赤い光の迸りと共にナイトポリスの機能は停止、更に全身を凄まじい高熱が襲って来る。
「あ、熱い…!」
けたたましいアラートが鳴り響いている。みるみる私の視界は暗くなり…そして…
ここは…研究所だろうか?…あっ、肘が当たって机の上のビーカーを落としてしまった…。
『お前は何度言ったら分かるんだ!』
痛い。突然頬を叩かれた気がする。
『お前なんて本当の…!』
本当の…なんだろう。白衣を着た男の人…顔は見えるものの、やはりどこかぼやけていているが…だが、あれは私の…
『あなた止めて!」
同じく白衣を着た女の人が男の人に怒っている。…今なら分かる。きっとこれはお母さんと…お父さん"だと思っていた人"だ。
…あぁ、そうだ、私は…もっと強い子になれば怒られないと…そう思ったんだっけ。でも、さっき言われた『本当の』…今ならわかる。あれは『本当の子供じゃない』と言いたかったのだろう。研究の邪魔ばかりしてしまう私の…
だから…
『…ーヤ…………が強いる、……………の…………苦…!凌………い、…鍛えよ!』
熱い…熱い…。炎と煙で前が見えない。
苦しい…苦しい…。炎の向こうに人影が見える…
『マーヤ…強く、生きて!』
あれは…お母さん…これは…
「…そうだ。これしきの熱に私の鍛えた筋肉が負けるはずないッ!!」
ハッチを蹴破り、爆発と共に脱出、服は多少焼け焦げたが…ふむ、体の調子は問題ない、動ける!
『嘘でしょ!?…アンタ、ちょっと頑丈が過ぎるよッ!!』
続けての赤いナイトメアの攻撃を流石に素手で受けるわけにもいかず、強く地面を蹴り距離を取る。
『あら、マーヤ…随分苦戦してるようですね』
私と赤いナイトメアの間に割り込んできたのはユフィのグロースター。
『もう少しで一人処刑できそうでしたがマーヤが死ぬのは私も悲しいですから』
どうやら撲殺そっちのけで助けに来てくれたらしい。よくよく見るとユフィのナイトメアは既にいくつかの剣撃を受けたらしく、装甲がかなり剥がされているが、こちらの部隊も大分最初の混乱から立て直している。このまま行けば…!
『そこまでだブリタニアの諸君!これ以上は国際問題となるが?』
中華連邦からの介入…?だが、ここで押せばゼロを捕まえられるはず…どうすれば良いか判断は付かず、すぐさま通信を繋ぐ。
「ギルバートGPギルフォードさん、ここは退くべき…かな?」
『…えぇ、E.U.方面の立て直し前に中華連邦と事を荒立てるのは得策ではないかと。』
ふむ、確かに…。テロリスト一人の捕縛の為にブリタニアと中華連邦の戦争に発展となれば、それは私一人の力でどうにかなるものでもない。ここは大人しく退いた方が良いか…。私は撤退を命令し、続けて総領事館周辺を厳重に包囲するように命令した。
その夜のスザクの連絡から、明日スザクがこちらに帰ってくるらしい。次の日、ギルバートGPギルフォードさんに『何かあれば連絡を』と言う魔法の言葉を唱えて学園に向かう。
「本日より復学することになりました。枢木スザクです。」
スザクも復学するようだが、連絡を取った感じではスザクはナナリー皇女殿下もとい新総督の総督補佐となるらしい。もう何かあってもスザクに押し付けてしまえば良いのでは無いだろうか?
「席はルルーシュの隣な」
先生に言われたスザクがやってくるが、突然ルルーシュがスザクに不意打ちの拳を叩き込んだ!恐ろしく早い殴打…私は見逃さないけれど中々のスピードだったわ!
「!」
パシッと手で止めたスザクはすぐさま反撃の蹴りを叩き込んでいる。しかしルルーシュとてマッスルガイ、それを容易に腕でいなしていた。
「ふっ、相変わらずの動きだなスザク」
「君こそ、殴りかかるなんてひどいじゃ無いかルルーシュ」
スザクがルルーシュを見る目はどこか鋭いように感じる。…私の気のせいだろうか?
「あ、ルルーシュ。休学中のノート映させてくれないか?」
「ノートを写すより俺が補習してやるよ」
「ありがとう、助かるよ!」
いや、気のせいか。あんなに笑顔で話してるし。
スザクが帰ってきたこともあり、生徒会のメンバーで昼飯を食べる事になった。
「…それでね?私たち以外はみーんな帰っちゃったの。先生もよ?」
「なるほど、道理で見ない顔が…」
私もエリア11に戻ってきてからそのことには驚いたものだ。
「そうだ!スザクの復学記念パーティをするわよ!」
「え、良いんですか?」
「良いんじゃ無…ん?あれ、会長…私の復学記念パーティってやりましたっけ?」
…あ、ミレイ会長が固まった。さては忘れてたな…?まぁ、良いけど…。それからナイトオブセブン枢木スザク復学記念パーティはナイトオブツーマーヤディゼル&ナイトオブセブン枢木スザク復学記念パーティに名称が変更された。ミレイ会長のお祭り好きににも困ったものだけど、楽しい催しは学園の皆んなにも必要だろう。
そしてパーティの開会式とでも言うべきか。私とスザクは放送室にて待機をすることとなった。
「お待たせしました!これより、ナイトオブツー&ナイトオブセブン歓迎会を始めまーす!開始の一言はもちろんこの方達から!」
「本当に僕もやるんですか…?マーヤだけで良いんじゃ」
「何言ってるのスザク!主役は私達二人なんだから!観念しなさい!」
やる以上は楽しんで貰うべきだろう、ここで水を差すのは良くない。
「分かったよ…それじゃぁ…」「「せーの…」」
私とスザクはサイドチェストを決めた。
「「ヤーーーー!!!!!」」\It′s my life!/
去年は私とスザク、ルルーシュの三人…あれ、何でロロは設営に参加しなかったんだっけ…?まぁ、いいか…。兎に角三人で設営した特製オーブンは「主役に設営させるわけにいかない」と言う事で今回は業者を雇ったらしい。別に良いのに…。
歓迎会が始まるものの、私はある人を校門で待っていいた。しばらくすると豪華な車が到着し、リョウ、ユキヤ、アヤノが出てくる。
「ここがマーヤの通ってる学校か」
「随分と大きいし、賑やかなんだね。流石はブリタニア」
「ちょっとリョウ!ユキヤ!護衛対象そっちのけで行かないでよ!…ほら、V.V.く…ちゃんも」
そう、豪華な車はリョウ達三人のためではなく、V.V.くんのためのもの。お祭りを見てみたいと言う連絡をもらった時は驚いたけど、お金持ちとは言えやはりV.V.くんも子供と言うことだろう。…ところで自由な校風とは言え何でV.V.は女装してるの…?
「や、やぁマーヤ…まさかこの歳でこんな格好をされるとは思わなかったよ…。」
「…似合ってるよV.V.くん」
「冗談でもやめてほしいな…。くっ…スースーする…!」
こちらから目を逸らし、スカートを抑えて恥ずかしそうにしているが見た目はどこからどう見ても少女のそれだ。
元々顔は整っているし、髪も長い事で女装が似合うのは事実。それにしても『この歳』だなんて…まだまだ子供だろうに。
「じゃあ、みんな行こうか」
私はスザクと異なりピザ作りの仕事はないので校内を自由に回ることが出来る。確かシャーリー達水泳部はカフェやってるんだっけ?
スクール水着の水泳部員が決めポーズをした。
「美少女から!」
そして次に複数の水泳部員が破廉恥極まりない水着に身を包むヴィレッタ先生を紹介する様にポーズを決めた。
「アダルティなお姉さんまで!』
…ヴィレッタ先生…この距離からでもわかる。表情筋がピク付いてますよ…。笑って下さい。せめて。
そしてルルーシュとロロがブーメランタイプの海パンでサイドチェストを決め、爽やかにスマイルをキメていた。
「「そしてハンサムなマッスルガイも(いるぞ)(いマス)!」」
「「「水泳部カフェへようこそ!」」」
…シャーリー、私の事も誘ってくれれば良いのに。
「…ちょっとリョウ、見過ぎだよ。」
「は、はぁ?見てねーよ!」
うんうん、二人も楽しんでくれてるみたいね。
「僕はコーラにしようかな…V.V.ちゃんは何頼む?」
「ブラックコーヒーのアイス」
ふふ、V.V.くんったら…まぁ、あれくらいの子供は背伸びしてブラックのコーヒーとか飲みたがるものよね。その時プールサイドにシャッター音が響いた。
「ダブルマッスルガイ、記録」
…ん?あの特徴的な喋り方…。もしかしてアーニャ…?
「ん〜!カフェの料理も美味しいモニ。これは世界一のピザも楽しみモニ」モニモニ
パンケーキを頬張ってるのはモニカ…!?
「ちょっと三人ともここよろしく」
リョウ達にその場を任せ、私はモニカ達に近付く。
「モニカ、アーニャ、来てたの?」
「うん。この前は陛下の護衛で楽しめなかったから。」
「アーニャ一人じゃ心配だからってジノが付いていけって言われたモニ」モニモニ
ジノ…アーニャとモニカじゃ正直大差ない気がするんだけど…。すると、アーニャとモニカと同じテーブルにもう一人が着いた。派手な髪の…
「あれ、ルッキー?」
「はぁ…はぁ…悪いが筋肉女、今は貴様とやり取りをする気力もない…」
あぁ…この様子だとルッキーは多分モニカとアーニャの付き添いに自主的に来たんだな…。ルッキーの部下のマリーカさんと話した感じ、口は悪いけど面倒見は良いらしいし。そして二人に振り回されてるって感じか。
「よーしアーニャ!次の出し物に行くモニ!」モニッ!
「ホラーハウス。わくわく」
「なっ…!?」
駆け出す二人の背中を絶望した表情で一瞬だけ眺め、すぐさま走って追いかけるルッキーに手を振って送り出す。…苦労人だなぁ…。
それから世界一のピザ作りは無事成功に終わり、灯りを囲んでのダンスとなった。
「なんかスロニムのお婆さん達のこと思い出すね。」
「あの時も灯りを囲んで踊ったっけ」
スロニムのお婆さん達…それにレイラは元気にしているだろうか?
「…マーヤ、まさか踊ろうだなんて思ってないよな?」
…バレた…?
「だ、大丈夫だよ…ブレイクじゃなくて大人しめのにするから…」
一応これでも私はダンスはある程度一通りは踊れるのだ。…どこで覚えたのかは覚えはないけれど、とにかく体が覚えているので舞踏会で踊るようなクラシックな奴だって…
「絶対にダメだからね!」
うぅ、アヤノに釘を刺されてしまった。
…そういえば私と同様主役であるスザクはどこにあったのだろう?
それから、新総督補佐であるスザクへの総督代行の業務引継ぎの事務をギルバートGPギルフォードさんに丸投げして任せ、私はリョウ達と共に一度ブリタニア本国へと赴き、新総督を出迎えることとなった。帰りのラウンズ専用の機内の中でなにやらエリア11土産を仕分けしているアーニャとモニカを見て一つ疑問が湧いた。
「…あれ、アーニャ。ルッキーは一緒に帰らないの?」
「ブラッドリー卿はスザクとマーヤの手伝いでエリア11に残るの。」
「言ってなかったモニ?」モニ?
…聞いてないと言うか、ほとんど話せなかったと言うのが本当のところだ。ルッキーは二人に振り回されて終始死にそうな顔だったことしか覚えがない。
「ところでお土産が色々あるみたいだけど何を買ったの?」
「モニ〜!これはドロテアにあげる『L.L.の筋肉写真集』モニ!本国では中々手に入らないモニ。ドロテアの為に観賞用保存用布教用の3冊を買っておいたモニ」モニ
へぇ…モニカっていつも変な人だと思ってたけど意外と気が利くところもあるのか…。
「そういえばモニカのフロレンスって元はアレクサンダなのよね?」
「そうモニ!カマキリ型のナイトメアモニ!マーヤもE.U.ではあれに乗ってたと聞いてるモニ〜」モニモニ
確か一度作戦で破壊されたが再度修繕しているんだったか。リョウ達の新しいナイトメアである『イスカンダル』もベースはアレクサンダ…というかブリタニアで作られたアレクサンダというのがその正体である。本人達も使い慣れている方が良いというのとロイドさんの『E.U.のナイトメアも面白い』という発言から製造されたものだ。
ブリタニア本国に着いて早々に私はエリア11新総督となるナナリー皇女殿下に挨拶をしに行くことになった。まぁ、明日またすぐにエリア
11に出発するし仕方がない。ドアを破壊しないように優しくノックをすると可愛らしい声が聞こえてきた。
『どうぞ』
「失礼します。ナイトオブツーのマーヤ ディゼルです。」
スザクから聞いた通り、車椅子に乗った非常に可愛らしい女の子だ。目が見えないためか目はしっかりと閉じられ、表情も…あまり笑ってはいないようだ。…心なしかV.V.くんに似ているような気がするけど…気のせいかな?
「お目にかかれて光栄です皇女殿下。明日は私が責任を持って皇女殿下をエリア11にお送りいたしますのでご安心下さい。」
私は跪いて首を垂れる。
「…はい。ありがとうございます。あの…少し…手を貸しては頂けないでしょうか?」
「手…ですか?」
私がナナリー皇女殿下に手を差し出すと、彼女は私の手を両手で包み込むように触ってくる。…なんだか少しくすぐったいな…
「マーヤさん、とお呼びしても?」
「え、えぇ、どうぞお好きにお呼びください。」
私が答えると、どこか表情が和らいだ気がする。
「マーヤさんは私に何か隠し事をしていますか?」
隠し事…?出会ったばかりの皇女殿下に何かを隠した覚えはない…。私はナイトオブツーだし、名前だってマーヤ ディゼルだ。
「…えぇ、隠し事はしていませんが…?」
「…そのようですね」
「?」
どうやら私の答えはあまり望ましいものではなかったらしく、表情はまた暗くなってしまった。気まずい空気にふと部屋の中に折り紙があることに気がつく。
「…折り紙、されるんですか?」
「えぇ、昔日本人の方にお世話になる機会があってその時に教えて頂きました。」
折り紙、私も陽菜達と折った事がある。懐かしい。特にゲットーに居た頃は私が紙を使うのを勿体無いと、その辺に落ちていた鉄板で折ったのだったか。
「…明日エリア11に向かう間…宜しければ一緒に折りませんか?皇女殿下」
「!はい、ぜひ!」
良かった。ナナリー皇女殿下は喜んでくれているようだ。これも陽菜達と共に時を過ごしたおかげだろう。やはりあの日々は無駄ではなかったのだ。
V.V.くん(精神年齢的にはシャルルより上なオッサン)の女装…需要はどこにあるんでしょうね。"原作"ルルーシュが似合う事とV.V.の表面だけは美形なので似合うとは思います。
学園に来てますが普通にC.C.とかちあってたらC.C.終わってましたね。
本来はエリア11に送られるのはアーニャとジノですが、マチョストR2ではルッキーことルキアーノ ブラッドリーに変更されます。なんで???
マーヤはナナリーに関する記憶を消されているのですが、当然ナナリーにはギアスがかけられないのでお互いの認識にズレがあります。恐らくスザクが何かしらの嘘で誤魔化しているのでしょう。
「マーヤは陽菜達のいた施設がブラックリベリオンで破壊されたことで精神を少し病んでしまい、ナナリーの事を忘れてしまっているし、ゼロとルルーシュの筋肉の共通点からルルーシュを話題に出すのはやめてほしい」
みたいな。無理がありますね???
マーヤが護衛につく為、アプソン将軍は居ません。残念でしたぁ!