。
「いただきま~す!」
結果は、蟹っぽい味がしました。まる。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
蟹っぽい味に味を占めて(味だけに)蜘蛛狩り&捕食を繰り返していると、
『スキル【糸使いI】を取得しました』
「……食べればスキルが増えるってマジだったのか」
新しく手に入れたスキルの詳細を見てニヤリと笑うと、試してみることにした。
「【右手:糸】っておおっ!?」
使ってみると、右手から蜘蛛の糸が飛び出してきた。
「これを使えば……スパイダーマンになれる!?」
更にニヤリと笑うボク。脳裏には木々の間を糸を使って飛び回る姿が浮かんでいた。
「……っと、スパイダーマンはまた今度。折角ハープを選んだんだし、こっちも使ってみないとね」
近くの岩に座り、ハープを弾き鳴らし始めた。
自分で言うのも何だが、なかなか上手に弾けている。……どうせなら弾き語りするか?よし、そうしよう。
「この世界の毎日は その全てがスペシャル
キラキラ ドキドキ 沢山の夢が詰まってる
れっきとした大冒険 ありきたりじゃつまらない
だけど女の子は 痛いのは嫌なのです」
指で爪弾くハープの弦。現実でハープを弾いたのは結構前になるけど、意外と覚えてるもんだね。
「胸騒ぎ次元転送 可能にするVR
ゴーグルの向こうは 光に包まれ
飛び込んでくるアナザーワールド───」
ハープを弾いていると、気配を周囲に感じた。ちらりと見てみると、モンスター達が並んでハープの旋律に体を揺らしていた。それはまるで、ボクの歌声に聞き惚れて、リズムを取っているかのように。
「幼い夢の憧れは 空に描いたヒロイン
小さなその一歩で ページが開かれるBOOK
特別な奇跡の出会い 全部大切なメモリー
マイノリティなエンジェル ミラクルを引き寄せる
究極アンバランス!」
モンスター相手だけど、ライブ感覚でちょっと楽しい。
「物語は場面ごとに 実はみんなもヒロイン
小さなその勇気と あとは思い込みでOK
信じられる仲間達と 目に見えない絆で
リアルさえも越えて この胸を熱くする
究極アンバランス!
幼い夢の憧れは 空に描いたヒロイン
小さなその一歩で ページが開かれるBOOK
特別な奇跡の出会い 全部大切なメモリー
マイノリティなエンジェル ミラクルを引き寄せる
究極アンバランス!」