ミートギアス 〜筋肉のルルーシュ〜   作:ベルゼバビデブ

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 エリア11でブリタニアの学生として生活をしていたマーヤ ディゼルは立場こそブリタニア人の学生だったが、その心は日本人であった。

 ブリタニア人として学問を学び、ジムへ通い、バイト代を稼ぐ。お金は専ら食料…と自身の肉体の維持に費やされた。

 そしてゲットーに向かい、孤児達に食料を届け、筋トレを教え、読み書きなどの勉強を教え交流する平和な日々を彼女は日本人として過ごすのだ。


 これはそんな、"異なる可能性"を秘めた世界の物語。



ミートギアス 〜筋肉のルルーシュ〜 MACHO STORYS
STAGE01′


 私立アッシュフォード学園に通う私は、今日も気が乗らず午後の授業をサボる事にした。数学や物理の授業は気にならないけど、歴史の授業を受けるとなるとどうしても気が重いのだ。

 ゲットーの子供達のために食料を買い込もうと、学園の購買へと歩を進める。こんなのは私の偽善だとわかっているけれど、何もしないのはもっと嫌だった。

「あら、マーヤちゃん今日も買っていくのかい?やっぱりそれだけスタイルが良いと維持も大変ねぇ。肩にナイトメアでも乗っけてんのかい?」

「まぁ、そんなとこかな。私成長期だし。」

 購買の"お姉さん"と適当な言葉を交わし、食料の入った紙袋を持って正門へと向かう。

「おいディゼル、どこへ行く気だ」

「…腕を痛めてしまったので早退します」

 生活指導の先生とその取り巻き…ラグビー部の男子が私の行く手を阻んでいたので軽くブチのめし学園を後にする。上手いこと頭に衝撃を叩き込むことでいい感じに記憶を破壊して問題にならずに済むのだ。

 

 ゲットーに脚を踏み入れると、顔馴染みになった日本人の人たちが挨拶をしてくる。すると何か騒ぎがあるようだ

「やめとけって!あの人に挑むのは!」

「五月蝿え!ブリキの女にお恵みだなんて恥ずかしくねえのか!俺がぶっ飛ばしてやる!」

 前に一度薬と食料を置いていけと私にナイフを向けてきたので、ナイフを粉々に噛み砕きつつ食料と薬を分けてあげたおじさんが、何やら顎髭のあるチンピラっぽい人に絡まれている。

「おじさーん、何かあったんですか?」

「あ、マーヤさん!いえ、なんでも無いんです、こいつはすぐ黙らせますんで!」

「噂をすればこいつがそのブリキのおん…女?これが女か?あぁ、いや、まぁその…確かにスカート履いてるし髪も長ぇけどよ…あぁ、まぁブリキの女基準だと顔も女か…いやしかし…これが女…?…へっ!まぁいいや、テメェはこの玉城 真一狼様が直々にブッ飛ばす!」

 ムカついたので顎髭の男を軽く引っ叩くと近くの崩れた壁にすっ飛んでいき瓦礫の中に埋もれていった。

「玉城!大丈夫か!?」

「おじさん、薬はここに置いておくからねー」

 さっきの人はおじさんに任せて私は陽菜達のところへと向かうとしよう。それにしてもさっきの人にも言われたように、私はブリタニアの人間に見えるようだ。心は日本人…体も日本人のつもりだが、結局半分入っているブリタニアの血に私は悩まされている。それに心は日本人と言っておきながら結局はブリタニア人として不自由のない生活をしている。綺麗な部屋にふかふかのベッド、豊富なトレーニング機材に高タンパク低カロリーな食事、好きな時にシャワーを浴びれるし携帯を持つことだって許されている。…私は卑怯者だ。

 

「あ!マッチョお姉ちゃんだ!今日は何持ってきてくれたの!?お菓子ある?」

「もう、私はマッチョじゃなくてマーヤだって言ってるのに。」

 ブリタニアと日本のハーフである私が日本人に戻れるのは陽菜達、つまりゲットーに住む子供達と接する時だけだ。いつものように幼い陽菜達を抱えたり腕にぶら下げたりしつつ、袋の中から食材を取り出す。

「オレ、大きくなったら姉ちゃんみたいなマッスルガイになるんだ!」

「じゃあ好き嫌いしないでたくさん食べないとね!後筋トレも忘れずにね!睡眠と、高タンパク低カロリーの食事、だからはいこれプロテイン」

「わぁい!ありがとう!」

 卑怯者の私とは違い、懸命に生きる子供達、その眩しさに私は目を細める。

 

 こうして私とゲットーの子供達の少し苦労はありながらも平和な日常は過ぎていく。

 

 

 しかし、ブリタニアに支配されたエリア11における、ゲットーの平和など、ブリタニアの都合で淡く崩れ去る儚いものだということを私達はまだ、知らない。

 

 いや、知らないふりをしていた。

 

 

 

 ある日、いつものように私が学校を抜け出そうとしていると、オレンジ髪の同級生に見つかってしまう。

「あれ、マーヤ…もしかしてまたサボり?」

「う、うん。」

「もう、ダメだよー!そんなにサボってばっかりじゃマーヤも留年しちゃうよ!」

「出席日数と単位に問題はないから大丈夫だよ?」

「もう!マーヤまでルルみたいな言い訳して!」

 私を物理的に止められるものはこの学園においてはとある男子生徒以外には居ないけれど…しかも彼もまたサボり魔であるため実質的には存在しないのと同義…精神的などその他の方法で止められる存在はいる。それが彼女、シャーリー フェネットだ。彼女はサボりを続ける私を本気で心配してくれる、その言葉に私も何も思わないわけではない。それに、彼女は水泳部で中々引き締まった身体をしている。筋肉のある人物には相応の敬意をしなければ心の筋肉はすぐに萎んでしまうだろう。

「さ、マーヤ。教室に戻ろう?」

「はい…」

 こうして私は教室へと戻り、その後授業を受けた。だけれど、その分授業が終わってからは私の動きは加速する。鐘が鳴ると同時に窓から飛び出し、ダッシュでゲットーへと向かう。\コラァ!窓を突き破るなァ!/

 両脇には食料や薬でパンパンの紙袋を抱え、ランニングする若者を追い抜き、自転車を追い抜き、自動車を追い抜き、電車と並走してゲットーへと向かった。…もちろんこれは比喩表現だけど、それくらい早く向かう。

 

 そして、突如平和の終わりを告げる鐘が鳴った。

 

 ゲットーでは聴きなれない音が響いている。

「一体何が起きてるの!?」

 そして気が付けば周りはサザーランドが跋扈し、歩兵が銃を乱射する阿鼻叫喚の地獄へと変貌していた。そして遠くの…陽菜達が住処にしている廃ビルに流れ弾なのか、狙ったのかは定かではないが、弾なのか爆弾なのかが当たり、崩壊していく。

「嘘!?陽菜…!」

 瓦礫が落ちれば陽菜達子供達の命はないだろう。この世界は残酷だ…いとも簡単に命を奪い去る。陽菜達はただ懸命に生きていただけなのに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 だからこそ、最悪の悲劇だけは回避しなくてはならない!

「もう大丈夫よみんな、何故なら…私がきたわ!」

「マッチョお姉ちゃん!」

 崩れ落ちる瓦礫を両腕で支えて、足腰でしっかりと体を支える、この筋肉は伊達じゃない、いつか心無い暴力から子供達を守るために私はこの筋肉を手に入れたのだから。そして子供達の安全を確保するために瓦礫を思い切りどこかへと放り投げる。擦り傷などはあるものの、子供達はみんな無事だった。彼女達を守れた事に嬉しさの涙を流していると、すぐさま次の困難がやってくる。

「ゲットーに居るものは全て殺せとの命令だ。見たところ孤児達か、災難だったな。死んでもらうぞ。あとそこの…なんだ、お前…学…生?学生か…?学生で…いいんだよな?」

 銃を構える男達のせいで子供達は怯えていた。許せない!

「私たちが、この子達が何をしたって言うの!?ただ一生懸命生きてただけなのに!」

「…悪いが命令なのでな。撃ち方用意…」

「ふんっ!!」

 私は素早く近場の瓦礫を拾い上げると鍛え上げた強肩で瓦礫を投擲、ブリタニアの歩兵をぶちのめすことに成功した。

「くそ!仲間がやられた!構わん、撃ち殺せ!」

 引き金が引かれ、とうとう凶弾が子供達を襲う。しかし、その弾のいずれもが子供達に着弾することはなかった。それは何故か、明白である。

 

「効かないわ。そんな豆鉄砲なんか!」

 

 制服のあちこちに弾痕はあるけれど、私は仁王立つ。そして背中で安心してと子供達に語り、全ての弾丸をその身体で受け止める。

「そんな馬鹿な!何故銃が効かない!?」

「何言ってるの?鍛え抜いた筋肉に銃が効くはずないじゃない!」

 銃が効かず焦る男達に私は迷うことなく接近し、その顔面を殴る。男は吹き飛び、動かなくなる。

「ま、待ってくれ!我々もクロヴィス殿下の命令に従っただけなんだ!俺たちが悪かった、だから見逃してくれ!命だけは…!」

 流石に命乞いをする人を子供達の前で殴り殺すわけにもいかない。ここは許す…というか交渉をする事にした。

「だったら私とこの子達を安全なところまで案内しなさい!そして軍に保護してもらうように頼んで!」

「あなたの隣がこの世で最も安全なのでは…?」

 どうやら交渉は決裂のようだ。いや、頼み方が悪かったのかも。こ、ここは私が美少女女子高生であると言う点を最大限に利用するしかない。

「…案内してくれないの?」

 と上目遣いで頼んでみた。私ほどの美少女からの上目遣い…兵士達は余りの可愛さに断れないはず…!

「じ、G-1の近くなら安全かと、私の方から巻き込まれたブリタニア学生とその後友人ということでなんとか保護してもらえるように頼んでみます…」

「本当ですか!?ありがとう!」

「おじちゃんありがとう」

 ふふん、兵士の人も所詮は男、どうやら私の色仕掛け作戦が成功したようだ。

 

 暫く兵士の人たちに連れられて歩き、案内されたのはG-1近くのトレーラー。兵士の人が優しそうな女の人と何やら喋っている。

「交渉はうまく行きました。後のことはこの特派の方達に一任しましたので私たちはこれで」

 そう言って兵士の人たちは立ち去っていった。

「初めまして、私はセシル クルーミー。あなた達、怖がらせてしまってごめんなさい。」

「保護してくださりありがとうございます。」

「良いのよ。元々罪のない人たちを殺すのは…ね。それに私たちの上官の人にも許可はもらってるから」

 すると、トレーラーの中からメガネの男の人が出てきた。

「あ〜あ、子供の保護ねぇ〜…面倒くさいなぁ。しっかし第二皇子様も物好きだよねぇセシルくん?」

「もう!ロイドさん!…ごめんなさいね、貴方達。狭いかもしれないけどこのトレーラーの中にいれば安全だから。」

 確かに多少狭いけれど、子供達が居る分には平気だろう。私は逆さ腕立て伏せでもして待っていれば良いのだから。

 

 暫くして逆さ腕立て伏せに飽き、二重後宙返りをして暇を潰しているとセシルさん達特派の人たちが慌ただしく走り回っていた。近くにセシルさんが来たので聞いてみよう。

「何かあったんですか?」

「それが…テロリストの一部が包囲網を突破してこっちに向かってきているの」

「…守備の部隊はいるんですよね?」

「それはそうなんだけど…」

 話を聞けば特派の嚮導兵器ランスロットの投入によりテロリストの制圧は進んだものの、一部のテロリストが包囲網を突破、ランスロット投入前に包囲網自体が崩れていたこと、守備や予備部隊も回していたことが災し、現在G-1周辺には本当に最低限の警備しかいないとのことだった。この場合、警護のナイトメアはG-1しか守らない。つまり…このままでは子供達が…

 すると、ロイドさんがトレーラーから出てきて私の体をペタペタと触ってきた。

「ロイドさん!?突然女の子に何してるんです!?」

「いやぁ、彼女良い体してるでしょ?使えるなぁって思って」

「そ、それほどでも」

 私だって伊達に鍛えていない。良い体だと褒められるのは悪い気はしなかった。でも、こんな状況では素直に喜んでもいられない。

「これ着てちょっと待っててくれる?」

「なんですか?これ…」

「パイロットスーツ伸縮性があるから君でも着れると思うんだ」

 

 渡されたパイロットスーツに着替え、暫く待っているとサザーランドが運ばれてきた。

「まさか…ロイドさん!何考えてるんです!?彼女は民間人ですよ!?」

「彼女の身体見たでしょ?良いデバイサーになれると思わない?それにうちの所属って事にしておけば民間人だなんてバレやしないよ。彼女がテロリスト達を追い返してくれれば殿下は命が助かる、彼女は子供達の安全が守れる、僕らはいいデータが取れる。みんなハッピーお め で と う !」

 なるほど、確かに陽菜達を守れるのなら悪くない考えだ。戦うのは怖い…けど、陽菜達を守るためだ。だから私は…逃げちゃダメだ!

 

「やります!私が乗ります!いや、やらせてください!」




9月と言う休載期間を終え、ミートギアスはラストストーリーズの名を騙ったナニカ編に突入!もう一度筋肉に汚染されたコードギアスを一からお楽しみ下さい。

実は本話は8/16時点で既に作成済みだったりしますし、腹筋のルルーシュ完結時点で9話くらいまで書いてました。でもこれの投稿時点では14話までしか書けてません。なんで?
本当は最初から読者による展開予想を解禁したかったんですけどね…。まぁ、一応活動報告の方に展開予想の場所でも作っておきましょうか。

これを書き出した時点でロスストのメインストーリーは完結していない他、マーヤの設定に謎が多いため、マーヤを含む複数キャラに独自の設定などを投入しています。その結果…もはやロスストではなくなりました。多分未プレイでも楽しんで貰えると思いますし、既プレイの方は「こんなロススト知らない()」ってなると思います。(原作準拠はどこ行った?)

Q.このマーヤ、名前を借りてるだけで最早別キャラでは?
A.(殴打)キャラ崩壊のタグが見えねえか(殴打)これはキャラ崩壊の範囲内だ(殴打)
 ロロという前提がある以上こいつはマーヤだ。いいな?(殴打)

元々、マチョストは別作品としての投稿を検討しましたが、内容がミートギアスの閲覧前提なのでミートギアス本編と同じ作品内に投稿することにしています。

●ロスストキャラクターの紹介
・マーヤ ディゼル
ブリタニア人の母と日本人の父を持つハーフ。世間にはハーフであることを隠してアッシュフォード学園に通っているため、日本人の劣悪な扱いと裕福に暮らす自信を比較し罪悪感を持っている。
シャーリー達とは同じクラスではあるが、授業はサボり気味。ゲットーに通っては陽菜達のような孤児達に会いに行っている。
なお、両親は実験中の事故により死亡しており、現在はクラリス ガーフィールドという女性の義娘として同棲している。
自称美少女であり、筋肉はルルーシュ(※ミートギアス)並み。

・クラリス ガーフィールド
メガネをかけた金髪の華奢な女性。美人。しかしながら胸筋は中々発達している。
マーヤの両親は彼女の職場の先輩に当たり、身寄りのないマーヤを引き取った。
現在はエナジーフィラー関連の会社を経営する社長であり、若干多忙気味。

・陽菜
日本人の孤児。他の孤児達と共に暮らしマーヤと交友を深めている。

●本話での他作品小ネタ出典
・ジョジョの奇妙な冒険(空条 承太郎)
・僕のヒーローアカデミア(オールマイト)
・ワンパンマン(超合金クロビカリ)
・新世紀エヴァンゲリオン(碇シンジ)
※今回より、上記のように本話作成において作者が引用した他作品のネタを掲示します。逆にいうと、上記に含まれない作品については作者は想定外のため、感想などで取り上げていただいても微妙な反応をするかもしれません。予めご了承下さい。
特に、作者が履修済みの作品であれば反応可能ですが、その辺はご理解下さい。

●次回予告●
マーヤ「分かりました…結びます。その契約」

●オマケ● テーマソング(再掲)
身体KINNKOTU KINNKOTU
鍛えた肉体を
ジムで更に鍛えに…行こう

この腹いつから割れていたの
絶えず鍛えてた
割れてるエイトパック
腹の動きに合わせて 何度も

あの日 肉体 鍛えた身体の動きが
風を起こし肉食ってきた
筋肉がもっと増えるように

身体KINNKOTU KINNKOTU 筋肉付け
腹筋の時 服破り裂けて

身体KINNKOTU KINNKOTU
鍛えた肉体を
ジムで更に鍛えに…行こう
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