A.ないんだな、それが
「はあ…はあ…!」
妖魔と神吊が戦っていた場所から数百メートル離れたところで1人走る足音だけだ響く
そしてその先に光が見えた
やっと出口だこれで私は――
「夜倉さん」
「!?!?」
そこへ背後から聞こえるはずのない声が聞こえた
立ち止まりギギギっと音が出そうな感じで体を背後に向けるとそこには
「やっぱり逃げようとしてるんですね」
腕を組む桜坂日花そして
「嬢ちゃんの予想…当たってたみたいだな」
あくびをする神吊
「さてどうする?火炙り?串刺しかな~?」
楽しそうにバイオレンスなことを口にするアンジェリカ・ロビンソンがいた
「…(パクパク)」
その光景に顔面を蒼白にさせ声が出せない夜倉純
「ふむ…少し刺激が強すぎましたか?」
「…え?ど、どどどうして?」
当然の疑問である
「ああ、何故妖魔に捕まっているはずの私や神吊がここにいるか?ですか?」
こくこくと全力で頭を振る夜倉さん
「まず疑ったほうがよかったですね私があの程度の失態を犯すわけないじゃないですか」
「え?え?もしかして~」
「ええ、ご察しの通りあの戦い(笑)は全て演技です」
~少しさかのぼる~
「あはははははは!これであと一人じゃの~ってあやつまた逃げたのか…流石にここまでくると仲間がかわいそうに感じるわ…」
その夜倉純の逃げたであろう方向にジト目を向ける妖魔
「その話聞かせてもらえますか?」
「は?」
その声と同時に神吊を飲み込んだ触手たちが一斉に切断された
「こ、この声は!?」
妖魔がその方向を見る
「ふう…」
「おっは~」
そこには先程リタイアしたはずの日花そして笑顔で挨拶をするアンの姿があった
「お、お主ら何故…!」
「何故って…私があの程度で気絶するわけないじゃないですか?」
「じゃあなぜ動かなかったんじゃ?」
「そんなの気絶したふりをしてたからに決まってるでしょう」
「はあ!?何故そんなことをしたのじゃ!?」
意味わからなそうにそう叫ぶ妖魔
「そんなの決まってるだろ?」
その声の方向を見る妖魔
「あの女、夜倉が仲間を見捨てて逃げる様な女だっていう証拠を掴むためだよ」
神吊が自分の周りに覆いかぶさっていた触手たちを吹き飛ばしてそう答えた
「…なるほどの~その茶番に儂はまんまと利用されたというわけか…」
そう言ってため息をこぼす妖魔
「というわけで貴女には今まで捕まえた人達の開放そして夜倉さんについて知ってることを洗いざらし吐いてもらいましょうかね?」
「はっ!儂がお主の用件を聞くと思うのか?」
「ふむ、ですよね…」
少し残念そうにつぶやく日花
「そういうことじゃ、どっちにしろお主らを逃がすつもりは――がはっ!?」
そう言った直後妖魔は日花のぶん投げた血威に腹を刺され壁に縫い付けられた
「ああ、そういうのはいいので私の質問に答えてもらえますか?」
コツコツ妖魔に近づく日花
「ぐぐっ…誰gぐぎゃあ!?」
そこにアンの火炎弾が被弾する
「は?アン攻撃系統全滅したんじゃなかったのかよ?」
ポカンとその光景に目を丸くする神吊に
「え?あれ噓に決まってるじゃない」
当然のように言うアン
「マジかよ…まさか嬢ちゃんも知ってるのか?」
「当り前じゃないですかアンは長い間あの幽霊船を出現させるような霊力の持ち主ですよ?神吊は見てなかったかもしれませんがあの程度の戦いで霊力はなくなりません」
こちらも当然のようにしれっと言い放つ
「俺にも教えろよ…」
「ええ~だって敵をだますときはまず味方からってよく言うでしょ?」
「いや…そうだけどよ…」
なんとなく釈然としない神吊
「がは…痛い…」
涙目で呟く妖魔
「だったらさっさと吐けること吐いてくださいそしたら楽にしてあげますよ?」
そう言って血威を足でぐりぐり回す日花
「ぎゃああ!?わかった!わかったのじゃ!?話すからそれやめっ、本当にやめてくださいお願いしますううう!!!」
最終的にそう泣きながらお願いすることになった妖魔から今まで捕まえた人たちの場所そして夜倉さんのこの結界に来てから出るまでの行動を洗いざらし吐いてもらった後妖魔を強化糸で亀甲縛りにして放置そのまま夜倉純を追いかけた
「!?」
その答えにさすがの夜倉さんも日花たちがなぜそんなのことしたのか理解したようだ
「いや~まさか本当に『俺たちを置いて逃げる』とはな?いや少し前だと『チームメンバーを囮に逃げてる』のか?」
「なんでそれを…っ!?」
「その反応、図星のようだな?」
「あ…」
鎌をかけられたことに気づき口を手で覆う
「あの妖魔から聞いたときは半信半疑だったがマジだったとはな…」
そう言って神吊はドン引きしたように夜倉さんを見る
「そういうわけです今回の妖魔退治は夜倉さん『貴女の秘密を暴くためのもの』だったんですよ」
「あう…」
その言葉に膝から崩れる夜倉さん
「さて…夜倉さん貴女は何故そんなことを?」
「……」
その質問に口を開かない夜倉さん
「ふむ…困りましたね貴女に答えてもらわないと非難も同情もできない」
「……」
「はあ…じゃあやり方を変えましょう」
それでも口を開かない夜倉さんだが
「うっ!ガッ」
急に胸を抑え苦しみだし
「おえええええ!」
大量の血と剃刀を吐き出した
というわけで淫妖蟲~斬~11話:夜倉純の憂鬱④読んでいただきありがとうございました!今まであとがきが適当だったのは単純に疲れていたのと思いつかなかったからです!申し訳ございません!今回の話の最後の現象知ってる方は知ってるのでは?次回その現象の正体そして夜倉さんが逃げ出した理由等を書いていきます!次回も見てほしいです!ではまた会いましょう!