ミートギアス 〜筋肉のルルーシュ〜   作:ベルゼバビデブ

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 皆さんこんにちは、私はユーフェミア リ ブリタニアです。

 気軽にユフィと呼んで下さいな。
 河口湖のコンベンションホテルにてサクラダイト分配レートに関する会議があるので今回はそちらに参加したいと思います。

 それに、新しい水着も買っちゃいましたし!
 あ、勿論遊びに行くわけではありませんよ!?

 そ、それでは本編スタートです!


STAGE07’

「え?河口湖に旅行?」

「うん!週末にニーナやミレイ会長と行くんだけど、マーヤもどうかなって!」

 河口湖ならお土産を陽菜達に渡せると思い、行きたい気持ちに駆られたが、運の悪いことにその日はセシルさんから伝えられた任務の入っている日だった。

「あー…ごめん、もう予定入ってる…。」

「そっかぁ…残念。」

「でもありがと、誘ってくれて」

 シャーリーの優しさに感謝しつつ、お土産を期待する話をしてその日は学校を終えると特派に向かった。

 ようやく任務の詳細が分かったと言われ説明を受ける。どうやらユーフェミア様の護衛任務らしい…。いや、つい先日軍人になった人間に任せることじゃないと思うんだけど…。

「なんで私にユーフェミア様の護衛任務が…?」

「僕も詳しく聞いてないんだけどさ〜あ!週末、ユーフェミア様が租界を離れて行われる会議に御忍びで参加するみたーい」

「みたいって…」

 話を聞けば行き先は情報漏洩によるテロの危険性を考慮して当日になるまで教えてもらえないが、週末は特派からは私だけがユーフェミア様の護衛任務らしい。因みに護衛役はユーフェミア様本人とコーネリア総督からのダブル指名。理由はユーフェミア様と歳が近く、同性であること、更に護衛として要求されるフィジカルもあるだろうからとのことらしい。一応ユーフェミア様の専任SPも居るのだが、私的には普通に重責だ。

「もしかしたらマーヤくんはこの前の活躍でコーネリア様に気に入られちゃったのかな?だとしたら特派の予算が増えるかもねぇ!予算が増えたら給料が増えるよ!お め で と う !」

「やったねマーヤ、給料が増えるよ!」

 スザクは呑気な事を言っているが、気に入られすぎるのはまずい。興味を持たれすぎて身辺調査をされたら私はどうなる?ハーフだとバレてしまうだろう。スザクは初めから日本人だとわかっているから評価が最初から最低値スタート、後は加点式だから良いけれど私は逆だ。ハーフだとバレればそこからは減点されるばかり、そのせいで陽菜達にまで影響が出たら…!

 とは言え、今回の任務で手を抜く訳にはいかない、万が一のことがあれば私がハーフなんて関係なく陽菜達を路頭に迷わせることになってしまうからだ。こうなったら何事もなく何も評価される事なく平和に終わる事を祈るしかない!祈りの毎日1000回の正拳突きで願掛けしよう。やらないよりはマシだ。

 

 そして任務当日、政庁に向かうと車に乗るように言われその通りにすると、駅で降ろされた。遠くに私服のユーフェミア様が見える。SPそっちのけで手を振って近づいてくるこの人はアレだ…警戒心とか皇族としての自覚はないのだろうか…

「マーヤさん、お久しぶりです。」

「本日は護衛へのご指名ありがとうございます。必ずやお守りしてみせます、ユーフェミ…」

 そこまで言いかけたところでユーフェミア様が私の口に人差し指を突き付けてきた。

「良いですか?今日はお忍びですから、私のことはどうぞただの友人としてユフィと呼んでください。そうだ!提案なんだけど私も今からあなたをマーヤと呼んでもいいかしら?」

「あ、はい」

 皇族から言われたらそれは提案じゃなくて命令なんだよね…。専任SPと思われる人に渡されたチケットを確認すると、どうやら本当に一般人として行くらしい。何故ならチケットの中身が指定席とは言えちょっと裕福な学生でも手の届くレベルのものだったからだ。

「さ、マーヤ、行きましょう!」

 ユーフェミア様に手を引かれ…るが当然私はビクともしない。

「ユフィ待って!電車は逃げないから…!」

 流石に、電車に乗り込んで席に座るくらいの事でトラブルが起こるはずも無く、私達は無事に着席できた。そういえば今日どこに行くのか確認できずじまいだったな…。改めてチケットを見ると目的地が河口湖になっていた。…だから必要な物リストに水着があったんだ…。

 どうしよう。これって観光らしいこともする気って事だよね…?私の水着、公式競技で使用が禁止されるくらいのガチの奴なんだけど…

「マーヤ、予定してる仕事が終わったら河口湖で水遊びしましょうね!」

 やってしまった…。ま、まぁ…水着がガチなタイプだからといって水遊びできない訳じゃ無いしこれくらいはミスにはならないよね…!

 すると背後から賑やかな声が聞こえてきた。まぁ、そりゃ貸切なんてしてる訳ないか

「あっ!私たちの席あそこですよ会長!」

 …ん?会長?そういえば河口湖って…。横を見るとそこにはニーナ、シャーリー、ミレイ会長が座っていた。あ、目が合った。

「あれ?マーヤ?」

「みんな奇遇だね…同じ電車の隣の席だなんて」

 シャーリー達は私達と通路を挟んだ隣の席だった。よりにもよって…。

 別にシャーリー達には予定があると断っただけなので、私が河口湖行きの電車に乗ってるのは良い、だが問題はユフィだ。会長のことだから質問攻めにするに違いない。口を滑らせてしまわないか心配だ。

「まぁ!あなた方はマーヤのご友人の方ですか?初めてまして、私は…ユフィ。どうぞ仲良くしてくださいな」

 ほら今一瞬名前で詰まったじゃん…

「ユフィ…さんですね、よろしくお願いします」

 …あれ?会長にしては意外とテンションが低いような?

「私シャーリー!よろしく!」

「ニーナ…です、よろしくお願いします…」

 シャーリーとミレイ会長、後でユーフェミア様が皇女ってわかったらどんな反応するんだろ。私が怒られたりするのかな。

「あーあ、マーヤとそのお友達とも合流出来るのならルルにもっと強く言ってナナちゃんのことも連れてくるんだったなー。」

 ナナリーのことだから目が見えないから遠慮しちゃったのかな…?

「…ルルに…ナナ…?」

 …?ユーフェミア様がなんでその名前に反応したんだろう。あ、身内ネタだから不快に思ったのかな…

「すみません、そのルルやナナという方はどんな方なのですか?」

 なんでそんなに食い付くんだろ…?まぁいいか

「ルルっていうのは…ルルーシュっていうのは私の同級生の男子です。私くらい筋肉があって…あとはとっても頭が良いですね。それで、その人の妹がナナリーです。とっても可愛いんですよ。」

「そう…なのですね。」

 ユーフェミア様の少しおかしな反応に首を傾げつつ、その後はみんなと雑談を楽しんだ。ユフィが元は本国に来たという話から意外と盛り上がったのだ。そこで意外に思ったのがユフィは結構バスケが得意らしい。私もバスケは得意な方だ。中学の頃にコート中央からのスリーポイントダンクシュート戦法で得点王になったことだってある。まぁ、やりすぎでゴールがぶっ壊れ時には凄く怒られたけど。

 河口湖に着いてからはシャーリー達はチェックインが、私たちも予定があるといって別れ、会議に向かうことになった。まぁ、まさかのシャーリー達との遭遇があったんだからもうトラブルなんてないよね、まさかそんなはずないよ。神様がそんな意地悪する訳…

 

 あったよ。河口湖のコンベンションホテルで行われていた会議中に日本解放戦線と呼ばれるテロリストグループが現れ、ユーフェミア様や私はそれに巻き込まれてしまった。

 そして言われるがまま私達は人質として倉庫のような場所に押し込まれてしまった。こうなったら何も起きない内にコーネリア総督が何とかしてくれるように今度こそ神に祈ろう。そして人質の中にはシャーリー達がいた。運悪く巻き込まれたとは言え、お互いが無事なことは不幸中の幸いかな。まぁ、まさかこんな…一日に二度もトラブルにあったんだから三度目は…

 

 あったよ。二度あることは三度あるよ!怯えたニーナがテロリストをイレブン呼びしてしまい、テロリストは激怒。この世にもし神がいるのなら殴り殺してやる。

 このままだとニーナが危ない。そしてユーフェミア様の性格を考えれば仲良くなった生徒会のみんなの代わりに人質になろうと名乗ってもおかしくない。それはまずい。

「私がなんとかして来ます」

「えっ、でも…」

「大丈夫です。私を信じて下さい」

「…わかりました。民を救うために行きなさい」

「イエス ユア ハイネス」

 小声のやりとりを終え、私は思い切り立ち上がる。

「うわっ!?な、なんだ貴様!!急に立ち上がるな!びっくりするだろうが!!」

 確かに私みたいな美少女がいきなり現れたらびっくりもするか…私ってけっこう罪な女よね…

「その子から手を離しなさい!貴方達に日本人の誇りはないの!?」

「な、なんだと…!」

 よし、作戦は完璧だ。イレブン呼びが気に食わないのならこの『日本男児としての誇りはないのか作戦』は効果的なはず!

「か弱い女の子を怒鳴るなんて誇りのある日本人のすることじゃないわ!」

「お前に日本人の何がわかる!」

「…私の知ってる日本人は武器を持たない女子供に怒鳴ったり暴力は振るわないわ。そんなの…卑怯者のすることよ!」

「よ、よし、だったら貴様が来い!真の日本人とは何たるかをしっかり教え込んでやる!」

 …あれ?おかしいな、私今武器持ってないし、女なんだけど。

「何をしてる!さっさと来い!」

「私の話聞いてた?私だって武器を持たないか弱い女子よ!」

「うるさい!お前のどこがか弱い女だ!」

 何ですって…?カチンと来たわ…良いわよ行ってやる。こうなったら行った上で首謀者ごとボコボコにしてやる。

 

 取り敢えず大人しくテロリストに着いていくと、とある部屋に通された。

「草壁中佐!例の生意気な女を連れてきました!」

『よし、入れ!』

 中に入ると刀を持った男が振り返り、一瞬にしてニヤついた顔が真顔に戻る。

「…おい、それは…おん…女…か?あー、そりゃあまぁ、スカートを履いてはいるし…髪も長いが…あー、何だその…おい貴様、お前は本当に女か?」

 こんな美少女を捕まえておいてなんて失礼な。そしてよくよく見ると失礼な男と机を挟んだソファにゼロが座っていることに気が付いた。

「ゼロ…!」

 そうか、ゼロはこのテロリスト達の仲間だったのか!そうとなれば話は早い、取り敢えず私の周りに居たテロリストの顔面に裏拳を叩き込む。

「なっ!?抵抗するか貴様!」

 失礼な男が刀を抜いたので私は殴り倒した男を投擲し刀を抜いた男にぶつける。

 男は投げ飛ばされた男を退けて立ち上がるが、その顔面に拳を叩き込む。

「ぴでぶ!」

 顔面に叩き込んでやったのが効いたのか、男は気絶したようだ。そして私はすぐさまゼロに向かって拳を叩き込むが、何とゼロは仁王立ちのままその厚い胸板で弾いて来た。すると、ゼロから声をかけられる。

「落ち着け、周りをよく見ろ。」

 促されて後ろを見ると私が殴り飛ばした人達とは別の服装に身を包んだ集団が私に銃を向けていた。しかし甘い、あれくらいの口径の銃なら私の肉体なら跳ね除ける!

「私が銃を恐れるとでも?」

 バックステップを踏んでから助走をつけゼロに向かってドロップキックを叩き込むと、ゼロは腕をクロスさせ防いできた。空中で体勢を整えつつ着地するとゼロは言葉を続ける。

「恐れるさ。たった今、倉庫に居た人質を私の仲間が解放したと連絡があった。この意味がわかるか?」

 …つまりここで抵抗すればユーフェミア様やシャーリー達人質が危ない…!今度はゼロ達のグループの人質になるってことか!

「卑怯な…!」

「安心したまえ、私は君と事を荒立てるつもりはない。」

「…そんなの信用できない!」

「信用するしないは君の好きにしたまえ。だが、君が暴れれば君を恐れた私の仲間が銃を誤射してしまうかもしれないな。それは不幸な事故だ…そうだろう?」

 ゼロ…!この卑怯者め…!

 

 突然ホテルが大きく揺れ、視界からゼロは居なくなっていた。

 

 しまった…逃したか…!急いで窓の外を見てみるとランスロットが見えた。

『みんなー!!』

 スザクがスピーカーで呼びかけているようだ。ゼロの口振りだと自分の保身のために人質は無事だろう。しかし、どうやら私は自力で脱出するしかないようだ。とりあえず壁をブチ抜き、壊れた壁を拾い上げそれを投擲し、それに飛び移る。私がホテルから飛び出ると同時に私の居た部屋は上のフロアに押し潰されてしまっていた。間一髪で脱出成功か…。やがで瓦礫ごと河口湖に着水すると、またスザクの声が聞こえて来た。

『マーヤ!無事だったんだね!』

 ランスロットの呼び掛けに手を振るとスラッシュハーケンが瓦礫に突き刺さったのでスラッシュハーケンにしがみ付くとそのままランスロットに回収された。

 すると今度はゼロの声が聞こえて来た。声のした方を見るとダブルバイセップスをしているゼロの姿が見える。

「ブリタニア人よ。動じることはない、ホテルに捕らわれていた人質は全員救出した。あなた方の元へお返ししよう。人々よ!我らを恐れ、我らを求めるが良い!我らの名は…黒の騎士団!」

 黒の…騎士団?ゼロはポージングをサイドチェストに変えると言葉をつづけた。

「我々黒の騎士団は武器を持たない全ての者の味方である。イレブンだろうと!ブリタニア人であろうと!」

 今度はアブドミナルアンドサイ…服の上からでもゼロの筋肉の凄さがわかる…。

「日本解放戦線は怠惰にも筋肉を鍛えず、卑劣にもブリタニアの民間人を人質に取り無惨に殺害した。」

 ゼロは両手拳を前で合わせたモストマスキュラーのポーズで鍛えた拳を見せつけていた。うーん、キレてるなぁ…

「無意味な行為だ。故に我々が制裁として鉄拳を下した。この私直々にこの拳でな。」

 …確かにあの拳なら私同様人を殴り殺すことは可能だろう。とは言え人を殴り殺すなんてなんて残虐な…!

 それはそれとしてゼロのラットスプレッドフロントはキレキレだ…思わず釘付けになってしまいそうになる。

「クロヴィス前総督も同じだ。武器を持たないイレブンの虐殺を命じた。この様な残虐行為を見過ごすわけにはいかない…故に拳を加えたのだ!私は戦いを否定しない。しかし強い者が弱いものを一方的に殺すことは断じて許さない!人を撃って良いのは…人にぶたれる覚悟のある奴だけだ!!」

 そしてゼロは再びポージングをダブルバイセップスに戻した。ぶたれる覚悟…覚悟なら私にだってある!

「我々は力ある者が力無きものを襲う時再び現れるだろう。例えその敵がどれだけ大きな力を持っているとしても。抵抗して見せよう、この拳で」

 そう宣言するとゼロはマントをはためかせた。く…中々カッコいいじゃない…!

「力あるものよ!我が拳を恐れよ!力無きものよ!筋肉を鍛えよ!世界は我々黒の騎士団が裁き、殴る!!!」

 結局私はスザクに回収されてからは何も出来なかったが、ゼロは宣言通りに人質を解放したようだった。




一昨日は手違いで2話分投稿していたようですみませんでした。まぁ、その代わりに6.5話を書いてノネットさんとドロテアさんの出番が若干増えたのでそれはそれでアリってことでさ…(マチョストでもモニカは変な語尾属性が確定しましたね)

●本話で使用した小ネタ出典
・コロちゃん(小野たえ子)
・ドラゴンボール(桃白白)

●次回予告
リヴァル「うわぁ…マーヤとルルーシュの弁当中身だだ被りじゃん…」
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