インフィニット・ストラトス・アライズ-Dominater of Battlefield-   作:天津毬

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皆さんお久しぶりです。
ふと思いついた内容なので、忘れないうちにと文章化してリハビリがてら書き始める事にしました。

突発的スタートなので計画性などあまりありませんがよろしくお願い致します。





Prologue
#00 Rade on Tokyo(東京襲撃)


 

 

────西暦2001年。

7度に渡る小惑星の衝突。

天変地異。

全面核戦争。

国連の海洋移転。

かつて世界は混迷を極めていた。

…荒れ果てた地上から運良く逃げ出せていた一部の人類は、全長7km〜21kmもの巨大海洋プラットフォーム船《コロニア》に移住し、地上復興と秩序再構の為に、ある茶番を演じてみせた。

…6000発のミサイルによる、日本・アメリカ・ヨーロッパ諸国の地上人口密集地への空爆。

そしてそれをたった3機の人型兵器が全てのミサイルを撃墜し、その鹵獲を目指した通常兵器群を悉く殲滅する。

────白騎士事件。

《コロニア》の天才科学者が開発した新概念兵器、インフィニット・ストラトスはその圧倒的な性能差を見せつけ、それは、『コロニア主導の節度ある地上復興』という名の武力に物を言わせた独善的統治を助長するには充分だった。

そうとも知らない情弱で無垢な地上の人々はISを畏れ、あるいは崇めさえし、ただひたすらに飼われることによる安寧を享受していた。

…しかし、10年も時を経れば時代は変わる。

進まぬ復興。

困窮する経済と生活。

拡大する放射能汚染。

ISによる弾圧。

『コロニア主導の節度ある地上復興』という名の、【コロニアを維持する資源基地化】という醜悪な実態が白日の元に晒される。

そしてその事実が知れ渡るに比例して、コロニアによる、ISを背景にした武力支配は強さを増していく。

加速する世界の破綻は、ついにはコロニアすらをも存亡の危機に陥るに至り、地上諸国の人々は決意した。

────自らの手で復興する為に、コロニアを破壊しなければ…と。

そうして、地上において実質的最高権力組織となっていた6つの国家組織が、コロニアに対し全面戦争を開始した。

────再構築戦争。

のちにそう呼ばれる事となったこの戦争には、6大国家軍が投入した最新鋭兵器が主力となっていた。

────【インフィニット・ストラトス・アライズ】。

その、ISの絶対防御を解析して発見された【タキオン粒子】技術などの最新技術を盛り込んだわずか50機にも満たない新兵器によって、1601機のISとコロニア軍はなすすべもなく壊滅し、勃発からわずか半年足らず程で、6大国家軍の圧倒的勝利で終結。

これにより、地上諸国による復興・統治が再開された。

国家による新たな統治が開始されてから10年、白騎士事件から21年後の現在。

世界は様々な問題を内包しつつも表面上での安定を保っていた。

 

 

────西暦2022年2月26日

日本帝国第一帝都東京都

 

季節外れの吹雪で白く煙る東京。

前日には交通機関の運転に支障が出るだの、デート日和だのと話題が持ち上がり、今日もまた人が溢れかえる筈だった場所に人影は一切なく、景色に不釣り合いな砲声とジェット音が木霊していた。

路上にあるのは打ち捨てられた多数の自家用車と破壊された警察車両、そしてその周辺で辺りを警戒するIS部隊。

────白昼堂々、突如として都内に湧いた武装勢力によって、都内は混乱状態にあった。

一般市民は商業施設や冷戦時に建てられた防空壕に退避を余儀なくされている。

混乱の始まりと同時にバスや電車などの公共交通機関は停止し、路上は吹雪で歩いて避難する事もままならない。

テロか、クーデターか、そのいずれにしろ、日本の首都である東京で戦闘が発生し、人が死んでいる────その事実に変わりはない。

…東京は、戦場と化していた────。

 

 

────同・霞ヶ関

総務省合同庁舎屋上ヘリポート

 

そこに、この戦場を支配する、翡翠色の人型兵器────デュノア製インフィニット・ストラトス《ラファールリヴァイヴ》が鎮座していた。

 

「ハイパーセンサーにて目標を捕捉。警視庁の打鉄(IS部隊)よ!」

 

武装グループを率いる女が叫ぶ。

彼女の網膜に投影された戦況ウィンドウには、虎ノ門方面より桜田通りを進軍してくる警視庁のIS部隊の様子が映されていた。

 

────既にこちらは霞ヶ関を制圧している。市ヶ谷や皇居北方面の制圧こそ叶っていないが、頑丈さしか取り柄のない、さらには対ゲリラコマンド用の小火器しか持たない打鉄など知れている。

 

(恐らく奴らの狙いはこの膠着した状況を打破する為に突入し直接制圧……と見せかけて、無事制圧部隊を送り込む為の陽動…、あるいはこちらの通信網破壊…でしょうね。)

 

「どちらにしろ、ここに辿り着かせる訳には行かない!正面から阻止するぞ!」

 

連鎖する了解の声。そして同時に響く、味方ラファールが持つアサルトライフルの砲声。

それを聞き女は両腕に構えたアサルトライフルのグリップを強く握り締める。

そこには、IS乗りの多くが陥る、『男より優れているという陶酔による女尊男卑』といったモノなどは無く────自らが信じる正義に燃える瞳をしていた。

 

「体制の下僕(イヌ)なんかに屈しない…!絶対に!!」

 

憎悪する様に────吐き捨てた。

…武装グループは、難民の集まりだった。

国外、国内を問わず、関東に流れ着いた避難民。

彼女もその一人であり、また孤児だった。

地方の難民キャンプに押し込まれ、国家は都市の再興に注力するあまり、地方に取り残された人々の衛生環境が破滅的状態に陥っていても、見て見ぬフリをしている────その現状に憤り、彼女達はISを用いたテロを起こしたのだ。

自分達の現状を訴える手段を捨て、暴力に走ったとしても。

────彼女らには、現体制を耐え難い元凶と断じたのだから。

 

『敵IS、3機目を撃破。EOSにすら遅れを取るとは。…警視庁め、この程度でよくIS乗りを名乗れたもんだ』

 

『油断するな。突入戦力がこれだけとも思ない。』

 

目下では、味方EOS部隊のリーダー格の男が次の一機を撃破しながら部下を窘め、周囲を睨みつけて警戒していた。

 

『おい、なんだありゃ』

 

「なに?どうした?」

 

『こちら赤坂見附。三班のジャンだ。四ツ谷駅方面から高速接近する機影を確認した。ISか? いや、これは……ッ、そんなッ、まさか────』

 

ジャンという男からの無線が途絶する。

直後────赤坂見附方面で爆炎が走る。

轟音────それと同時に、同地点を制圧していた味方部隊の反応がロストした。

そしてそこに────新たにアンノウン(敵味方識別不明機)が現れ、

 

「くそッ────!」

 

無線を切り、飛来する深緑色の機影が吹雪の向こうに────彼女にも見えた。

間違いない。

アレは────

 

「アライズ────!!」

 

絶句する。

どうやって現れたのか。

…ハイパーセンサーにも引っ掛からなかった。

…仮にこの吹雪の中でも東京都心部の索敵程度は出来る筈。

…なのに、味方が撃破されるまで映りもしなかった。

何故、何故、何故…!

いやそもそも、アライズという核兵器の代替を成せる戦略兵器(・・・・・・・・・・・・・・・・)を投入して来た事に衝撃を覚えたのだ。

女の混乱する思考の中、

 

『────変わらんな…お前等も。』

 

────死神が憐れむ様に笑う、声を聴いた。

 

◆◆◆◇◆◆◆◇◆◆◆

 

 

──── 3分前

迎賓館赤坂離宮直下・政府専用地下列車基地

 

────冷戦期、旧ソ連軍の本土侵攻時に皇族を東京以西に退避させる為に建造された地下鉄道の中継駅のひとつ。

今では四ツ谷駅総武線ホームに延びる廃線がその名残りとなっている場所に、"ソレ"はいた。

深緑の国防色に身を包んだ、一目で重量型機体と分かる程の肉厚な脚部。

それでいながら、格闘戦を想定した取り回しの良い上半身と無骨さを宿した三眼の頭部。

右腕には4メートルはある40mmガトリング砲。

左腕にはパイルバンカー。

背中には、折り畳まれた二連装35mm機関砲と、120mm滑腔砲。

両肩には空対空ミサイルを搭載した、重武装全身装甲機体。

────21式機動挺身装備(アライズ)日方風(ヒガタチ)】。

…それがこの機体の名だった。

その内部に────耐G圧力ユニットで満たされた、ブ厚いフライトスーツを着た男が乗っていた。

 

「全く…因果なもんだな。この日付(2.26事件の日)に、とは。」

 

呆れているのか、悲観しているのか────失笑しながら男は言う。

2.26事件────1936年2月26日に発生した、旧大日本帝国陸軍のクーデター未遂事件。

天皇親政を目指す皇道派青年将校らによって、霞ヶ関の主要各省庁が制圧された事件であり、奇しくも今回のテロで制圧されている場所も、ほぼかつての2.26事件の場所と一致していた。

────これを因果と言わずしてなんというのか。

 

『────…作戦を再確認します。』

 

プシュ、という音とともに機体内部の空気がほぼ真空状態となり、首元のバイオデバイスが機体に直結される中、ヘルメット内のイヤホン型通信機がオペレーターの声を拾う。

 

『霞ヶ関・永田町を占拠する武装勢力を排除して下さい。敵部隊はコンペートやEOSで構成された混成部隊ですが、練度は相当なものであるらしく、数回に渡る警視庁機動隊のIS部隊の突入も失敗に終わっています。』

 

脊髄に打ち込まれた直伝操作系統装置との接続が終わると、今度は耐Gジェルの注入が始まる。

オペレーターの話を聴きながら、機体情報の確認を開始する。

────コンペートとは、かつてのインフィニット・ストラトスの俗称あるいはアライズとの区別化の為に作られた通称名の事を指す。

語源は英語で『競技用』を意味する『コンペディション』であり、再構築戦争後、スポーツ用品としてしか価値が無くなったISにはある意味相応しいとも取れる名称だった。

────そしてEOSとは、強化外骨格(Exotic-Orbit-Skeleton)の略称であり、1960年代の宇宙開発黎明期に誕生したパワードスーツである。

第4次非核大戦時の主力兵器として、またある時は飛来した小惑星破砕用の決戦兵器として等、激動の時代を経て主力兵器の座をISに明け渡したが、その意匠はアライズへと継承された。

現在でも土木作業機械や歩兵装備として運用されている等、主力兵器に準じる扱いを受けており、こうしてテロに使われる事も珍しくない。

 

『既に首相官邸、国会議事堂、総務省、財務省、警視庁やその他民間施設にて火災も確認されており、状況は一刻を争います。』

 

人肌に近い三十六度の固形ジェルが男の肢体に馴染むように耐Gスーツ内を満たすと、ようやくアライズは起動する。

 

『また、民間人の退避は確認済みです。射撃兵装の使用を許可します。』

 

心臓部たるタキオンエンジンが拡張領域の海の底で火を灯し、生成されたタキオン粒子によって莫大なエネルギーが即座に産まれ出でる。

 

《タキオン粒子崩壊熱発生。汚染線量は許容数値内。》

劣化粒子混留汚染物質(レッドダスト)の発生確認できず。問題ありません。》

《システム系統の伝達、全て正常────オールグリーン!》

 

次々と作業スタッフの無線が飛び交う。

それは忙しく、鬼気迫る気迫に満ちた声音だ。

────無理もない。

タキオン粒子────別の呼び方をするならば対消滅粒子。

アライズの要たるソレは、その実、放射性物質であるウランやプルトニウムとは比較にならない程の致死性の環境汚染を引き起こす毒性物質でもあるのだ。

そんなモノを東京都内────日本最大の人口過密地域に搬入し、剰え起動させる。

────常人の感性からすれば、正気の沙汰ではない。

…だが、アライズという切り札を切り、戦場という盤面をひっくり返す快感を得た人間達からすれば、そんなことは些細な話なのだろう。

それらを背景を他所に、タキオン粒子が機体を巡る。

アクチュエータ複雑系を通して全身に行き渡り、やがての日方風のサードアイ・センサーがカッと輝きを放つ。

 

《21式機動挺身装備【日方風】》

ーー装甲耐久ーー

粒子装甲:100%

複合装甲:100%

機体骨格:異常なし

ーー兵装ーー

腕部兵装右:GAU-8EⅡアヴェンジャー機関砲

腕部兵装左:81式Ⅲ型対戦車装甲穿孔槍

肩部兵装右:04式空対空誘導弾/AAM-5

肩部兵装左:04式空対空誘導弾/AAM-5

背部兵装右:GDF-001 35mm連装機関砲

背部兵装左:L44対戦車120mm滑腔砲

格納兵装右:03式近接長刀Ⅱ型

格納兵装左:81式Ⅲ型対戦車装甲穿孔槍

拡張領域内:IHI-F5-1T/AWタキオンエンジン

────システム起動。

 

「ッ────!」

 

同時に、男は頸から逆流する異物感に身悶える。

…内蔵を直接握られた様な。股ぐらを撫で回される様な。皮膚を引き裂かれる様な。

機体と肉体が同調する直前の不具合(ギャップ)が肉体を駆け巡る。

そうして────脊髄に挿入されたナノマシンを介して、男の意識はアライズとリンクする。

 

『トンネル隔壁ハッチを開けます。わかっているとは思いますが、戦場は東京都心です。実戦形態(アクチュアルモード)は使用出来ません。

演習形態(セーブモード)で対応して下さい。』

 

「了解。」

 

────早い話が、微量とはいえ市街地を汚染する訳に行かないので、弱体化した状態で殲滅してこい。

…そういう話だった。

 

『ああ、申し遅れました。コールサイン:ライカン01さん。私、本作戦の補佐を致します────更織楯無と言います。以後お見知り置きを!』

 

「…おしゃべり娘という事は覚えておこう。」

 

頭に響くハイテンションボイスの娘を軽くいなして、男は言う。

────隔壁が開かれ、途端に吹雪が流れ入る。

地下の列車基地にカタパルトの類はない。

男は《日方風》に思考操作でコマンドを送る。

《日方風》は膝を折りながら、跳躍とともにメインブースターに滾らせ、

 

「────ライカン01、出るぞ!」

 

プラズマジェットの奔流を解き放つ────!

超重量の鋼鉄を押し上げるアライズの推力が即座に機体を上昇させると、ものの数秒で深緑の巨人は白雪の空に到達する。

男はスラスターを吹かして首謀者の元へ────上智大学真田堀運動場を突っ切り弁慶濠沿いに突撃する。

────同時に、ハイパーセンサーが敵を捕捉する。

赤坂見附交差点に鎮座する────デュノア製EOS Du-EOS15(フォーコン)が。

ホバーフロートで移動するその機体は、中世の女性が来ていたドレスのような、独特の形状脚部が特徴だった。

 

『……これは……ッ』

 

敵がこちらに気づく。

 

「ライカン01、交戦開始(エンゲージ)

 

冷徹に男は告げると、背部左方に搭載されていた120mm対戦車滑腔砲が展開される。

 

『そんなッ、』

 

────照準は敵EOSを捉えたまま。

 

『まさか────』

 

「ライカン01、FOX-2 ────!」

 

引き金を、引く────!

炸裂する薬室内の火薬。

撃ち出された120mm榴弾砲はそのまま敵EOSに喰らい付き────爆ぜる…!

爆散する敵 Du-EOS15(フォーコン)を尻目に、男は永田町方面目掛けて加速する。

 

『────間も無く敵本隊と接敵します。敵コンペート8機確認。EOSが28機ですが、火力は無視できません。被弾にはくれぐれも注意してください』

 

「了解」

 

男は網膜投影された《日方風》の仮想視界越しに敵部隊を目視する。

連動する様に、日方風のサードアイセンサーが絞られる。

戦況は悪く、味方部隊────警視庁IS部隊は既に数を大きく減らしている。

一方で敵部隊はそのほとんどが健在。

…それにしても、と男は呆れて失笑する。

 

(ISによる体制打破…ねぇ、白騎士事件の焼き増しでもするつもりだったのか?)

 

「────変わらんな…お前等も。」

 

何処か自虐を込めて、男は呟いた。

 

『陸自のアライズだと⁈』

『アライズだ…!アライズが来た…!』

『怖気付くな!同じ人間だ!私達にだって殺れる筈だ!!』

 

驚愕、畏怖、慟哭────拾った敵の回線から、無線内容が木霊する。

 

『機種特定。米国製EOS、GB-ExS-R117(ターンソウル)。それからデュノア製コンペート《ラファールリヴァイヴ》の混成部隊です。』

 

…士気はそれなりでも、退く気はサラサラない────ならばやるべきことはただひとつ。

 

「────始めるか」

 

男は意識を集中し、プラズマスラスターを蒸す。

40トンを超える巨躯が時速1800kmに加速し、敵部隊を肉薄する。

────その、軌道上にあるラファールを、

 

「────ふんッ!!」

 

────左腕の81式Ⅲ型対戦車穿孔槍(パイルバンカー)を纏った拳をもって、正面から殴り打つ。

撃ち出されたタングステン合金の鉄塊が、10mの均質圧延鋼装甲をすら貫く侵徹力をもって、ラファールを粉砕する…!!

機体フレームから原型が失われ、操縦者が血霧となって飛び散る────それを尻目に、男は日方風を一気に急上昇させる。

 

「ふッ────!」

 

上半身のスラスターのみを蒸し、空中に弧を描き────視界が曇天から、敵部隊の展開する地上へと切り替わる。

男は日方風を空中でバク転させ────全武装を展開。

右腕部のGAU-8EⅡ(アヴェンジャー)40mmガトリングライフルが、

右背部のGDF-001 35mm連装機関砲が、

左背部のL44対戦車120mm滑腔砲が、

両肩部の04式空対空誘導弾が、

────一斉に、火を噴いた…!

ガトリングライフルと連装機関砲が、鋼鉄の雨礫となって叩きつけ、120mm滑腔砲と空対空誘導弾が次々と爆発を連鎖させる。

それで、手近なコンペートISの一機と機動力に乏しいEOS複数機が一瞬にして蹂躙され、一斉射のもとに無へと帰した。

 

『!?︎識別不明機(アンノウン)…!!』

 

楯無が叫ぶ。

 

「────……ッ!」

 

────瞬間。

男は尋常ならざる殺気を感じ、サイドスラスターを蒸す。

直後には亜音速で砲弾が駆け抜け、一瞬前まで《日方風》のいた空間を攫っていく…!

────思わず溢れ出た冷汗が、額を伝う。

 

(…狙撃砲か。この視界でよくやる。)

 

『機種、特定しました。イギリス製EOS、BAEs-EoS44(ブルーウェーブ)。狙撃特化型機です。』

 

楯無の報告に男は舌打ちする。

…イギリス機は過去の歴史的事情から、機動狙撃戦を重要視した機体だ。

それはもちろん、コンペートISもEOSも、アライズも────。

加えてこの吹雪。

視界は精々100メートル、にも関わらずBAEs-EoS44(ブルーウェーブ)の反応はそれより先────それも吹雪によってハイパーセンサーの感度が低下しているのか、時折点滅している────、つまり、BAEs-EoS44(ブルーウェーブ)の操縦者はこの悪天候でレーダーも頼らず精密狙撃してきたのだ。

相当の技量と経験を兼ね備えているという事が伺える猛者────。

 

「…良い腕だ────」

 

男はガトリングと連装機関砲を、空を舞うコンペートIS目掛けて斉射する。

 

「────殺すには、惜し過ぎる。」

 

独り言のように男は呟く。

吹雪のカーテンの向こうで光るマズルフラッシュ────それに反応すると同時に日方風のサイドブースターが唸り、強烈なGとともに機体を無理やり横方向へ回避させる。

アライズのもつ驚異的な機動力、その根幹を成すものが、この横深瞬時加速(スライド・イグニッション・ブースト)だ。

PIC(慣性制御)に加えて耐Gジェルで操縦者を保護しなければ、即座に体が挽肉になってしまうだろう圧力負荷に晒される代わりに、光速反射運動すら可能とするソレは、アライズの機動戦の要だった。

そして、横深瞬時加速によってズレたロックオンカーソルを解除し────先の火点(マズルフラッシュ)目掛けて手動制御で120mmAPFSDS(装弾筒付翼安定徹甲弾)を叩き込む…!

同時にサイドスラスターを左右逆方向に向けて反転噴射(クイックターン)────する視界の端で、APFSDSに食い破られ、吹雪を払いながらひしゃげて爆散するBAEs-EoS44(ブルーウェーブ)を見届けて────男は眼前の敵に狙いを定める。

残っていたのは3機とラファールと、2機のGB-ExS-R117(ターンソウル)

男は迷う事なくスラスターを最大噴射し────瞬時加速(イグニッションブースト)

マッハ3(時速4000km)を超え、ラファールに突貫しそして────右腕副腕機構が展開し、03式近接長刀Ⅱ型の刃がラファールを写す。

 

『ッ!回避……』

 

リーダー格の女が叫び、瞬時加速(イグニッションブースト)で無理矢理回避を試みる…!

────(ザン)

────その回避行動と、日方風がラファールとの距離を3メートル圏内に狭めるのと同時に。

男は、日方風の右腕副腕機構が保持した近接長刀を横薙ぎ一閃する────!

 

『がッ────────』

 

『敵ラファール、全滅。』

 

リーダー格の女が呻き声を上げ、衝撃でひしゃげた機体フレームごと地上に叩きつけられたのと。

楯無の冷静な報告と。

もう2機のラファールがパイロットごと(・・・・・・・)上下に引き裂かれたのは、同時だった。

 

男はそれを聞き流し────右腕副腕機構の近接長刀を地上目掛けて投擲。

刃は嫌な音を響かせ、残敵──── GB-ExS-R117(ターンソウル)2機の片割れに突き刺さる…!

────文字通り、串刺しだった。

胸部コアフレームからコックピットブロックを穿った近接長刀は、そのまま背中を貫きアスファルトに突き刺さる。

 

『敵機撃破、残り一機で…』

 

────楯無の声が響く。

 

『この野郎ォ!』

 

同時に響く、怨嗟の慟哭。

最後の1機となったGB-ExS-R117(ターンソウル)が右腕に装備していた20mm連装ガトリングガンがけたたましい砲声を鳴らし、かき消すように左腕対艦バズーカを撃ち放つ。

 

『殺す!殺してやる!!』

 

頭に血が上ったように感情を露見させた声を上げながらも、その狙いはあまりに正確だ。

────男のガトリングライフルを敵は巧みにブースト機動のみで躱してみせ、ガトリングガンによるカウンターショットを繰り出し、誘導したところに対艦バズーカを撃ち込んでくる。

…基本に忠実かつ、堅実な戦い方。

だが────地を這う存在であるEOSの身でありながら、事実上の軍用ISであるアライズの攻撃すら全て回避してみせる身のこなし。

…なるほど、先程のBAEs-EoS44(ブルーウェーブ)の兵士同様────おそらく激情型であれ、優秀な兵士なのだろう。

 

『そこだ────!』

 

日方風目掛けて対艦バズーカを撃ち込む…!

トマホーク巡航ミサイルを流用したそれは、日方風目掛けて吸い込まれていき────肉眼で視認できる程、高濃度粒子の壁によって阻まれた。

…爆散し、白煙を撒き散らす。

────粒子装甲(パーティクルアーマー)

絶対防御を解析し、その過程で発見されたタキオン粒子によって再現された────【第一装甲板としての絶対防御】。

横深瞬時移動と共に、アライズの中核を成す装備。

────煙幕を突き破るように。

日方風は瞬時加速でGB-ExS-R117(ターンソウル)と距離を詰める。

鉄の指に渾身の力が込められる。

搭乗者の呪詛で満ちた慟哭を男は耳にした。

恐怖に勝る憎悪と憤怒で狂い壊れる寸前の人間が見せる、生命や精神の価値を投げ捨て、ひたすらに『殺す』為だけに生きる瞬間。

だが、男はそれを無視した。

聞く耳はあった。だが何よりも、男にも譲れぬものがある。

人が発するものとは思えない雄叫びをあげ、男は日方風の左腕を目標めがけて叩きつけた。

間を置かず、そこに装備されていたパイルバンカーが搭乗者の命ずるままに作動を果たす。

…さながら、狼が獲物へ牙を突き立てるように。

タングステンの鉄塊が、GB-ExS-R117(ターンソウル)の機体中枢へと、問答無用に突き込まれた────!!

激しい破壊音とともに、眼前の全てが混乱の中に飲み込まれる。

破壊の音と殺戮の音を響かせ──── GB-ExS-R117(ターンソウル)は沈黙した。

…以って、それは終わりを告げた。

 

「────…見事だったぞ。貴様。」

 

パイルバンカーが突き立てられたGB-ExS-R117(ターンソウル)の崩壊したコックピットブロックを睨みながら、男は告げた。

 

『…ごふッ……、ぁ゛…』

 

僅かな隙間から覗くコックピットの中は。

バケツでぶち撒けた様に赤く染まり。

破壊された機械と飛び散った内蔵が奇妙なオブジェを形作り。

敵EOSのパイロットは右半身がパイルバンカーによって潰れている。

さながら、正義の鉄鎚によって踏み潰された弱者という────この世の地獄を体現した有様となっていた。

 

『ちく……、しょぉ゛…!』

 

敵EOSのパイロットの男が、潰れた右半身に構わず、左手を男────日方風に伸ばす。

 

『…ッ、なんっ……、で……』

 

血を吐き、息も絶え絶えで。

どう見ても致命傷の身でありながら、捕食者の如き目で、日方風を睨み付ける。

 

『…っ、ぉまえ…、たち、が…っ、正義、なんだ……っ!』

 

────怨嗟に満ちた、呪いの声。

それを呟くと、パイロットはぐたりと崩れて、ひゅう、ひゅうと掠れた声を上げ、吐血し嗚咽を漏らす。

 

『…ヤウ……ク…。』

 

────それが、敵パイロットの遺した最後の言葉だった。

それが人名なのか、それとも故郷の名前なのか。

…当人が死んだ今となっては、知る由も無い。

だがそれ以上に男の気を引いたのは、直前の言葉だった。

────何故お前たちが正義なのか。

 

(正義……、正義、ねぇ…。)

 

「…それは、俺から一番遠い言葉だよ。」

 

苦笑しながら、男は口にする。

…周囲を見渡す。

未だ火災により燃え盛る官公庁舎や周辺ビル群。

地面に転がる、放置車両やEOSとISの残骸。

祝福か鎮魂でもしているかのように、勢いを増す吹雪。

────戦場を真に統べる支配者は、業火と吹雪の中。ただひたすらに、惨劇の中心地で佇んでいた。

 

「────状況終了。」

 

考えるのをやめようと首を振り、男は告げる。

 

『────お疲れ様です。凄いですねぇ、戦闘開始から1分30秒。警察のIS部隊が四苦八苦して何度も突入と失敗を繰り返してたのに、一発で成功させちゃうあたり、やはりアライズ様々ですねぇ。お姉さん感激しました。』

 

「ハイハイ。」

 

────おしゃべりにも程があるマシンガントークが発せられる。

…男の方が楯無よりも14歳年上なので、楯無が自身を『お姉さん』と呼ぶ事に抵抗を覚えつつも、ひとまず受け流す。

こういう手合いは適当にあしらわなくては延々と会話に付き合わされる────嫌という程体験した身である男は、そそくさと機体の戦闘後状況チェックを開始する。

 

『いやぁ、途中被弾するアクシデントがありましたけど、それでもこの実力────錆びてないみたいですね、オリジナルナンバー16の実力は。』

 

その言葉に、男はピクリと反応する。

────オリジナルナンバー16。

それは再構築戦争で投入された最初期のアライズ乗りだった自分に与えられたナンバーだった。

 

「…ストーカーめ。人の個人情報にズケズケと入り込みやがって。」

 

俺ァ32歳のオッサンだ。何も得なぞ無いぞ────と付け加えながら、男は毒づいた。

 

『いやぁ、調べますよ。そりゃ。IS撃墜数91、その内1機は白騎士タイプ。

────そんなイレギュラーな人材、見過ごす訳が無いじゃないですか。元ナンバー16 ────八雲ナガト=アウグスト一等陸尉さん。』

 

男────ナガトはそれにウンザリした表情を浮かべる。

 

「────出る杭は打たれる、ってか?」

 

『まさか。貴女は我が国にとって貴重な人材ですから。』

 

「【核兵器と等価値の代替抑止力】として────の間違いだろう?」

 

これまたウンザリしてナガトは口にする。

────再構築戦争後、アライズを待っていたのは、本来手を取り合うべき筈の国家を牽制する為の抑止力。

…噛み砕いて言うならば、【核保有国と対等に交渉する為の外交カード】としての、低俗な政治的駆け引きの為の材料という役割だった。

────この10年間、嫌という程身をもって知ったナガトからすれば、もう聞くだけで耳にタコが出来る。

 

『まぁそうとも言いますね────あ、そうそう、今年の4月から本校に入学する義娘(むすめ)さんの調子はどうで────』

 

「────もう切るぞ。」

 

『アッちょっと待────』

 

「やかましい営業時間外だ。」

 

そう言って、ナガトは一方的に通信を切る。

────はぁ、と息を吐く。

…まだ、生きている。

自分は帰らなければならない場所がある。

────例え、他人(ヒト)を殺したとしても。

 

「…仕事は終わった。」

 

そう呟くと、プラズマジェットを蒸し────日方風は西の空へと吸い込まれていった。

 

────この世界は平和なのか。

 

ふと、ナガトはそう思い、視線を外の景色に向ける。

…先程より吹雪は収まっており、外はそれなりに遠くまで見渡す事が出来た。

 

────首都圏既成市街地から抜ければ、一部復興が始まっているものの多数の廃墟都市が点在する大地。

────衛生軌道を埋め尽くす無数の小惑星群帯(アステロイドベルト)によって、宇宙開発は中断され、空は人類をこの星に閉じ込める為の檻と化した。

 

視界に映るだけで、それらが確認できる。

────確かに、10年前と比べればマシ程度なのかも知れない。

世界単位では平和かも知れない。

だが、国家単位で平和を口にするには────

 

「…課題山積み、だな…。」

 

────遠過ぎる、そうナガトは溢した。

 

H.Q.(ヘッドクォーター)よりライカン01 ────』

 

ふと、所属基地の管制塔より無線が入る。

 

『着陸位置指定────宮城野分屯地に着陸せよ。』

 

「ライカン01、了解────」

 

管制塔からの所定位置に視線を向けると、巨大なカルデラ火山跡にひしめく街が見えた。

伊豆半島の根元にして神奈川県と静岡県の県境────箱根山。

ナガトはそこにある指定着陸場所へと機体を走らせた。




〜あとがき〜

◉ナガトと箒のナゼナニ劇場①

◽︎箒
「ナガト!やっぱり読者さん置いてきぼり案件が起きそうです!」

▪︎ナガト
「うし!じゃあ端的に解説していくぞ!…とは言っても、どれから手をつけるべきか…。
多すぎるし、とりあえずは【原作との差異】、【この世界のISについて】解説しようか。」

◽︎箒
「ナガトー、この世界は原作とは違うんですか?」

▪︎ナガト
「色々あるけど、要点だけ言うと、1980年代に小惑星郡が地上を直撃したせいでしっちゃかめっちゃかになっちゃった世界だ。
 そんで隕石災害から事前に逃れる為に作られた巨大船【コロニア】で海洋に逃れた人類によるコロニア体制が2001年に《白騎士事件》という形で開始されたわけだ。
 コロニアが何の事だよって人はガルパンの学園艦をイメージしてくれ。そしてそれが最低でも42隻はいると考えてみてくれ。
 …ちなみにこの世界の白騎士事件の規模はだいたい原作の3倍と考えてくれ。」

◽︎箒
「地の文にもありましたけど、ミサイル6000発とかサラっと白騎士が3機とかありましたけどどういう事なんでしょう?」

▪︎ナガト
「コロニア体制の力を示す為には必要だったからなぁ。まぁ最初は地上を統治復興する為に必要な処置だったんだ。
…それが結果的に、《コロニアという選ばれた人類による貴族主義》と地上の資源基地化に変質した結果、不満が溜まっていったんだ。」

◽︎箒
「圧政者処すべし慈悲はない!」

▪︎ナガト
「だがISに対抗できる兵器はないぞ?」

◽︎箒
「うー。」

▪︎ナガト
「さーて、そんな状況を根底から破壊したのがインフィニット・ストラトス・アライズ…要は軍用ISだな。
それによる反攻作戦たる再構築戦争が2012年に勃発。結果はコロニア陣営の敗北で終わり、地上が主権を再取得した形となった。」

◽︎箒
「…アレ?私この時幾つでした?」

▪︎ナガト
「6歳だ。原作より白騎士事件が10年早く起きたというのも違いのひとつだな。」

◽︎箒
「アレ?では、私と一夏の関係は…?」

▪︎ナガト
「そこは追々…な。
 纏めると、
・隕石で滅茶苦茶になった。
・人類首脳部がISをチラつかせた武力統治を進めてた。
・そんな人類首脳部が腐敗したので国家郡による革命戦争が起こり、アライズが誕生した。
・本編はその10年後で白騎士事件からは21年後。
 …こんなところか。」

◽︎箒
「なるほど…。ではこの世界のISはどうなってるんですか?」

▪︎ナガト
「そうだなぁ…。この世界のISは、原作と似てるようで違う点が多数ある。」

◽︎箒
「アライズとかコンペートとか、まさにそうですもんね。」

▪︎ナガト
「そうそう。まずは原作ISに近い存在であるコンペートから。」

◽︎箒
「そもそもコンペートってなんですか?検索しても金平糖しか出てきませんが…」

▪︎ナガト
「コンペートは造語だな。正式名称は【コンペディション・インフィニット・ストラトス】。
直訳すると競技用ISって意味だ。長ったらしいからコンペートなんて中途半端な名前が出来たって設定だ。」

◽︎箒
「コンペートは原作ISとどう違うんですか?」

▪︎ナガト
「基本は同じだ。ただしコンペートは原作ISよりひと周り巨大化している他、全身装甲(フルスキン)を採用してるんだ。」

◽︎箒
「全身装甲がデフォルトなんですね…!確かに装甲があると、精神的に安心しますしね。」

▪︎ナガト
「うむ。あとは原作のシルバリオゴスペルと同じ時速400kmで推進できる点かな。
…まぁ、だいたいが再構築戦争での戦訓なんだが。」

◽︎箒
「では今回大暴れしたアライズってなんなんですか?」

▪︎ナガト
「アライズ、正式名称は【インフィニット・ストラトス・アドヴァンス・ライドモビル・インテグレート・サーフェイスユニット】だ。」

◽︎箒
「こ、コンペートより長い…」

▪︎ナガト
「だろ?だから略してアライズだ。」

◽︎箒
「なるほど…。では、コンペートとの違いはなんでしょう?」

▪︎ナガト
「まずは運用用途だな。こちらは完全な軍事目的に使用される。原作でいうところのシルバリオゴスペルに該当すると考えてくれ。」

◽︎箒
「あの機体、がっつりアラスカ条約違反だと思うんですがアライズは大丈夫なんですか?」

▪︎ナガト
「事実上アウト。」

◽︎箒
「え?じゃあ日本、アラスカ条約違反じゃないですか…。」

▪︎ナガト
「まぁな。…アライズは事実上の軍用ISであり、既存のIS…要はコンペートだな。
それとは違う点として、男も乗れるという点もある。」

◽︎箒
「原作のハーレムを繋ぎ止めてた要素が…」

▪︎ナガト
「まぁ、コンペートでは搭乗者性別問題解消してないから。」

◽︎箒
「あ、じゃあ大丈夫ですね。」

▪︎ナガト
「…さて話を戻そう。コンペートとの決定的な違いとして、アライズは全身装甲を標準使用しているという事。【タキオン粒子】という粒子をふんだんに使用している事かな。」

◽︎箒
「ナガトー、タキオン粒子ってなんですかぁ?」

▪︎ナガト
「今から18年前…つまりは2004年にISの絶対防御やISコアを解析中に発見された粒子だ。ISの絶対防御の制御を司っており、当然コンペートも非常用に搭載している。
…問題は、タキオン粒子は高濃度化すると放射性物質と同等の汚染物質になってしまうという点だ。」

◽︎箒
「でもアライズはそれをふんだんに使ってるんですよね?大丈夫なんですか?」

▪︎ナガト
「大丈夫なわけない。
アライズは軍用として開発された手前、ジェネレーター出力も絶対防御出力も強力だしそれらを多用してる。
劇中で【粒子装甲(パーティクルアーマー)】というのがあったろう。アレがアライズの絶対防御であり、『肉眼で視認出来る程高濃度化したタキオン粒子』の壁だ。」

◽︎箒
「…え?あの、じゃあプロローグの東京って汚染……。」

▪︎ナガト
「ああ、してる。多分あの後の東京、陸自の化学防護隊とか警察消防のNBC対策チームが除染作業してんじゃないかな。」

◽︎箒
「ヒェッ…あ、でも粒子の壁って粒子が尽きたら撃たれ放題なのでは。」

▪︎ナガト
「うん、だからプロローグでもあったろ。【横深瞬時加速(スライド・イグニッション・ブースト)】と【瞬時加速(イグニッション・ブースト)】。」

◽︎箒
「あ。」

▪︎ナガト
「瞬間的にマッハ3まで急加速して回避するシステムだ。まぁ充分荒技だが、そんな回避機能があるし、瞬時加速が標準搭載されとるんだ。ジェネレーターがショボくない限り、粒子切れしても一定時間は対応可能だ。
…そしてアライズのジェネレーターはタキオン粒子を生成し続けているので、当然粒子装甲も再生する。」

◽︎箒
「鬼ですか…」

▪︎ナガト
「あとはまぁ…粒子装甲はまぁ、原作の絶対防御は絶対ではない、という言葉通り、無敵ではない。だから貫通もされるわけだ。」

◽︎箒
「あ、ISにも勝ち筋が…」

▪︎ナガト
「ただし、タキオン粒子は対消滅粒子としての特性も持つんだ。
そして粒子装甲はそんなタキオン粒子を高密度にして使っている…だから、粒子装甲をブチ抜いても機体フレームに到達する頃には、砲弾は腐食して機体の複合装甲に当たって砕け散るか、弾芯が歪んで跳弾するかのどちらかだ。」

◽︎箒
「希望なんて無かった…。
その為の絶対防御と全身装甲の二段構え…。ミサイルとかは大丈夫なんですか?」

▪︎ナガト
「ミサイルは大丈夫だな。基本、ミサイルって着弾と同時に炸裂するから、粒子の壁の表面にブチ当たると同時に誤爆する。だから近接信管系の装備も完封される。
ま一番早いのは、俺みたいに大質量のパイルバンカーでブン殴るか、粒子装甲の相互干渉を狙って近接長刀で叩き割るかだな。」

◽︎箒
「つまりATフィールド理論ですね!…ってこんなのに勝てるわけ無いじゃないですかヤダー!!」

▪︎ナガト
「そこは問題ない。文章にもあったろ。実戦形態(アクチュアルモード)演習形態(セーブモード)。」

◽︎箒
「ありましたけど…。でも今回は演習形態(セーブモード)でしたよ?あの暴れようで弱体化縛りプレイなんでしょう?」

▪︎ナガト
「まぁ、相手はEOS以外はそんな腕無かったし。存外、代表候補生なら良い勝負になるんじゃ無いか?」

◽︎箒
「そうでしょうか…?ちなみに実戦形態(アクチュアルモード)は?」

▪︎ナガト
「…それはまだもう少し、先でな。」

◽︎箒
「…ネタバレ防止、ですね。…それにしても悪魔みたいなスペックですね…そりゃ、戦略兵器扱いもされます。」

▪︎ナガト
「そんなわけで、運用は現実世界の核ミサイルと同等だから、おいそれとは出せん代物だ。」

◽︎箒
「そりゃ…こんなスペックに加えて汚染アリとなると維持管理コストやら何やら凄そうですもんね…」

▪︎ナガト
「まぁな。…さて、まとめると、
・アライズは軍用IS。
・タキオン粒子という絶対防御関連技術を多用している。
・タキオン粒子は対消滅粒子なので汚染が不味い。
粒子装甲(パーティクルアーマー)全身装甲(フルスキン)の二段構え防御体制が標準仕様。
瞬時加速(イグニッション・ブースト)を標準装備し、また横深瞬時加速(スライド・イグニッション・ブースト)という回避手段を持つ為極めて高い高速機動力を持つ。
・核ミサイルと同格の扱い。
…こんなところか。」

◽︎箒
「ふむふむ……………アレ?対消滅粒子…近接戦が有効……近接縛り…白式…雪片弐型…!あの、この世界の零落白夜ってまさかタキオン粒…もがッ!?」

▪︎ナガト
「おっと今日はここまで!
ほかに気になったら点があれば作者にメッセージしてくれ。アイツの気がつけばこうして説明する場があるかもしれん。ではな。」

◽︎箒
「もが〜〜〜ッ!!」

リハビリと気分展開がてらに始めた小説ですが、今後ともよろしくお願い致します。
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