つまり、いつものミートギアスだな!!
今日は12月5日…俺の誕生日か。俺ももう高校3年生、今更誕生日を祝って貰うのも小っ恥ずかしいものだ。だからあえていつもと同じように起き、朝食を作る。
「今日の朝ごはんはなんですか?お兄様」
「うん?いつもと同じメニューだよ。もう少しでできるから待っててくれ。」
「分かりました」
…うん?今の可憐で美しく朝の小鳥の囀りのような心地よい声音は…?再度食卓を振り返るとそこには何故かロロと談笑するナナリーが座っていた。可笑しい…何故我が家にナナリーが…今は総督として政庁にいるはず…さらに今の俺はシャルルによって皇族である記憶を消されているはずなのだ。
「ドウカシタンデスカ、ブラザー」
ロロは…うん、いつも通りだな。今日も素晴らしい筋肉のキレだ。ナナリーが何故我が家にいるかは分からないが…うん、朝から可愛らしいナナリーの尊顔を拝めたことだしもうどうでも良いか。
「さ、できたぞ。一緒に食べよう。」
「久しぶりのお兄様のご飯、楽しみです!」
「マイニチタベテモアキマセン!」
朝食を終えるとナナリーは政庁からの迎えで政庁へと出勤して行った。…うん、深いことを考えるのはやめよう。ナナリーの余韻が台無しになる。
それから学園へと向かうと丁度スザクとマーヤにであった。
「やぁ、スザク、マーヤおはよう」
「あ、ルルーシュ」
スザクが手を振りながらにこやかに笑い、こちらに駆け寄って来る。今日のスザクはやけに爽やかだが、何かいいことでも
「フンッ!!」
「甘い!!」
スザクの拳を受け止め、お返しに拳を突き出すとスザクはそれを受け止めた。流石はスザク、カウンターを読んでいたか。
「朝からいきなり何するんだスザク」
「今日は君の誕生日だからね、拳をプレゼントしようかと」
どうやら俺を鍛えるための配慮だったようだ。そしてその瞬間、スザクの後ろにいたはずのマーヤが消えていることに気がつく。
「くっ!」
思い切り跳躍すると地面からマーヤのものと思われる腕が飛び出てきた。アレに捕まっていたらおそらく足首の骨が砕けていただろう。
「ふぅ、危ない危ない」
「ユダンハヨクナイデスヨブラザー」
瞬間、俺はロロによるヘッドロックを決められてしまう。流石は我がソウルブラザー、見事な拘束だ…!だが
「この程度の筋力で俺を止めることは出来ぬゥ!!」
全身の筋肉を瞬時に膨張させることで俺の体積は2倍に膨れ上がる。これにより拘束を解除した俺はロロを逆に拘束し地面に突き立てつつ着地する。
「マーヤもロロも…これは誕生日プレゼントかい?」
「イエス」
地中に頭部が突き刺さったままロロが答えた。マーヤも地面から這い出たようで笑顔で頷いていた。やれやれ…俺を鍛えようという気持ちは嬉しいが誕生日プレゼントだなんて小っ恥ずかしい真似はやめて欲しかった。
地面に突き刺したロロを三人がかりで引っこ抜くと今度はミレイ会長がこちらに走ってきているのが見える。流石に会長は殴ってきたりはしないだろう。
「大変よルルーシュ!突然この学園に皇帝陛下がいらっしゃったの!」
「…帰る」
そう言って踵を返すと俺の目の前にはシャルルが立っていた。
「久しぶりだなルッルーシュ!我が、息子よォ…」
「…」
「どうした?ルッルーシュ!」
シャルルの発言にスザクが近づいて行き、耳打ちをしていた。恐らく俺にかけたギアスの事を言っているのだろう。スザクの耳打ちが終わると同時にスザクは奴の拳で吹き飛ばされてしまった。乱暴な奴だな…!
「ルッルーシュ!なんったる愚かしさァ!まだワシのギアスがァ解けておらぬとはァ!!…まぁ、良い。貴様の誕生日にワシが直々にィ…」
俺は瞬時にその場を跳び退きシャルルの方を確認した。
「拳を、くれてやろう…!」
ニヤリと笑ったシャルルの拳は地面を叩き割っており、直撃すれば死を意味することを感じ取った。なんという無茶苦茶な破壊力だ…!
「どうしたァルッルーシュ!!」
奴が踏み込むと大地は唸り空気が震えた。そしてさっきまでそこに居たはずのシャルルの姿が無くなっていることに気がつく。
「どこを見ておる!ルッルーシュ!!」
背後からの踵落としを辛うじて両腕で防ぎ、反撃に蹴りを見舞う…が、それは空を切って終わった。
「速い…!」
「それだけでは…ない」
いつのまにか目の前に迫っていたシャルルの拳は俺の腹へと深々と突き刺さった。
「ワシは速く…更に力強い…技の切れもォ…お前以上だ」
危なかった。瞬時に背後に跳びつつ腹筋に力を入れる事で耐えることができた。これがもし反応出来ていなければ確実に内臓が全て破裂していただろう。拳を叩き込んだ事で満足したのか、シャルルは攻撃をそこでやめ、急にスクワットを始めた。お返しをしたいところだが、今の俺では勝てないことが目に見えている…これだけ鍛えてもまだ足りないとは…!
すると、恐らくシャルルの護衛役…奴に護衛が必要かはわからないが…であるナイトオブラウンズのアーニャが俺の方に近付いてきた。
「ねぇ、ルルーシュ。誕生日なんだし記念撮影しない?」
年下だろうに、随分気安く話しかけて来るとは思ったがさっさと終わらせようと了承すると、彼女は携帯端末を取り出し二人で写真を撮った。
「じゃあルルーシュ、お誕生日おめでとう」
「はぁ、ありがとうございます。」
こうして俺の誕生日は終わった。祝って貰うなんて小っ恥ずかしいものだがまぁ、身体も鍛えられたし…良いとするか!