なお、カレンの母親の口調はミートギアス準拠です。(キャラ崩壊)
ルルーシュから教わった筋肉読心術とそれを無効化するアンチ筋肉読心術、私もなんだかんだ隠れて体を鍛えていた身、ルルーシュのように誰が相手でも問答無用で心を読むことこそでき無いが、最近は玉城相手なら出来るようになってきた。ゼロが用意してくれた黒の騎士団の資金を使って飲みに出ていたりと散財癖が酷いので、この前扇さんにチクってやった。
それにしても驚きと言うか、この技術に感謝すべきと思ったのは…
「お母さん、私を守る為にこんな家でもずっと側にいてくれてたんだね」
「…うわ〜恥ッ!ちょ、い、いつからバレてたん!?」
なんだかんだ、シュタットフェルト家に来る前までは普通の家族として仲良くやっていたし、この家に来てからも顔を突き合わせていた。それに…血の繋がった家族なのだから…私は母の心をほんの少しだけ読むことが出来た。そこで知ったのは母の本音、どんなにバカにされようと、メイドとして酷い仕打ちを受けてもこの家に残っていたのは娘である私を見守り、出てくるかもしれない害から守る為、『私を一人にしない』と言う気持ちを、言葉ではなく心で感じ取ったのだ。
「お母さん、私…頑張るから。いつかお母さんと私が普通に暮らせるように」
「…りょ!じゃあお母さんもそれまで頑張る!…こんな薬もポイしなきゃね」
そう言って母は机の引き出しを開けた。そこには見たことのない瓶が入っていた。
「…?なにこれ」
「違法プロテインって言ってね…この前買い物帰りに怪しい商人から渡されたの。物凄い筋肉が付くっていうし、タダだったから断りきれなくって」
テヘペロと片目を瞑り舌を出す母さんだが、ぶっちゃけ良い歳した実の母親がやっているのは娘として見るに耐えない。…いや、話を本題に戻そう。違法プロテイン…こんな筋肉への冒涜、許しておけ無いわ。
「お母さん、これ私が代わりに捨ててきて良い?」
「?良いけど…」
その日、私はアジトへ向かい、母からもらった違法プロテインをゼロに渡した。
「…と言うわけで母から受け取り、ゼロにお渡ししようかと。今まで正してきた悪事において物的証拠を重視していたように感じましたので」
「ふむ、これは最近日本人の間に流通している違法薬物だな。一時的に凄まじい筋肉が付く代わりに、その効果はごくごく一時的。しかも一気に付いた筋肉に骨が耐えきれず全身の骨がバキバキに折れてしまう非常に危険な代物だ。現物が入手出来ず実態の把握に難儀していたところだ。提供感謝する」
良かった。どうやらゼロの役に立てたらしい。それにしてもゼロ…仮面で顔は見え無いけれど、この違法プロテインに対しとてつもなく怒っているのは分かるわ。怒りの余り筋肉が膨張しているもの。あ、スーツが破れた。
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「違法プロテイン…か、恐らく中華連邦辺りから流されているのだろうな、厄介な」
「弟君の頃は…その、お言葉ですが恐らく搦手無しでも自滅すると踏んでいたのでしょうな。記録から見るに我々が来てから急に流行り始めました。」
…と言うよりも私がこう言う事に疎いと見抜いての事だろう。確かに私はどちらかと言うと武力で他国を侵略する方が得意なため、シュナイゼル兄上のように内政が得意という訳ではない。
「先日のゼロの宣言以降、途端に日本各地の抵抗運動が止みました。…恐らくゼロは各地のテロリスト共を抱き込んでいるかと」
「分かっている。…違法プロテインによる生産性の低下にテロリスト…いや、ゼロへの警戒…厄介だな。」
せめて違法プロテインの問題だけでも片付けば…いや…待てよ?最近、黒の騎士団とかいうゼロの組織は我々政府よりも先に…と言うか、私達の手の出し難い悪…つまり、効果がないインチキ健康食品・グッズ、汚職政治家にブラック企業、結果にコミットしないジム、科学的根拠のない筋トレ法を周知する詐欺師と言った法律では裁き難い者共を次々と断罪している。…ご丁寧に証拠まで添付してだ。そのせいで奴らは本当に『正義の味方』と化している。軍や警察の末端ではあるが、一部の者は『あいつらのおかげで仕事が減った。今後も活躍してくれたら俺らも楽できるな』などと呑気なことを抜かしていたくらいだ。
「…このままではまたゼロに先を越される。」
「ですな、恐らくこのまま何もせずともゼロは違法プロテインを摘発し、問題を解決してしまうでしょう。…しかし、それは奴らの存在の正当性をより強めてしまう。ここらで正義とは我々ブリタニア軍と政府である事をエリア内に示さねば」
ダールトンの言葉に頷く。しかし、闇商人共も馬鹿ではない。簡単には尻尾を掴ませてはくれ無い。せめて現物でもあれば…
「お姉様〜」
「…ユフィ、今は仕事中だ。ここでは総督と呼べ」
「はい!分かりましたお姉様」
うーん、良い笑顔!だが、私の言った事は全く分かって無いなユフィ。
「それよりも見てくださいなコレ」
そう言ってユフィが取り出したのは見たことの無い瓶容器…薬か?
「先ほどお散歩して迷子になっていたら…」
先ほどって…その時間も執務時間だろうに何してるんだユフィ…。
「見知らぬ方からコレを渡されまして、なんでも飲めば筋肉が付くとかなんとか」
怪し過ぎるな…。…?筋肉がつく?まさか…
「違法プロテインか…!?」
…なんでユフィにそんなもの渡したんだ…?その商人はアホなのか…?いや、理由などどうでも良い。見ていろゼロ!違法プロテインは我々ブリタニアが摘発してくれる…!
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ふむ、こんなところか。
「バカな…何故ここが…」
「良いだろう。その答えを教えてやる。それは…筋肉だ!」
俺の筋肉に不可能は無い。これまで軍や警察に摘発されてい無い所から見るに、末端を買収し情報を流させているはず。ならば簡単だ。怪しい軍人や警官の心を読み、違法プロテインに加担しているものを見つける。そうすればあとは芋蔓式だ。と、そうこうしているうちに俺は違法プロテインの売人達を全員叩きのめし、両脚を砕いて逃げ出せ無いように処置を済ませた。
「…む?俺の筋肉が反応している…この振動…」
『クソッ!こんな所で!』
チィ…ナイトポリス…!コイツら、そんな目立つ物を使えば証拠を消すのが不可能だと考えなかったのか…!?
『幾ら貴様でも…ナイトメアならッ!!』
幸い、ナイトポリスの所持する武器はリボルバータイプのハンドガン、流石にまともに受ければ俺の筋肉でも怪我は免れ無いだろう。しかし!
「フンッ!!」
『受け止めた!?』
まともに受ければ怪我をするが、単発先の銃撃ならばしっかりと見極め受け止めればその勢いを殺す事が可能だ。…流石にアサルトライフル相手では厳しいがな
『クソッ!』
続いての発砲、しかし何度も試しても無駄な事だ。
『なんで…なんで効かねえんだよッ!』
「その答えは…筋に…」
…!再び俺の筋肉が反応している…!これは…壁の向こうからかッ!
『痴れ者がァ!!』
俺は咄嗟にその場からバックステップで跳び退いたが、どうやら狙いは俺ではなかったようだ。壁から飛び出てきたのはグロースターのランス…その一撃は壁越しでも発砲音から確実に位置を割り出したのだろう、ナイトポリスの胴体を穿っていた。
『市街地で発砲して位置がバレないとでも思ったか!』
更に俺の耳は大量の足跡を聞き取っていた。統率の取れた足跡、コーネリアの親衛隊か。なるほど、コーネリアも何かしらの手掛かりを得て、親衛隊だけで電撃作戦を行ったか。それならば情報の流出も意味を為さない。コーネリアの動きの速さは意外だったが、コチラも念には念を入れて安全策を取っていて正解だったな。
『…ゼロ一人だと…?黒の騎士団はどうした!』
この場にカレン達を連れてきていたら危なかっただろう。だが、俺一人ならば逃走は余裕だ。しかし、手柄は完全に姉上に渡す形になってしまうな。尤も、ナイトポリス相手ならばまだしも姉上の操るグロースター相手では流石に勝ち目はない。俺はすぐ様その場をからダッシュで逃げた。グロースターに乗っていては街中を素早く移動することは出来まい。総督自ら街を破壊する訳にはいかないからな!
だが、その場を離れてしばらくして、俺は突如横からぶん殴られる事になった。
「…くっ!貴方の存在を忘れていましたよ。アンドレアス・ダールトン…!!」
「完全に不意を打ったが受け身は取れたようだな。敵ながらその反応速度、感服する。しかし…あの場から逃げるならばこの場所を通ると思っていたぞ、ゼロ」
チィ…物陰に隠れ、微動だにしない代わりに圧倒的筋肉をその筋肉で抑え鎮める事により、俺の筋肉探査"マッスルサーチ"から自身の存在を隠し通す筋肉秘匿術"マッステルス"を使うとはな…!これは完全に俺の逃走経路を読んでいたと言う事だ。
「受け身こそ取られたが、今の殴打、確実に脳を捉えた。まだ脳震盪で満足に動けまいッ!」
馬鹿め…!舐めるなよ?脳震盪とは脳が揺さぶられる事による症状!ならば!
「フンッ!」
「何ッ!?私が殴った方とは反対側から強い衝撃を!?」
その揺さぶりを相殺すれば脳震盪など一瞬にして回復できるッ!俺はカウンターに奴の腹部を思い切り殴り、その勢いで後ろへと跳び距離を取った。
「不覚…!」
「俺への不意打ちの一撃、見事だと言っておこう。だが、これで終わりだ」
奴は俺のカウンターによりダメージで動けない。ならばここで一気に決着をつける。俺はクラウチングスタートの構えを取り、両手両足で思い切り地面を押し出し、その勢いを右膝に乗せ、奴にブチ込まんと膝蹴りを放った。
「死ねい!ダールトン!!」
「く…!姫様ァ!!」
「させないッ!」
突如現れたのは…スザク…!スザクは両手をクロスさせ、俺の膝を受け止め、その威力を完全に掻き消した。だが、今の手応え、完全に両腕の骨は砕けただろう。
「枢木…貴様腕が…!」
「問題ありません。ダールトン将軍の命に比べたら安い物です。それに明日には治ります。…それよりも動けますか」
確かに両腕の骨折程度、一晩寝れば筋肉の超再生…つまり、筋肉超再生"マッスルリザレクション"により完治可能だが、俺を相手に腕を両方捨てるなど容易な覚悟では無いはずだ。…いや、違うな
「感謝するぞ枢木。奴のカウンターによるダメージはもう無い。ここから先は二人で奴を捕えるぞ」
「分かりました」
スザクは元々蹴りを得意とする。俺相手に有効打を与えんとするならば蹴り以外に無い…つまり、両腕が折れていようが問題ないと言うわけか、さらにそこにダールトンの相手までしなければならないとは…流石にリスクがデカ過ぎる。タイマンならばスザク相手に絶対に負けない自信はあるが、ダールトンから再び脳震盪を引き起こすレベルの殴打を貰えばスザクの蹴り技を喰らってしまう。
「仕方ない」
俺は一気に筋肉を膨張させ、スーツを内部から破き、大量の汗を分泌してから一気に筋肉による発熱で汗を水蒸気に変換して濃霧を発生させた。
「この霧…ゼロめ!筋肉濃霧か!」
「貴方方二人の相手は少し手に余る。ここは退かせてもらいましょう」
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『…以上が報告となります』
「ふむ、ご苦労様。引き続きよろしく頼むよ、ウルフ」
『イエス・ユア・ハイネス』
クロヴィスがらしくない動きをしていたと思って潜り込ませた彼、"ウルフ"だけど…これは思わぬ事態になったね。
「ゼロの正体は組織内でも不明か。一体何者なんだろうね」
コーネリアをサイタマで負かし、ラウンズとも対等に闘うパイロット技術、しかも肉弾戦すら得意と隙のない人物。人間、何かしら欠点を抱える物だ。知略や肉弾戦において私は負けた事はないが、そんな私ですらパイロットとしての適性は無いに等しい。
かつて幼いながらも父へ刃向かい、私と対等にチェスを行う弟ならば居たが…。いや、彼のパイロット適性は分からずじまいだったか。…だが、彼の母はあの閃光と呼ばれたお人だ。その血筋ならばパイロットとしても一流かも知れないね。
「ルルーシュ、もしも君が生きていたならゼロに匹敵する人物だったのだろうね」
戦争に巻き込まれて死んだ私が最も恐れた男。あの世のルルーシュに笑われないように…ゼロは必ず我々ブリタニアが始末しなければね。
脳震盪を更なる衝撃で相殺するのは危険ですので真似しないでください。
ダールトンとかいうコーネリアサイドにおける便利キャラ