残り時間は後一時間となっていた。後たった一時間で全ての順位が決定するのだ。
そんな緊張状態の中。
大音量でアナウンスが鳴り響いた。
『現在の一位はペインさん二位はドレッドさん三位はメイプルさんどら!これから一時間上位三名を倒した際、得点の三割が譲渡されます!三人の位置はマップに表示されるどら〜。それじゃあ最後まで頑張るどら!』
アナウンスを聞き、マップを開くと、近くにドレッドの反応があった。
「ふーん……。行ってみるか!!」
マップを閉じるやいなや、ドレッドの反応があった場所まで向かったのだった。
あ、もちろん途中で襲い掛かってきた方々はボクのポイントとして美味しくいただきました。まる。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「開けろ!デトロイト市警だ!!」ジャーン!!
「うわぁっ!?」
「ぎゃひっ!?」
「どわぁっ!?」
ポイント到着とともに【飛撃】を他のプレイヤーにシュゥゥゥーッ!!超!エキサイティン!!
「へぇ〜……!!なかなかやるんじゃないの?」
「兄さん!?」
「……いや、俺、兄になった覚えないんだけど」
つい巫山戯て叫ぶと、【飛撃】を躱した男……恐らくドレッドが困惑したように返す。
「質問です!!貴方がドレッドさんでOK?」
「……まぁ、そうだが?」
「なら、その首……貰います!!」
ギターを構え直して、曲を奏で始める。
「強くなれる理由を知った 僕を連れて進め!!」
曲の開始とともに【魅惑の旋律】を発動。ドレッドさんは、その効果にすぐに気が付いたようで舌打ちをしているようだ。
「泥だらけの走馬灯に酔う こわばる心
震える手は掴みたいものがある それだけさ
夜の匂いに空睨んでも
変わっていけるのは自分自身だけ それだけさ」
短剣を逆手に持ち、ボクへ向けて駆け出すドレッドさん。【足捌き】と【体術】の応用。あと、PSを用いて、ドレッドさんの猛攻をぎりぎりで躱す。
「強くなれる理由を知った 僕を連れて進め」
ここでもう一度【飛撃】を飛ばす。しかし、当たり前だが躱されてしまった。まあ、その先に居た哀れな他のプレイヤーが食らったが。
「どうしたって!
消せない夢も 止まれない今も
誰かのために強くなれるなら
ありがとう 悲しみよ
世界に打ちのめされて負ける意味を知った
紅蓮の華よ咲き誇れ! 運命を照らして」
そして、連続で【飛撃】を放つ。今度は食らったがそれでも少ない。けど、それでも良い。
「イナビカリの雑音が耳を刺す 戸惑う心
優しいだけじゃ守れないものがある? わかってるけど
水面下で絡まる善悪 透けて見える偽善に天罰
逸材の花より 挑み続け咲いた一輪が美しい
乱暴に敷き詰められた トゲだらけの道も
本気の僕だけに現れるから 乗り越えてみせるよ
簡単に片付けられた 守れなかった夢も
紅蓮の心臓に根を生やし この血に宿ってる」
【体術】を利用して、ギターを弾きつつ足技で攻撃をする。それにギョッとしたような顔をしつつドレッドさんは避けるが、追い打ちをかけるように【飛撃】を放つ。躱せずダメージを受けたが、ドレッドさんは唐突に加速しだした。
(読唇術で読んだけど、ドレッドさんも【超加速】持ってんのか。なら……!)
「人知れず儚い 散りゆく結末
無情に破れた 悲鳴の風吹く
誰かの笑う影 誰かの泣き声
誰もが幸せを願ってる」
とある無敵超人に感銘を受け、リアルで身に付けたちょっとした技術の一つ、『二重声法』。以前ふと思いついてやってみたらまさかゲーム内でも使えるとは思わなかったけど。
「どうしたって!
消せない夢も 止まれない今も
誰かのために強くなれるなら
ありがとう 悲しみよ
世界に打ちのめされて負ける意味を知った
紅蓮の華よ咲き誇れ! 運命を照らして」
歌いつつドレッドさんに追い付くと同時に、【毒竜】をぶっ放す。ドレッドさんはギョッとした顔をして、そして諦めて目を瞑って毒竜に飲み込まれたのだった。
『がお〜!!しゅうりょ~う!!』
それと同時に終了のアナウンスがなった。……ギリギリで間に合ったようで良かった。良かった。