淫妖蟲~斬~   作:白ノ兎

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夏バテ気味~


5話:幽霊船アポストル号(船内戦編③)

「おい…嬢ちゃん」

 

「なんですか」

 

「いや…忘れてた俺も悪いけどさ…」

 

「はい」

 

「流石に使うなら使うって言おうぜ?柄になくびっくりしたんだが」

 

 私たちは先ほどの部屋の向こう側の廊下にいますもちろん空間転移で移動したためです

 

「いえそれが言えない理由がありまして」

 

「なんだ?」

 

「まず『空間転移は室内では使えない』そう敵の親玉に思わせかったんです」

 

「…ほう?」

 

「理由としましては敵の親玉が私たちを確実に殺せると思い殺気と霊気が一気に上がる瞬間を探知するためですね」

 

「嬢ちゃん探知は出来なかったんじゃないのか?」

 

「確かに私は探知が苦手です、だから私でも位置がわかるくらいの霊気を発してもらう必要があったんですよ」

 

「なるほどな、だからここに来て一度も空間転移を使わなかったわけか、で?探知は出来たか?」

 

「……いましたよここから約200m右斜め前です」

 

「ナイスだ嬢ちゃん」

 

「ふふふ、大きすぎる力というものも考え物ですね」

 

「まあ、その大きすぎる力もさっきまで探知できてなかったんだが俺たち」

 

 そこ、言わないでください

 

「さて、行きたいところですが」

 

「あん?どうしたんだ嬢ちゃん?」

 

「実は…転移場所ミスったみたいで足が床に埋まってます」

 

「マジかよ…」

 

 細かい演算苦手だからこういう室内では使いたくなかったんですが

 

「神吊、床を壊してください」

 

「しょうがねえな」

 

 そう言って神吊は腕に刃を纏った

 

「ちょ!?神吊それなんですか!?」

 

 初披露の神吊の技能にびっくりする私

 

「あ?ああ、なんかできるようになってたんだ多分前取った魔廻天衝の副作用じゃねえか?」

 

「ああ~そういえばありましたね魔廻天衝」

 

 というか11000Pも使ったんだからさっさと活躍しろや

 

「まあ、そんなこといいじゃねえか取り敢えず床壊すぜ?」

 

「よろしくお願いします、ちなみに足を傷つけたらあなたの足を刈り取ります」

 

「怖いこと言うなよ…」

 

 そういいながら神吊は少しづつ床を壊していく

 

「チキンですね~もっと思いっきり壊してくださいよ」

 

「いや、俺の足がかかってるのにそんなこと無理だろ!?」

 

 そしてなんだかんだ私の足が自由になる

 

「ふむ…傷ついた様子はないと…まあ、感謝しときますよ」

 

「へいへい、身に余る光栄ですっと」

 

「適当ですね…」

 

「それが俺だからな?」

 

「まあ…いいですが、では行きますよ」

 

「了解だ」

 

「…神吊、了解は目下の人に使う言葉なんですよ?」

 

「ん?ああ了解」

 

「……」

 

「どうしたんだ嬢ちゃん?複雑な顔をして」

 

「それだと私の顔が複雑みたいになるのでやめてください!?」

 

「ケケッ知ってる」

 

「その首へし折ってやりましょうか?」

 

「からかいの代償が重すぎる!?」

 

 そのまま歩き続ける私たちだが余裕なのか何も考えてないのか口が止まる様子がない

 

「しかしここまで特に苦戦した感じなかったな」

 

「まあ…前の部屋は危なかったですが」

 

「そうだけどよ?全体的には入る前に感じた嫌な予感もただの杞憂にすぎなかったんじゃないかと思うんだよな」

 

「神吊、まだ油断は禁物です次はいよいよ敵の親玉ですからね」

 

「わかってるけどよ、案外どうにかなるんじゃねえかと思うんだよな」

 

「まあ…その気持ちはわからなくなないですが敵に配置も雑でしたしただ霊気が強いだけ説も出てきましたね」

 

「嬢ちゃんも油断してるじゃねえか…」

 

「いや…だって入る前の覚悟を裏切るくらい作業ゲーでしたもん、何が『私から離れないでください(きりっ)』ですかこれなら二手に分かれとけばよかったです」

 

「そうしたら俺、あの部屋でやられてたかもしれないんだが…」

 

「そこはご愛敬です」

 

「それ使い方あってるか?」

 

「さあ?」

 

「…まあいいけどよ…嬢ちゃん」

 

「なんですか?」

 

「流石にここまでくるとやばい霊気を感じるな」

 

「ですね…強いにしても限度がありますよ」

 

 目的地あと50m切ったあたりで流石に危機感を覚え始める私たち

 

「訂正するぜこれ本気の嬢ちゃん並みだ」

 

「本気の私こんなにえげつない気を放ってるんですか!?」

 

 流石にショックです

 

「と言っても嬢ちゃんが言った通り霊気がでかいだけかもしれねえし…いやそうであってほしいが」

 

「火力馬鹿はそれはそれでめんどくさいですが」

 

「そうだよな…」

 

 そしてついに目的地と思われる部屋の前に着いた

 

「……」

 

「ここ…だよな?」

 

「ここですね」

 

 そこから流れてくる霊気に当てられ私たちの体に重圧が掛かる

 

「嬢ちゃん…言いたいことがあるんだが」

 

「奇遇ですね私もです」

 

「「すう…」」

 

「「帰りたい」」

 

 その場所で見事に私たちの心はシンクロしました

 

「いや…だってな如何にもやべぇし」

 

「そうですね、いや負けませんよ?負けないとは思いますけど…流石に私も五体満足でいたいですし」

 

 そう思うくらい中から出てくる霊気はやばいものだった

 

「どうする嬢ちゃん…もう帰るか?」

 

「そうしたいのはやまやまなんですが…さすがに倒せませんでしたは私の経歴に傷がつくので」

 

「そうだけどよ?俺も死にたくないんだが?」

 

「じゃあ私の後ろで縮こまっててください…私は行きます!」

 

「おう、頑張れよ!」

 

「このチキンが…!」

 

 そういいながら私はその扉を思いっきり開けた

 

 




やっとおわりそ~
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