最近は黒の騎士団の活動で睡眠時間が中々…はぁ。
…また廊下であの人が何かしたわね。全く…消えてよ…
あ、それじゃあ本編スタートだから。
「黒の騎士団!」
うわっ、びっくりした!…欠伸を噛み殺しながら授業を受けていると突然カレンが飛び起き、そんなことを口走る。授業が終わった休み時間、カレンの寝不足について話題を振ってみた。筋肉をつけるには睡眠は大事だからね。
「カレン、夜更かしは筋肉にも肌にも良く無いよ?夜ちゃんと寝てる?」
「う、うん…ちょっとね…。…私に筋肉は関係なく無い?」
何がちょっとなんだろう。それにまだ私を病弱だと騙せているつもりのようだ。とは言え、実は私も寝不足気味だ、理由はパトロール…普通に考えて悪人は夜の闇に紛れて取引を行う。それを防止する為にこちらも夜に活動するのだから寝不足になるのは当然だ。
つまり、カレンに言った言葉はまんまブーメランとして私の体にぶち当たり跳ね返…らずに突き刺さる訳だ…うぅ、筋肉のキレが悪い。
「カレン、居眠りならルルーシュに弟子入りしたら?あいつ、授業中はいつも脳味噌を半分ずつ眠らせて居眠りしてんだぜ」
「それ、人間業なの…?」
リヴァルから良いことを聞いた。脳を半分ずつ休ませる…その手があったか!
それから暫く、ルルーシュの真似をして脳味噌を半分ずつ休ませる作戦で居眠りを行い、睡眠時間を確保した事で睡眠不足は解消された。久しぶりの快眠に朝早く起きてしまったのでランニングがてら学園に向かうと、学園を出ようとしているミレイ会長とバッタリ出会う。…こんな時間に会長が学園の外に出るなんて珍しい…のかな?いつも遅刻ギリギリだから分かんないや。
「あれ?不良学生が朝早くから珍しいわね?」
「会長こそ、こんな時間に学園の外に用事ですか?」
「まぁ、ちょっとね」
そのまま別れようとも思ったが…私は特にする用事もないし、最近は何かと物騒なので会長について行ってみようかな?
「会長、最近テロとかで何かと物騒ですし、よかったら一緒に行っても良いですか?」
「え?あー…どうしようかなぁ…。うーん、私のお願いを聞いてくれるなら、良いわよ?」
お願いの内容はその時話すとのことだったので取り敢えず了承し、二人で目的地へと向かう。…そういえばどこに行く気なんだろう?そんなことを考えていると、変な輩に絡まれたのでボコボコに捩じ伏せて返り討ちにし、とある屋敷までやってきた。
「ここは?」
「カレンのお家」
「…やっぱカレンってお嬢様なんですね。…大きな家…」
なら…もしかして病弱なのが嘘だってバレたのかな?私だと突き破りかねないので代わりに会長がドアをノックをすると、髪色が少しカレンに似たメイド服の人が扉を開けてくれた。
「アッシュフォード学園から来ました。ミレイ アッシュフォードです」
「付き添いのマーヤ ディゼルです。カレンさんに用がありまして参りました。お取次をお願いします」
「かしこまっ!ちょっち待ってて!カレンお嬢様!カレンお嬢様ー!お友達ですよー!」
このメイドさん…日本人かな?でも、なんでカレンという髪の色が似てるんだろう?その後、現れたのはカレンでは無く金髪の女性だった。
「あら、友達と聞いて来てみれば…おん…女…?え、あれ…スカート履いてるし髪も長いし…うん、おん…女、の子…かぁ…?」
失礼な。
「私の友達に失礼でしょう!」
あ、ようやくカレンが出て来た。寝起きで地味に頭が回りきってないのか、カレンが降りてくるスピードは病弱で通しているとは思えない速さだった。
「どちらにお通ししましょうか?客間ですか?それとも…」
「私の部屋に」
いつものカレンにしては珍しく、冷たくピシャリと言うとそのままカレンの案内でカレンの部屋に通された。
「会長…それにマーヤ?こんな早くになんの用なんです…?」
しかし会長はこちらに顔を向けてきた。
「あの、マーヤ…約束覚えてる?お願いなんだけど、呼ぶまで部屋の外で待っててくれる?」
「ええ、勿論」
言われた通り部屋を出て少し待っていると、再び部屋に通された。
「なんの話してたんです?」
カレンに座るように促されたので、ソファに座るフリをして空気椅子をしつつ二人に尋ねると、カレンはなんでもなさそうに
「私がハーフだってことが学園側にバレたのよ」
と言ってきた。あぁ、なんだ、カレンがハーフだってバレたのか…。…!?
「えっ!?カレンがハーフ!?」
「ちょっと!いきなり大きな声出さないでよ鼓膜が破れるじゃない!」
「ごめん」
驚いた。カレンがハーフだったなんて…。そして机の上に置いてあるのは中学からの成績証明書だろうか?
「部屋から出てもらったのは…カレンの秘密をマーヤに話して良いかカレンに聞きたかったからなの」
…そりゃあそうだ。私だっていきなり『マーヤ ディゼルはハーフだ!』って触れ回られたらそいつを地獄の果てまで追いかけてそいつの全身の骨を砕いてやる自信がある。でも…
「なんで私にも教えてくれる気になったの?」
「…スザクとも仲の良いマーヤならハーフでも偏見なく接してくれるかなって…。それにマーヤって秘密を言いふらすタイプには見えないしね。…秘密なんて無い方が身軽だしさ」
もはやハーフだなんだ以前に口調も大分砕けているような気がするが…きっと気のせいだろう。
「私だって人の秘密は知りたくはなるけど、言いふらす趣味は無いわよ」
非難する会長には思わず笑ってしまった。
「…ありがとうカレン、信頼してくれて。」
カレンは強い人だ…私はとてもじゃないが明かす気になんてなれない。やっぱり私は卑怯者だと思わされる。カレンは私を信頼してくれてるみたいだけど、私は未だにスザクにも誰にも言えてないのだ。そして、きっとこのまま誰にも言うことはないのだろう。そういう意味では私に身軽さは無い。
…ところでピアノの下にバーベルとかダンベルが置いてあるけど…隠してるつもりなのかな?あれって…
それから学園に行き、それが終われば特派へと向かう。ボールスに乗り込み、アスファルトにランドスピナーを擦り付けながら暗闇を走り抜けていると、突然銃声が聞こえた。
「何!?」
どうやら私を狙ってのものではないらしい。警戒しながら周囲を見渡すと闇に包まれていた廃倉庫の一つからマズルフラッシュらしき光が瞬いている。
「こちらマーヤ、特派ヘッドトレーラーへ報告。廃倉庫地区で発砲らしき不審な光と音を確認。これより調査します。」
『了解、スザクくんを向かわせるわ。無茶はしないでね?』
瞬間、私の目の前にナイトポリスが現れた。
「ナイトポリス…?」
そしてナイトポリスは突然こちらに銃を構えてきた。
「!」
咄嗟にスラッシュハーケンでジャンプして銃撃を躱すが、意味がわからない…
「こちらは特派のマーヤ ディゼル!こちらは総督からの命令を受けている!これ以上の敵対行動はブリタニアへの反逆とみなす!」
警告にもかかわらず、更なる発砲…しかもナイトポリスが2機に増えた!
「警告はした!これより制圧を開始する!」
とは言え、こんなところで迂闊にプロトヴァリスは使えないし、スロウヴァリスなんてもっての外だ。となるとブレイズルミナスとガントレットによる間接戦闘頼りか。
ナイトポリスの射撃はこちらに都合がいい事にハンドガンだ。放たれる弾丸を躱したり、ガントレットで弾きつつ距離を詰める。スラッシュハーケンで一体を牽制し、ガントレットを展開してナイトポリスの腹にブチ込む。ボールスとグラスゴーを改修しただけのナイトポリスでは運動性能は雲泥の差なのだ。いくら武装を封じられても負けるはずがない。逃げようとしたもう一体にスラッシュハーケンを撃ち込み、倒したナイトポリスから頭部を拝借しての投擲、ランドスピナーの破壊に成功したため、ドロップキックを叩き込む。
『マーヤ!無事かい!?』
ちょうどそこにやってきたランスロットにパイロットを渡して拘束させ、私は先程マズルフラッシュのあった倉庫に向かう。ランスロットのMVSでは閉所の戦闘は建物への被害が大きすぎるからだ。それにヴァリスは私と同様の理由から使えない。ならば私の方が向いている。
『マーヤ、やっぱりランスロットが行った方がいいんじゃ…』
「いいからいいから。」
どうせ今回の作戦、私は自分の手柄を全てスザクのものとして報告するつもりだ。だからこの場は私が行って、スザクは確実に関係者を捕らえさせて報告に戻らせる方が良い。スザクが活躍すればナナリーを守れるかもしれないからね。念の為に武装解除としてナイトポリスからそれぞれナイフを押収し、弾切れのハンドガンを踏み潰して破壊してある。
倉庫内に侵入すると想像通り中は荒れていた。しかし、どうやらナイトメア同士ではなく人間同士のようだ。
ボールスから降りて確認してみると、やはり血が飛び散っている。そしてシャッターに穴が空いている事に気がついた。…?シャッターのところに誰かいる…?
「誰だ!」
私は直ぐに構え…
『…マーヤ!聞こえるかい?マーヤ!』
「…え?」
『良かった。反応がないから心配したよ。何かあったのかい?』
誰かいると思ったが誰もいなかった。それにスザクからインカムで連絡があったのに気が付かなかったらしい…まだ寝不足気味だったのかな?とりあえずボールスに乗り込みシャッターをくぐると、たくさんの人…が、筋肉が萎んで立たなくなっている様だ。
「これは…違法プロテインの使用者…?」
『な、なんでだよう…こんな体じゃ…復讐できねえよぉ…!』
『カレ…ン…』
その中にカレンの家で見かけたメイドの人が脚から血を出しているのが見えた。筋肉は萎んでいるだけじゃなくて血まで…?一体…。
「特派ヘッドトレーラーへ報告!違法プロテインの使用者と思われる人物を複数確認!自力で立つこともままならない様子、応援を願います!」
更に倉庫内を確認すると、犯人らしき人物たちがボコボコに打ちのめされ拘束されているのが見えた。倉庫には大きく『黒の騎士団による鉄拳制裁』と書かれていた。…本当に正義の味方なのかな…?
因みに、私は全ての手柄をスザクに譲り…ロイドさんにはスザクが認められればランスロットも認められ、特派の予算が増えるはずと吹き込んだので改竄は簡単だ…無事、違法プロテイン騒動は特派のランスロットとスザクの活躍により解決したものとされた。残念ながら特派も所詮は軍なのでニュースではコーネリア総督の指揮のもと、軍と警察が連携して取引現場を押さえた事になっている。警察と連携してたのは寧ろ売人の方だったけど…その辺は上手いこと報道されるらしい。それでもこれで特派やスザクは少しでも認められた筈だ。これからも私が手柄をスザクに譲り続ければスザクは認められ、結果的にナナリーや陽菜達が救われる様になるだろう。
…私、頑張るから!
想像の中のブーメランも筋肉で跳ね返そうとするけどキレが悪いので刺さってしまうとかいう高度な筋肉トーク。
ミートギアスでのルルーシュポジションにマーヤが起用されました。
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・シティハンター(ゲットワイルドの歌詞)