「ナナリー、咲世子さん、紹介するよ。彼女はC.C.…今日から住み込みで働く事になった。仲良くしてやってくれ」
「よろしく頼む」
私はそう言って昔を思い出しつつ頭を下げた。
「…丁寧な所作ですが過去に何処かで経験が?」
この女が咲世子…このランペルージ兄妹の世話係という仕事における私の先輩か。あのクソ肉ダルマの意味不明な筋肉読心術を持ってしても心を読むことのできないポーカーフェイス…という割には無表情ではなく微笑んでいるあたり、己を律していると言うところか…?ただのメイドでは無いようだな。
「昔、色々と」
幼い頃なんて奴隷の身分だったからな。そこから色々あって舞踏会にも出るようになったっけ。シスターに色々教えられたがこう言うところで生きるのだから人生何があるか分からないな
「そうでしたか。…先程から何か探るような視線を感じるのですが、気の所為でしょうか」
「…!」
この女…鋭いな…
「初めまして、ナナリーです。よろしくお願いしますね、C.C.さん」
「あぁ、これから世話になる」
ナナリーは私に手を差し出したので、私はその手を優しく握った。あのクソ肉ダルマの実の妹とは到底思えぬ程に華奢な手だ。そしてその顔は可憐な美少…「そうだな。ナナリーはお前と違って華奢で可憐な美少女だ。大切に扱えよ」やかましい。私だって強度的には割と華奢だし見た目は美少女だろうが
「それにしても私以外にメイドをお雇いになるとは…私に何かご不満でもありましたでしょうか」
「いや、咲世子さんの仕事は完璧だ。しかし、如何なるプロフェッショナルであっても休養無しに完璧なパフォーマンスを発揮し続けることなど出来ない。筋肉と同じだ。咲世子さんにも休日は必要だからな、負担を減らす方法はないかと前から思っては居たんだ。」
「そうでしたか」
こうして私の住み込みのメイド生活が始まった。…と言っても世話が必要なのは目も見えず足の不自由なナナリーの方だけであって、クソ肉ダルマに関しては勝手に自分の世話は自分でしている。と言うかあれの世話をしろと言われても無理である。更に言えば奴の部屋はドアがタングステンで出来ている上にスライドドア(上下タイプ)なので私では侵入不可能だ。(咲世子は侵入可能らしい。どうやっているのかは不明である)
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「クロヴィス殿下は血を流されて居ない。つまり犯人は刃物や銃器を使っていないと言う事になる。」
「…それと自分になんの関係が?」
僕は取り調べを受けていた。ランスロットというKMFに乗り、クロヴィス殿下の指揮通り動き鹵獲されたとされる敵のサザーランドを倒し、指揮官と思われるサザーランドに追い詰められながらもなんとか撃退し、その後は停戦命令が出されるまで人命救助などをしていただけだ。クロヴィス殿下への加害と僕に関係があるとは思えなかった。
「分からないか?テロリストの犯行であったならば…銃や刃物を使うはずだろう?殿下の命を狙ったのだからな。だが、そうではない…つまり、シンジュクゲットーに居ながらも凶器を手に入れる手段が無かった人物が犯人となる。そう、ブリタニア軍により管理されている名誉ブリタニア軍人とかな」
なるほど、つまり僕がやった証拠はないが状況的に消去法で僕を犯人という事にしたいのか…
「今回のシンジュクゲットー壊滅作戦は殿下が突如開始した作戦だ。シンジュクゲットーを拠点にテロ活動をしているイレブン共と違い、日本国最後の首相の息子である貴様は今回の作戦でKMFを与えられた事でブリタニアへの復讐の機会としたのだろう。しかし、急な反乱の為凶器を手にする時間は無かった。しかし、軍でもトップクラスの格闘評価だ。能力が十分にあり動機もある…ならば犯人は貴様しか居まい?」
「…自分はやっていない!」
そして僕には犯人がわかってしまった。クロヴィス殿下を…皇族を襲い、しかも銃や刃物を使わずとも今回の襲撃ができてしまう人物…更にそこまでしておきながら殺しはしなかった優しさを持つ犯人…そう、ルルーシュだ。ルルーシュの圧倒的な筋肉であれば見張りを全員その腕力で捩じ伏せ、クロヴィス殿下に殴打を見舞う事が出来るだろう。…だが、ルルーシュは死んだ事になっている皇族、言ったところで信じられはしないな。
「認めたまえ。今ならばイレブンではなく名誉ブリタニア人として裁いてもらえるぞ?」
「何かの間違いです。自分はやっていない。」
しかし、僕の主張も虚しく…僕は後日処刑される事となった。これが僕への罰か…。僕はクロヴィス殿下の暗殺を企てた名誉ブリタニア軍人として拘束されて処刑場へと向かう事になった。わざわざ民衆に晒した状態で。見せしめだろうか。
すると、目の前に一人の人物が降ってきた。…というかあの巨体から放たれる筋肉の波動…間違いない…ルルーシュだ。
「何者だ!?」
突如現れた不審者であるルルーシュに対し、僕の取り調べをしていたブリタニア人は驚いていた。当然である、一応僕は日本国最後の首相の息子なので、日本開放の為の抵抗運動をしている一部の勢力としては助かるという選択を取ってもおかしくはない。僕にそんな価値はないとは思うけれど…なので当然、周辺は警戒されている。にも関わらず急に上から降ってくると言う形で人間が現れたのだ。
「我が名は…ゼロ!」
ルルーシュ…なんてキレキレなダブルバイセップスなんだ…!肩に首相官邸でも乗っけてるのかい?それにしてもゼロ…自分の体脂肪率から名付けたのだろうか?
「見事なダブルバイセップスだが…ゼロ、もう良いだろう?君の筋肉パフォーマンスは終わりだ!」
「終わり?いいや、違うな…間違っているぞ!」
瞬間、ルルーシュの身体から大量の霧が放たれた。
「なんだこの煙はッ!?毒ガスか!?」
「…」
なるほど、筋肉で全身の汗腺に刺激を与え爆発的な発汗を促すと同時に全身の発熱的筋肉により爆発的に体温を上昇させ汗を蒸発させたのか…ルルーシュ、やるな
「毒ガス?いいや違うな…間違っているぞ!これは『筋肉濃霧"マッスルミスト"』だ」
気が付けばルルーシュは僕のすぐ側に立っていた。「…フッ、なんだ、バレてたのか」たった一人で僕を助けにきてくれる筋肉隆々の男なんて君くらいだからね。…そろそろ霧が晴れるけれど、ここからルルーシュはどうするんだい?「まぁ見ていろ」分かったよルルーシュ。
「…なッ!?いつの間に…!」
ルルーシュの移動にようやく気がついたららしく、ルルーシュは銃を向けられていた。…まぁ、ルルーシュならば銃撃程度何も問題ないと思うけれど
「枢木スザク、彼は無実だ」
「何を根拠に!」
「クロヴィスを撲殺しようとしたのはこの私だからだ!!」
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「クロヴィスを撲殺しようとしたのはこの私だからだ!!」
なんだと…!?…いや、濃霧の中素早く移動するあの身のこなし、腕にスタントンファでも付けてるかのようなとんでもなく鍛えられた肉体…あの肉体ならば護衛含めて殿下すらも殴打のみで気絶させる事が可能かもしれない…!く…まさか真犯人が名乗り出てくるなど…!いや、待てよ?奴が真犯人ならば私の取るべき行動は…
「…ふん!愚かにもノコノコと出てきたな真犯人!殿下の暗殺未遂はテロリストにとって大手柄…それを犯人ではない枢木スザク一等兵に奪われるとなれば自分の方から名乗り出てくると思っていたぞ!」
「…ほう?つまりこれは罠だったと?」
嘘であろうと構うものか!私はまたしても殿下を守れなかった!私はあの日…マリアンヌ様の警護に失敗した「何…?」あの日から皇族の方々をお守りすると違ったのにだ!だから…このゼロという大逆の徒は必ず捕まえるッ!全力で!!
「全軍、全力であの男を捕まえろ!」
『『『イエス・ユア・ハイネス!!』』』
如何にゼロが皇帝陛下にも負けずとも劣らないマッスルガイでもサザーランドに拘束されれば抜け出せまい!
「見事な手腕だ。…貴公の名を聞いておこう」
フン!テロリストが!このジェレミア・ゴットバルト…貴様のようなテロリストに名乗る名などあるはずがない!
「貴様に名乗る名なd…「そうか、ジェレミア・ゴッドバルト…その名覚えたぞ。さらばッ!」
ッ!?何故奴は私の名を…!?そして次の瞬間、ゼロは思い切り跳躍し、その踵落としを地面に放つと道路は砕け散った。
『馬鹿な!こんな高架の道路を砕けば自分の足場すら…』
しまった…!奴の狙いは一般市民達の命!ここにいるのが我々軍人だけならば良い。しかし、暗殺未遂の容疑者を運ぶ為に愛国的ブリタニア人を道路沿いに大勢配置してしまった…!犯人であるゼロの逮捕と彼等の命…私に天秤にかけろと言うのか…!
『ジェレミア卿!奴を追いますか!?』
「くっ…!市民の安全が優先だ!全力で彼等を保護するんだ!」
ゼロ…もしも奴が私が市民の安全を優先する軍人であると見抜いてあんな行為に出たのだとしたら…
「ただのテロリストではない…!この借りは必ず返してやるぞ…ゼロォーーー!!」
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(悪いんだけどルルーシュ、この首のやつ外してくれないかな。)
俺はスザクの首につけられた器具…恐らく発声しようとすると電流が流れる仕組みだろう…を破壊した。
「ありがとう。僕の腕力じゃ腕の拘束は引きちぎれても首の奴は無理だったんだ」
…ふむ、アンチ筋肉読心術を展開しているようだな。器具があるうちは俺に意思を伝える為にわざと解除していたと言うわけか
「助けてくれた事には礼を言うよ、ルルーシュ」
「…その様子だとまた捕まりに戻るようだな?スザク」
「まぁね。…ジェレミアさんが僕を囮に真犯人をおびき寄せたって言ってたし、処刑されるとは思わないんだ」
確かにそうだろうな。
「…正直言えばお前には俺の仲間になって欲しかったんだがな」
「復讐のためのかい?…クロヴィス殿下を殺さなかった優しい君に復讐なんて出来るとは思えないな」
「できるさ。…少なくとも母を殺した犯人とあの男にだけは容赦しない自信がある」
ジェレミア・ゴッドバルト…奴は母の警護に失敗したと心の中で言っていた。奴やコーネリア、シュナイゼルと相対せば母さんを殺した犯人が分かるかもしれない。
「それじゃ僕は行くよ」
そう言って去っていくスザクを俺は追わなかった。あいつは頑固だからな。ああなったら俺の腕力でテコを使っても動かないだろう。さてと…今日の俺がスザクを助けに言ったのは何もスザクを助けることだけが目的じゃない。俺は予め指定しておいた場所へとダッシュで向かい、そこに居る男達に声を掛けた。
「…報道はされていただろうか?これで私には奇跡を起こす腕力があると知って貰えただろう?」
「ゼロ…まさか一人で本当に枢木スザクを助けるだなんて…ナイスバルク!」
ほう、カレン…中々見事なサイドチェストじゃないか。
「あの程度、私の筋肉ならば造作もない…女性ながら君もナイスバルク!」
今回はラットスプレッドで回答しよう。
「あれほどの筋肉ならば出来るかもしれない…ブリタニアとの戦争だって…!」
確かあの男は扇、だったか。かも知れないなどと、間違っているな!
「かもしれないではない。する、出来るのだ!私と、君達で!ブリタニアから日本を解放する為の戦争を!」
俺はポージングをモストマスキュラーに変えて披露する。どうだこの前腕、そして上腕!
「ゼロが居れば力強い…じゃなくて心強え!ブリキ共をぶっ倒して日本を取り戻そうぜ!」
フッ、単純な連中だ。だが、そう言う奴らの方が扱い易い。駒が他に入ったら次は拠点だな。しかし、早急に軍として形にしなければな。総督であるクロヴィスが意識不明の重体となれば別の総督が来てもおかしくはない。確かコーネリアが中東の国を攻めていたはず。身内に甘い姉上のことだ。クロヴィスの仇と勇んでそろそろ制圧し日本に乗り込んで来てもおかしくないだろう。
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「先程コーネリア殿下がエリア18を成立させたとか」
「ほう。流石はコーネリアだね。では彼女の希望通りクロヴィスの代わりは彼女に任せようかな。」
エリア11…小さな島国だが中華連邦と近いブリタニアの要所だったか。正直言ってクロヴィス殿下には荷の重いエリアだと思っていたが、やはりこうなったと言うべきかな。
「そう言えば君に頼まれていたものは用意できたよ。明日にでも取りに来ると良い」
「感謝いたします、シュナイゼル殿下」
「気にすることはないよ。私としても特派の技術を試してくれる優秀なパイロットは多い事に越したことはないからね」
つい先日のエリア11での戦闘で活躍したと言うランスロット…そのKMFに装備されていたシールドのブレイズルミナス。技術開発の試験段階に一目見た時から欲しいと思っていた…まぁ、私の場合盾として使うのではなく武器として用いるのだが。
「しかし、右手のクロー型のブレイズルミナス発生装置を回転させることでブレイズルミナスによる矛を形成するとは面白い発想だね。流石はナイトオブラウンズと言うべきかな?」
「お褒めに預かり光栄です殿下。」
グロースター・ランサー…最強の矛を持つ、戦場に華を咲せるに適した私だけの機体…!
読者は感想で「なんでモニカやアーニャより先に出てくるんだ!ふざけるな!」と言う!
実際問題なんでこんな早すぎるタイミングでラウンズがチラ見えするんですかね?俺は詰みたいのか?
⚫︎オリジナルナイトメア紹介
「グロースター・ランサー」
誰かはわからないが、戦場において相手の命を華と称して咲せる(殺害する)ことを好む謎のナイトオブラウンズの専用機。
グロースターのカスタム機でカラーリングは薄紫。グロースターの頭部には一本角が追加されていたり、防御の為の物理盾を左手に装備している。
最大の特徴は右手につけられた4連クローであり、ブレイズルミナス発生装置であるクローを回転させることでブレイズルミナスによる矛を形成可能。