ミートギアス 〜筋肉のルルーシュ〜   作:ベルゼバビデブ

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STAGE15′

 まさに地獄であった特派のパーティの翌日、今回スザクが招待を受けたのはナナリー企画の学校でのもの。聞けばこの日のために咲世子さんとルルーシュとミレイ会長がいくつかの日本食とパーティ料理を用意してくれたらしい。

「見事な日本食ねルルーシュ」

「マーヤか。あぁ、すぐにアレンジしたがるミレイ会長を止めるのは大変だったよ。こんな事ならお前にも手伝ってもらうべきだったな」

「呼んでくれれば…あー、でも私最近パーティ続きだったから難しかったかも」

 因みにスザクはと言うと、涙を流しながらうま…うま…と料理にがっついていた。うん、結局昨日は食べれずじまいだったろうしそうもなるよね。

「スザクの笑顔、記録。」

「ん?」

 カシャリというシャッター音がしてまさかと思って声の方を見てみれば何故か学園中等部の制服に身を包んだアーニャがいた。

「アーニャさん…?なんで…?」

「この前パーティで料理食べられなかったから。日本料理…アーニャ、わくわく。」

「マーヤ、この人は?」

「あぁ、うん、この人はアーニャ アールストレイム卿…ナイトオブシックスをやってる人」

 あ、ルルーシュが持ってたお皿落とした。まぁ、私がキャッチするから問題ないけど。

「…なんでそんな人がウチの制服着てパーティに出てるんだ!?」

「またミレイ会長の悪ふざけなんじゃない…?」

「…あり得る…。」

 私たちにはお構い無しにアーニャさんは料理を摘んで頷いていた。どうやら美味しいと思ってくれているようだ。

「お兄様、それに…この熱量、マーヤさん?」

 現れたナナリーの頭を軽く撫でつつ私は笑いかける。

「ナナリー。スザクのために素敵なパーティを考えてくれてありがとうね。」

「はい、私とっても嬉しくて」

 そんなナナリーの存在にアーニャさんも気が付いたようだ。

「アーニャさん、良ければ手を貸していただけますか?」

「?問題ない。」

 アーニャさんの手を引き、ナナリーに触らせる。

「ナナリーは目が見えないから」

「成程…。初めまして。私はナイトオブシックスのアーニャ。よろしく。」

「まぁ!声の感じ私と余り歳が変わらなさそうなのに、ナイトオブラウンズだなんて凄いんですね!私はナナリーです。」

 歳が近いからか不思議とすぐ馴染めているように思える。…もしかしてこういう時意外と堂々としてるのはやっぱ皇族の血なのだろうか?

 そんな時、扉が開いてみんなが今度は誰だよという感じにそちらを見た。これがもしシュナイゼル殿下とかだったら私がブラインドになって二人を見えないようにしないと…

 

「こんにちは!」

 

 やって来たのはロイドさん…とニーナ。なんで一緒にいるんだろ?メガネ仲間なのかな?

「あれ?ロイドさん?何か用ですか?」

「うん、ちょっとね〜。スザクくんとマーヤくんを呼んでくれるかい?」

 私は既に鍛えた聴力で捉えていたため、直ぐに到着し、スザクの方もみんなに声を掛けながらみんなを掻き分けながらやってきた。

「ミレイちゃん、知ってる人?」

 あー、そういえばロイドさんとミレイ会長って婚約者だっけ。この前聞いて驚いたんだよね…

「僕のフィアンセ」

 あ、リヴァルが倒れた。

「倒れた人、記録」

 現場保存は大切だもんね。流石はラウンズ。

「ロイドさん、もしかして軍務ですか?」

「そ、大事なお客様が船でいらっしゃるんでね。お出迎えを。もちろんランスロットとユーフェミア皇女殿下も一緒に。アールストレイム卿もそれのついでで昨日のパーティに来たって訳。」

 

 後日、式根島というところでロイドさんの言う大事なお客様…要はシュナイゼル殿下を待っていると、なんとゼロが仕掛けて来た。幸いボールスも修理は終わっているため、私とスザクがいればユフィを守るくらいはできるだろう。残念なのはアーニャさんはナイトメアを置いてきてしまっているので直接戦えないことか。

「司令部が何者かによって攻撃を受けているとのことです!」

 この状況下なら間違いなくゼロだ。…私がなんとかしないと…!

「ご安心くださいユーフェミア様、自分が守ります!」

「いいえスザク、ここにはマーヤが居ます。あなたは司令部の救援に向かってください」

 その言葉にスザクは頷いていた。

「騎士と皇女殿下のイチャラブ、記録。」

 アーニャさん…?マイペース過ぎない?

「あ、それ今度データ送って貰えます?」

 ユフィまで…こんな時にマイペース過ぎるよ…

 

 暫くするとスザクはどうやらゼロを発見したようだ。通信が入り、そのままランスロットの座標が移動していく。

『ゼロのナイトメアが砂地に飛び込みました、自分も後を追います!』

 それから直ぐにランスロットに異変が起きたらしい。

『ロイドさん…これって』

『…ゲフィオンディスターバーだね。まさかラクシャータが…』

「…そのゲフィオンディスターバーってのはなんなんですか?」

 聞きなれない言葉に思わず口を出してしまった。

『簡単に言えばナイトメアを動かすサクラダイトに影響を及ぼしてナイトメアを動かなくするシステムよ』

「そんなものが…。」

 そしてどうやらスザクの方に誰かから通信が入ったようだ。

『こちらはブリタニア軍式根島基地司令フッキン中佐だ。これよりテロリストに対し地対地ミサイルを撃ち込む。枢木少佐はその場にゼロを足止めせよ』

 …!?それってつまりスザクごとゼロを殺すってこと!?ふざけてる…!人の命をなんだと思ってるの…!?

『ランスロットを壊す気!?』

 そこじゃないでしょロイドさん…!しかし、スザクの反応だとどうやらそれを実行するつもりのようだ。馬鹿げている…!そんな選択をして誰が喜ぶの…!?

『マーヤ!私をスザクのところに連れて行きなさい!』

 …!そうだ、皇女殿下であるユフィがいけばあのふざけた作戦を止められるかも!私はボールスでユフィを抱え、スザクの元へと走り出す。

「スザク!今そっちに向かってる、必ず生き延びて!どんな苦難でも貴方なら乗り越えられる、だから…!」

 そうだ。スザクはそんじょそこらの人間とは鍛え方が違う!こんな逆境くらい乗り越えられる!

『…分かった。僕は…鍛える!ゼロ、相撲で勝負だ!』

『ちょっとちょっとちょっとぉ!?何勝手に動いてるのマーヤくん!?ボールスまで壊す気!?』

 空気を読め…!そのメガネ後で叩き割ってやろうか…!

『私が死ぬと分かっていてもまだ作戦を続けられますか!?』

 ユフィはユフィで時間を稼ぐために軍部に通信をしてくれている。残念ながら応答はなかったが関係ない、このまま突っ込む!

 

 全 速 前 進 よ !

 

「ユフィ、今のうちにコクピットへ!」

『わかりました』

 コクピットにユフィを乗せ、シートに捕まって貰う。

『こんな時に邪魔を…!』

 私の前に立ち塞がったのはナリタの時に出会った緑の髪の女の人が乗っているだろうナイトメアだ。今回は前回とは違う、スピード勝負だ…!

「大盤振る舞いよ!二投流、ダブルスロウ・ヴァリス!」

 開幕からスロウ・ヴァリスを同時に二つ投げつける。

『そんな武器なんかッ!』

 現れたのは赤いナイトメア。その右手が赤く光ったと思うとスロウ・ヴァリスの一つを防いだようだ。

「止めた!?スロウ・ヴァリスを!?」

 だが、一つは着弾して周りをぶっ飛ばしている。なんとかしてスザクを助けなければ…!

「どっけぇぇぇぇぇ!!!」

 プロトヴァリスを構えて兎に角乱射する。敵の数は多いのだから狙わなくても勝手に当たってくれる筈だ。

「マーヤ、あの機械何かしら」

 ユフィに言われて視界に入ったのは謎の円盤機械。砂地に直置きされ、それはスザク達のある砂の窪地を囲むように並んでいる。こんなところに普通の機会があるはずがない。それに見覚えのない形…

「まさかあれがゲフィオンディスターバー!?だったら!」

 狙いを定めゲフィオンディスターバーらしき機械にヴァリスを放つ。

『これ以上邪魔をするな!』

 振りかぶられた薙刀を左腕を犠牲に受け止め、ガントレットを展開する。

「そこだァ!!」

 振りかぶった右拳をナイトメアの腹に叩き込む。そして次の瞬間、私たちのもとに影が落ちた。

「あれは…お兄様のアヴァロン!?」

 ユフィのお兄様…ってことはシュナイゼル殿下!?見上げると、二つの赤い光が見える。そして私達の元に赤い光が降り注ぐ。

 

 それから先、何をしたかは覚えていない。ただ必死に生き残ろうとした後は覚えている。

 

 

 私は…私は何をしていた?ここは…建物の中?痛い。突然頬を叩かれた気がする。

『お前なんて本当の…!』

 本当の…なんだろう。白衣を着た…ダメだ。顔は見えない。

 

『…………………ブリ……アが……る……の…………苦…!凌………い、……よ!』

 熱い…熱い…。炎と煙で前が見えない。

 苦しい…苦しい…。炎の向こうに人影が見える…

『マーヤ…強く、生きて!』

 あれは…

 

「…はっ!?」

 目覚めたのはどこかの浜辺。この感じ…気候や植生の感じからは式根島からは遠く離れていないようだけど、別の島な気がする。まずは水の確保だろう、耳を澄ませると波とは別の、水の流れる音がする。滝、だろうか。暫く進むとお目当てのものに出くわす。

「あった」

 滝だ。海を漂ったから少し髪がベタつくと言うこともあり、取り敢えずパイロットスーツは脱いで滝にあたろう。…実は滝行に興味があったのでいい機会だ。脳天に強く水の当たる感覚が実に刺激的で心地よい。座禅を組んで目を瞑ると心が落ち着く。

 

 結果から言うと、落ち着きすぎて気づいたら夜になってた。どうやら眠ってしまっていたようだ。多分滝がいい感じに入眠のツボを刺激したに違いない。恐らくこの島にスザクやユフィも流れ着いてる筈だけど…そう思ったが流石にこの暗さの中。足場の悪い森の中を歩くのは危険だ。一先ずその辺の木で摩擦を起こして火を起こし、水場で夜を明かす事にした。適当に石を拾い、素早く水中に投擲すると魚が浮かんでくる。焼き魚で腹を満たして眠った。

 

 次の日、森の中を歩いていると人や機械の音が聞こえて来た。誰かいるのかと歩いていくと…

「おや、そのパイロットスーツ…ロイド、君の待ち人がご到着だよ」

「マーヤくん、生きてたんだね、お め で と う !君のお陰でボールスはまた大破だよ。直したばっかりだったのにねぇ!!」

 それは…あー、ごめんなさい。メガネ割るのはやめとこう…。流石に申し訳なくなって来た。

「それにしても君がここにいると言うことはユフィも生きてここに流れ着いている可能性が高いね。」

 …ユフィ呼び…この気品…まさか…

「あぁ、名乗るのが遅れてしまったね。私はシュナイゼル エル ブリタニア。」

「シュナイゼル殿下…!こちらこそ名乗るのが遅れて申し訳ありません、マーヤ ディゼルです!いつも子供達がお世話になってます!」

「ははは、やめてくれないか?私はただ当たり前のことをしているだけだよ。」

 …ん?ユフィを巻き込みかねない作戦…それもユフィの騎士を殺すようなあの作戦、指示する側も相当な地位と権力が必要な筈、それに『お兄様のアヴァロン』から放たれたあの光…

「教えて下さい。あの作戦は殿下が?」

「えぇ、私です。それが何か?」

「スザクやユフィを巻き添えにしようとしたんですか」

「結果的にそうなるね。でもあの場合優先すべきは…おっと」

 私の拳は一人でに動いていた。その拳はシュナイゼル殿下の顔面…ではなく掌に収まり、今尚震えている。…シュナイゼル殿下、この人やっぱり強い…!

「貴様!殿下に向かって何を!」

「うるさいデブ!」

 突如現れたモノクルの男に叫び、私はシュナイゼル殿下を睨む。

「君ほどの筋肉があればあの程度、ユフィを守りつつ切り抜けるなど簡単だと思ったが、違うかい?」

「ではスザクは!?それにあの程度のミサイルでゼロが死ぬとは思えません!…最初からあの赤い光を叩き込むことが狙いだったんでしょう!」

 あの光からはかなり危ないものを感じた。ただの爆発ならいきのこれるかようせいはあるが、あの光はまずいと直感が告げていたのだ。

「だったらなんだい?」

 この人…!こんな人だとは思わなかった!私は一旦バク転で距離をとり、手をついた時に拾っておいた石を投擲する。

「その程度、構えをとる必要もないね」

 石を弾かれたが関係ない、本命はこの…!

「君は今から『その澄まし顔にドロップキックを叩き込んでやる!』と言うね?」

「その澄まし顔にドロップキックを…何!?」

 いつのまにかシュナイゼル殿下は両足を肩幅に開き、片手を下へ、片手を上へと構えていた…いけない!あの構えはまずいと直感が…

「良い機会だから教えてあげよう、マーヤ。的確に相手の弱点を切り裂く私の手刀が天から降り注ぎ、如何なる攻撃をも受け流す技を地から放ち、そしてそれを可能にする私の知略による先読み。これを天地知闘の構えと言うんだ。」

 瞬間、私のドロップキックが簡単に弾かれ、直様私の延髄に手刀が叩き込まれる。

「がッ!?」

 う、動けない…あんな的確に…つ、強い…!

「中々良い動きだけれどまだまだ感情に左右されすぎているね、それでは私どころかクラリスにも一撃を与えることはできないよ。」

 微笑むその顔からクラリスさんの名前が出た…そうか、この人が…クラリスさんの…。碌に動かない体を必死に動かしなんとか立ち上がる。

「おや、あまり無理はしない方がいい。普通の人なら3日は寝込む手刀を叩き込んだからね」

 結局そのあと私は膝から崩れ落ち、木陰で身体を休めることしかできなかった。中で何か音がして、そのあと黒い大きなナイトメアが飛んでいった気がするけど私はそれを眺めているだけだった。




四人で仲良くキャンプしてるのにマーヤだけソロキャンプです。悲しいね。


・狂四郎2030(宇治田)
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