「ゼロ!大変です!」
報告のために叫ぶ団員だったが、黎星刻に押し倒され、剣の先を向けられる。
「黒の騎士団はここで潰えよ!」
しばらくして武器を手入れするC.C.とカレンの元に黎星刻が現れた。
「おかしいな。黒の騎士団と中華連邦は協力関係にあったはずだが?」
「我々にも事情があってね。」
「事情…ね。大方ブリタニアをこれ以上足止めできなくなったから総領事を殺して無理矢理時間を稼いだと言ったところか?」
「あぁ。あれ以上の遅延は我が国とブリタニアで争いになる。そこで取引だが」
「分かっている。わたしたちをブリタニアに突き出さない代わりに総領事を襲ったのは我々ということにすればいい。」
それでは本編スタートです。…と言いたいところですがR2の4話にもなって今更ながら私の書き方の説明をば
「」…本人及び周りの肉声
『』…通信などその場にいない声。(回想、記憶の声含む)
で、おそらく脳内に直接話しかける場合、本人の独白(地の文)に対し割り込むように会話文が差し込まれます。
さて、そういうわけで本編スタートです!
「ブラザー…!やはり記憶が戻っていたんダナ!?」
「そうだ、これからお前を我が支配下に起き、ナナリーを取り戻すための道具になってもらう。」
「こうなっタラ…!」
7、8、9…。
「ファック!腕がびくともしナイ!」
10、11、12、13…モニターの秒数と俺の脳内で数えていた数字が違う。
どうやら俺の体感時間と実際の経過時間にズレがあるようだ。ヘッドロックを更にキツくする。奴の首を俺の左腕の上腕二頭筋、肘、前腕屈筋群でしっかりとホールドし、更に逃げられないように俺の左手首は右腕の上腕二頭筋、肘、前腕屈筋群でホールドしている上、更に奴の後頭部を右手で前へと押し込む。このままあいつが抜け出すのが先か、首が取れるのが先か、ギブアップするのが先か…見ものだな。
「お前は人の体感時間を止めるギアスを持っているな?」
「なぜ、そ、それを…知ってイル!?」
やはりか、バニーの格好をしたカレンを抱き上げていたと思ったら弟にすり替わっていたり、ドローンとコイツの乗っていたナイトメアだけが瞬間移動をしているように見えたのはコイツのギアスのせいだったか。
そして俺は更にぎりぎりとヘッドロックを強めていく。
「これなら…どうデス!」
たまらずロロは俺の股間に攻撃を仕掛けてくる。
が、それは無意味。
「残念だったな。ショッピングモールのスポーツショップでファールカップは購入済みだ。」
昔ユフィに金的を食らったからな、対策くらい講じる。
「うぐ…!い、意識ガ…!」
俺の腕を叩き、抵抗がまだできるとは流石は弟、常人ならとっくに首が取れているというのに。
「ロロ、ここは手を組まないか?お前がこのまま俺を見逃してくれるなら俺はC.C.を釣り出し、お前に引き渡す。ここでお前が俺をどうにかして捕まえ皇帝に突き出したとして…お前の生活に何か変わりはあるのか?今の生活の方が楽しくは無いか?今までと同じように俺と二人、ブラザーとか言いながら学園生活を楽しみたくは無いか?俺はお前のような筋肉のある弟なら歓迎するぞ」
「う、うぐ…!ブラザー!ぎ、ギブ!ギブギブギブ!!!」
解放してやるとロロはむせながらも俺との取引に応じた。
「でも、ブラザー…C.C.を売るんデス…?」
「流石に体感時間を止められるお前に四六時中狙われたら勝てっこない、お前をここで殺しても次の刺客が来るだけだ。自分の命には変えられないだろう?」
こうして一旦ロロが待つだけの時間を稼いだ俺は、外に出る為の口実作りのためもあり、リヴァルのバイクを取りに行っていた。明日の藤堂達の処刑前に仕込みを済ませなければ。
まずはなんとか租界の構造に関与できる職員にギアスをかけることに成功した。ギルフォードが俺に要求した一騎討ち。それを利用してやる。彼らには特定のワードに反応するようにギアスを仕込む。ブリタニア軍に対する明日の作戦は、租界の構造を利用して総領事館内に敵軍を引き摺り落とすもので良いだろう。落とした後はカレンや卜部達になんとか救出させるだけだ。
問題はロロ、さっきはヘッドロックでなんとか出来たが、不意打ちでなければ勝ち目がない。どう始末したものか…。殺しも、筋肉披露も、偽装工作も、情報操作も、全てロロがネックになる。ロロさえいなければ…なんとか始末しなければ。
…いや、始末にこだわる必要はない。さっき見た資料の中にロロに関する記録があった。ギアスと筋肉しか価値がないのなら、俺が居場所になってやればいいじゃないか。相手の体感時間を奪う…恐らく暗殺にもってこいだ。今まで良いように使われていたに違いない。
そして、あいつはロケットに対して異常な反応を見せていた。アルバムの中のロロは誰も楽しそうに笑っていた。何故だ?別に暗殺者として潜んでいるならば人付き合いなどしなくても良い。根暗でノリの悪いやつとして生きていれば…。
俺の予想が正しければ、あいつは本気で楽しんでいたのではないか?
本当にロロ ランペルージとして生きていたのではないか?それに奴のギアスは使いようによってはかなり有用だ。…それに、ナナリーを助け出すまではどちらにせよ学生は続けなければならない。ロロの始末は怪しまれる要因になる。ならば、俺の仲間に引きずり込む方が有用だ。
それに奴の筋肉…俺は嫌いじゃない。
ロロのギアスは物理現象は止められない。そこを利用して奴を助ける。そうすれば…よし、作戦は決まった。あとは仕込みだけだ。ロロと二人で映画館へ行き、こっそりと抜け出す。監視の目はロロのお陰である程度誤魔化しが効く。俺は兵士に変装し、高台の狙撃仕様のグロースターに近付いた。
「本隊から極秘命令です。通信の傍受を防ぐため口頭にて伝達せよとのことですが」
『わかった。』
のこのこと降りてきたパイロットにあるギアスをかけた。それは遠距離からの狙撃。俺が一定のルートを取ったらそれを追うナイトメアを狙撃しろというもの。俺が脱出したら追っていたナイトメアを破壊し、そうでなければ撃たない。
『イレブン達よ!お前達の信じたゼロは現れなかった!あの筋肉以外全てはまやかし。奴は私の望んだ正々堂々の勝負から逃げたのだ。それではユフィ執行官、よろしくお願いします』
『撲殺です!日本人は全員撲殺です!今日はグロースターで撲殺です!』
「待て!間違っているぞギルバートGPギルフォード!お前たちが処刑しようとしているのはテロリストでは無い…我が合衆国日本の国民たちだ!」
『なるほど、後ろに回ったか!あ、ユフィ執行官、処刑は一時中断です」
『撲殺…』
なんとか処刑を止めることはできた。あとは奴の人間性に賭けるしか無い。
「約束を果たそう、ギルバートGPギルフォード。一騎討ちを所望していたな。」
『あぁ、そうだ。…後なんでいちいちフルネームで呼ぶ?』
「一騎討ちは対等な条件で行うべきだ。そうだろう?ギルバートGPギルフォード」
『…確かに、対等な闘いでなければ意味は無いな。良いだろう、一対一で戦おう。他の者たちには手出しをさせない。あとだからなんでフルネーム?ねえ?』
よし、やつはコーネリアの騎士…その分正々堂々とかそういう物に縛られると思った。ならば前提条件は全てクリアされる!
「お互い、武器は一つだけ。そんなルールは受け入れられないかな?ギルバートGPギルフォード」
『わかった。私はこの槍のみで闘う。あともう突っ込まないからな』
「ならば私はこの拳で闘う。」
ガキンと無頼の左腕にナックルサポーターが展開される。
『いいだろう、では尋常に勝負!』
距離を詰めてきたギルフォードはランスでの薙ぎ払いを仕掛けてきた。俺はスラッシュハーケンを使用したジャンプで躱し、拳を振り下ろす。
『甘いなゼロ!』
それをギルフォードは左腕で甘んじて受け、右手のランスを構えた。
『これで…!』
「ほう?これはつまり、"肉を切らせて骨を断つ"かな?」
ランスに対し、こちらも右手でなんとか軌道をずらす。そして、これが俺の用意していたワードだ、足場が急に蠢く。
『なっ!?これは…!』
「ギルバートGPギルフォード、中々良い動きだった。流石はコーネリアの騎士、今回は引き分けとさせて頂こう。とは言え…精々サザーランド並の性能である無頼とグロースターでは対等とは言えないのでは無いかな?」
ギルフォードのグロースターを蹴り飛ばし、スラッシュハーケンでナイトポリスの元に移動する。ナイトポリスをブン殴り盾を強奪、斜面となった租界のフロアパーツをボードの要領で滑り落ちていく。
「さぁ!黒の騎士団よ!敵は我が領土に落ちた!合衆国日本の国民たちを救い出せ!」
一体なんなのかしら?今日はグロースターというナイトメアで日本人を殴り殺せだなんて。それに勝手だわ、ギルフォード。私にお願いしたり取りやめたり。それにしてもあの無頼…?に乗ってるのは本物のゼロ?だとしたらルルーシュということよね、それじゃあ殴り殺してはいけないわ。ここで待つとしましょう。私は日本人を殴り殺すのですから。それにしてもスザク、早く会いにきてくれないかしら?私は早く日本人を…スザクを殴り殺したいのに。
『さぁ!黒の騎士団よ!敵は我が領土に落ちた!合衆国日本の国民たちを救い出せ!』
あら?急に足場が…こんな作戦が実行できるなんてやっぱりルルーシュね?取り敢えず落ちて死んでしまっては日本人を殴り殺せないわ。一先ずスラッシュハーケンで…よし、うまく刺さった!あとはゆっくり降りましょう。
『ユフィ執行官!処刑開始です、お願いします!』
あはっ!ギルフォードったら。そうね…
日本人は殴り殺さないと。
「日本人を名乗る皆さん!殴り殺されてください!」
逃げ惑う日本人をグロースターで追いかけ、後ろから拳で叩き潰します!撲殺です!
あらら?私の拳は刀で止められてしまいました。無礼な方ですね。
『やめろ貴様!撲殺皇女ユーフェミアだな!?それ以上の狼藉、許さん!』
刀を持ったナイトメア…。刀での袈裟斬りをナックルガードで受けつつ、蹴りをブチ込みます…あら、避けられちゃったわ。それと忘れてたわ、相手が日本人なのか確かめないと。
「ねえ、貴方日本人よね?私はユフィ。日本人を殴り殺さないといけないの。」
『ふざけるなよ撲殺皇女ユーフェミアめ…!四聖剣が一人、卜部巧雪…貴様に殺された日本人の恨みここで晴らしてやる!』
「やっぱりあなた日本人なのね?撲殺です!!」
刀による突きを躱し、左の裏拳を叩き込みます!あら?腕で受けられちゃった。だったら機体を右手で支えて両脚で蹴り飛ばしましょう!
『ぐぅ!?つ、強い…!』
「安心して下さい。私の目的はあくまでも…」
「撲殺です!!!」
右ストレートは刀で止められました。でも、腕はもう一本あります。ガラ空きになったボディをブン殴りましょう!
『舐めるなよぉ!』
まぁ!頭突きしてくるなんて野蛮な方!やっぱり日本人は撲殺です!
『ユフィ執行官!退却を!予想以上に抵抗が激しく…これ以上は!』
…もう、せっかくもう少しで殴り殺せたのに。仕方ありません、より多くの日本人を殴り殺すためにここは退かないと行けないわ。
結果的に俺の作戦はうまく行った。予想通りながら俺を追う金色のナイトメア…中身はロロだ。その証拠に信号がロストと出現を繰り返している。そしてそれを狙撃させ、それを俺が防ぐ。
『ブラザー!?どうしてデス!?』
「お前が弟だからに決まってるだろう?植え付けられた記憶だったとしても、お前と共に鍛えた筋肉は本物だろう?」
『今までのことがウソじゃないだナンテ…ボクが弟…?…あの日、誕生日がなかったボクに初めて…プレゼントをくれタ…自分の生命が大事だと言ったくせニ…そんなくだらない理由デ…!?』
ふははは!これはもう一押しで落ちるな…!やはりコイツは筋肉とギアスしか取り柄がないのだろう。心地良い居場所と快適なトレーニング環境さえ与えて仕舞えば…
「当たり前じゃ無いか。お前に言っただろ?筋肉のある弟なら歓迎するって」
その時、ギルフォードに動きがあった。
『この一撃が…歴史を変える!』
投擲されたランスは俺の狙い通り、ロロが受け止めてくれる。
『なっ!?どういうことだ!キンニク卿!まさか…ゼロの仲間か!?』
いいや、違うな、ギルフォード。間違っているぞ?ロロの行動はC.C.を捕まえるために餌である俺に死んでもらっては困るから。それにせっかくもう少しで手に入る心地良い場所を簡単に捨てられるはずがない…!
さらにここにもう一手。
「もしもし?ヴィレッタ先生ですか?」
『うん?ルルーシュか、どうした急に』
「ほら、今租界で黒の騎士団が暴れてますよね?学園の方は無事かなって…」
ヴィレッタに電話を掛ける。話題はなんでも良い、必ず話はロロに変わる。なぜならロロの本来の役割は俺の監視だ。そして俺が既に記憶を取り戻しているが、それをロロは報告していない。
『暴れてるのは中華連邦の総領事館周辺だけだ。そこに近づかなければ平気だろう。そう言えば…ロロはどうしてる?ちょっと課題の関係で話があってな、代われるか?』
既にロロは裏切った状態。そしてこの状態では本当のことを言うわけにはいかない。しかし、今のロロに良い言い訳なんて思いつくはずが無い。ここで俺が助け舟を出せばどうなる?
「ロロ、ヴィレッタ先生からの電話だ。繋げるぞ?」
『えっ?』
『ロロ、お前今どこにいるんだ?電話に出るまでずいぶん時間が掛かったな?』
「嫌だな先生。いくら俺たちが兄弟だからって、トイレくらい別にさせてくださいよ。それに俺たちは鏡を見るとついつい筋肉のキレを確認しちゃうから遅いんですよ…なぁ、ロロ?」
この時点でロロはもう口裏を合わせるしか無い。
『そ、そうですよヴィレッタティーチャー…』
『さっきも言ったが、中華連邦の総領事館周辺にはいくなよ。』
「当たり前じゃ無いですか先生。ロロにはもう危ない目には遭わせません…」
これでロロという手駒をギアス無しで手に入れた…!あとはコイツを散々使い倒して…
より立派なマッスルガイに鍛えてやる!
脳筋式、絶対停止対処法:不意打ちでヘッドロックをキメる。
体感時間を止められても力を込め続けているルルーシュのヘッドロックからは抜け出せない。(体感時間を止められたからと言って人は別に力が抜けて倒れ込むわけじゃない様子から可能かなと思いました)
Q.脳筋ルルーシュがロロへの対応がソフト(物理的にはハード)な理由
A.脳筋ルルーシュはマッスルガイが嫌いでは無いので単純に気に入った。
●オリジナルナイトメア紹介
・グロースター執行官仕様
武装としてはスラッシュハーケンとナックルガードのみを装備したグロースター。カラーリングはドピンク色だが、拳周辺は返り血で赤いことの方が多い。
(今後、オリジナルナイトメアが出てくるかも知れませんが、なるべく原作段階から逸脱しない設定のものを用意する予定です)