『ダールトン将軍!突如背後から敵が…うわぁ!!』
ふむ、味方がまたやられたか。だが、まだ数的に大幅な不利になった訳でもない。結局思わぬ反撃を受け、奇襲を受け浮き足立ってしまっているだけのことだ。
「廃棄された敵味方の機体を盾に陣を敷け!ブリタニア軍タンクトップ同好会各員は周囲の味方を支援し合流せよ!」
今は混乱しているが、基本的に機体スペックはこちらの方が上であり兵士の練度も勝る。戦力差を考慮した上で地形を生かし絶妙なタイミングでの伏兵と挟撃、敵の戦術から感じるこの筋力量は恐らくゼロのものだろうが、いかにゼロが私にも勝る筋肉漢であっても、筋肉のみで兵器が主役であるこの戦場を制するのは不可能。ならば筋力量に劣る我々でも十分に勝機がある。
『ダールトン将軍!ソウヴォー隊とジョーワン隊が敵の伏兵部隊を掃討したとの報告が!』
「よし、このまま敵をすり潰し立て直すぞ」
ソウヴォーにジョーワン…流石はブリタニア軍タンクトップ同好会メンバーだ。しかし、まさか黒の騎士団が日本解放戦線に合流していたとはな。…もしもゼロが我々の読み通りの人物ならば姫様を狙ってくるはず。
「G-1、聞こえるか。特派の枢木を出撃させろ。姫様の護衛に回す」
『…よろしいのですか?奴はイレブン…』
「奴は名誉ブリタニア人である。それに我がブリタニア軍タンクトップ同好会の会員の一人だ。奴の行動に何か問題があれば私が責任を取る。…何か問題はあるか」
『も、申し訳ありません!直ちに手配いたします!』
フン、使えるものはなんでも使う。筋肉、知略、腕力、脚力…過程にこだわって結果を逃せば意味があるまい。
『ダールトン将軍!敵の攻撃が苛烈に!』
「既に後ろの敵は排除済みだ。応戦しつつ後退せよ!」
このタイミングで攻撃を強めた…何か他の場で動きが…?まさか、姫様…?いや、姫様には護衛にギルバート・GP・ギルフォードが付いている。それに枢木の筋力とランスロットならばゼロが相手でもなんとかなるだろう。戦力の集中具合から見てもこの先に何か守りたいものがあるのは明白…ここは姫様を信じ、やるべき事を成す…!
〜〜〜〜〜 〜〜〜〜〜 〜〜〜〜〜
『弾けろブリタニアァ!!』
これで3機目か。カレンの奴張り切ってるな…無茶しないと良いが
『C.C.、お前はカレンの援護に専念しろ。私に援護は不要だ!』
「元からそのつもりだ」
クソ、黒の騎士団と日本解放戦線の混成部隊をまとめ上げて奇襲のタイミングや兵の配置等知略に溢れてたなと思っていたら私達は兎に角全速前進だと?コイツバカなんじゃないのか。いや、筋肉バカだったな。『おいC.C.、今お前何か俺の事を馬鹿にしなかったか?』「してない。黙れ。戦いに集中しろ。」…なんでコクピット越しに心読む様な事してるんだアイツ怖。…とは言え、実際敵の大半は混成部隊による攻撃で撃破なり応戦を強いられ、コーネリアは敵軍の中はありながら孤立状態になっている。その手腕は認めるべきだろうな。
『イレブンが!』
スタントンファによる攻撃を躱す。私はイレブンでは無いんだがな
『イレブンじゃない…日本人だ!!』
カレンがカバーに入ってくれたので距離を取りハンドミサイルを放つ。カレンの乗る紅蓮の蹴りにより体勢を崩した的に命中し、また一人排除した。
『今の結構いい連携だったんじゃない?』
「そうだな。…次が来るぞ、気を付けろ」
『分かってるわ。頼りにしてるわよC.C.』
カレンは素直で援護し甲斐があるな…多少脳筋気味だが今は目を瞑っててやろう…今は
『敵を侮るな馬鹿者!奴らは我らの陣を強行突破してきた精鋭部隊だ!心してかかれ!』
ふむ、崩せるかと思ったが直ぐに持ち直されたか
『C.C.、また私が突っ込むから援護お願い』
「よせ、さっきまでと違って構えられている。今突っ込むのは自殺行為だ」
視界の端ではルルーシュがサザーランド2機とコーネリアのグロースターを相手に大暴れしているが、ああいうのはアイツのイカれた筋力あってこそだろう。心こそ読めないが、コクピット越しだろうが先ほどの私の心を読んだ様に時間をかければかけるほど大抵の先読みができる様になっていくに違いない。実際、奴は敵の攻撃を後ろからであろうと躱し、逆に奴は攻撃を当てるのだ。しかも筋肉による肉体強度により無茶な姿勢制御や急制動も平気でやってきやがる。シミュレーショで何度か相手したが勝てるビジョンが見えん。…とは言え、流石に3機に囲まれているので撃破までには至っていないようだが。…ふむ
「ルルーシュ、当たるなよ」
私は敢えてルルーシュに向けてハンドミサイルを放った。…別にあわよくば死んでしまえなんて思ってはない。カレンを恐れて相手は様子見、ルルーシュを相手する三機はルルーシュで手一杯、ならば私がすべきはこれだろう。私の予想通りルルーシュは背後から迫るミサイルを回避し、直前まで近接戦を行なっていたサザーランドへミサイルをなすり付けたのだ。
『クソ…!こんなところで…!』
脱出こそ許したが、これでルルーシュ側の均衡は崩した。
『姫様ッ!』
コーネリアの親衛隊と思われるグロースターが動いたが、直ぐにカレンが反応した。
『アンタの相手は私達ッ!』
『くッ…!』
すると、突如コーネリアのグロースターは後退を始めた。
「ゼロ、コーネリアが…」
『フン、誘いの罠だろう。だが、ここで奴を逃すのはマズい。』
全体の戦況を確認すると徐々にだが推され始めているようだった。ここで残る親衛隊達を倒しても全体から見ればごく僅かな損害、こちらがコーネリアを倒せば終わるのと同じように日本解放戦線の本拠地が陥落すれば終わってしまう。他のテロリストグループと異なり元日本国軍人で構成される日本解放戦線が壊滅するのはブリタニアとの本格的な戦争においては痛手であるとルルーシュも言っていた。
「ここは私とカレンでなんとかすれば良いのだろう?行ってくれ…死ぬなよ」
『誰に言っている。私が今までに一度でも死んだことがあるか?無いだろう?ならば死なないさ』
相変わらず何を言っているのかよくわからないのでさっさと行ってほしい。気が散る。
『待ていゼロ!逃すものか!このジェレミア・ゴットバルトと闘えい!!』
チッ…一機取り逃したか
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『ゼロ、こちら藤堂だ』
「藤堂?機体の受け取りは終わったのか」
『あぁ。だが、そちらに合流する前に少し困ったことになってな』
藤堂の機体から送られてきたのは白いKMF…通称白兜の画像だった。
「コイツか…。油断するな藤堂。コイツは実弾を弾くシールドを持つ。更に運動能力はスザ…枢木スザクがKMFになって暴れるようなものだと考えてくれれば良い」
『こちらの旋回活殺自在陣も六角吶喊陣も躱されたからな…まさかとは思ったがそれほどの性能か。肝に銘じよう。』
このタイミングで白兜か。だが、藤堂達との会敵ポイントを見れば…なるほど、恐らくコーネリアが移動したのは奴との合流を見据えたか。しかし、都合よく藤堂達がそれを妨害してくれている…天は俺に味方しているな…!
『ゼロォ!』
背後からの攻撃を躱し、蹴りをブチ込む。…が、スタントンファで防いだか、ジェレミア・ゴットバルト…奴の忠義からなるこの力、侮れんな。差し詰め心の、忠義のマッスルガイと言ったところか。スザクやダールトン、草壁など、マッスルガイは俺自らが相手しても油断ならない存在だ。
「藤堂!お前達は白兜を抑えてくれ、無理に倒す必要はない。それに、そいつには我々の想像を絶する新兵器を所持している可能性もある。被害無く遅滞戦闘に徹してくれ。
『被害無く遅滞戦闘か、だが、倒してしまっても構わんのだろう?』
「フッ、それができたなら奇跡だな」
『ならば任せてくれ。私は奇跡の藤堂だからな』
あぁは言ったが奴は冷静な男、無理はしないだろう。だが、これで俺はコーネリアに専念できる。
「コーネリアッ!」
輻射波動は使わない。ただの貫手でッ!!
『舐めるなよ!』
槍で受け流され、直様ジェレミアからスラッシュハーケンが飛んでくる。それを廻転刃刀で弾き、コーネリアからの銃撃を回避する。
『チィ…ゼロ、流石はダールトンにも劣らない筋力の持ち主、急制動にも動じない強靭な肉体を活かした動きだ…!』
『殿下、ここは私に任せて撤退を!』
『ここまで来た忠義には感謝するジェレミア、だが、私とて退けられぬッ!』
ランスによる突き…いや、これは…!?
「ッ!まさか投擲とは!」
この場で武器を手放すとは愚…!?
『これはクロヴィスの分だッ!!』
本命はグロースターの左手による殴打だとッ…!く…ギリギリ躱したつもりだが当たったか…頭部に損傷が…!右側のモニターにノイズが出てしまっている…!
『はァッ!!』
「舐めるな!」
廻転刃刀でスタントンファを防ぐが、コイツ、俺の頭部の損傷を見て直様右に回り込んで攻撃を…!更に連続して放たれるコーネリアの銃撃を防ぐ為、俺は輻射波動を放った。
『ちょこざいな!』
このタイミングでのコーネリアの銃撃、ジェレミアの追撃がない事から察するに…。俺はその場で高く跳躍し、背後から投げられたランスを回避した。更にそれすらも囮として接近するジェレミアに対し輻射波動を叩き込む。
『馬鹿なッ…!?』
「ランスの投擲とそれを囮にした本命の近接攻撃、一度見せた攻撃がこの俺に二度も通じるとでも?」
『ぐ…!』
輻射波動は喰らったが最後、機体は内側から弾けるように…
『ぬぉおおおおお!!』
!?コイツ、こんな今にも爆散しそうな機体で掴み掛かってくるだと…!?しまった…左腕に…!!
『この程度ッ!我が忠義でぇぇぇぇええ!!』
くそ…カレンの紅蓮とは違い、こちらの輻射波動機構は簡易な物、連続使用だったために出力が不十分だったのか…!?
『殿下、ご武運を!』
『…爆散ッ!!』
左腕を持って行かれた…!やってくれるなジェレミア・ゴットバルト…!
『はぁぁぁ!!』
ランスによる突きを躱し、こちらも回避刃刀を振るう。躱されたが、奴の大型ランスと異なり廻転刃刀ならば振りは早い。故に追撃が可能だ。
『くっ…!』
俺を殴りつけた左腕を犠牲に防いだか、まぁナックルガードも何もないマニピュレーターで殴りつけたのだから、その時点で手はもう使える状況ではなかったはず。ならばと切り捨てる覚悟を決めたか、流石は姉上、判断が早い。
『まだだ!ゼロ、その機体すでに万全ではあるまい!ならば!』
振るうランスの連撃の中に絶妙なタイミングで俺の死角を狙っての攻撃を混ぜ込んでいる、厄介ではある。だが、死角を狙ってくると分かっているなら対処は可能。されると分かっている不意打ちなど恐れることはない。
『馬鹿な…!?』
「万全な機体でなければ私と一騎打ちで勝てると?甘いな!」
廻転刃刀でランスを弾き、直様スラッシュハーケンを叩き込む。
『ッく!』
これで両手は取った。終わ…ッ背後から風切り音!?
「ッ!」
『おや、コイツを防ぐのかい。ルキアーノが認めるだけはあるねッ!』
くそ…白兜だと…!?藤堂達は…いや、違う…似ているが別の機体…!?
『コーネリア、生きてるかい?まぁここは私に任せな!』
『の、ノネット先輩…!?どうしてここに…』
コーネリアと親し気なコイツは一体…先輩だと?コーネリアが先輩と呼ぶような相手となると軍…いや、士官学校か?それにルキアーノと言えば…
「まさか、ナイトオブラウンズか…!?」
『さて、手合わせ願おうかね!ゼロとやら!』
そうか、ナイトオブナイン、ノネット・エニアグラム…!奴か…!
『プリン伯爵から面白いものを貰ってね、ついでに可愛い後輩が最近噂のテロリストにいじめられてるって言うじゃないか。たっぷりと返しはさせてもらうよ!』
チィ…!コーネリアよりも更に鋭い突き…!反撃に振るう廻転刃刀も急制動で躱すだと…!?奴の機体、白兜と同性能と見て良いだろう。
「…藤堂。」
『ッ!済まない、ゼロ!白兜の武装を幾つか破壊することには成功したのだが、突如別の機体が…』
このタイミングでの援軍だと…?コーネリアの反応を見るにこれは現在エリア11を治める総督である奴すら知らない動きが出来る存在ということ、つまりはそちらも皇帝直属…!
「藤堂、恐らくそいつはナイトオブラウンズだ…!」
『何…!?帝国最強の十二騎士のか!?…ならば討ち取ればブリタニアとの闘いで有利になるという事…悪いがゼロ、援軍には行けぬがこちらもそちらに手出しさせん。…死ぬなよ。…卜部!あの双剣違いを抑えるぞ!』
カレンとC.C.…いや流石に無理だろう。紅蓮の輻射波動にも限りがある。それに、俺とした事が敵を前に援軍を期待するだなどとな!
「相手にとって不足はない、ノネット・エニアグラム…その首貰うぞ!」
『お、良いねぇ。熱い奴は嫌いじゃないよ!』
廻転刃刀による連続攻撃…それを全てランスで防ぐのは見事と言って良いだろう。だが!
「フンッ!」
この角度、ランスで死角になった位置からの蹴りならば!
『フン、まだまだ甘いね。さてはアンタまだ子供だろう?』
躱された…!?
『アンタみたいな強い奴の考えることなんてお見通しさッ!』
しまった…!武器が弾かれた…!やられる…!?この俺が…!?
『終わりさッ!』
増量版はルルーシュの筋力が限界突破するチートモードですが、代わりに序盤からナイトオブラウンズがフラフラとお散歩気分で介入してくるハードモード仕様。
え?藤堂達と戦ってるラウンズは誰かって?そんなのご想像に任せるバブ