シンジュクではルルーシュと再会したり、ナイトメアに乗ったりいろいろなことがあって驚いたなぁ…
それに新しく特派に入ったマーヤ…ルルーシュ並みの筋肉なんで羨ましいや。僕も鍛えないとね!
今日はキューエルさんっていうあのジェレミアさんの仲間の人が僕に用があるって言ってたけどなんなんだろう?純血派の人って僕苦手なんだよなぁ…
それでは本編スタートです!
叫ぶクラリスさんから逃げるように背を向け、ロイドさんの元に駆ける。
「ロイドさん!エナジーフィラーの件でクラリスさんがきましたよ!」
扉が開きロイドさんが出てきてくれた。よし、これで逃走条件はクリアされたわ!
「はいはい、ありがとねぇ…じゃあはいこれ、君にお仕事。詳細はセシル君から聞いてねぇ」
ロイドさんから仕事について書かれた書類を受け取り、サラリと流し読みすれば屋外での作業らしい。これは幸運だ、クラリスさんからはさっさと逃げるに限る。
「ねぇ!ちょっとマーヤ!」
「ごめんクラリスさん!私は用があるから!お仕事がんばってね!」
「待ってマーヤ!」
待ってと言われて待つ奴なんていない。声を掛けるクラリスさんを無視してセシルさんがいるであろう屋外へ逃げる。クラリスさんも特派に仕事できている以上、あまり追っては来れないはずだ。
セシルさんのそばに駆け寄った私はすぐさま仕事の確認をした。さっさとトレーラーから離れたい。
「屋外作業ですよね!何やれば良いんですか?」
「どうしたの…?いやに張り切ってるわね…?まぁ、やる気があるのは良いことよ。この前のシンジュク事変で沢山のナイトメアが破損したでしょう?今日はその回収作業なの。物の拍子で誘爆したり、テロリストに部品を回収されたりすると良くないから」
「なるほど」
確かに、ゲットーを丸々巻き込んだ戦いだ、荒らせば色々と使えるものも見つかるだろう。
「回収したナイトメアのパーツはこの指定エリアに運んでね、あと…もしも亡くなった方がいたらここに運んで欲しいの。」
「分かりました」
こうして私は借り物のサザーランドを走らせてパーツ回収の仕事をすることになった。怪しい瓦礫を退けて亡くなった方を見つけたり、パイロットが脱出したサザーランドの残骸、脱出できずに瓦礫に埋もれてしまった残骸…諸々を見つけてはサザーランドでどかし、回収する。もちろんゲットーの中でそれをやるのは私だけではないようだ。
『そこのサザーランド、この瓦礫をどかしたい。協力してはくれないか?』
「分かりました」
一際大きな瓦礫を2機のサザーランドでどかす。そこには沢山のサザーランドが埋もれていた。不謹慎だが大収穫だろう。
『協力感謝する。それでは』
運べるだけの残骸を持ってサザーランドは去っていった。…あれ?あっちにも回収エリアがあったのかな?まぁいっか。
そんなこんなで回収任務は終わった。
トレーラーに戻ると…
「もう逃さないわ!マーヤ!」
死角から飛び出してきたクラリスさんに腕にしがみつかれてしまった。そしてクラリスさんのメガネの奥の瞳には涙が溜まっている。
「聞いたよマーヤくん、クラリスさん…君の義母さんなったってねぇ?感動の再会だね お め で と う 〜」
「もう!ロイドさん、茶化しちゃダメですよ」
ロイドさんはセシルさんに引きずられてどこかへ行ってしまう。他の特派の人達も目を合わせてくれない。これは…見捨てられたな。
「勝手に軍の仕事を手伝うなんて何を考えてるの!?」
「クラリスさんには関係ないでしょ!」
「関係ないことなんてない!私は貴方の保護者なのよ!?」
「いつまでも子供扱いしないで!」
私の腕にしがみ付くクラリスさんを引き剥がそうと力を込める…
…が、離れない。
そう、クラリスさんは華奢な見た目に反して力が強いのだ。
「クラリスさん離して!」
「ならマーヤも話して!」
「…このっ!」
いつまでもしつこくしがみ付くクラリスさんにビンタを食らわせようと腕を振うと、クラリスさんの姿が消えた。瞬間、私の顎にクラリスさんの爪先が突き刺さる。やはり早い…!
「暴力はよしなさいっていつも言ってるでしょ!?」
「クラリスさんこそ私の顎に蹴りをブチ込んでおきながらそれを言うの!?」
瞬間顔面に拳が突き刺さる。勿論、私の顔面に、クラリスさんの拳が、だ。
「そうやっていつも口答えして!」
そう、クラリスさんは華奢な見た目に反して喧嘩が滅茶苦茶強いのだ。その上、温厚そうな見た目とは裏腹に割と手が早いのでタチが悪い。私は筋肉を鍛えてきたが、未だクラリスさんに有効打を与えれた事がない。つまり、義親子喧嘩で勝てたことが一度もないのだ。私はその後、幾度も拳を振るうが全てはクラリスさんの髪を掠めるのが精一杯、膝を腹にブチ込まれ、脚によるヘッドロックから地面への叩きつけ、続け様のアームハンマーに流石の私も動けなくなる。
「ね?軍の仕事なんて危ないから…」
「…それは、嫌。」
クラリスさんは私の腹部に容赦ない踏み付けを叩き込んできた。思わず腹の中のものを口から出してしまうが、これはチャンスだ。踏み付ける脚を鷲掴む。初めて取った!そのまま寝たままの姿勢からクラリスさんを放り投げる。
「これは私が決めたこと!邪魔しないで!」
クラリスさんは壁に叩きつけられる
…ことはなく、壁を蹴って一回転してから着地すると、諦めたように構えを解いた。
「…分かったわ…。私のいうことなんてどうせ聞いてくれないものね…でも、私は反対だし、心配もする…そのことは覚えておいてね」
クラリスさんからの許可もなんとか得られた。これで陽菜達の生活を守ることができる。
その日の仕事は終わりだったのでクラリスさんと一緒に帰ることになった。途中で晩御飯の惣菜の買い物を済ませ、テレビを見ながら空気椅子で食事をする。すると、クロヴィス殿下が殺されたという報道、そしてそれをやったのがスザクだという報道が流れた。
「嘘!?」
「ど、どうしたの?マーヤ」
自分が罵られていたのに私とジェレミアさんを仲裁しようとしたあのスザクが…クロヴィス殿下を殴り殺すなんてそんなことがあろうはずがない!
次の日も学校をサボって特派に突撃してロイドさんに聞いてみてもやはりスザクは死亡推定時刻にはランスロットに乗っており、そのログも記録されている。つまりアリバイがあるのだ。
「こんなのおかしいですよ!スザクは白だって証拠があるのに!」
「…ある意味じゃ身内である僕らの証言を取り上げないって決められてるんだ、諦めるしかないよ。こういう事例は珍しくないんだ。君は知らないかもしれないけどね」
ロイドさんは手をひらひらと揺らし、なんでもないように言っている。
「なんでそんなに平然としていられるんですか!?」
「彼は得難いデバイサーだけどねぇ…別にマーヤくんでもランスロットは動かせそうだし僕としては…」
「もういいです!」
ロイドさんは変わり者だと聞いていたけどあんなに薄情だとは思わなかった!居ても立ってもいられず、思わずスザクの護送される会場に足を運ぶ。
拘束着で磔にされているスザクが運ばれてきた。周りの人たちは何も知らないくせにスザクに罵声を浴びせている。こんなの間違ってる…!
その時、事件が起きた。突如護送を指揮していた金髪の男…確か名前はキューエル ソレイシィだったか…が護送部隊を止めた。続けてクロヴィス殿下の御料車が登場し、中から黒尽くめで格好いい仮面とマントに身を包む謎の人物が現れたのだ。
「私の名は…ゼロ!」
ゼロ…体脂肪率がほぼないと言うことか…!
するとゼロは見事なダブルバイセップスやサイドチェストを披露しつつ
「クロヴィスを殴り殺したのは私だ!!」
と叫んだ。
「何故殿下の死因を…!?まさか貴様が!!」
様子を見る限り真犯人の登場のようだ。そしてゼロとキューエルがやり取りをすると、ゼロは車の装甲を引っ剥がし中から謎のカプセルを露出させた。そういえばニュースで報道されていた毒ガス…まさかあれば毒ガスのカプセルなのではないだろうか。こんなところで毒ガスを使うなんて…いくら周りにいるのがブリタニア人とはいえ、関係ない人を巻き込むのは許せない。今のうちに避難をさせないと…!
「あれ、きっと毒ガスです!皆さん逃げて!」
「えっ!?毒ガス!?」「そういえばシンジュクで毒ガスが…」「嫌だ!死にたくない!」
すると、こちらをゼロが見た気がした。それと同時にカプセルから紫色の煙が噴き出した。私は一気に息を吐き、吸い込む。これで無呼吸でも3分は活動可能だ。そして私は目を閉じ、反響音と振動で周囲の状況を確認する。
どうやらゼロはこの混乱に乗じて車の運転手を肩車しつつスザクへと接近し、スザクを奪い去るようだ。混乱したサザーランドの放つアサルトライフルを避けつつ、私はゼロを追いかけた。
「ゼロ!誰かが追いかけてきます!」
「何!?」
運転手をしていた人が叫んでいる…その声に感じた。何故あの人は毒ガスを防ぐためのマスクとかをしていない?ゼロの仮面はともかくあの人は毒ガスに最も近い位置にいながらその対策をしていないはずがない…まさかあの煙はブラフ!?そもそもあんないかにも毒っぽい紫色の煙なんて可笑しいのだ。やられた…!
ゼロはスザクを掴むとそのまま駆け抜け出した。スザクが凧のように宙で風を受け靡いている…。そしてゼロ達は高速道路を飛び降りると、なんとゼロは空中で勢いよく足踏みをする事で空気との摩擦により落下速度を軽減しているようだった。物凄い筋肉た…しかし、筋肉なら私だって負けてない、だったら私にだってやれないはずがない!
私もゼロを追い、高速道路を飛び降りる。右足で勢いよく踏み込み、空気のとの摩擦を発生させる。確かにわずかだが体が浮いた感触があった。
「だったら!」
それを高速で繰り返すことで落下の速度を怪我しない程度に緩める。
「ゼロ!あの人まだ追ってきます!」
「何!?そいつ本当に人間か!?」
私は貴方の真似をしているだけなのだからゼロにだけは言われたく無かった。
「スザクを返して!」
彼は私の言葉に反応し、走るのをやめ、こちらに体を向けた。しかし、人1人を肩車しつつスザクを抱えたまま私並みの速度で走れるなんて…ゼロ、どうやら見せ筋野郎ではないみたいね…!
「君はこの枢木 スザクのなんだ?何故彼を求める?」
「彼は私の職場の先輩よ!貴方が真犯人のなのよね!?もしかしてスザクまで殺す気なの!?」
「まさか、私は彼を勧誘しようと思っただけだ。共にブリタニアを壊すためにな」
ブリタニアを壊す?そんなことできるはずがない。スザクは何かを話そうとして顔を歪めていた。
「…やはり喋ることはできないようだな。フンッ!」
彼はスザクの首の機械を握り捩じ切った。やはり凄い筋肉だ…!
「ゼロ、僕を助けてくれたことには礼を言うけれど…君の仲間にはならないよ。僕はこの国を中から変えるんだ」
「…何?この状況で…それを言う事がどういう意味か分かっているのか?」
「殺したければ殺せば良い。僕はどうせ処刑される身だ。ここで僕が逃げれば日本人への弾圧が始まるだけ、僕が罪を背負えば…」
スザク…!その覚悟、確かに受け取ったわ!
私は近くに落ちていた石を拾い上げ、思い切りゼロの顔面へとブン投げた。
「小癪な!」
ゼロはそれをあろうことがキャッチした…がそれは想定内!一気に接近してガラ空きになったボディにドロップキックを叩き込む。
「よし!」
「ゼロ!」
肩車されていた女の人の心配そうな声とは裏腹に…
ゼロは倒れなかった。
私はドロップキックした脚を掴まれ、そのまま片手で振り上げられると地面に思い切り叩きつけられた。なんとか受身を取って軽傷で済んだが、ゼロの筋肉は私以上…肉弾戦の動きもクラリスさん並みだ!なんとか拘束を抜け出し距離を取る。
「中々のパワーとスピードだが…まだまだ甘いな。自分レベルの筋肉の持ち主と闘うのは初めてか?」
「ッ…!」
「図星のようだな」
そう言って彼は肩車をしている運転手とスザクを空中に放り投げ、クラウチングスタートの構えをとった。
「いけない…!マーヤ!避けるんだ!!」
スザクがこんな時に意味のないアドバイスをするとは思えない、瞬時に身構えるが、同時に目の前にゼロの仮面が映る。そして腹筋に力をこめていたはずなのに腹部からメキメキと音が鳴る。まるでトラックにぶつかった時のような衝撃を腹の一端にブチ込まれたのだ。
「カハッ!?」
思わずそんな声が漏れる。更にゼロは私の顔を掴む。いけない…!さっきの攻撃で全身に力が入らない…!このままじゃやられる!
「これで…チェックだ」
ゼロは思い切り仰け反るとそのまま頭突きを叩き込んで来た。
そして私の視界は真っ暗になり、崩れ落ちた。
クラリスさんはロスストに出てくるまんまの見た目をしてますが、あの見た目で滅茶苦茶喧嘩っ早い設定になりました。早くも脳筋世界の被害者が現れましたね。いつものことです。気にするな。(殴打)俺は母親にバイオレンス属性をつける性癖の持ち主だったようです。※作者の親子仲は良好です。
なお、作者はロススト主人公のクラリスさんへの当たりの強さには批判的。
偽りのクラスメイトシナリオはミートギアスにおけるマーヤにとってはあまり重要じゃないのでカットしています。
お気づきかもしれませんが、マチョストは基本的にマーヤの一人称視点で進みます。描写されてない部分が多いですが、基本的にミートギアスを読んでくださってる方が多いはずなので問題ありませんよね?
活動報告に展開予想場を作りました。需要があるかはわかりませんが、展開予想をしてみたい方はそちらはどうぞ。作者の展開を当ててみな!ハワイに招待してやるぜ!(しない)
●本話での他作品小ネタ出典
・新世紀エヴァンゲリオン(葛城 ミサト)
●次回予告●
マーヤ「…知らない天井だ。」