技量戦士がVRMMOにハマった 作:こんこんВерныйカワイイヤッター
「グヘヘ…!かわいいやつが来た…!」
えぇ…フミ工房を訪ねた瞬間これである。多分誰でもこれは引くと思う。
「工房を借りたいのだが…」
「うん。自由に使っていいよ!こっちだってかわいい子は大歓迎だからねぇ…」
うわぁ…まぁ工房借りよう。
持っていた木材を加工して仕掛け付きの籠手を作る。
仕掛けを作動させると糸が飛ぶ。糸の先には矢じりのようなものが付いていてこれが刺さる算段だ。
すると工房主が
「いいねぇ!浪漫があるねぇ!そうだ!うちの作品見てみる?」
と言ったので工房主の後ろを付いていき奥の部屋に入った。そこには変形させることで槍からレイピアに変わる武器や火を点けるだけで爆発させる籠手、炎によって回転する持ち手の付いた車輪、更には滑車によってとんでもない勢いで飛ぶモーニングスター。正しく変態という言葉が似合う装備があった。…なるほど貴公も浪漫派か!
こうして意気投合した私達は夜まで語り合っていた。
次の日、私は街の外に出て山に向かっていた。目的は鉄である。そろそろ新しい武器も作りたいし防具も今のままでは不安である。また籠手の実戦テストも兼ねている。素早さに全く振っていないため速さは現実準拠である。つまりかなり遅い。それを克服するためのこの籠手である。実際移動するまでに使っていたがかなり速い。しかもどうやら技量があればあるほど速く移動できるようで恐怖を覚えるほど速い。あっという間に鉱山に着いた私は街で買っておいたツルハシで鉄を掘り始めた。
筋力がないせいでかなり辛い。
なんとか掘り終わった私は真っ先に工房に向かった。鉄を打つのは初めてだが技量のおかげでどうにか作り終わった。作ったものはドリルである。綿を詰めて火を放てば高速で回転する。その後私は街の雑貨屋でスクロールを買った。火付け…ただ火を点けるだけの魔法。
そして鉱山にまた向かう。
ドリルのおかげでかなり楽になった。欲しい量が集まったので帰宅…しようと思ったが敵と出会った。
ゴーレム…鈍重だが硬く重い。攻略組の中でも上位のプレイヤーでも苦戦するほどの硬さである。
籠手を使い急接近し先手を掴む。ドリルを弱点に当てようとしその表面を削る。弱点が見え押し切ろうとしたが弾かれる。スキルを使用したようだ。ゴーレムが硬いと言われる理由はこのスキルにある。山の護り…このスキルこそがゴーレムが強敵であると言わしめる所以であり、プレイヤーは所々の間を縫って弱点を突かなければならない。しかし、私は技量に極振りしたやつだ。そんなことが通用すると思うなよ。正確にドリルを突きたてスキルの隙間から削りスキルを剥がす。ゴーレムが反撃する。ドリルを使い受け流す。そのまま力を込め弾き飛ばす。ゴーレムがよろけ、その大き過ぎる隙にドリルを突きたてる。
ゴーレムは死んだ。がそのスキルを剥いだ残骸が残っていた。これは使えそうだ。ニヤッと笑い街に戻る。
装備を打つ。完成した装備を着てみる。傍から見ればどこにでもある装備だと思うだろう。しかし実際は浪漫たっぷりの装備である。
「へぇ…これにどんな浪漫があるの?」
工房主が聞く。
まず武器…絶技の双短刀から説明する。
「これはね…柄の部分に滑車が入っててこの糸を伸びたり縮ませたりできてこれで意識の外側から攻撃する。で中に燃料が入ってんだけどそれを燃やして攻撃力を高められるの」
そして次に防具…山の鎧を説明する。
「この鎧はね…仕掛けこそないんだけどゴーレムのスキルの素材を使っていてゴーレムのスキルが使えるの。
しかもスキルによって硬くなるから本体は軽い。
一応騎士の鎧みたいに全部位を守ろうとしてるから重いけど構造が鎧自体を支えるからかなり軽く感じるの。
あと目のところには魚眼レンズが付いてるから見た目に見合わずかなりの見やすさなんだよ。」
「す…凄い!これは攻略組の装備にも匹敵する。しかも浪漫の塊だと!素晴らしい!」
すごい絶賛された。