ミートギアス 〜筋肉のルルーシュ〜   作:ベルゼバビデブ

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TURN11′

 ゼロのナイトメアの胸部が開き、何か不思議な形をしたものを取り出すと、こちらに投擲してきた。確かに早いがこの程度、私とサグラモールに対応できないものではない!

「こんなものが私に効くとでも!?」

 私はそれを弾いて防いだ。

『感謝するマーヤ ディゼル!お陰で私の攻撃は完成した!』

「何!?」

 続けてゼロのナイトメアは何かのビームを放つが、それの狙いは私ではなく、先ほどの物体。ビームは物体に当たると複雑に乱反射し、中華連邦のナイトメアをことごとく切り裂いていく。どうやら先ほどの物体はプリズムのようなものらしい。やられた…!

「私が弾く方向まで計算したってことか…!」

『これで邪魔者は消えた。次はお前の番だ!』

 まんまとゼロの策略にハマってしまったようだ。そして今の攻撃に騙されてはいけない。あのゼロが初手で切り札を見せるはずがない…つまりまだ何かを隠している…!

「切り札を切られる前に倒す!」

『そのナイトメア、情報通り遠距離攻撃は苦手なようだな!』

 くっ…!こちらの弱点を…流石はゼロね!ゼロのナイトメアは手首のところにルッキーのパーシヴァルのようなハドロンショットを搭載しているらしく、それを放ってきた。私はそれを回避してゼロのナイトメアに対して距離を詰める。

「距離は詰まったわ!」

 サグラモールの拳を叩き込むが、それは桃色の障壁に阻まれてしまった。

『絶対守護領域…我が蜃気楼の"奥の手"だよマーヤ ディゼル』

「まだまだァ!」

 今度はサグラモールの四つの腕全てでニードルブレイザーを叩き込む。…しかしびくともしないようだ。なるほど、接近されても絶対的な防御力で防ぐということか、だがこんなもの…!

「たかがナイトメア一機の発生させる障壁如き!サグラモールで打ち破ってやる!!」

 それに防御中は流石に攻撃が出来ないらしい。四つの腕を絶え間なく交互に桃色の障壁、絶対守護領域と呼ばれるそれに叩き込んでいく。

「うおおおおおお!!」

 そしてとうとう私の拳が絶対守護領域を貫いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『と、思っていたのか?』

 

「何!?」

 瞬間、ゼロのナイトメアは拳に桃色の障壁を展開しているのが見える。

「そうか…!さっき奥の手と言ったのはブラフ…!」

『今頃気付いても遅いッ!!食らえ、我が蜃気楼の本当の奥の手…絶対破壊両腕を!!』

 私のサグラモールでもブチ抜けないバリア…その硬さで殴られたなら…!

「まずい!!」

 私は四つのニードルブレイザーからブレイズルミナスを展開してそれを重ね合わせる。ブレイズルミナス4枚分なら…!

「ぐぅ…!」

 凄まじい衝撃ッ…!

『これを防いだか、流石はマーヤ ディゼル。敵ながらよく頑張ったと褒めてやろう』

 思わず蹴りで距離を取るが、次の瞬間ゼロのナイトメアは自身の背後に絶対守護領域を展開し、それを足場として蹴ることで凄まじい加速を得てこちらに突っ込んできた。

「凄まじい破壊力の拳に、絶対的防御力の盾、更に高い機動力ッ…!このナイトメア、無敵なの…!?」

『その通り!我が蜃気楼こそ強靭!無敵!即ち最強ォ!!』

 突き出された拳は再び4枚のブレイズルミナスを展開することで防御できたものの、守ってばかりでは勝機はない。更に機動力も向こうのほうが上だ…このままでは…!何か…何かないか!より高い威力の拳を叩き込む方法は…!

 …!さっき見たゼロが自らのバリアを足場に蹴る…あの発想だ!私はサグラモールの副腕のブレイズルミナスを展開し、サグラモールの肘を当て、その反射を利用してゼロに殴りかかった。

『な、何ィ!?こ、これは…!』

「うぉぉぉぉおおおおお!!!」

 弾力のあるブレイズルミナスの反動を利用してパンチの威力を増幅、故に速い!リングロープの反動を利用するボクサーのパンチのように!「これならッ!!」

『中々早く鋭い、敵ながら見事な攻撃…!だが!今ので覚えたッ!』

「何!?」

 ゼロは自らの膝に当たる位置に絶対守護領域を展開していた。ま、まさか!

『私にも同じことが出来ないとでも?マーヤ ディゼル!』

 ゼロは弾力ある絶対守護領域の反動を利用してパンチの威力を増幅させていた!私と同じように…!でも…負けない!ラッシュの突きの速さ比べだッ!

 

「うぉぉぉぉぉぉおおおおお!!!」『無駄無駄無駄無駄無駄無駄!!!』

 

 しかし、突如コクピット内にアラームが響き渡った。

「…!エナジーが!?こんな時にッ…!」

『後から参戦した私に耐久戦を持ち込んだ貴様の負けだッ!』

 サグラモールの腕を全てを胴体の前に構えて防御することでなんとかゼロの拳が胴体に直撃するのを防いだものの、その破壊力に腕は爆散してしまう。…だが、私はその爆風を利用して距離を取った。

『ほう、流石はマーヤ ディゼル…!転んでも腕立てしてから倒立しそのまま3回転半して立ち上がるタイプの人間だけはある…!』

 今回は私の負けだ。だが、次こそは必ず勝ってやる…!それに

「私は4回転半するタイプよ!」

『それは失礼。』

 アヴァロンに帰還すると、どうやら大宦官はゼロと極秘裏にやり取りを行い、それが裏目に出たどころか人民による一斉蜂起が発生したらしい。シュナイゼル殿下は今の大宦官達を中華連邦の代表とは認めず、切り捨てることを選択したようだ。結果として先にカレンをこちらに引き渡させていたのは正解だったようね。

 

 これから先のことはみんなが考えてくれるだろう。私がアヴァロンの廊下でうさぎ跳びをしていると電話が鳴った。どうやらシャーリーからのようだ。

「もしもし?」

『ねぇ!聞いてよマーヤ!どう思う!?』

 どう思うと言われても突然すぎて意味がわからない。取り敢えずこういう時は…

「そうよね、プロテインよね!」

『何言ってるのマーヤ!?実はね…』

 シャーリーが言うには、ルルーシュが恋愛に関する相談をしてきたらしく、シャーリーはルルーシュに恋はパワーだと教えたらしい。…。

 

 …恋はパワー…そうだったのか、知らなかった。

 

 恋=パワー パワー=筋肉 …つまり恋とは筋肉だったのか!

 

『そしたらね?ルルーシュったら恋とは筋肉だって言い始めたの!おかしいでしょ!?なんでそうなるの?マーヤもそう思うよね?』

 えっ、恋は筋肉ではないのか…いけない…なんとか正解を見つけなければ…。恋=パワー パワー=筋肉でないとするならば パワー=…なんだろう?…そうか!

 

 パワー=破壊!

 

 つまり破壊するということは恋だということだ!

 

 今までの友人という関係を破壊!

 

 告白できない弱い自分を破壊!

 

 恋のライバルを破壊!

 

 全てを破壊!!

 

「確かにおかしいわねシャーリー。恋とは…破壊だものね!」

『え?』

 そうか…!モニカと黒の騎士団とのロマンスも敵味方という垣根を破壊して…!?それにモニカは常に人としての常識を破壊し続けている。つまり恋する乙女ということだ!うんうん、なんだか恋の話で盛り上がるなんて女子高生っぽい。ニーナと兵器の話をして盛り上がった時とは大違いだ。

「女子トークって楽しいわね!シャーリー!」

『どの辺が女子トークなの!?』

 あれ?待てよ…筋トレとは筋肉を破壊する行為のことよね…つまり筋トレも恋…?

「恋って…奥が深いわね、シャーリー」

『え?あ、うん…』

 すると、廊下の向こうでスザクがジェスチャーでこっちに来いと言ってきた。恐らくシュナイゼル殿下がお呼びなのだろう。

「ごめんねシャーリー、もう電話切らなきゃ。また学園でね!」

『ちょっ…』

 

 呼ばれて向かった先では、シュナイゼル殿下による今後の中華連邦への対応について聞かされた。どうやらあの後ゼロは天子及び反乱軍…つまり中華連邦を味方に付けたらしく、ここから中華連邦の平定を目指すようだ。

「ゼロが中華連邦を手に入れたら次は必ずエリア11を狙う。ならば我々はそれに備えて今のうちに準備するだけのことだよね。」

 シュナイゼル殿下の余裕の笑みは実に心強い。こうして私たちはエリア11に帰還した。

 

 久し振りにアッシュフォード学園内を歩いていると、物陰でロロと会話をしているルルーシュが見えた。

「…はい、ロロ様」

 遠くだったのでよく聞こえなかったが、ルルーシュがロロのことをロロ様と呼んでいた気がする。…気のせいかな?いや、もしかして…弟と兄という関係の常識を破壊…

 

 つまり、恋!?

 

 …なるほど、ロロとルルーシュは恋仲だったのね!男と男、更に実の兄弟、そんな禁断×禁断というまさに禁忌な関係も立ち塞がる常識を破壊する…つまり恋だと考えればおかしくはない。寧ろ立ち塞がる壁が高いほど破壊しがいがあるというものだろう。恋はハードルが高いほうがよく燃えるという言葉に通じるものがある。

「…いやぁ、まさかロロとルルーシュが付き合ってたなんて」

「俺とロロがなんだって?」

 おっと…我ながらこの距離まで近づかれても気配に気づかないとは。エリア11に戻ってきて気が緩んでしまったのだろうか?これはよくない…。そうだ!丁度良いし、ルルーシュと組み手でもしてみよう。最近はユフィが私に対して本気で殺すつもりがなくなってしまったため余りトレーニングにならないのだ。

「ねぇ、ルルーシュ。今度時間無い?」

「うん?時間…?予定が結構埋まっててね…あ、確かアリスがキャンセルしたんだっけ。この日の10:30から12:00まだなら空いてるけど。」

 私も予定を確認するとどうやらその日は非番のようだ。これは運がいい。

「ええ、その日は私も空いてるわ」

「そうかい。じゃあ予定をマーヤに変更して…あと待ち合わせは美術館でいいかな。それと出来れば水族館への移動も込みだと嬉しいんだけど」

「待ち合わせと目的地も問題ないわ」

 殴り合いは移動しながらでも可能だし、場所はどこであろうと問題はない。あ、そういえばルルーシュって恋=筋肉だと勘違いしてるんだっけ?

「ルルーシュ、私がその日…恋について教えてあげるわ!」

「…マ、マーヤが…俺に恋を…?」

「それじゃ!」

 あぁ、ルルーシュとの組み手、楽しみだな。

 

 そして今日は待ちに待ったルルーシュと組み手を行う日。いつもと同じように起きて朝の筋トレとジョギングを済ませる。これを終えると大体朝7:00になる。今日の朝ごはんは何にしようか、学園の中で片手逆立ちをして片手跳びで学園の中を徘徊していると、太腿の上にマリーを乗せて空気椅子をしながら弁当を食べているルルーシュが見えた。流石はルルーシュ、ただの空気椅子ではなくマリーを膝に乗せて更なる負荷をかけつつ栄養補給とは…無駄がない!私もそれを真似して朝食として購入したバナナをベンチを膝に乗せて空気椅子に腰掛けることで実践してみた。うむ、中々いい調子ね!

 そんなこんなで朝9:00になっていた。美術館にて黒い服を着た不審者が女性を誘拐しようとして居ると通報があったらしく、たまたま近くを散歩していたラウンズである私に声が掛かったので向かってみるが、恐らく逃げたのだろう、誘拐犯は居なかった。ふと視界の端にジゼルを抱きかかえ爪先立ちで美術鑑賞しているルルーシュを見かけた。ルルーシュが筋肉以外の芸術に興味あるとは意外だ。そういえばこの後の待ち合わせ場所も美術館だし、私もたまには私の筋肉という芸術以外のものも見てみるのも良いだろう。私もルルーシュの真似をしてその辺にあったベンチを抱えつつ爪先立ちで美術鑑賞に興じてみた。

 そんな訳で10:30、ルルーシュは時間ちょうどに待ち合わせ場所にやってきた。

「…で、マーヤ。俺に恋を教えるとのことだが、具体的に何を…?」

「決まってるでしょ?恋とは…破壊よ!」

「…は?破壊…?何を言ってるんだお前は…」

 10:30はすでに過ぎている…ならば!私は一気に脚に力を込め前に踏み込む。

「先制攻撃は貰ったわ!ルルーシュ!」

 ルルーシュの顔面に拳を叩き込み両足でルルーシュの腹を蹴っ飛ばすことで距離を取る。ルルーシュの油断を破壊した我ながら見事な一撃だ。

「…恋とは筋肉だ。つまりこの筋トレも恋!…マーヤは俺に恋をしているのか!?」

 私がルルーシュに恋…ですって…!?いや、確かに私は今ルルーシュの油断を破壊した…どうやら私は知らず知らずのうちにルルーシュに恋をしていたようだ。

「…どうやらそういう事になるみたいね。」

 私とルルーシュは美術館方向に走りつつ、お互いの隙を窺う。相手の隙を破壊する…コレも即ち恋!私は勝負を仕掛けにルルーシュへと走り出すと、ルルーシュもこちらに走り出した。

「ルルーシュ!!」

「マーヤ!!」

 お互いの拳が顔面に突き刺さった。やっぱり組み手って…最高ね!

 




因みに散々マーヤと殴り合った後ルルーシュは12:00からドナと水族館に行き、イルカ達のショーに飛び入り参加します。マーヤも飛び入り参加したかは想像にお任せします。

※作者は素面でミートギアスを書いています。
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