ミートギアス 〜筋肉のルルーシュ〜   作:ベルゼバビデブ

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ツッコミ担当者を増やそうという試み


増量版 第九話

「やはり我々は黒の騎士団と共同戦線を張るべきだ。我々の筋力だけではブリタニア打倒は難しい」「何を言う!我ら日本男児の筋肉があの謎の仮面男の筋肉に劣ると言うのか!」「…ゼロが日本男児ならば問題無いのでは?」「良き筋肉!」「良き筋肉!」「良き上腕二頭筋!富士山!」

 うーむ、皆話が脱線してきているな…

「全員、落ち着け」

 私の一言で場は静まった。奇跡だなどと大層な異名をつけられ普段は困るばかりだが、こう言う時は都合が良い

「ここは一度ゼロと闘った草壁中佐の意見を聞くべきだろう」

「ふむ、それもそうか…」「あのゼロと戦い生還するとは草壁中佐も良き筋肉!」「肩に小さい無頼乗せてんのかい!」「藤堂中佐がそう仰るなら…」

 私が草壁を見ると、草壁は静かに目を閉じた。

「奴は強い。我が左手に宿し村正を受けても平然としていた」

「馬鹿な!?鋼鉄をも切り裂くあの村正を!?」「奴の筋肉、それほどまでに侮れないと言うことか」「やはり日本男児なのでは?」

 …草壁中佐…まだ何か隠しているな?よく見ればその左腕が震えている。もしや…

「草壁中佐、その左腕…万全の状態では無いな?」

「…ふっ、流石は藤堂、貴様の目は誤魔化せないか。そうだ、ゼロと闘ってからと言う物…我が村正は刃こぼれが酷くてな。奴の前では虚勢で誤魔化したものの、本気でゼロとやり合って居たならば…死んで居たであろうな。」

 手の怪我…というか、手刀に刃こぼれと表現するかは困るところだが、取り敢えず草壁中佐ですらまともにやりあえば敗北する。ゼロとはそれほどの人物と言うことだろう。すると、今まで沈黙を貫いて居た片瀬少将が口を開いた。

「藤堂、草壁…二人に頼みがある。…受けてくれるな?」

「「承知!」」

 

〜〜〜〜〜 〜〜〜〜〜 〜〜〜〜〜

 

「これはこれは、草壁中佐に…ふむ、察するに貴方が『奇跡』の藤堂中佐ですね?」

 突然扇の奴が凄い客が来たなどと言うから誰かと思えば…。ルルーシュの反応からして日本解放戦線の人物、それも大物らしい。草壁といえば確かルルーシュの腕を手刀で切り付けた奴だったか?それにしてももう一人は奇跡と呼ばれているとは…ふっ、大層な異名だな。

「単刀直入に言う。ゼロよ、我々と共にナリタへ来てくれないか」

 ナリタ…。ルルーシュの奴が日本解放戦線の兵士の心を読み、本拠地がナリタ連山であると言って居たが、どうやらそのナリタらしい。

「良いでしょう」

「良いのか?ゼロ、日本解放戦線の罠かも知れないぞ?」

 ルルーシュはもしかしたら罠か罠でないかを筋肉読心術で知っているかも知れないが、我々はそうではない。確認は必要だろう。

「ゼロ、罠では…」

 藤堂が口を開くが、その前に動いたのは草壁だった。

「どう言う事だゼロ!そこにいるのはブリキの女ではないか!」

 ブリキの…あぁ、私のことか

「確かに彼女…C.C.は日本人ではない。…しかしそれは私とて同じ事。そして!黒の騎士団とは成すべきを成せば!その力があるのなら!年齢も!性別も!筋肉量も!国籍すらも!関係ない!!」

 昂るのはわかるがサイドチェストにモストマスキュラー、アブドミナルアンドサイとコロコロポージングを変えるな。暑苦しい。

 …そういえば先日ディートハルトとか言うブリタニア人も採用していたし、ルルーシュの言う通り能力重視で他は気にしないのだろう。スパイかどうかは筋肉読心術で見抜けてしまうしな。

「何…?ゼロ、貴様日本男児では無かったのか!」

 お前は日本男児をなんだと思ってるんだ。隣にいる藤堂をみろ、お前ほどゴリマッチョじゃないだろ

「えぇ。しかし!私がブリタニアへの復讐者であることには変わりはない!」

 …ルルーシュがブリタニアへの復讐者であることは間違いが無いな…。だが、それを証明する手段はないだろう。

「…済まないゼロ、頼む立場でありながら失礼は承知だが、我々にはそれを信じる手段がない」

「いいや…あるさッ!ここに一つな!」

 まさか筋肉とか言うんじゃないだろうな

「フンッ!!」

 ルルーシュは突如その場でダブルバイセップスを決め、着て居たスーツを弾き飛ばした。何してんだコイツ。

「…この筋肉にかけてそれは誓おう」

「で?その破けたスーツは一体誰が繕うんだ?」

「勿論私自らが直す」

 …コイツこのなりで裁縫もできるんだよなぁ…クリスマスに手編みのマフラーとか貰ったとナナリーからも聞いてるし。

「あ、いやゼロ、筋肉では…」

 やめておけ藤堂。この筋肉ダルマに理屈は通じない。さらに藤堂を制したのは草壁であった。

「フッ…ゼロほどの筋肉漢が己の筋肉にかけて誓うならば信じるしかあるまい」

「なっ…草壁中佐正気か!?」

 そいつも正気じゃ無いよ

「チェストッ!」

 うわっ、草壁の奴、雄叫びだけで左腕の衣服を弾き飛ばしやがった…

「どうした草壁中佐…」

 本当にな、私もそう思うよ。なんだかお前とは仲良くやれそうだ藤堂。

「藤堂中佐、ゼロが信じられぬと言うのなら、我が代わりに誓おう。仮にゼロが裏切ったならば、我が皆に詫び、村正を持って切腹する!!」

「草壁…己の命を賭してまでも俺を信用してくれるとは。これは貴殿の筋肉の為にも裏切る訳には行かなくなったな」

 もうやだコイツら

「よ、よく分からないが他人をあまり信用しない草壁中佐が言うならば信じよう…」

 信じたと言うより圧に押し負けただけだよな。まぁ誰だってそうなる。私だってそうなる。

 

〜〜〜〜〜 〜〜〜〜〜 〜〜〜〜〜

 

「紅蓮弍式はカレン、君に任せよう」

「分かりました。黒の騎士団のエースパイロットとして必ず使いこなして見せます」

 ふっ、頼もしいな。カレンはパイロットとしてだけでいえば俺と同等…いや、寧ろ俺以上の可能性がある。エースとして相応しいだろう。

「それにしても先行試作型月下にはゼロが乗るんですね、指揮官なのに」

「確かに私は指揮官。だが、同時に私こそが黒の騎士団のリーダーである。この意味がわかるか?」

「いえ…」

「リーダーとはつまり王。王自らが動かなければ民、即ち団員達は誰も着いて来ない!この俺の筋肉を見ろ。これほど鍛え、まさに最強たる存在が背後で縮こまって指示だけ飛ばして誰が信用する?」

「確かに…」

 ふっ、カレンも理解してくれたようだな。それにしても流石は日本解放戦線…日本における反ブリタニア活動において最大規模を誇る組織だ。山を一つ丸ごと要塞化しているとはな。

『ゼロ、聞こえるか』

 うん?藤堂から?

「聞こえている。まだ目的地には遠いはずだが?」

『分かっている。だが、キョウトにKMFを受け取りに行った部下からナリタを囲む様に…』

 コーネリア…俺がナリタへ向かったこのタイミングで…?いや、これはたまたまだろう。コーネリアは武将だが馬鹿ではない。日本解放戦線と我々からの騎士団を同時に相手取るリスクなど負わないはず。

「大体は理解した。藤堂はその部下達に合流しに行きたいのだろう?案内は草壁があれば十分だ。…泉と永田の隊は藤堂の護衛に付いて藤堂の部下達に合流しろ!道中での会敵時は藤堂の指示に従え」

『…良いのか?私の…』

「藤堂、お前の奇跡という異名…あれは奇跡などではない。入念な事前準備と地の理、そして的確な作戦指揮があってこそだ。違うか?」

 この時期に藤堂の部下…恐らく四聖剣だろう。即ち日本解放戦線における精鋭達がわざわざキョウトに受け取りに行くという事は現状の日本解放戦線のKMFよりも高性能なはず。優秀な駒を失う訳にはいかないからな。

『…感謝する、ゼロ。』

 その後、草壁の案内で片瀬という日本解放戦線のリーダーに会う事になったが、悠長に話す余裕はなかった。ブリタニアに包囲されているだろうからな。

「片瀬少将、いざとなれば責任は我自ら切腹し取ります、ゼロに日本解放戦線の指揮も任せていただきたい。」

「草壁…お前がそこまで言うか。…ならばゼロ、貴殿に全て委ねよう。…それで勝てるか?」

 日本解放戦線の主力は無頼というグラスゴー擬きのようなKMF…正直、これでコーネリア率いる正規軍と戦うのは自殺行為だろう。しかし、山に布陣している此方は高所を取っており、血の理を得ている。更には山を改造して各地に出撃用のハッチがあり、相手の背後を容易に取れるだろう。その状況でこの俺自ら指揮を取り、鹵獲したサザーランドを数機保有している黒の騎士団が各隊に加わり戦力を補強すればまさか黒の騎士団も居ると考えていないブリタニア相手ならば十分戦えるだろう。

「勝てるとも。黒の騎士団と日本解放戦線の合同部隊でブリタニアの各部隊を抑える。そして私とカレン、C.C.の精鋭部隊により敵陣を一気に突っ切りコーネリアを直接叩く!その後は麓から登ってくる藤堂と合流し、残るブリタニア軍を殲滅する!」

「おお…!」

 コーネリア…ここで決着を着けてやる…!

 

〜〜〜〜〜 〜〜〜〜〜 〜〜〜〜〜

 

「ジェレミア卿、先ほどから何を考えているのですか?もうすぐ作戦開始時間ですが」

「む?ヴィレッタか…すまんな。…作戦では先のホテルジャックの件から黒の騎士団が日本解放戦線と合流している可能性は無いとしていたが…私にはどうにも引っかかるのだ」

 ゼロ…奴は軍による包囲をものともせずクロヴィス殿下を殴り飛ばし、私から枢木スザクを奪い、コーネリア殿下が指揮する包囲網からラウンズすらも振り切って脱し、カワグチ湖ではコーネリア殿下が信を置くダールトン将軍と戦い退けた猛者…。今回も我々の意表をつくる可能性は大いにある。

「…黒の騎士団と日本解放戦線の行動理念は異なると思いますが…。…ですが、確かに、ジェレミア卿の考える通り黒の騎士団の存在は危険ですね。我々だけでもいつ黒の騎士団が現れても良いように心構えだけでもしておきましょう」

「そうだな。すまん、ヴィレッタ」

 クロヴィス殿下を殴り飛ばしたブリタニアの反逆者…ゼロ、コーネリア殿下を殴り飛ばさんと狙ってくる可能性は大いにある。ならば、今回、コーネリア殿下が自ら日本解放戦線の本拠地へと乗り込むこの作戦は黒の騎士団にとってコーネリア殿下を狙うチャンスでもある。いざとなればこのジェレミア・ゴットバルト…コーネリア殿下のお命を守る為なら作戦や命令を無視してでも全力で行動する…!

「…ジェレミア卿、何かするときはせめて私にくらいはお声掛けお願いします」

「やれやれ、お前には敵わんな」

 そして作戦が開始され、我々は日本解放戦線の本拠地であるナリタ連山を攻め始めた。そして、私の予感は残念なことに的中してしまった。

『ジェレミア卿!日本解放戦線からの奇襲を受けダイエン隊とサンカク隊が壊滅したとの事です!』

「くっ…物の見事に誘い込まれ挟み撃ちだと…!この手際、恐らくゼロが指揮を…!」

『ジェレミア!敵の中にサザーランドと思われる機体も混ざって居るぞ…!』

 恐らく今まで鹵獲された機体に違いない…!

「ヴィレッタ!キューエル!敵は黒の騎士団と日本解放戦線の混成部隊だ!油断するな!」

 いかん…!このままではコーネリア殿下のお命が…!

『…チッ!ジェレミア、ヴィレッタ!ここの指揮は私に任せておけ!お前のことだ…殿下の事が心配なのだろう?』

「…感謝する。着いてこいヴィレッタ!ゼロの事だ…コーネリア殿下を狙うに決まって居る!」

 そしてコーネリア殿下との合流間近でそれは現れた。見たことのない形状の赤いナイトメアと青いナイトメア。

『カスタム機でしょうか?それにしては…』

「ヴィレッタ!これは敵の新型だ!何をしてくるか分からん、最大限の警戒をしろ!」

『わ、わかりました』

 銃撃…躱された…なんと言う機動力…!やはりただのカスタムなどで到達する性能ではない!スタントンファでの近接戦、ナイフのような武器で止められた…此方は両手なのに片手でだ!出力も違う…!

『これで!これでやっとお前達と対等に闘えるッ!!』

 なんだ…?右腕を構えた…?いかん、距離を、距離を取らねばッ!

「間合いさえ…!」

『くらえェッ!』

 待て、ジェレミア・ゴットバルト…!奴はコーネリア殿下を狙わんと我が軍を突っ切ってきた精鋭中の精鋭!たった2機と言うのもその証拠だろう。あのゼロの事だ…恐らく片方はゼロ!そしてもう一方はゼロが認めた側近!ならばその機体は今までの想像を超える何かを持っていても不思議ではない…!ただ、ただ間合いを取るだけだはやられるッ!

「うぉぉぉぉぉ!!」

『仰け反って躱された!?馬鹿な!?』

 腕が伸びただと!?

「ヴィレッタ気を付けろ!奴らの特殊な腕は…」

『すみません…ジェレミア卿!』

 ヴィレッタ…!脱出は間に合ったようだがやられたのか…!?いかん…ならばこの場は!全力で撤退する!

「コーネリア殿下!お投げください!」

『ジェレミア…?何故純潔派がここに居る。お前達の隊はもっと…。まさか、ゼロか!?』

 瞬間、何かが飛来し殿下の護衛と思われるサザーランドに突き刺さった。これは…剣…?いや…

『合流されたのは予定外だが問題はない。全員倒せば良いだけの事だ!』

 青と赤の新型機…殿下のお命だけは必ず守り切って見せる…!

 

 

 




土石流は発生しないからシャーリーのお父さんは死なないね、やったねシャーリー!
出番は減るよ。

そしてしれっと出番のある泉と永田
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