ミートギアス 〜筋肉のルルーシュ〜   作:ベルゼバビデブ

116 / 179
 ご機嫌よう、読者の諸君!私は澤崎 敦。

 現在エリア11…いや、日本はゼロにより混乱している。今こそ私が独立主権国家日本を設立し、日本を取り戻す!

 私には強力な後ろ盾もある。待っていろブリタニア…!

 それでは本編開始!


STAGE16′

 私がシュナイゼル殿下に暴行を働こうとした件についてはシュナイゼル殿下の『組手をしただけ』という発言で不問にされたらしい。人としての器が違うということか。そしてスザクはというと、一時は命令違反で捕まったのだが非常時のことだからという事で不問になったそうだ。

 しかし、スザクは命令違反を犯したことを気に病んでいるらしい。

「スザク」

 私はそんなスザクに声を掛けた。…スザクは騎士勲章を手に思い詰めた顔をしている。

「それ、どうするつもり?」

「…返そうかとも…思ったんだけどね。踏ん切りが付かないんだ。」

「スザクは命令より私との約束を守ってくれたんでしょ?生きるってさ」

「…そうだね。あの時僕は本当に死ぬかと思ったよ。黒の騎士団の人達は襲ってくるし、ゼロも立ち塞がった。なんとか乗り越えてランスロットを乗り捨てつつ、海を走って追ってくるゼロから逃げて走ってたら高波に飲み込まれて…。」

 そんなことがあったのか…。

「でもあの神根島でユフィに合流できて良かったよ。あ、でも意外かもしれないけどユフィって結構野草とか木の実に詳しいんだ。」

「へぇ、そうなんだ」

「そういえばマーヤもあの島で遭難してたんだよね?何してたんだい?」

 …言えない、滝行中に寝てほぼ何もしてないなんて…!

「み、水辺で魚を取って食べてたよ…」

「そうなんだ。僕も素潜りして貝とか蛸とか取って食べたんだ。でもユフィってタコが苦手みたいでさ」

「タコ!?タコって食べられるの!?」

「あ、そっか。マーヤもブリタニア人だもんね、タコは馴染みがないか…僕が幼い…日本だった頃はよく食べたんだよ。たこ焼きとか刺身とかさ。」

 そうなんだ…。じゃあ今度施設にタコ差し入れたらみんな喜ぶのかな…?

 

 そういえば、私があの島で見た黒いナイトメアはガウェインと言うらしい。どうやらゼロに奪取されたらしく、ガウェインにはハドロン砲と呼ばれるヴァリスに匹敵する強力な兵器が積まれており、ドルイドシステムと呼ばれる高性能な解析システムも搭載していたとか…。更に単騎で空を飛ぶ事も可能…まぁ、性能マシマシ装甲カタメなナイトメアということか。更に恐ろしいのがシミュレーション上、ガウェインはその巨大さ故、パイロットの生死を無視した挙動をすれば…例えばランスロット並みの動きをさせるとか…ランスロットの比にならない高威力格闘攻撃が可能らしい。ロイドさん以外の科学者はそんな動きは現実的で無いと否定しているらしいが、ロイドさんが興味本位で私の生体データで試してみたところ、生死に影響はなかったらしい。つまり、私以上の筋肉を持つゼロであるならば実現可能と言う事だ。

 

 そして、ある事件が起きた。

『我々は独立主権国家日本の設立を宣言する!』

 澤崎と呼ばれる貧弱なオッサンが何やらほざいていた。そんな筋肉で今更出てきて何を言っているのか…。私は今回はボールス修理中のため、オペレーターの一人として作戦に参加することとなった。モニターにはスザクのランスロットからの映像とコクピットのスザクが映っている。

「スザク、ランスロットの調子はどう?」

『うん、問題無いよ。フロートユニット…まさかランスロットで空を飛ぶ日が来るとは思わなかったけどね。』

「そうね」

 そしてスザクはアヴァロンから発艦し、空を駆けていた。スザク…貴方は今から敵陣に突っ込むことになる…でもきっと大丈夫、スザクの努力は私もよく知っている。

 そして、スザクは澤崎とかいうオッサンとの会話に気を取られたのが発端で追い詰められてしまった。ヴァリスは破壊され、エナジーも切れかけ、フロートユニットは破壊されているので逃げることすらできない。四方八方を囲まれている。まさに絶体絶命ぉ。

『マーヤ…みんなに代わりに謝っておいてくれるかい?』

「馬鹿言わないで!」

 筋肉量こそ私に当たるがそのタフネスは私にも引けを取らない。だからスザク…

 

「貴方ならどんな困難をも乗り越えて、鍛えられて帰ってくるはずよ!」

『そうだね…僕は…いや、俺は…鍛える!』

 するとスザクはMVSを投擲し一体を破壊、更に突き刺さったナイトメアごとバイブレーション機能をオフにしたMVSを持ち上げ、鈍器のように振り下ろしてもう一体を破壊、スラッシュハーケンによるこうげきで4体を同時撃破。

『残り二体…!』

 しかし、その二体は空から降り注ぐ赤い光によって粉微塵に消し飛ばされた。

「!一体何が!?…これは!?」

 スザクがランスロットで見上げなことで私にもそれが確認できた。ガウェインだ。

『枢木スザク、生きているか?』

「あの声はゼロ!?まさか最前線に…」

 するとガウェインはランスロットに向けてその指のスラッシュハーケンを放った。

『くっ!』

 なんとか躱したスザクだったけど、私のモニターにはその動きでランスロットのエナジーが尽きたことが確認できる。

『万事休すか…!』

『ふん、どうやらエナジー切れのようだな。丁度いい。我々は今から澤崎を拘束するため敵の司令部を叩く。精々そこで指を咥えて待っているといい。』

 こうしてブリタニアの作戦は失敗し、澤崎はゼロによって撲殺、中華連邦の首謀者には逃げられる結果となってしまった。

「残念だったねぇマーヤくん、ボールスが壊れて無ければ君も出れたのにねぇ」

「…嫌味ですか」

「あは〜!もうちょっと丁寧に扱ってほしいとは思ってるよぉ。でも、これで黒の騎士団の勢いは益々増すことになる…お め で と う!仕事が増えるねぇ」

 でも、ロイドさんのいうことは尤もだ。私が雑な戦い方をしてボールスを破損していなければ状況は変わっていたかもしれない。この一件でブリタニア…コーネリア総督の支持には少し揺らぎが見える。そして逆に黒の騎士団の勢いは増したように思えるのだ。このままじゃ…。

「ねぇ、マーヤくん。電話鳴ってるけど?」

「えっ?あ、ホントだ。」

 相手は…学校?こんな時間になんだろう。

「はい、もしもしディゼルです。」

『こんばんはディゼル。私だ。…さて、君は自分の立場は分かっているのかな?』

 …立場…?抽象的な会話だなぁ…。

「美少女女子高生、とか?」

『不良学生だよ!!!お前とルルーシュ!お前ら二人は学校をサボりすぎだ!!いくら成績優秀だろうと出席日数が足りないという事実!このままだと留年しかないぞ!』

 別に私は留年でも良いしなぁ…。

『因みにディゼル、お前今『仕事あるから留年でも良い』と思ってるだろう?そんなお前に良いニュースがある』

 …この場合悪いニュースの間違いでは?

『お前の保護者のクラリス ガーフィールドさんから言伝だ。「もしも留年したらお仕置きです!」だそうだ』

「補習、喜んで受けさせていただきます!」

 クラリスさんのお仕置き…何されるか分かった物では無い…!なんとか留年は回避しないと!!

 

「…であるからして」

 黒板の前に立ち、私が既に習得済みの知識を垂れ流す教師は無視しつつ、私はペンを使ってのモールス信号でルルーシュとの会話を試みた。

『ねぇ、ルルーシュ、理解できる?』

『モールス信号か、古典的な手を…。何の用だ?』

 流石はルルーシュ。即座に反応をしてきた。ルルーシュの場合は指だけど。

『補習、スザクの方が必要だと思わない?』

『あぁ…。まぁ、あいつはお前と違ってサボらないからな。成績はかなり赤点ギリギリらしいが』

 それとは対照的に私たちは常にトップクラスの成績だ。こんなの不合理である。

「おい!ディゼル、お前聞いてるのか!」

「先生、黒板のそこ、人物の名前の綴り間違えてますよ」

「あ、ホントだ」

 私ほどの脳筋であれば人とモールス信号で会話をしつつ先生の話を聞いたり黒板の文字を確認するくらい造作もないことだ。

『なぁ、マーヤ』

『何?』

 

「おいディゼル!聞いてるのか!」

 …。ん?いけない、ぼーっとしてた…!?

『教科書42ページ16行目だ。』

「はい、その考え方については…」

 ルルーシュからのアシストによりその場は切り抜けた。…うーん、流石にモールス信号とのマルチタスクは私ほどの筋肉でも負荷が強過ぎたのかな?

 それからもモールス信号で雑談をしながら募集を終えた。去年はサボってすっぽかしてたけど、近々ある文化祭の準備が大変とのことだ。私も手伝わないといけないらしい。それと、文化祭では何かと忙しいと思われるルルーシュに代わりナナリーと文化祭を回ってくれとのことだ。

 そしてルルーシュの予想ではスザクという存在もあり、今年のアッシュフォード学園文化祭は日本人にもオープンなものとなるそうだ。陽菜達も連れてこれるか施設の人に聞いてみよう。

 

 そして迎える文化祭…の準備。工場で製作された大型の謎の機材を私とルルーシュ、そしてガニメデと呼ばれる旧式ナイトメアに乗ったスザクの3人で運んでいく。

「重たい…これなんの機材なの!?」

「巨大ピザ作りのための特製オーブンだよ」

「…デカ過ぎない!?」

「直径15メートルのピザを作る予定だからな」

 馬鹿じゃ無いの…?そんな訳で機材の運搬、さらには組み立て作業を行う。

「三人ともご苦労様!いやー、流石に3人もいると力仕事も楽ねー!」

 普通こういうのは業者を雇うのでは…?

「会長、業者に頼む分を俺達の労働に差し替えて予算を浮かしたんでしょう?計画では元々12メートルって話だったはずです」

「世界一のピザを作るんだからよりおっきな方が良いに決まってるでしょ?」

 …流石会長って感じだ。

「あの、お疲れ様ですマーヤさん」

「あ、ナナリー。」

「はいこれ、お疲れでしょう?どうぞ」

 そう言って笑顔で渡されたのは水のようだ。ありがたい、力仕事で喉が渇いているところだ。

「ありがとう、気がきくのねナナリー」

 そして受け取った水を一気に喉に流し込む…美味い!キンッキンに冷えてやがる…!渇いた体に染み渡る、犯罪的な美味さだ!

「はい、お兄様にも」

「ありがとうナナリー」

 そう言えば学園祭、私がナナリーと回るんだっけ。

「ナナリー、学園祭はよろしくね」

「はい。…でも私が一緒だとマーヤさんにご迷惑じゃないでしょうか?」

「平気よ、私ほどの筋肉があれば迷惑になんてならないわ!」

 そう言って私は力を込めた腕をナナリーに触らせる。

「…そうですね、よろしくお願いします」

 笑ったナナリーを優しく撫でる。施設の人も陽菜達を連れて来ることを許可してくれたため、紹介でもしようと思う。スザクとも仲の良いナナリーなら子供達とも仲良くなれるはずだ。

 

 呼び出されたあの日から最早日課となったその行事、ユフィの部屋を訪れた私はユフィの気配を探る。

「…。」

 これは…

「扉の裏かッ!」

 ユフィの拳を腕でガードする。うん、中々キレのあるパンチになってきた。毎日の鍛錬の成果が出ているようね!

「また防がれちゃいましたか、残念です」

「まだまだユフィに遅れをとるか私じゃ無いわ。でも、こんな短期間にここまでの急成長、やっぱりユフィには才能があると思う。」

 ユフィは服を着ていれば見た目はあまり変わっていないように見える。が、実際には腹筋は割れているし、腕も脚もかなり引き締まっている。胸筋は…あー、脂肪がまだまだ多いわね。鍛錬不足。そう、これは鍛錬不足よ…!ふんだ!!

「そういえば明日は確かアッシュフォード学園の文化祭よね。マーヤ達はどんなことをするの?」

「巨大なピザを作ります。直径15メートルですよ」

「そんなに!?凄いのね…」

 そんな会話に気を取られるとでも思ったのか、ユフィは容赦ない顔面狙いの拳を突き出して来る。私はそれを最小限の動きで躱し、ユフィのお腹を軽く小突く。

「これもダメ…流石マーヤね」

「まだまだ事前動作がわかりやすいのよ。…とは言え、くれぐれも気を付けてね。今のユフィほどのレベルにもならばスザクほど鍛えた相手なら兎も角、普通の人…特にお年寄りや子供を本気で殴れば殺しかねないわ」

「大丈夫です。私はこの力を大切なものを守る為以外には使うつもりはありません。」

 どこまでも優しいユフィに私は笑顔で頷く。

 そう、筋肉とは他者を傷つけるために非ず。己と他者を守る為にあるのだ。

 

 間違っても人を殴り殺すなど…あってはならない。




Q.なんでルルーシュはランスロットを攻撃したの?
A.ご想像にお任せします。

いやー、ユフィのダイエットは順調みたいですねー(棒読み)

原作よりも筋肉勢が多い為地味にピザの大きさが大きくなってます


・カイジ(カイジ)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。