理想とは斜め上に行くものである   作:J・イトー

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pixiv版の内容を統合してます。


挑戦と邂逅の入学案内

 トレセン学園中等部1年、シダーブレードの朝は早い。

 

 目を覚ますや否や怪物が地中から蘇るような動きで被っていた毛布を突き飛ばした彼女。嫌々ながらも体を起こすと同時に欠伸が飛び出した。

 

「ふぁ~あ……」

 

 一緒に背伸びを行っておけば、眠気はいくらかマシになったように感じる。

 隣のベッドを見ると、まだその寝床の主はすやすやと寝息を立てている。鹿毛が特徴的なそのウマ娘は、名をリオナタールといった。

 柔軟運動の一環で手首や肩をグルグルと回しながらベッドを離れ、自分用のコップを手に取るとミネラルウォーターを注ぎ、あおった。

 

「……ぷはっ。ふぅ……」

 

 水分が体内に染み渡るとともに思考に鮮明さが戻ってきた。そこで、入学祝いとして母に買い与えられたスマートフォンを取り出し──シービーの活躍から10年も経っていないのに何故存在しているかは考えてはいけない──スケジュールの確認を行い始める。

 

「あ、交流会今日じゃん……」

 

 上級生と新入生が顔を合わせて何かをする会、としかシダーは知らされていない。あとは相手にミスターシービー、シンボリルドルフ、マルゼンスキーが含まれていることくらいか。

 

(ルドルフはここじゃ生徒会長をやってるんだったか。面接で会ったときは仰天ものだったなぁ……)

 

 記憶に新しいその出来事をシダーが回想するまで、そう時間はかからなかった。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 春と断ずるには少々肌寒いあの頃、トレセン学園の入学試験は行われていた。

 

 座学、実技、面接という、前世の自分の今ごろなら卒倒していたであろうラインナップに挑んでいたシダーは、座学はもちろんのこと、実技においても及第点は下らないだろう成績を叩き出すことができた。どうやらこの体には、他の入学希望者と競り合えるくらいには才能があったらしい。

 

 手応えは十分に感じていた彼女は、面接会場となる部屋のもとに通され、ノブに手をかけるところだった。

 

 ひと呼吸置き、ノックののちに入室し飛び込んできたのはこの学園の制服を着たウマ娘と見知らぬ少女だった。

 

「着席! まずは掛けてくれたまえ!」

 

 堂々と響く声に従い、イスに腰掛ける。この光景には突っ込んではいけないのだろうか、という若干の逡巡はあったが。

 

「面接にようこそ! 訊かれる前に答えよう! 私はこの学園の理事長、秋川やよいだっ!」

 

 一番に告げられた少女の肩書きに、呆然としてしまう。

 口振りから、自分より前の順番の希望者たちにしこたま訊かれたのだろうと察しながら相槌を打ちつつ次の言葉を待つ。年齢について訊こうかと一瞬考えたが、女性にそれを訊くのは一般的に無作法と言われている。

 

「私も名乗っておこう。学園の生徒会長、シンボリルドルフだ」

 

 もう一人の面接官の自己紹介に、こちらは冷静に受け止め会釈を行う。

 シービーとは三冠対決と銘打たれ相対した名バである故、何度のレースは見ていたので名前と姿は一致させていた。生徒会長であることは初耳だったが。

 

「早速! 聞かせてくれたまえ、君の名を!」

 

 頭の帽子に乗せた猫の鳴き声と共に扇子を開き、面接の開幕を告げる質疑応答が始まる。

 

「はい。私の名前はシダーブレードと申しまして、在籍しているのは──」

 

 氏名と一緒に、通っている小学校の名前を告げ、ついでに小学生らしく趣味や好物を添えて自己紹介を終えた。

 

「承知! ならば君の夢……教えてくれまいか!?」

 

 続けて問われた質問に、用意していた答えを記憶から引き出す。ルドルフの前で言うのは躊躇われるが、仕方がない。

 

「──ミスターシービーさんと、同じ舞台に立つこと」

 

 正確にはもう一人対象がいたのだが、関係を問われると面倒だったので伏せた。そしてその言葉に目を細めたルドルフにあったのは関心か、シービーへの嫉妬だったのかを読み取ることは叶わなかったが、極めて当然の懸念事項をぶつけんと重い口が開かれる。

 

「彼女と同じステージに立つには、相応の結果が必要だ。君にはその覚悟はあるかな?」

 

 現在、中央競馬にあたるトゥインクルシリーズを退き、ドリームトロフィーリーグなるスター揃いの魔境に足を踏み入れているシービーは、戦いを挑むには相当な根気がいる位置にいるといえた。正直そこについてのビジョンは固まりきっていなかったが、シダーは敢えて断言することを選んだ。

 

「……ええ。勝利が必要というならば、もちろんあります」

 

 そう言うシダーの瞳には、興味深そうに頷くルドルフが映っていた。

 

 その後はレースにまつわるアレコレを訊かれた。とはいえさほど踏み込んだことは聞かれず、ふわっと答えてもどうにかなるので、事前に組み立ててきた回答の大半はお蔵入りになってしまった。

 

「以上! これにて面接は終了とするっ!」

 

「……はい、ありがとうございます」

 

 そしていよいよ終わりも目前となったらしく、湧き出そうになる解放感を面に出さないよう努めつつ謝辞を告げる。

 

「私情っ! これは個人的な問いなのだが……」

 

 不意に告げられたそれに、ヒョコ、と耳が反応したのを感じつつ、再び聴覚に神経を巡らせる。

 

「君は……レースは好きか?」

 

 月並みなその質問に、口角を緩ませたシダーは特に躊躇いもなく答える。

 

「ええ、勿論」

 

 こうして、学園のトップ二人組との邂逅は、特に何事もなく終了した。

 

 

 

 


 

 

 

 

 あの日の情景をすべて想起し終えたシダーは苦笑気味にスマートフォンの電源を落とし、着替えを取り出してくることにした。

 

「まぁいいや、走ってこよ」

 

 始業の時間までまだ時間は十分すぎるほどある。ひとまず日課と化した早朝のランニングを行うことにした。

 

 すべてはなんとなく、意味も無く。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

「……」

 

 シダーは生唾を飲み込んでいた。

 

「今日の交流会は新入生と上級生が垣根なく触れ合う場だ。新入生諸君、遠慮はいらない。これも教学相長、自由に交流を試みてくれ」

 

「「「は……はいっ!」」」

 

 スターウマ娘三人を相手に緊張を隠せない新入生たち。

 この様子にこちらからきっかけを作るべきか、と判断したルドルフが口を開いた。

 

「……話を聞きたい相手に声をかけるといい。私への質問はあるかい?」

 

(シーン……)

 

 誰も口を開かない。自分などが恐れ多い、とかどんな話をすれば場が沸くのか、などの懸念に遮られて話すタイミングを誰もが掴みかねていた。

 

「ハイハーイ! ボクトウカイテイオー! カイチョーとお話したいなーっ!」

 

 しかしその沈黙に呑まれることなく声を発する勇者がいた。トウカイテイオー。数年前に聞いた名に内心シダーは驚いていたが、浮き足立っている暇もない。

 

「わ……私は! シービー先輩と話したく存じます!」

 

 この流れに乗らない手はない。憧れの存在が目の前にいるのに、何も話せず埋もれるのは御免だ。シダーは緊張のせいでいつもより数段固い声と敬語をもって切り出した。

 

「あ、自分はマルゼン先輩と!」

 

 自分の声に乗じたのであろう同室のリオナタールは、すぐさまマルゼンスキーのもとに向かっていった。

 

「積極的なのはグッドね! 他の子もどーう? 近場のトレンディースポットやナウなヤングに人気のディスコとか美味しいイタ飯屋さん、教えちゃうわよ~☆」

 

「あ、そういう質問でもいいんだ……! マルゼン先輩! 教えてくださーい!」

 

「わ、私もシービー先輩とお話ししたい! シービー先輩~~っ!!」

 

 テイオー、シダー、ナタールが先鋒となったことと、マルゼンの計らいもあって場の空気がほぐれていった。

 

「フ……新入生も肩の力が抜けたようだな。ここはマルゼンスキーたちに任せよう。さぁ、テイオー。何が聞きたい?」

 

 カンフル剤が投入され流れが活性化した状況に安堵しつつ、目の前の後輩に目を向けるルドルフ。

 

 一方、周りより先んじてシービーの前に立ったシダーは思いの丈をぶつけていた。

 

「どうも! シダーブレードです! ええと、あなたに影響されてこの道を志した身で、あの……会える日が来るのを心待ちにしておりましたっ!」

 

 姿を変えたとはいえ、敬愛する名馬の魂を継いだ存在であることには変わりない。それを前にして興奮できないほど、シダーは無欲ではなかった。

 

「……へえ。でも会うだけじゃ物足りないよね? 憧れのウマ娘とやらに会えたのなら次にすべきは……一緒に走ることじゃないかな?」

 

「なっ……! ええ、光栄です」

 

 突然の申し出に驚いたが、瞬時にチャンスと感じ取り了承の意味を込めた返事を口にした。

 

「え、まさかシダー! 先輩を独り占めする気で!?」

 

 すると、併走のことを聞き付けたのだろうナタールが、マルゼンのもとから食って掛かった。

 

「まぁまぁ! とはいえせっかく走るならいい勝負をしたいんじゃないかしら? 他のみんなも一緒に!」

 

 ナタールをなだめつつ、周りを巻き込んでの競争を提案するマルゼン。もはや冗談で済まない段階まで、場は色めき立っていた。

 

「え、レース? ボクもやるやるー!」

 

「……ふむ。ならばリレー形式はどうだろう? 上級生と新入生でチームを組めば、いい勝負ができるんじゃないか?」

 

 盛り上がりを聞き付けてやってきたテイオーと、その横からルールを提案しにルドルフが加わってくる。

 

「お、いいね!」

 

「じゃああなたはあたしのチームね! シービーちゃんと勝負して勝つんだから!」

 

「え、あ、はい! ありがとうございます!」

 

 チームリレーであればシービーとは味方同士で走ってみたかった気もしたが、呑み込んで礼を口にした。

 

「でしたら私はシービー先輩のチームで! 負けないですよ、マルゼン先輩!」

 

「ふふ、かかって来なさいナタールちゃん! ねえ、ルドルフも走るでしょ?」

 

「ああ。グラウンドの使用許可は既に取ってあるからね。ふふ、誰かが走りたいと言い出すと思ったよ。さて、私のチームに入ってくれる新入生はいないかな?」

 

「じゃあボクがっ!」

 

「あああのっ! ごっ、ご迷惑でなければ、ルドルフ会長とリレー……したいですっ!!」

 

 テイオーを筆頭に新入生たちが集まってくる。機嫌の良くなったルドルフは、ここでとっておきのジョークを試すことにした。

 

「迷惑などと思うものか。大丈夫だ。バトンを落として罵倒するオトンはいない。……ふふふ」

 

「…………え?」

 

 

 

 ⏰

 

 

 

「じゃあ始めるよー!」

 

 練習コースに赴いた一行。第一走者の三人の隣で、開始用の旗を手にしたテイオーが声を張り上げた。

 

 人数を考慮して複数回に分けられることになった都合上、彼女は今回欠番だ。

 

 一人辺りコース半周、練習場は東京レース場と同じように作られているためおよそ1キロ程度走ることになる。

 

 自分の隣にはミスターシービーが、一つ前の順番にはリオナタールとマルゼンスキーらが位置している。

 

 ナタールがマルゼンに追い付けるか、または逃げ延びられるか次第で自分とシービーの対決の是非も変わってしまうので、どちらにも頑張って欲しいものである。

 

「位置についてー! ヨーイ、ドンっ!!」

 

 長い戦いが、始まった。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

「シービーたち、用意を」

 

 シダーたちから見て向こう側でナタールがバトンを受け取ったのを見て、ルドルフがこちらにセットアップを促してきた。

 

 見るとナタールが先頭、そこから4バ身程度離れてルドルフチームのウマ娘が、さらに大きく離されてようやくマルゼンスキーがバトンを受け取っているのが目に入った。

 

 まずい。このままではシービーを相手に、距離のハンデを背負わされるという絶望的な状況に成り果てる。

 

 飄々とナタールのバトンを待つシービーと対照的に、冷や汗が浮かぶシダー。しかしそれが杞憂であったことはすぐに証明された。

 

「う、うそっ!?」

 

 二番手であったルドルフチームのウマ娘が驚愕の声を上げた。そしてそれはシダーの周りも同様だ。

 

「こうやって誰かを追い越していくのって、意外と楽しいものねっ!」

 

 バトンを受け取るや否やグングンと加速したマルゼンスキーは前との差を縮めていき、3分の2を走る頃にはルドルフチームを抜き去りナタールを追いかけていた。

 

「なっ……っぁぁああ!!」

 

 気配を察したナタールが、今まで無意識に掛けていたのだろうリミッターを一段階吹き飛ばした。

 

 1バ身でも、1ミリでも差を離そうと無我夢中で走るが、マルゼンは一向に迫ってくる。

 

 速すぎる。バトンを受け取る身としてゾッとしてしまうほどの速さだ。

 

 いよいよナタールらが迫り、助走としてシービーが走り出した瞬間、シダーは全力といえる力でターフを蹴り付けてスタートダッシュを切る。こうでもしなければ、マルゼンだけ勢いのまま先に行ってしまうのでは、と思えたから。

 

「くっ……シービー先輩っ!」

 

「シダーちゃん、出番よっ!」

 

 直線。バトンの受け渡し地点間際に到着したと同時にマルゼンがナタールを追い抜かし、次走者のもとにタイミングのみ同時にバトンが渡った。

 

「くぅっ……!」

 

 最後の最後まで全速力だったマルゼンに、しっぺのごとくバトンを渡されたことによるヒリヒリとした痛みに耐えながらも、迫るカーブに向けて重心を傾ける。

 シービーがどのくらい後ろにいるのか確かめたかったが、後ろを覗くのはランナーとして三流以下だ。本能で感じ取るしかない。

 

 次の走者がいる都合上、差しだの追込だので力をセーブしている暇はない。先頭に立ったからには逃げるしかないのである。

 シダーのそれは大逃げと形容するにはあまりに破滅的すぎるものだったが、相手はミスターシービーである以上自然とすら言えた。

 

 トップスピードを維持するのに、1キロは長い距離だ。しかしペースを落とせば相手はこれ幸いと追い抜かしてくることは想像に難くなかった。

 

 内ラチが視界の左側を猛スピードで流れていく中、シダーは運動中とは思えないほど思考を回転させる。

 この勝負、どこまでトップスピードを維持できるかで決まる。限界が来るまで、いや、限界がきてからどれだけ肉体に言うことを聞かせられるかが肝だ。

 

「うあああぁぁぁっ……!!」

 

 無我夢中で走り続けたシダーはやがて直線近くに差し掛かり、バトンの受け渡しを考えなければならない領域に入った。

 しかし終わりが見えた、いや見えてしまった途端、シダーの足が鉛のように重くなってしまう。

 

「まだ……っ! まだなんだぁっ……!」

 

 勢いのまま倒れ伏してしまいそうになる肉体に、もう少しだけもってくれ、と語りかける。

 しかしシダーにはもう全力で走るだけの余力がなければ大義もない。さっきの自分のときならまだしも、バトンを渡す相手のペースを測り損ねれば激突は免れないからだ。

 エネルギー供給をストップするようなイメージで減速を試みたその時。

 

「……お先に」

 

 視界の右側、つまり外側から突風を感じたと同時に最も恐れていた相手が並び、いや追い抜かしてきた。

 

「えあっ、くそっ……!」

 

 彼女に追い抜かれようものなら、次はない。バトンをトップのまま渡せないのならば、個人として敗北以外の何者でもない。

 

(こうなったら……前のことなど知るかっ!!)

 

 ここで諦めてしまえば何もかもが終わってしまう気がする。そんな強迫観念に突き動かされるように、抜きかけていた力を再び差し戻してトップスピードに近付けようと太腿に無理を利かせるが、その効果はあまりにも僅かであった。

 

「くっ……!」

 

 結局、シービーを前に捉えたまま、バトンは次の走者に渡ることになった。

 

「あぁっ! はあっ……はあっ……」

 

 息を切らしながら、役目を終えてコースから外れるシダー。その顔には苦悶が浮かんでいた。

 

(……クソっ! こんな……っ!)

 

 ここまで差があるものなのか、と内心唸らずにはいられなかった。

 

「ふぅ……速かったね。君。最初追い抜けるかな、ってちょっと不安になった」

 

 肩で息をして疲労困憊のシダーにシービーが語りかける。

 

 不安、か。憧れの存在に僅かでも冷や汗をかかせられたならチャレンジャー冥利に尽きるというものだが、それはバトンを受け取ったマルゼンスキーの勢いによるものが大きかった。

 

「前がマルゼン先輩だったからです……それに、結局あなたは追い抜いてきた」

 

「まぁ、追い抜かそうと思ってたから」

 

 容赦がないな、とシダーは思わず苦笑した。

 二人の間に数拍の沈黙が流れたのち、シービーがまた口を開いた。

 

「ありがとう。君との走り、楽しかったよ。また走りたいって言うのなら、いつでも歓迎さ」

 

「それは光栄ですね」

 

「君には、他とは違うなにか……そう、運命的なものを感じるからね」

 

 何だそれ、と突っ込もうとして飲み込む。

 二人のファーストコンタクトは、こうして激闘と共に終えた。

 

 

 

 

 

 

 

 シービーと別れた後、疲れた体に鞭を打ち柔軟運動を行うシダー。無用な筋肉痛は避けたい主義なのである。

 

「お疲れ様です、シダー」

 

 前走者でありルームメイトのリオナタールが話しかけてきた。

 屈伸運動をしていたがすぐに切り上げて後回しにして、目線が上下しないよう上半身のストレッチに切り替えた。

 

「ああ、ナタール。負けてきたよ」

 

「……私もです。シダーが全力で助走しなければ抜かせなかったかもしれない、って言われましたが、あのリードを詰められた身としては……」

 

 心底悔しそうに語るナタール。彼女にしてみれば大差のハンデを覆されているのだから、自分に都合のいいたらればを語られても大負けしたという意識が消えないのだろう。

 

「自分もダメだったよ。マルゼン先輩の追い風に乗ったはいいけど続かなかった」

 

「そう……」

 

 傷の舐め合いにケリをつけて、おもむろに二人はまだ続いているリレーの方に目を向けた。

 見るとバトンを持ったシンボリルドルフが、シービーやマルゼンらの作ったリードを物凄い勢いで喰い漁っている。

 

「なんだこれ……」

 

「あーもう、私たちの努力は何だったのでしょうね?」

 

 シンボリルドルフには絶対がある、と称されたのも頷ける、異様なスピードだった。

 超せるだろうか、そんな不安がよぎる。

 

「……人間が越えるべき壁は、まだまだ高いな」

 

「え?」

 

 ふと溢したシダーの呟きに、ナタールの訝しげな声が返ってくる。

 

 やっちまった、と冷や汗をかきながら、はぐらかして難を逃れるシダーであった。




次回、チーム調査の巻。

一部アニメモブウマ娘の名義変更について

  • 不可
  • どっちでもいいので早く投稿して
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