ミートギアス 〜筋肉のルルーシュ〜   作:ベルゼバビデブ

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 みなさんこんにちは、シャーリーです。

 最近、マーヤがずっと不登校なんです。彼女のことだから病気や怪我じゃないとは思うけど、心配だなぁ。

 でも、最近カレンさんが顔を出す様になってきて、しかも生徒会に入ってくれたんです。力仕事は任せられないけど、そもそもルルがいれば事足りるし、もっと仲良くできると良いなぁ

 そういえばマーヤっていつもすぐ帰っちゃうけど部活とか入ってるのかな?

 あ、それでは本編スタートです!


STAGE05′

 久し振りに登校するとシャーリーに捕まった。

「マーヤ!今日は逃さないからね!」

 腕にしがみ付くシャーリーだけど、私はこのままでも歩行が可能なので正直逃げることは可能だ。

「どうしたの?急に」

「最近全然学校に来ないんだもん!心配したんだよ?」

「最近新しい仕事始めてその関係でね…」

 特派…特にロイドさんは私の学生生活についてはどうでも良いと思ってるらしく…というか私もどうでも良いので意見は合致している…平日でも平気で仕事を入れてくるのだ。私は普通に仕事をしたいし、セシルさんくらいしか反対する人がいなかったのだけれど、ユフィ…じゃなかった、ユーフェミア皇女殿下から学生は学校に通うべきだとお叱りを受けたため、泣く泣く今日から学校に通うことになってしまったというわけだ。

 流石のロイドさんも皇族からの注意には逆らえないらしく、これを機にと反撃に転じたセシルさんによって平日の仕事がキャンセル、暇になった私は仕方なく登校している。正直学校に行っても退屈だし、私は俗に言う脳筋…脳まで筋肉、筋肉=脳、つまり全身が筋肉の私は全身に脳を搭載しているため、脳処理機能が向上している。そういった私の様なタイプの人間のことを脳筋という…なので自慢じゃないが頭は良いのだ。高校の内容くらい余裕なくらいには。

 

 そして今日も退屈な一日が始まるかと思った矢先、驚くことが起きる。

「本日付けを持ちましてこのアッシュフォード学園に入学することになりました。枢木 スザクです。よろしくお願いします。」

「スザク!?なんで!?」

 思わず立ち上がって叫ぶとスザクも私の存在に気付いたらしい。嬉しそうに笑顔で手を振ってくる。そういうところが天然って感じなのよね。

「何だ知り合いなのか、じゃあ席はディゼルの隣だ。リヴァルは空いてる席に座ること、でなければ帰れ!」

「ひでぇ!」

「マーヤ、おはよう!一緒のクラスなんて偶然だね、今日から改めてよろしく!」

 そんな訳でスザクが学校にやってきたのだ。

 

 クラスのみんなはスザクがイレブンであることやクロヴィス殿下殺害の容疑者であったことからざわめいていたけれど、私にとってはどちらもどうでも良いことだ。ハーフである私にとってイレブン…日本人であることは些細なことだし、殺害も無罪であることは知っているのだから。

 意外だったのはクラス一のマッチョのルルーシュくん。彼ならスザクの肉体に秘められた筋肉を感じ取り、取っ組み合いでもするかなと思っていたが、彼は転校生には興味ない様で教室を出てからサイドチェストを決めて己の筋肉のキレを確かめていた。うーむ、この距離からでもわかる…キレキレだ。

「ねぇねぇマーヤ!あのスザクって人と知り合いなの?しかも名前呼びだし!」

「うん、仕事先の先輩なの。」

「どんな人なの?私も仲良くなれるかな?」

「話せばわかると思うけど、優しい人だよ。きっと仲良くなれると思うな。…ちょっと天然だけどね」

 シャーリーの様子を見ていると彼女は相手が何人であれ平等に接してくれるようだ。シャーリーになら私がハーフだってことも…いや、流石にそれは無理か。シャーリーを騙していた事になるんだし…

「そうなんだ!良かった!他には?」

「うーん、あ、筋肉がある」

「そっちは見ればわかるかな」

 折角だし紹介しようと教室を見渡したがスザクは居なくなっていた。どこに行ったんだろう…?

「そういえばマーヤ、気になってたんだけど」

「うん?何?」

「マーヤって何部?」

 ウチの学校は必ず何かの部活動に入る必要がある。そして私は最近まで陽菜達に会いにゲットーに行くかバイトをしていたので当然部活には入っていない。しかし、私のような知恵の回る不良学生は咄嗟のトラブルに対応できるように想定QAを上腕二頭筋辺りに準備しているのだ。

「ウェイトリフティング部だよ?」

 完璧な間からの何でも無いような雰囲気での回答…完璧だ。これで騙さなかった人は居ない。

「嘘、そんな部ウチには無いよ。私生徒会だから予算審査で知ってるんだから」

 しまった。あっさり嘘がバレてしまった。

 

 今日も退屈な授業を終え、さっさと特派に向かおうと帰りの支度をしているとまたしてもシャーリーに捕まってしまった。

「ね、部活の話なんだけど、生徒会に入らない?」

「生徒会?私が?」

「あ、スザクくんもどう?」

「え?僕?」

 今まさに帰ろうとしていたスザクにも声を掛け、シャーリーに押し負けて二人とも腕を引かれて連行されてしまう。まぁ、私もスザクも本気になればシャーリーを引き摺って帰れるので嫌がってないって意味なんだけど。

「会長ぉー!補充メンバー連れてきました!」

「なになに?今度はどんな子!?」

 シャーリーの声に反応して出てきたのはスタイルのいい金髪の綺麗な人、確か…ミレイさんだ。…正直色々サボってるせいで名前が合ってるのか自信が無い。

「あの、はじめまして。本日よりアッシュフォード学園に入学することになりました。枢木 スザクです。よろしくお願いします!」

「知ってるわよ〜!なんたって私は理事長の孫だからね!それにしても元気な挨拶で実によろしい!」

 どうやらこの人も日本人でも特に気にしないようだ。少しだけ好感が持てる。

「それで…!あー…あなたは…」

 なんだろう、私を見た途端に急にテンションが下がったような?

「マーヤ ディゼルです。」

「うん、あなたも知ってる…例の…」

 例の…?例のってなんだ!?

「なーにその顔、自分がどんな噂されてるか知りたい?」

「…ええ、是非」

 …もしかして私って実はモテてたり!?まぁ?確かに?私は美少女ですし?身体も?良い身体だって褒められるから?モテても仕方ないけど?いやぁ面と向かって言われるのは流石に恥ずかしいなー!でも告白とかされたらどうしよう!…私としては私より強い人とど突き合い…じゃなくてお付き合いたいなって思ってるけど…

「成績優秀、筋肉隆々、運動神経抜群、保健室送りの疑い数名、遅刻はゼロだが早退多数、無断欠席も大量の超超問題児よ!」

 うん、全然違ったわ。それにしてもまさか保健室送りを疑われてるなんて…まさか目撃者が!?

「えぇっ!?マーヤ、君真面目に学校は行ってなかったの!?」

 横でスザクが驚いているけど、普通に考えて真面目に行ってるはずがない。

「平日に仕事行ってたでしょ?そりゃあ無断欠席にもなるわよ」

 スザクがセシルさんのサンドイッチ食べた時くらい微妙な顔をしている。そんなにかな…?

「なんです?今日も騒がしいですね…ってお前ら…」

「紹介するわ、今日から生徒会に入る…」

 会長が私とスザクのことをルルーシュに紹介しようとすると、ルルーシュは手で制して不要であるとアピールした。

「二人ともクラスメイトなんで知ってますよ。不良学生と転校生。…これ生徒会の人員補強になるんですか?人手が足りないのはわかりますけどね」

「ルルだってしょっちゅうサボるくせに」

 ボソりとシャーリーが言うと、ルルーシュはバツが悪そうに目を逸らした。

「あのー、体で扉が埋まって部屋に入れないんですけど…」

「あぁ、悪いなカレン。今どくよ」

「あれ?貴方達…」

 こうして生徒会メンバーが集まり、改めての自己紹介となった。

「私こそがご存知!生徒会長のミレイ アッシュフォードよ!う〜ん!ルルーシュにマーヤにスザク!これは今年の特製オーブンは運搬費と設置費用は他に回せそうね…」

 運搬に…設置費用…?何のことだろう。

「次は俺か、副会長のルルーシュ ランペルージだ。生徒会の仕事でわからないことがあったら聞いてくれ」

 相変わらずルルーシュは凄い筋肉だ…まるで皇帝陛下みたいである。

「私のことは二人とも知ってるよね?雑用係のシャーリー フェネットです!水泳部と掛け持ちだけどよろしくね」

 うん、シャーリーの体は今日も引き締まってて良いね。

「書紀のリヴァル カルデモンド…よろしく。はぁ…」

 ?なんだか元気がないみたいだけど、大丈夫かな。

「…会計のニーナ アインシュタインです…。」

 なぜ彼女は怯えてるんだろう?仕切りにスザクの方をチラチラと見てるけど…。

「見習いのカレン シュタットフェルトです。体が弱くてたまにしか来れないけどよろしく」

 …?体が弱い?服を着ているとは言え、私ほどの筋肉をつけた者が見ればそれが嘘だとわかる。細身ではあるけれど、かなり実践的な経験を積んだ遊びのない筋肉をしている。それを見れば病弱だとはとても思えないけど…。まぁ、いきなりみんなの前で詮索するのは野暮だよね、私だってハーフっていう探られたくない身の上だし。

「本日からアッシュフォー…」

「そのくだりは良いから、今日何回目?それ?」

 クスクスと笑うシャーリーに釣られてみんな…ニーナ以外…が笑う。スザクは恥ずかしそうに顔をかいていた。

「改めまして、枢木 スザクです。軍の仕事があるのでたまに外すかもしれませんが、よろしくお願いします!」

 軍と言う言葉にルルーシュとカレンの眉が動いた気がする。しかし、最も大きな反応を示したのはシャーリーだ。

「えっ!?じゃあスザクくんと同じ職場のマーヤって…!」

「あ、うん、私も軍の仕事手伝ってるよ。守秘義務があるから詳しくはいえないけど」

「大丈夫なの?」

 シャーリーは心配をしてくれるが、大丈夫とサムズアップして誤魔化した。技術部なので滅多に危険な目には遭わないが、全く安全かと言われれば答えはノーだ。特にロイドさんはたまに非人道的だし、セシルさんの料理は殺じ…個性的だからだ。

「最後は私ね。マーヤ ディゼルです。不良学生なのでたまにしか来れないけど…」

「サボりはダメよ」

「…私も軍の仕事があるのでたまに休みますけどよろしくお願いします。」

 自己紹介が終わるとその日は解散となった。

 

 次の日、シャーリーから今日の生徒会活動はクラブハウスのホールだと伝えられた。スザクと二人で向かいドアを開けるとクラッカーの音が鳴る。

 横断幕には『生徒会新メンバー歓迎会』と書かれていた。どうやら私とスザクを歓迎してくれてるようだ。

「なんだか照れ臭いね…ってスザクどうしたの?」

 横にいたスザクを見ると何故か涙目だ。

「なんか、嬉しいなこう言うの。」

 涙目を通り越してガチ泣きをし始めた…どうしたんだろう…。

「まさかブリタニアの人から歓迎してもらえるなんて思ってなかったから」

 あぁ…。確かに日本人、名誉ブリタニア人の立場では苦しいこともあっただろう。ミレイ会長は良い人だ。昨日の反応を見ればスザクのことも本気で歓迎しているのがわかる。そしてふと、ホールの角で落ち込んでいるリヴァルを見かけたのでこっそりと近づく。

「はぁ…スザクはともかくあのゴリマッチョのマーヤかぁ…もっと華やかな女の子が良かったぜ…」

 やがて振り向いてこの世の終わりみたいな顔をしたリヴァルにニッコリと笑って無言で拳を叩き込んでからその場を立ち去り、シャーリーからグラスを割れないようにそっと受け取る。

 すると、車椅子に乗った女の子がピザの箱を膝に乗せ入ってきた。

「あの、これってどこに置けば…?」

「あ、ナナリー。私が置いておくわ。」

「ありがとうございます、カレンさん」

 カレンは病弱だと嘘をついていたけど、あのナナリーって女の子に優しく接しているのを見れば悪い人じゃないのは分かった。

「あぁ、あれはルルーシュの妹のナナリーだよ。目も見えないし足も不自由だけど手先が器用だししっかり者なんだ。それに笑顔が可愛いよね。」

 隣にいたスザクが教えてくれたので早速挨拶しに行こうと近づく。…ん?なんでスザクはルルーシュの妹のことなんて知ってるんだろう?

「…あら?お兄様?」

「え?」

 スザクの発言に疑問を思っていつつナナリーちゃんに近づくとお兄様と呼ばれた。目が見えていて私の筋肉を見てそう間違えるなら兎も角、目も見えないのになんでお兄様なんて言われたのだろう。…えっ!?もしかして私汗臭い!?

「あっ、ごめんなさい。…女性の方だったんですね」

「いいのいいの気にしないで。それに、筋肉量で言えばルルーシュにも負けないよ。私はマーヤ。よろしくねナナリーちゃん」

 小さくて可愛らしい手を砕かないように優しく触れて挨拶をすると、さっきまで申し訳なさそうにしていた顔がパッと明るく笑顔になった。可愛い。

「はい、よろしくお願いします」

 陽菜達みたいに逆境にも負けず明るく逞しく生きる輝かしい子だと思える。

「なんだか、懐かしいです。」

「懐かしい?」

「はい、なんだかお姉さ…あっ…いえ、なんでもないです」

 うん?まぁ、何でもないなら良いか…

 

 こうして私とスザクは歓迎会を楽しんだ。

 そして…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「最初から最後に立ちはたがるのは貴方だと思ってたわ、ルルーシュ」

「それはこちらとて同じこと。お前が女だとしても手加減はしない」

「それではお二人とも、見合って見合って…はっけよーい…のこった!」

 ナナリーの言葉と同時に右腕に全力を込める。ルルーシュはさっきまでスザクとの熾烈な戦いをしていたのだ。まだ疲労が溜まっている今がチャンスだ!

 

 しかし、ルルーシュの腕はビクともしなかった。

 

「くっ!?なんで!?」

「スザクとの熾烈な戦いの後で何故疲労もなく腕相撲ができているのか…そう考えているな?」

「なっ…!?」

 思考が読まれている!?流石はルルーシュ、私同様に全身の筋肉で脳味噌の機能を拡張しているようね…!その筋肉を使えば相手の心を読むなど造作もないと言うことか…!

「ヒントをやろう。俺とスザクはさっきまで左腕で腕相撲をしていたんだ」

「なっ!?」

 瞬間、私の右腕が地面に叩き付けられる。

「しまった…!」

「速攻を仕掛け疲労したところに一瞬の動揺…。その隙を突けばいくらお前でも抵抗できまい」

 私は完膚なきまでの敗北という悔しさに頭を抱えて机に両肘をつく。

 

 クソッ!やられた!!

 

「第一回生徒会腕相撲大会優勝はお兄様ですね!」




この世界線だとマーヤが緩衝材になって素早くスザクが馴染むのでルルーシュとスザクの殴り合いは発生しません。これも筋肉のおかげだな!

ミートギアス名物の(腕)相撲回です。コードギアス二次創作界隈でも相撲をするコードギアスのキャラ達が見れるのはミートギアスだけでしょうね(前例がない=良い事では無い)
因みに腕相撲大会の順位
優勝 ルルーシュ
準優勝 マーヤ
3位 スザク
4位 シャーリー
5位 ミレイ
6位 リヴァル
7位 カレン※
8位 ニーナ
※本気を出せば4位

●本話で使用した小ネタ出典
・新世紀エヴァンゲリオン(碇 ゲンドウ)
・デスノート(夜神 月)

●次回予告
ノネット「あぁ、自己紹介がまだだったね。アタシはノネット エニアグラム。一応ナイトオブナインをやらせてもらってるよ」
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