ミートギアス 〜筋肉のルルーシュ〜   作:ベルゼバビデブ

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 読者の諸君、私はアンドレアス ダールトンである。

 ここまでついてくるとはどうやら読者の諸君の心の筋肉は見せ筋では無いようだな。

 私は使えるものはなんでも使う主義だが…姫様は流石にナンバーズの枢木を使うことには抵抗があるようだ。仕方あるまい、同じ特派のマーヤ ディゼルを私の指揮下に貰うとしよう。

 それではこれより我々は日本解放戦線の本拠地があると思われるナリタを攻める。本編開始だ!


STAGE10′

「週末はナリタで大規模作戦、ですか?」

「そ、日本解放戦線をコーネリア殿下の指揮で壊滅させるみたぁい!最近のスザクくんの活躍のおかげで特派にも参加しろってお話が来たんだ〜!」

 特派に行くとロイドさんからそんなことを言われた。日本解放戦線か…私としては同じ日本人と闘うのは嫌だ。でも、今の私には筋肉はあれども力がない。どうしてもこの手で助けられる人は限られてしまう。…言い訳ばかりして卑怯ね、私って。悪いけれど、見ず知らずの日本解放戦線より見知った陽菜達の方が私には大切だ。だから…

 

 そして次の日、いつものように学校に行くと、珍しくルルーシュに声を掛けられた。

「やぁ、マーヤ。スザクの奴は一緒じゃないのか?」

「確かに職場は一緒だけど住んでるところは別々だからいつでも一緒にいる訳じゃないのよ」

「それもそうか。」

 そんな会話をしていると背後からスザクが声を掛けてきた。

「ルルーシュ!マーヤ!おはよう!二人とも今日は珍しく真面目に朝から出席するみたいだね!」

 いちいち言い方が腹立つけど、それだけのことをしているので非難も出来ないのが更に腹立たしいところだ。

「ちょうど良かったスザク。良かったら週末どこかに出かけないか?ナナリーが会いたがってるんだ。」

「週末…あー…ごめん、その日は予定があるんだ」

 その返事にルルーシュは残念がり、今度は私には視線を向けてきた。

「私も予定有りよ。…何よ、私はスザクの代わり?」

「いや、そう言う訳じゃないんだ。…ナナリーがお前と話したがってるのは事実でさ。ところでスザク、お前一時限目の数学の課題終わってるのか?」

 課題…あー、問題集の何ページかが今日の課題の範囲なのだろう。私は既に全部解いて提出済みなのでその辺は万全だ。…何故か課題を先取りして提出したら『課題だけやっても成績はやらない』と怒られたけど…

「いけない!すぐやってくるよ!」

「頑張ってねスザク」

 ダッシュで教室に向かうスザクだけど…多分間に合わないな。スザクの学力じゃ。

「なぁ、マーヤ」

「ん?何?」

 

「…?ルルーシュ?何か用があって声掛けたんじゃないの?」

 私は首を傾げるが、ルルーシュはつまらなそうな顔で呼んでみただけだと言われてしまった。うーん?

 

 なんだか最近…ボーッとすることが多いような?

 

 まぁ、まだ脳を半分ずつ眠らせる睡眠方法になれてないだけだろう。結局私達が教室に行くとシャーリーに課題を写させてくれと懇願するスザクを見つけたのでルルーシュと二人で取り押さえて妨害した。その後はルルーシュが教えはしたが流石に間に合わなかったようだ。ドンマイ。

 

 

 

 そして迎えた週末。コーネリア殿下の指示でスザクはG-1周辺にてユーフェミア殿下の護衛…と聞けば聞こえはいいけど、未だにコーネリア殿下はナンバーズであるスザクを使うことを躊躇っているらしく、名ばかりの重要任務として主戦場から離され、代わりに私はダールトン将軍に付く事になった。…荷が重いんだけど…?

「貴様がマーヤ ディゼルだな?ふむ、見事な筋肉だ。見せ筋で無いと証明し、活躍して見せろ。…出世のチャンスだ、励めよ」

 白い歯を輝かせて肩を叩いてくるダールトン将軍にそう言われて、ボールスに乗り込む。

『これより貴様は私の指揮下で動く。集団戦闘とはどう言うものかよく見ておくといい。敵の…無頼とかいうグラスゴーモドキには気を付けろよ』

「イエス マイ ロード!」

 資料で見たのは無頼と呼ばれるグラスゴーの改修機…だが、そんな物に遅れを取る私とボールスでは無い。事前に通達された作戦通り山を進んでいく。…不気味なのは敵の反撃がないことだ。この近くに敵の拠点候補地があったはずだけど…

『ダールトン将軍、日本解放戦線の奴ら、我々に恐れをなして逃げ出したようですね!』『ふん、所詮はテロリスト、雑魚にすぎんよ』『何が奇跡の藤堂だ。』

 そんな風に他の隊員が話をしていると、ダールトン将軍から通信が入った。

『馬鹿者!油断するな、我々の目的は敵の殲滅だけでなくNACに繋がる資料の回収もあるのだぞ!』

 そしてそんなダールトン将軍の怒りに呼応したように山が揺れる。

「…何、これ…!何か…まずい!」

 瞬間、私の目に映ったのは大量の土砂…土砂流れの様だ。一体…!

『全軍高所に移動しろ!』

 ダールトン将軍の指示に従い高所へと登ったサザーランドは何者かに銃撃を受け爆散した。まさか日本解放戦線…!?この土石流を使った…山丸ごとを計算に入れた作戦だとでも…!?

 取り敢えず私はボールスで高所へと登り、銃撃をブレイズルミナスで弾く。

「ダールトン将軍!ボールスの後ろならブレイズルミナスで弾は来ません!今のうちに移動を!」

『でかしたぞマーヤ ディゼル!』

 登ってきたダールトン将軍のバズーカが的確に敵のナイトメアを破壊する。そして敵は無頼らしきナイトメアの他に鹵獲されたサザーランドの姿があった。日本解放戦線がサザーランドを鹵獲できるはずがない、それができるのはゼロだけだ。…つまり!

「ダールトン将軍!敵は日本解放戦線だけではありません…これは黒の騎士団です!」

『何!?奴ら手を組んでいたのか…!』

 ゼロ程の筋力があれば大地を穿ち土砂流れを起こすことすら可能とでも言うのだろうか…!意図的な土石流、そしてこの連携、いけない…!

「こ、コーネリア殿下は!?」

『安心しろ、殿下にはギルフォードの奴が付いている。身体の筋肉こそないが忠義の筋肉は私にも引けを取らぬ忠義のマッスルガイだ。それよりも我々はこの包囲を突破することだけを考えるぞ』

 確かに、背後は収まったとはいえ足場の悪い上にここを降りれば高所から一方的に撃たれることになる。

『ダールトン将軍!背後から敵が…ぐわあ!!』

 背後を確認すると足場が悪いはずの地面を突っ切ってくる謎のナイトメアが見えた。無頼ともサザーランドとも違う…青いナイトメア!銃撃を左腕の盾で物ともせず、赤く光る刃の薙刀で脚を取られたサザーランド達が次々に破壊されていっている…!

『なんだあの突破力を持つナイトメアは…!くそ、構うな!前方の敵を始末して逆に背後の敵を高所から狙い撃ちにする!私に続けェー!!』

 ダールトン将軍の指示に従い、ヴァリスを構えて敵に放つ。敵の数が減った事もあり、なんとか高所に避難できた味方により敵を始末した…かに思えたが…

『将軍!左右から敵の援軍です…!どうやら敵は山を要塞化し、ナイトメアの発出口がある模様です!

『くっ!こちらが立て直す前にか…!まずい、このままではあの青いナイトメアに突破される…!』

 この状況を打開するには…スロウヴァリスしかない…!左側はコーネリア殿下の居る方向…退路さえ確保できれば…!

「将軍、今からスロウヴァリスで左側の敵を一掃します!左の敵の撃ち漏らしの始末と右側への牽制をお願いします!」

『待て!貴様は何をするつもりだ!』

 スロウヴァリスを投擲!そして…

「殿を…青いナイトメアは私が止めます!将軍、御武運を!」

 登って来た青いナイトメアと対峙し、ガントレットを展開する。スロウヴァリスは残り1発…ヴァリスは乱発すればブレイズルミナスが使えなくなってしまう…まずは相手の出方を見るために防御に専念だ…!

 

「ッ!?」

 敵のナイトメアの踏み込みは予想以上の速さだった…!あのナイトメア、ボールス並みの…!ガントレットで防ぐが、すぐさまスラッシュハーケンがボールスを掠める。距離をとりつつこちらもスラッシュハーケンを放つも盾で弾かれてしまった。

「この敵パイロット…強い!」

 そしてよく見るとあの薙刀…先端がチェーンソーみたいになって回転してるのか…。続けての斬撃をブレイズルミナスで防ぐが、既に敵のナイトメアはそれを読んでるらしい、振り上げてるあの左腕の盾は…クローアームか…!

「舐めるなァ!」

 ガントレットで弾き、距離を取る。すると、ボールスの目の前に薙刀の先端が迫っていた。

「先端がスラッシュハーケンに!?」

 それもなんとかガントレットで防ぐが、このままではジリ貧だ…ブレイズルミナスは出来てあと120秒…ヴァリスを打ったらもっと減る。ガントレットだけじゃ薙刀とシールドクローの両方は防ぎ切れない…!それに攻めの手が足りないから打開もできない…。そして数度の打ち合いをしている間に気付けばダールトン将軍達とは距離が離れてしまっていた。

 

 こうなったら…!

 

 私はスロウヴァリスを手に取り、投げつける。この距離…爆風は覚悟の上だ…!!

 爆風で吹き飛ぶボールスから飛び降りるとどうやら敵のパイロットもシールドクローで防いだらしいが…機体はかなり損害を受けたらしく、パイロットが降りて来ていた。

「クソ!無茶な戦い方をするやつだ…!」

 女の人…?あれはブリタニアの拘束着だろうか…緑の長い髪…日本人じゃ無さそうだけど…あの筋肉量なら腕力で制圧できる…まさかクラリスさんじゃあるまいし!

 一気に駆け出し、その腹に拳を叩き込む。

「うぐっ…!?」

 …今の手応え、殴られた瞬間に後ろに退いて衝撃を逃した…!?戦い慣れてる…!

「ったく!私に残酷な真似をさせるなよな!」

 手に持ってるのはショットガン…?散弾なんて私には…

 

 発砲音と共に右脚に激痛が走る。撃たれた脚部を確認すると…この傷跡は…スラッグ弾!?この人…私みたいな相手を倒す術を対策してる…!何者だ…!

「スナイパーライフルはデカすぎるからな、持ち運ぶならショットガンの方が良い、それに…散弾なら筋肉で防げると油断したろ?それはヒグマなんかでも正面から顔面をブチ抜ける特性のスラッグ弾だ。動かん方がいいぞ。お前のような肉ダルマを仕留められるようにこっちはわざわざこんなものを常備してるんだからな」

 ご丁寧に弾を込め直しリロードして銃口をこちらに向けている…。あ、脚が…痛い…!痛い…

 

 痛い…!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 が、動ける!右足がダメでなら…!私は前のめりに倒れ、そのまま左脚と両手で地面を蹴る

「なっ!?こいつ!」

 続けての発砲は…左腕を犠牲に防ぐ!そしてその顔面を…右腕で…殴るッ!!

「うぐっ!?」

 手応えあり…!でも、私の脚と腕のお返しに…

 

 このまま、親指を目の中に突っ込んで…殴り抜けるッ!!

 

 すると、今度はまた別の青いナイトメアが現れた。左腕が変わったタイプの奴だ…。すぐに茂みへと逃げ込み距離を取る。出血のせいで上手く動けないが、捕まれば確実に殺されてしまうだろう。しばらく進むが、どうやら追っては来ていない様だった。しかし、それで安心したのが良くなかったのだろう、一気に身体が動かなくなりその場にへたり込んでしまった。そしてその直後、誰かが茂みを掻き分ける音が聞こえる。

 

「…そこにいるのはディゼル嬢ではないか!」

 

「その声…ジェレミアさん…!?」

「その出血…怪我をしているのか、どれ…こ、これはスラッグ弾か!?無理に動かないほうがいい。私達が麓まで運ぼう。」

 …私達?ジェレミアさんの方に顔を向けると見知らぬ男性が立っていた。

「あぁ、紹介しよう。彼はフェネット氏だ。地質調査の仕事中、運悪く巻き込まれた様でな…。」

「土石流に巻き込まれて死ぬかと思いましたがなんとか巻き込まれずに済みました…いや、今は私のことより君の怪我だよ。我々が肩を貸そう。」

「…フェネット、シャーリーのお知り合いですか…?」

「…!シャーリーを知ってるのかい!?シャーリーは私の娘だよ」

 そう言われれば…似て…る?うーん、わからないな。でも、今はお言葉に甘えよう。

「そうか、マーヤ ディゼル…。君がシャーリーがよく話してくれるマーヤちゃんか。…手紙に書いてあった通り凄い筋肉だね。」

 ジェレミアさんとシャーリーのお父さんに肩を貸してもらい、私たちは下山した。

「さぁ、後はあの道路を渡れば…」

 その時、私の耳はトラックの走行音を捉えた。その速度は緩まる様子はない。ふと左を見れば今にもこちらに突っ込んできそうだ…。

 

 私は肩を貸してくれている二人を突き飛ばす。

「マーヤちゃん!?何を!」

「い、いかん!やめるんだ!」

 私は二人の前に立ちはだかり、トラックに激突する。

 

 筋肉は『筋繊維の集まり』だ…高密度の筋肉を破壊できる物質は何もなくなる。全てを止められる…!私のこの『筋肉』が完璧なのはそこなのだ!暴走する機関車だろうと止められる!荒巻く海だろうと越えられる!その気になればねェーッ!

 

 瞬間、ゼロに蹴られた様な衝撃で私の身体はぶっ飛んでしまった。そして次の瞬間に見えたのは倒れているジェレミアさんと、白衣を着た…トラックの運転手…だろうか?と話すシャーリーのお父さんの姿だった。

 

 ダメだ、もう…目が…開かない…意識が…

「…男の方だけで十分だろう。」「女の方は?」「トラックに撥ねられたんだ。もう助からんさ」「一応確認しろ」

 私の体に誰かが触れている…気がする。

「…ダメだ、やはり死んでる。」

「実験台に良さそうな筋肉だったが…仕方ないか」

 そして暗闇の中、私に触れていた人は去り際に…

「済まないな、マーヤちゃん」

 と言った気がした…。




C.C.が乗っているのはロスストの「蒼月」です。


・ジョジョの奇妙な冒険(ディオ、ギアッチョ)
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