僕はルルーシュを捕らえた功績からナイトオブラウンズに入る事を許された。因みに僕はナイトオブセブンらしい。
「本日よりナイトオブセブンを拝命いたしました。枢木スザクです。よろしくお願いします。」
僕は他のラウンズの人達に頭を下げる。第一印象は大事だからね。
「貴様がイレブンのナイトオブラウンズか、皇帝陛下も何故こんな奴を…。家柄だけのお坊ちゃんといい…」
「いえ、自分はナイトオブセブンです。」
「……………………いや、まぁいい。私はナイトオブテンのルキアーノ ブラッドリーだ。よろしく…なっ!」
そう言って彼は何かを投げつけてきた。僕の身体に当たったそれを拾い上げて見てみるとナイフのような物らしい。アーニャとかに当たって怪我でもさせたらどうするつもりなんだろう。危ないなぁ。
「素振りは大切ですがしっかりと握っててくださいねブラッドリー卿、今みたいにすっぽ抜けて僕以外に当たったらどうするんです」
「うん?うん…いや…あぁ、気を付けるよ。拾ってくれてありがとう。」
ブラッドリー卿はそう言うと部屋の隅でナイフの手入れを始めた。落としてしまったから刃こぼれとかしてないかチェックしてるんだろう、物を大事にする人なんだな。
「久しぶり、スザク。再会の記念、記録。」
カシャリという音とともに声を掛けてきたのはアーニャだ。
「久しぶりアーニャ。たしかアーニャはナイトオブシックスだっけ。」
「そう。」
僕とアーニャが話をしていると、金髪で背の高い男の人が声を掛けてきた。
「初めまして枢木卿。私はナイトオブスリーのジノ ヴァインベルグ。2人とも名前呼び捨てなんて仲が良いんだな。」
「あ、はい、エリア11でお会いする機会がありまして。その時に名前呼びを許していただきました。できればその、枢木卿と呼ぶのは…」
「なら私のこともジノと呼んでくれ。私も君のことはスザクと呼ばせてもらおう。それと、ナイトオブラウンズは皆対等、敬語は不要だ。」
そうは言われても年下のアーニャや年の近そうなジノは良いとしても明らかに年上の隻眼の人には敬語使うなって言われても無理だよ…。
あ、その隻眼の人がこっちきた。
「ナイトオブワンのビスマルクだ。ナイトオブラウンズにようこそ、枢木スザク。君はナイトオブワンの地位を狙っているそうだね?」
「あ、はい。自分はナイトオブワンになってエリア11を頂きたいと思っています。」
ビスマルクさん(苗字がわからない)は僕の肩に手を置いてきた。
「励むといい。とは言え易々と譲る気は無いが」
そう言うと去っていった。
「あればナイトオブワンなりの激励だよ、スザクくん。私はナイトオブナインのノネット エニアグラム。コーネリア殿下の窮地を救ってくれたそうだね、私からも礼を言うよ。」
「い、いえ、総督をお守りするのは当然でしたから」
「あはは、まぁそりゃそうか。私はコーネリア殿下の戦闘指南役を務めてたんだ。」
「コーネリア殿下の!?」
あのコーネリア殿下の戦闘指南ができると言うことは相当強いと言うことだ。実力がすごく気になるな…
「まぁ、機会があれば手合わせしよう。同じランスロットを駆る者同士な」
ノネットさんはそう言うとさっきまで座っていた椅子に戻っていった。近くに座ってる人と少し言い合ってから入れ替わりにその女性…褐色で黒髪の綺麗な女の人がやってきて、
「私はナイトオブフォーのドロテアだ。…悪いが馴れ合う気は無い。」
とだけ言ってスタスタと元の場所に戻っていった。ノネットさんとまた何か話しているようだ。同じ大人の女性だし話が合うのかな。
「えっと、あとは…」
部屋の隅でいじいじしながらナイフをいじいじしているのがブラッドリー卿、いつのまにか肩を組んできて重たいのがジノ、「男同士の絡み。記録」と写真を撮ってるのがアーニャ、隻眼の人がビスマルクさん(今は部屋にいない)、褐色の綺麗な人がドロテアさん、ドロテアさんと話してる綺麗な大人の女性がノネットさん。あとは…
「ナイトオブトゥエルブ、モニカ クルシェフスキー。よろしくモニ」モニモニ
「あ、はい。よろしくお願い…モニ?」
金髪で前髪を切り揃えた背の高い可愛らしい人が最後の1人。それにしても変わった語尾をしているなぁ…
「語尾は気にしないでほしいモニ」モニ~
「は、はぁ…」
気にするなと言う方が無理じゃ無いだろうか。でも、周りのみんなは気にしてなさそうだし、慣れるしかなさそうだ。
暫くアーニャとジノとモニカさんと話していると…不思議とモニについては気にならなくなってきた…そしてビスマルクさんが皇帝陛下を連れてやってきた。しかもビスマルクさんは料理の乗ったワゴンを押している。
「それではァ!新たなラウンズを歓迎し、ナイトオブセブン歓迎会をォ始めるゥー!!!」
「モニィ!?」モニ⁉︎
そう言うとお召し物を筋肉の膨張で破ると言う、立場的に誰も笑えない一発芸を披露する皇帝陛下と共に、まったく気の休まらない歓迎会が始まってしまった。というかモニカさんの驚き方癖あり過ぎない?
「ほゥれ、ナイトオブシックスら未成年にはワシ自ら葡萄ジュースをくれてやろう…」
わざわざ手刀で瓶を切り裂き、コルクの意味を無くしつつ、皇帝陛下が自らジュースを注いでくる。畏れ多すぎる、正直言ってやめてほしい。ジュースくらい勝手に注ぐし勝手に飲みたい。ほらみなよ、アーニャだって緊張…あ、全然してない。凄いなラウンズ。
食事が終わるとデザートだ。しかしここでトラブルが起きる。
「むぅ、ケーキを切り分けるためのナイフがァ!無いでは無いかァビスマルクゥ!!」
「も、申し訳ありません皇帝陛下!」
ビスマルクさんが頭を下げ、その頭を皇帝陛下がポカポカ殴っている。頭を下げ、殴られながらのビスマルクさんの顔がぐるりとこちらを見たかと思うと
「ルキアーノ、お前確かナイフを持っていたな?貸せ」
「あ、はい。」
こうしてケーキは8等分された。
「ケーキ。アーニャ、わくわく」
「ケーキ美味しそうモニ!」モニカモニモニ
こうやってお菓子を前に目をキラキラさせているところを見るとアーニャもモニカさんも女の子って感じがするよね。
「ノネット…食べた分だけトレーニングすれば実質ゼロカロリーだよな…?」
「ドロテア、あなたそう言ってこの前も…」
ドロテアさんは…大人の女性特有の悩みって感じだね…
「本格的ですねぇこれ!作った人どんな人なのかなぁ?」
「皇帝陛下も口に入れるわけだし凄い人が作ったんじゃないかな。僕はあんまりブリタニアの有名な人とかわかんないけど」
ジノは貴族だっていうからもしかしたらそういうの詳しいのかな。
「私は甘いものとかは食べないのでパスだ。」
「なんだとルキアーノ…。ワシの手作りケェキが食えぬと吐かすかァ!!」
ブラッドリー卿…骨は拾わせていただきますね…
「こ、皇帝陛下の!?」
「ぶるぁぁぁ!!!なんったる愚かしさ!!!」
ブラッドリー卿はケーキの代わりに皇帝陛下のビンタを喰らい壁まで吹っ飛んでいった。そして壁にめり込み気絶した。そして皇帝陛下は突然ブラッドリー卿の分の1切れを鷲掴んだかと思うと、それを僕の方に近づけ
「枢木ィ、食え」
「い、イエス ユア マジェスティ…」
何が悲しくていいおっさんが手作りしたケーキをそのおっさんに素手で鷲掴みされてあーんして食わなくちゃいけないんだろう。最早拷問だよ。結局ろくに味も楽しめないまま歓迎会は終わった。
…かに思われた。
「ナイトオブシックスよ!カメラを、寄越せィ…」
「は!しかし何にお使いに…?」
「カメラの使い道などォ、決まっておる…」
皇帝陛下は満面の笑みで自撮りをし、撮影方法を確かめてから
「今からワシがァ!ラウンズの記念撮影を、してやろう…」
と言ってきた。僕達全員が固まった。なんだか気持ちが一つになった気がする。
「し、しかし陛下、流石に陛下にシャッターを切らせるのは畏れ多く…代わりにこの私が…」
「ぶるぁぁぁぁ!!ビスマルクゥ!ワシの撮影がぁ………受けられぬと?」
酷い脅しだ。というか実際ビスマルクさんは腹パンを食らっている。ルルーシュ、やはり君のお父さんはロクでもない人だ。こんなのパワハラだよ。
こうして、僕たちラウンズは仲良く写真に納まった。
「はい、チーズ」
あ、そこは普通なんですね。
「アーニャ、後でデータ送って欲しいモニ」モニモニ
「分かった。」
「ワシにも…送れィ…」
「は!」
まぁ、撮ったら撮ったで楽しんじゃうけどさ…
後日、アーニャのブログをみると、写真が貼り付けてあった。タイトルは「ラウンズ集合写真」うーん、そのままだね。
・ナイトオブワン 写真中央やや左で仁王立ち。顔は真顔。
・ナイトオブスリー ナイトオブセブンの右に立ちに肩を組む。満面の笑み。
・ナイトオブフォー ナイトオブワンの左隣にて意外にもピース。割と笑顔だった。
・私 ナイトオブワンとナイトオブセブンの中間の前に立ちダブルピース。笑ってる(つもり)
・ナイトオブセブン 写真中央でやや右で無理やり肩を組まれているため体勢が崩れている。苦笑い。
・ナイトオブナイン ナイトオブフォーの左隣、こちらも意外にもピース。口角を上げている。
・ナイトオブテン 左端で見切れている。表情はブレており判別不能。というか壁にめり込んでいる。
・ナイトオブトゥエルブ 写真右端でダブルピース。弾ける笑顔。モニィ!
撮影者:皇帝陛下(左上に丸いやつで顔が貼られている。)因みに満面の笑み。
アーニャはブログの閲覧者数がいつもより多いと喜んでいた。そりゃ…増えるよね。
終わり方が雑ですが、なんかこう、ラウンズたちの日常会的なのが書きたかった。
●唐突な次回予告●
ルルーシュ「撃って見ろ。但し、撃って良いのは、俺にぶたれる覚悟のある奴だけだッ!!」
次回、「ミートギアス 〜筋肉のルルーシュ〜 R2」
TURN01 筋肉が目覚める日