ミートギアス 〜筋肉のルルーシュ〜   作:ベルゼバビデブ

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コードギアスなのにギアス要素が希薄で8割筋肉なんだけど大丈夫ですかこの作品。…増量前からこんな感じだったな


増量版 第七話

 草壁の左手に宿る村正、切られた腕を筋肉止血しているが、どうにも治りが悪い。妖刀と言うだけはあるか…それにしても『藤堂流剣術』とはな、懐かしい名前だ。抜刀術、納刀術、二刀流に無刀琉と剣や刀ならなんでもござれの流派、スザクはそこの門下生だったが俺はブリタニア人と言う事で学ぶことは許されなかった武術だ。

「どうしたゼロ。よもや我が村正を受けて戦意でも喪失するほど弱者ではあるまい」

「ふん、当然だ。久々に一撃くらったのでな、少し反省していただけだ」

 さて、こちらはどう出るか。アンチ筋肉読心術を使える相手だ…生半可な殴打では有効打にはならない。かと言って思い切り踏み込んでブン殴ると床が抜ける恐れがある。よし、決めた…

「あら?ここも違う…サクラダイト配分会議の会場はどこかしら…」

 ユーフェミア…!?人質が集められて居た部屋にいないと思ったら…お前、迷子だったのか…!?道理でお前のSPらしき奴らがあたふたしてた訳である。

「なんだお前は!?」

「私ですか?私はユーフェミア・リ・ブリタニアですが…」

 おいバカ!コイツら相手に本名をご丁寧にフルネームで名乗る奴があるか!

「ユーフェミア…、リ・ブリタニアだと…?ブリタニア…なっ、何!?と言うことは我々日本人を支配し、虐げる憎きブリタニア皇族の一人では無いか!おい!ゼロは私が相手をする!お前達はその小娘を捕まえろ!」

 不味い…!ユーフェミアはコーネリアに対する人質として有用だ…それをコイツらに奪われるわけには

「おっと!貴様の相手は私だぞゼロ!」

「チィ…!」

 不味い、ユーフェミアから筋肉の脈動は感じない…軍人として鍛えて居る分多少の脈動を感じた姉のコーネリアと違い奴は無力だ…!

「手脚の一本くらい切り落としても死にはし無い!やっちまえ!」

「させるかッ!」

「チェストォォ!!」

 くッ…!草壁の村正は厄介だな…!

「きゃっ!」

 その時、ユーフェミアの脚はものの見事に男の睾丸に吸い込まれ、男を蹴り上げた。そう、大の男を蹴り上げたのである。一体どこにそんな筋力が…?いや、それは良い。ユーフェミアは無事だしな

「ミ°」

 うわぁ…。

「アレは痛いな」

「ああ…我が第二の村正も恐怖に縮こまったわ」

 最初の一人が股間を蹴り上げられた事で戦闘不能になったので、他の奴らは脚がすくんでいるな…。仕方ない、草壁を倒すことはこの場での目的では無い。

「ユーフェミア!コーネリアの元へと送り届けてやる!抵抗するなよ!」

「えっ?あ、はい!」

「何!?逃げる気かゼロ!」

 草壁の村正による薙ぎ払いを躱す為にも俺は即座にその場の床を踏み抜くことで下のフロアに降りた。そしてそこから一気に跳躍し、ユーフェミアの居る床、つまり天井をぶち抜きユーフェミアをキャッチ、そのまま抱えて走る事でその場を逃走した。

「逃げる気か!ゼロ!この卑怯者が!」

 ふん、戦術的勝利などいくらでもくれてやる。最早俺の脚力に追いつける者など居まい!

「それにしても…筋肉、凄いんですね!」

「私にはブリタニアに復讐すると言う目的があったのでね。」

「まぁ…それでクロヴィスお兄様を襲ったのですか?」

「ええ」

 この能天気さ…ふむ、まぁユーフェミアは母上の事件に関わるには幼過ぎるし無関係だろうと思っていたが、やはりと言った所か。

「あの、一つお願いしても良いですか?」

「…なんでしょう」

「この、肩に…荷物を運ぶ様な運び方ではなく出来ればお姫様抱っこで運んで頂けませんか?」

 …。ユーフェミア、こいつ俺がブリタニアへ復讐したいと言ったのを忘れてるのか…?

「あの?もし?聞いてます?おーい」

 うわ!やめろ!仮面を叩くな!!クソ!ペースが乱される…ここは言われた通りお姫様抱っこして黙らせるしか無い。

『ゼロ、聞こえるか?日本解放戦線が撤退して居るが我々はこの場に残っていて良いのか?』

 む、扇か。草壁め、人質を奪われ俺にも逃げられたから諦めて撤退したか、判断が早いな。

「ユーフェミア、少し黙っていろ。…私だ。ゼロだ。我々黒の騎士団が撤退する必要は無い。脱出手段は私が確保して居る。事前の予定通り準備を進めておけ」

『分かった。』

 今回我々はユーフェミアへの危害を恐れて動けなかったコーネリア率いるブリタニア軍と異なり、人や物の犠牲無しに人質の解放を成した。後はちょうど手に入ったユーフェミアを見せつつ我々が正義の味方であることをアピールすれば人々の印象に深く刻まれることだろう。

「さて、抵抗さえしなければ無事にコーネリアの元までお返ししますのでもう少しお付き合い頂きますよ、ユーフェミア」

「…」

 …?どうした?

「ユーフェミア?」

「…!」

 …?どうした?…。あ、こいつまさか…

「…もう喋って構いませんよ」

「お付き合いだなんて、その、よろしくお願いしますね」

「いや、そのお付き合いでは無い」

 大体俺とユーフェミアじゃ結婚できないだろうが

「えっ…?そのお付き合いではないって…私、これでもブリタニア皇族ですよ?お嬢様ですよ?顔だって…。良いんですか?こんなチャンス滅多に無いですよ?確かにお姉様は厳しい方ですし、お父様は怖いかもしれませんけど…」

 こいつ…自分のスペックを正確に把握した上でモテて当然だと考えてやがる…!確かに普通に考えたらとんでもない逆玉の輿ではあるが!

「もう良いです。もう一回黙ってて下さいユーフェミア」

「!…!…!!っ!…!!」

 ポコポコと仮面を殴ってくるが喋られるよりはマシだな。

 

〜〜〜〜〜 〜〜〜〜〜 〜〜〜〜〜

 

 ユフィ…無事でいてくれ…。

「コーネリア様!見て下さい、コンベンションセンターから何者かが出てきます!」

「全軍警戒しつつ待機!まずは相手の出方を見よ!」

「イエス・ユア・ハイネス!」

 すると、出てきたのはゼロ達や日本解放戦線ではなく、ブリタニアの市民であった。

「姫様、これは一体…?」

「恐らく人質だろう。…爆弾などが仕掛けられて居る可能性もある。確認させよ」

 しかし、爆弾なども無い様でゾロゾロと人質達が歩いてくる。

『ブリタニアの諸君!安心して頂きたい、我々は人質となっていた全ての人間を無事に解放した!このまま貴方方にお返ししよう!!』

 ゼロ…!この人質達の解放は奴の仕業か…!

『姫様、日本解放戦線が離脱していきますが如何なさいますか?』

 ふん、奴らの拠点は既に目星はついて居る。それよりもここはゼロを警戒すべきだ。

「よい。人質達の安全の確保とゼロへの警戒に集中せよ。」

『イエス・ユア・ハイネス』

 ここからどう出る?ゼ…ロ…?なっ…奴がお姫様抱っこしているのは…ユフィ!必死にゼロを殴打し対抗しているが…くっ!ユフィの腕力ではブリタニアの動く城砦の異名を持つダールトンに匹敵するであろうゼロの筋肉の守りは突破できない…!くそ…何が人質は解放する、だ…お前達を攻撃すればすぐさま人質に逆戻りでは無いか…!

『人々よ!我らを恐れ、我らを求めるが良い!我らの名は…黒の騎士団!』

 奴はいきなりユフィを空中に放り投げると父上に匹敵するキレのダブルバイセップスを決め、筋肉を膨張させた。くっ…!敵ながら見事だ…!そして奴は落ちてくるユフィを抱き止め、再度中に放り投げた

『姫様!ユーフェミア様が!』

「動くなダールトン!奴がその気ならばとっくに殺している!」

 奴め…ユフィさえ居れば私の動きを封じれると理解しているな…?

『我々黒の騎士団は武器を持たない全ての者の味方である。イレブンだろうと!ブリタニア人であろうと!』

 サイドチェストにサイドトライセップスか…

『くっ…ゼロめ!敵ながらなんと言う筋肉か…!モニター越しでも私の筋肉が奮い立っておるわ…!』

 流石はダールトン、奴の圧倒的な筋肉の波動…その脈動を感じ取って居ると言うことか…!ところで奴はわざわざ喋るたびにポージングを変えたいが為にユフィを空中に放り投げて居るのか…?そしてユフィ、段々と慣れたからと言って空中で拍手するな

『日本解放戦線は筋肉を鍛えこそすれ、愚かにもブリタニアの民間人を人質に取り筋トレを強要した。』

 今度はアブドミナルアンドサイか…服の上からでも奴の八つに割れた腹筋を感じられる。世間では板?チョコ…と表現するらしいが、チョコレートの板と腹筋がどう関係するのか私にはわからん。

『無意味な行為だ。故に我々が制裁として鉄拳を下した。この私直々にこの拳でな。』

 実際には日本解放戦線は撤退して居るがそれはこの際問題ではない。実際に人質を解放してみせた事で奴の言葉はそれだけで真となってしまう。そして奴は両手拳を前で合わせるモストマスキュラーのポーズをとり、その鍛えた拳を見せつけてきた。

『ぬぐァ!』

「ダールトン!?どうした!」

『申し訳ありません姫様、奴のモストマスキュラー…その圧倒的迫力に我が筋肉が無意識に警戒してしまい…』

 くっ…!帝国の先槍として攻めを得意とする我が騎士ギルバート・GP・ギルフォードに対を成す守りを得意としたブリタニアの動く城砦であるダールトンはその筋肉が鍛えられてるが故にゼロの筋肉を感じ取り過ぎてしまったと言うのか…!

『クロヴィス前総督も同じだ。武器を持たないイレブンの虐殺を命じた。この様な残虐行為を見過ごすわけにはいかない…故に拳を加えたのだ!』

 ラットスプレッドフロントを決めて奴は更に筋肉をアピールした。そのキレキレの筋肉にこの私を含め多くの者が奴の身体に釘付けになっていることだろう。

『私は戦いを否定しない。しかし強い者が弱いものを一方的に殺すことは断じて許さない!人を撃って良いのは…人にぶたれる覚悟のある奴だけだ!!』

 そうして奴はふたたびポージングをダブルバイセップスに戻した。ユフィに関しては最早投げ飛ばされる事もなく、ゼロの近くで奴の筋肉の具合を確かめて居る始末である。人質…なのか?あれが…?

『我々は力ある者が力無きものを襲う時再び現れるだろう。例えその敵がどれだけ大きな力を持っているとしても。抵抗して見せよう、この拳で』

 そして奴はマントをはためかせた。

『力あるものよ!我が拳を恐れよ!力無きものよ!筋肉を鍛えよ』

 ユフィ、拍手はダメだ。やめなさい。頼むから

 

『世界は我々黒の騎士団が裁き、殴る!!!』

 

 そして黒の騎士団と呼ばれたゼロの私兵達は撤退した。しかし、それを追う事はしない。何故なら、今なおユフィを人質(?)にして居るゼロが仁王立ちして居るからである。クロヴィスが敗れたシンジュク、私が敗れたサイタマ、どちらの戦いも結果を見るにゼロの存在により戦略が組まれて居ると言って良いだろう。つまり、奴以外は烏合の衆、逆にいえば他を捕まえてもゼロを取り逃せば無意味だ。

「…ふむ、黒の騎士団の撤退は完了しました。それでは約束通りユーフェミアもお返ししよう。…受け取りには…そうですね、コーネリア総督…貴女一人で来て頂きたい」

 ユフィを人質に取られて居る以上飲むしかないが…

「待ていゼロ!」

 グロースターに乗って待機していたはずのダールトンはいつの間にか降りており、一人ツカツカとゼロ達の側に近付いて行く。止めるべきか?…いや、だが、ゼロもあの見事な筋肉を持つのだ、あのダールトンの筋肉を見れば邪な考えなど捨て去るに違いない。ところでダールトン、何故上裸なのだ。いや、すごい筋肉だが…背中に鬼神が宿って居るが…

「我が名はッ!アンドレアス・ダールトン!コーネリア皇女殿下を守りし…ブリタニアの動く城砦である!!」

「くっ!」

 うーむ、我々は背中しか見えぬが見事なモストマスキュラーだ。あのゼロが腕をクロスしガードして居ながら後ろに弾かれて居るぞ。…その隣のユフィは棒立ちでも無事だが。

「ほう、ブリタニアの動く城砦ですか、確かにその名に恥じぬ見事な筋肉、生半可な攻撃ではびくともしない…いや、むしろ攻撃した側がダメージを受けるでしょうね。しかし!我が名はゼロッ!!」

「ぬぅ…!」

 馬鹿な…!?ゼロのサイドチェストでダールトンが吹っ飛んだだと!?…まぁ空中で体制を整え、バク宙して着地しているのでダメージはないが…

「見事だゼロ、敵でなければブリタニア軍タンクトップ同好会にスカウトして居たところだ」

 そんなのあるの…?私知らないんだが…?

「ほう、ブリタニアにはそれ程鍛えた者が居ると言う事ですか、ならば私もそれを踏まえて戦略を練る必要がありそうですね。」

 そして二人は無言のまま近付き、互いの右手を掴んだ。

「「ナイスバルク!!」」

 うーむ、この距離でも暑苦しいな。

「…ここは貴殿の筋肉を讃え大人しく撤退するとしましょう」

「…我々としてもこの場で貴様とやり合うには被害がデカ過ぎるか」

 そう言って同時に距離をとったかと思うと、ゼロは反転し、ダッシュで逃走し始めた。そのままコンベンションセンターにぶつかるかと思ったらコンベンションセンターの壁をダッシュで駆け上がり始めたのである。…。ブラッドリー卿が『ゼロは水上を走る』と言って居たが、嘘ではなさそうだな。うん。

「申し訳ございません姫様、あの場でユーフェミア様を無事に連れ戻すには奴の逃走を許すしか無く」

「よい、ダールトン。奴が今回人質を解放したのは事実、それをその日のうちに討ち取っては市民から批判もあろう。」

 …ゼロが空中を走って居る様に見えたのは流石に錯覚だろう、ユフィが人質という事態に私は想像以上に疲労していたに違いない。うん。




物の犠牲は無い(破壊されてしまった床や壁、天井は考慮しない)

ポンコツ疑惑のある姉上、皇女の立場が災いして板チョコを見た事がないので「腹筋板チョコバレンタイン」が分かりません。

能天気ユーフェミアに振り回されるルルーシュは様式美。今回は絶対遵守のギアスも無いし血染めのユフィはあり得ないな!はっはっは!(フラグ)
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