ミートギアス 〜筋肉のルルーシュ〜   作:ベルゼバビデブ

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TURN17′

 援軍に来てくれたのはとても嬉しいが、自分よりも年下の女の子が急に『私はマリアンヌでお前の母親だ。』などと言われても正直困惑しかない。…いや、今はなんでも良い。自称お母さんのアーニャが放ったモルドレッドのシュタルクハドロンのおかげで厄介なカレンの乗る紅蓮は戦線離…

「ってそんなわけないわよね!」

 アーニャが変なことを言うから回避が遅れた…!いや、人のせいにするのは良くないか、すぐに右脚をパージすると、右脚はボコボコと内側から歪に膨れ上がりやがて爆散した。…この状況でもまだ戦うつもりとは…流石はカレンね…。

『飛べるからって…調子に乗るなァァッ!!』

 驚いた…右手の輻射波動を爆破させてその反動で浮き上がってくるとは…!

「でも、片翼では精々滑空程度!そんな機体で…!」

『マーヤ、危ない!』

 モルドレッドに蹴られた直後、モルドレッドは蜃気楼のビームの直撃をブレイズルミナスによって防いでいた。そうか…戻ってきたのね…!

「ルルーシュ…!」

『娘を守る…。息子とは闘う…。両方やらなくちゃいけないなんて…母親は辛いわね。マーヤ、私が援護するわ…まだ闘える?』

「当然…!」

 幸いサグラモールの腕は4つともまだ動く。ルッキーのお陰でランスロットの戦力は削げているし、紅蓮も機動力が落ちている。2対3だが絶望するには早いだろう。

『流石はマーヤ、私の娘ね。じゃあ私はルルーシュの相手をしてくるわ。マーヤは他の二人をお願い』

「待って!ルルーシュの蜃気楼は絶対的破壊力と圧倒的防御力、驚異的機動力を兼ね備えた最強無敵のナイトメアよ!モルドレッドの機動力じゃ…」

『あら、マーヤ…知らないの?この私…マリアンヌがなんで呼ばれていたか…』

 こっちとしてはルルーシュが皇族であったことも、というか私が皇族だったことも、そして自分の母親がマリアンヌという人であることもさっき知ったばかりだ。そのマリアンヌという人の異名など知るはずがない。

「ごめんなさい、知らないわ」

『"閃光のマリアンヌ"よ。たかが20歳前の若造に追い込まれるほど落ちぶれてないわ!』

 なんと、アーニャはシュタルクハドロン砲を侵攻方向とは逆方向に放つ事で機動力を確保し、ブレイズルミナスを展開して突撃していく。…取っている戦法がほぼルルーシュのそれと同じだけど…もしかしたら本当にお母さんなのかもしれない。

『マーヤ ディゼル、お前を処刑する。』

 ランスロットのMVSによる斬撃を躱しつつ、下方から放たれる輻射波動の砲撃をブレイズルミナスで防ぐ。かなり集中力は必要とするが、これならば勝てる…!

「ハーケンフィストォッ!」

 片腕のランスロットならばこれは防げないはず…だが、下からのスラッシュハーケンや輻射波動の砲撃により思うように攻撃ができない。どうにかして下のカレンだけでも止められないだろうか…。

「こちらマーヤ!メインストリートにて交戦中、リョウ、アヤノ、ユキヤ!そっちはどうなってる?」

『だめだ!オレンジ色の変なナイトメアや黒い奴に邪魔されてそっちにいけそうにねぇ!』

 ワイヴァンナイツ達はダメか…なら…

「ギルバートGPギルフォードさん!そっちはどうなってますか?」

『済まないがこちらも手一杯…!』

 …流石はネリ姉、結局この場は私一人でどうにかするしかないということか。

 瞬間私の視界に映ったヴァリスをブレイズルミナスで防ぎつつ、反転してハーケンフィストを射出すると、紅蓮の右手とぶつかった。

『へぇ…流石はマーヤ。やるじゃない』

 この二人…段々と連携が取れ始めている…!早めに決着をつけないと不味いか…。

『マーヤ!避けて!』

 言われてすぐ飛び退くと蜃気楼のビームが飛んできた。

「アーニャ!そっちは大丈夫なの?」

『これくらい平気よ、でも息子の成長が見れてなんだか感慨深いわ。ちょっと今から全方向にブッパするから当たらないでね』

「え?」

 一瞬だけモルドレッドを見ると、モルドレッドの全身に搭載された小型ミサイルがこちらに飛んでくる。ブッパという言葉に違わず、こちらのこともお構い無しの様な放ち方である。だが、お陰でスザクは片手で必死に防御をしている。今ならッ!

「貰ったッ!」

 4つのうち2つの腕を小型ミサイルを防ぐために防御に回しているので、残りの内の一つを射出する。だが、流石はスザク、MVSで小型ミサイルを叩き落としつつ器用に蹴りで弾いてくるとは…だが!

「拳はもう一つ残ってんのよォ!」

 射出したハーケンフィスト…今回はただの拳ではない。少々操作が複雑になるが、ブースターを工夫して拳を錐揉み回転させる。この貫通力なら装甲をブチ抜いて!

『やらせるかァ!』

 …!紅蓮が何かを投げた…お陰で軌道が逸れランスロットへの直撃は叶わなかった。

『今だ。カレン。』

『私に指示するな!』

 カレンに背後を取られた…まだハーケンフィストは巻き戻せていない。ランスロットから放たれるスラッシュハーケンを回避しつつ、背後から飛んでくる輻射波動の砲撃を躱し、ランスロットのMVSを拳で跳ね除ける。腕は2本分だが一気にラッシュを叩き込んでやる…!

「スザクッ!」

 こちらが全力で拳を繰り出しているのにも関わらず、スザクが凄いのか、ランスロットが凄いのか、それともその二つが原因か、サグラモールの拳はいずれも空を切るか、MVSでいなされている。…決めきれない…!?片腕の相手だというのに…!

「まだまだッ!」

 しかし、突如サグラモール内にアラートが鳴り響いた。いけない…流石に激しくやり過ぎたか、追加のエナジーを積んだりして余裕を持たせたつもりだが…エナジーが危険値を示している…!

 まさか手負いのスザクとカレン相手に決め切れないとは…私もまだまだ鍛錬が足りない…!

 ここで問題よ…このわずかなエナジーのサグラモールでどうやってスザクとカレンを打ち倒す?3択…一つだけ選ぶこと。

 答え①脳筋美少女マーヤは突如打開のアイデアを思い付く

 答え②アーニャやワイヴァンナイツの誰かが来て助けてくれる

 答え③打開出来ない。現実は非情である。

 

 答え③?あり得ない。非情な現実など拳で叩き割ってやるわ。故に答えは①か②…だが、視界の端では赤の光を伴い空を駆けるモルドレッドと桃色の壁を形成し動き回る蜃気楼が見える。彼方にこちらを助ける余力はないだろう。そして戦況を確認すればワイヴァンナイツはいずれも健在だが、敵機も落とせている気配がない。故に答え②もないということだ。

 つまり答えは①…きっと数秒後にはこの脳まで筋肉で全身が筋肉のため実質的に全身が筋肉という脳で拡張的思考が可能な脳筋美少女のマーヤが反撃の妙案を思いつくに…思い付いたわ!

 このままじゃやられるのだ。こうなれば少し卑怯な手だが、この前と同じ手でスザクに隙を生じさせるしか無い。そう、天才脳筋美少女である私が導き出した打開のアイデアは…『スザクにギアスを使う』よ!私だって過去に戦闘中のルルーシュから質問をされるという手口を使われているのだ。それに、過程は大切だけど、過程に拘って目的を成さなきゃ意味ないのよッ!

『これで終わりだ』

「そうかしら?」

『何…?』

 スザクにギアスを…絶対鍛錬のギアスで苦難を与えるッ!

 

「マーヤ ヴィ ブリタニアが強いる数々の耐え難き苦難…枢木スザク!凌ぎ、抗い、"鍛えよ"!」

 

 …なんだか小っ恥ずかしい口上がすらすらと出たわ…。これで効いてくれると良いのだけど…

『…!?ぼ…僕は…!?俺は…!?』

 よし!隙が出来た…!ここで私が負けるわけにはいかない…許してねスザク!

 ランスロットの顔面に拳を叩き込み、更に腹に膝蹴りを叩き込む。そして吹っ飛びかけるランスロットの残る脚を副腕で掴んでから2本の腕でアームハンマー叩き込んでブチ折る。…いけない自分のギアスの影響で自分が操られてる気がするわ。

 すると、ランスロットは徐に腰に手を伸ばし、何かを取り出す。あれは…銃…だろうか?今更そんなもの一つでやられるほど私は…いや、待て…何故ランスロットに私が見たことのない武装が…?まさか…!

『逃げてマーヤ!』

 突然の通信…この声はニーナ…やはりあれは…!

『あれはフレイヤ弾頭よ!早く半径10km以内から逃げて!マーヤが消し飛んじゃう!』

「10km!?フレイヤは1kmの筈じゃ…!?」

『フレイヤ・ボールまで半径10kmにしたら投げるマーヤまで巻き込んじゃうでしょ!?』

 それもそうか…いや、しかしまずい…ここで撃たれたら…政庁に居るナナリーとユフィとゼル兄が…!

「まだ間に合う…いや、間に合わせてみせる!」

 ハーケンブースターを伴う急加速でランスロットに距離を詰め…

『させるかァッ!!』

「こんな時にッ!邪魔をォ…するなッ!カレンまで消し飛びたいの!?」

『アタシを消し飛ばせるもんならやってみなァ!』

 そうか…!黒の騎士団はフレイヤを知らない…!もはやランスロットを止められるのは私だけだ。だからこそ、下からぶっ飛んできた紅蓮を蹴り飛ばし、ハーケンフィストを4つ飛ばす。流石のカレンも片翼のナイトメアでは機動力が足りず、右拳が突き刺さった。だが、この一瞬の攻防をスザクは見逃さず、ランスロットによるフレイヤが放たれてしまう。

「しまった…!」

『何…あれ…何かヤバい!』

 破壊の光が…広がっていく。みんな…みんな死んでしまう。だが…

「また…陽菜達みたいに失うわけには行かないッ!」

 ナナリー達を助けに行こうと政庁に向けて戻る私に対し、行手を阻んだのは…モルドレッドだった。

『ダメよマーヤ。行かせないわ。貴方がV.V.に利用されているとしても…我が子には違いないもの。』

「待って!政庁にはまだ!」

『待たない、抵抗しないでマーヤ。良い子だから。それに…もう手遅れよ』

 見れば破壊の光は政庁を呑み込んでいた。なんという事だ…!…悲しい事だが、こうなればなんとしても生き残りスザクやルルーシュを止めなければ…!でも…あの光の速度…脱出が間に合わない…!

『諦めないでマーヤ、二人で協力すればギリギリ射程外に出られるはずよ!』

 …確かに、モルドレッドとサグラモールのフル出力なら…!

「アーニャ…いいえ、母さん!しっかりサグラモールに捕まってて!」

『ええ、もちろん!』

 しかし、破壊の光は徐々にこちらに迫ってくる。やっぱり…ダメなのか…?

『マーヤ、まだブレイズルミナスを発生させるエナジーは残ってるの?』

「エナジー…?1回分くらいはあるには…あるけど…」

 だが、ニーナの話ではブレイズルミナスで防げるような代物ではないだろう。もうダメよ…お終いよ!逃げ切れるはずがない…!

『だったらブレイズルミナスを発生させなさい。』

「でも…」

『良いから。母さんを信じて、ね?』

 言われた通りブレイズルミナスを展開すると、モルドレッドは突如サグラモールから離れ、肩のアーマーを変形させていく。まさか…!?

「ダメ!母さん!」

 

『最後くらい母親らしい事をしてもバチは当たらないわよね』

 

 モルドレッドのシュタルクハドロンを正面から受ける事でサグラモールは勢い良く加速した。このままならギリギリ10kmから脱出できるだろう。だがそんなことをすれば当然モルドレッドは…

『いい?マーヤ…V.V.を信用しちゃダメよ?私を殺した犯人はV.V.なの。…シャルルにもよろしく言っておいて頂戴。…じゃぁね、マー…』

 

 そのままモルドレッドは破壊の光に包まれ、母さんは粉微塵になって死んだ。




【悲報】アーニャ、肉体を勝手に利用され、そのまま死亡

マーヤの本名バージョンのギアス詠唱ですが、本当は全く必要ありません。まぁ、原作ルルーシュもフル詠唱と命令だけバージョンがありますしね
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