「油断は禁物です。どれだけ不利な状況でもゼロは必ず何かを仕掛けてきます。」
正直、その執念には幾度も「恐ろしい」と感じていたのだ。戦友のダールトンをも肉弾戦で圧倒し、自分とはナイトメアで互角以上に戦え、知略は敬愛するコーネリアを越える…かもしれない。まさに超人である。しかし、ギルフォードと話す男は愚かにも直接戦ったことすらないのにギルフォードを弱気だと侮蔑した。
「それでも帝国の先槍と言われた男か?腰抜けめ。ナナリー総督には私が付いている。貴公の出番などない!」
「しかし!新総督並びにあの機体にもしものことがあれば!」
「もしもが起きてもこの私が対処する!」
結局ギルフォードはそれ以上強く言えず、退いてしまった。
しかし、不要と言われてもギルフォードは準備を怠らず、こっそりと後方から部隊を動かした。全ては自身の信じるコーネリアに恥じぬ行いをする為に。
それでは本編スタートです。
ナナリーは電話越しでも可愛いなぁ
『あの…お兄様なのでしょう?』
…しかし、ここでナナリーか…!スザクめ、ナナリーを政治の道具にするなど…!俺はスザクの後ろに立つロロを見る。ロロは頷きスザクの体感時間を止めたようだ。
「でかしたぞロロ!」
「どういたしましテ、ブラザー」
ロロは早速左胸をドンドンと強く叩き心臓を刺激しているようだ。もはやあいつに弱点はない!義理ながら何と頼もしい弟だ!
俺は改めて電話の相手…ナナリーに声を掛ける。
「ナナリー、約束守れなくてごめん」
『やっぱりお兄様なのですね!それにしてもひどいです!私を置き去りにして…。でもよかった、生きていらしたんですね』
「勿論。すぐに迎えに行くよナナリー。でも今は協力してほしい、他人のふりをしなくちゃいけないんだ。話を合わせるんだ、良いな?」
『はい、分かりました。お兄様がゼロとして迎えに来ていただけるまでお待ちして居ます。ちょうど明日、そちらへ向かいますのでその時にでも』
そうだ。ナナリーに伝えなくちゃいけない事があった。
「ナナリー、面白い話があるんだ。俺たちに弟が出来たんだ。」
『弟?』
「あぁ、色々終わったら紹介するよ。名前はロロって言うんだけど」
『まぁ!それは楽しみですわ、私も弟が欲しかったんです!』
よし、ナナリーも喜んでくれてるようで何よりだ。
「なんだ?俺だけじゃぁ不満だったのか?」
『そうですね、約束を破るお兄様だけじゃ不満です。なーんて、ふふっ』
「それじゃぁ、ナナリー。愛している。」
『私もです。お兄さま』
ロロに目配せすると…
「ブラザー、愛してマス」
「…お、おう、そうか。早くギアスを解いてくれ」
…ロロにギアスを解除してもらう。そのあとはナナリーには人違いという演技をし、電話を返す。これでスザクは俺の記憶が戻って居ないと考えるはず。あとは明日、ナナリーを取り戻すだけだ…!
スザクと別れた後、C.C.の報告を受けた。これでニイガタでの物資受け取りは済んだ。総領事館に戻る手立てはないが、総督であるナナリーを取り戻せばブリタニアは混乱する。そうなればなんとでもなるだろう。
『ナナリーか、そうだな…私も久しぶりにあいつの頭を撫でてやりたいと思わんでもない』
「馬鹿を言うな。ナナリーの頭を最初に撫でるのはこの俺だ。」
『このシスコン肉ダルマめ…』
その為にも…政治の道具にさせない為にも俺は…!
ナナリーは太平洋上で取り返す算段だ。航空機を使い、ナイトメアを輸送し、目的地へと向かう。道中、星刻からの連絡が来た。予定よりも少し早い気がするが…
『ゼロ、私だ。先程ナイトオブラウンズの枢木スザクが総領事館を訪れたよ。』
「分かった。報告感謝する」
意外と早かったな…だが、今更退く訳にも行かない。
「作戦目標はエリア11の新総督。その人物を人質にする事にある!それでは黒の騎士団、作戦開始!」
敵の航空部隊も現れたが、こちらはサーフェイスフレアを展開し、敵艦に飛び移る。更にサーフェイスフレアの中に仕込んでおいた爆薬を爆破させ、こちらを囲んでいた敵航空部隊を殲滅。
「旗艦以外は撃墜しろ!フロートシステムを狙え!シールドを貼られても問題ない、いずれエナジーが尽きる…!」
『分かってますよゼロ』
朝比奈や卜部による護衛艦への攻撃により、護衛艦は簡単にこちらに攻撃ができない。月下で壁をブチ抜き、中に侵入する。道中、格納庫のような場所を通った。その中に一つ、見慣れない形のナイトメアを見つける。白いボディに無理やりつけたような追加装備は緑ベースのパーツが付いている。そしてその形状はまるでカマキリだ。しかし…どこかで見たような…
「思い出した。ユーロブリタニアの時に見たアレクサンダとか言うE.U.の可変ナイトメアフレーム…それがなぜここに?」
ニクアツ=マッスルガイとしてユーロブリタニアにいた時の資料で見た。アレクサンダという機動性に優れた可変ナイトメア。しかし今はこんなものに構っている場合ではない、障害の扉は全て同様にブチ抜きナナリーの元へと突き進む。待っていてくれナナリー!今度こそ助け出す!
『敵の背後備えか、ゼロの予測通りではあったが!』
藤堂中佐が言うように後方を確認すると敵の援軍が視認できた。フロートシステムを積んだランスロットの量産型…ロロとかいう青年曰くヴィンセントと言うらしい…とフロートユニットを装備したグロースターだろう。ヴィンセントのカラーリングは金ではないが、特徴的なフォルムでわかる。
「ゼロ、敵の後ろ備えだ。我々で時間を稼ぐ。君は引き続き総督の捜索を」
『分かっている。敵の数は?』
「四機だ。全員空を飛んでいる。」
そう言っている間にも味方の一部はやられてしまっている。やはり空を飛ぶというアドバンテージは否めない。こちらの攻撃が届かないのだから。
『1機か2機ならば私の考えたスラッシュハーケンを用いた連携でなんとか落とせると思うが…』
「あぁ、紅月と藤堂中佐、朝比奈と千葉の2チームで2機は墜とした。しかしもう2機は警戒して近付いてこない。どうすれば良い?」
『くっ…安直だが、面的な密集砲火で被弾を期待するしかないだろう。』
「分かった。やらないよりマシなそれに賭けよう。君は総督の捜索に戻ってくれ。あとは我々がなんとかする。」
総督の確保はゼロがやってくれるはず。ならば我々でなんとか敵の援軍を蹴散らして制圧をするべきだろう。
「一斉射撃で撃ち落とすぞ!」
『わかりました卜部さ…うわぁ!』
突如味方の無頼が飛んで来た何かに潰され破壊された。スラッシュハーケンか…?
『おかしな戦闘機だね…卜部さん、援護を』
戦闘機…がスラッシュハーケンを?いや…なにか不味い!
「…いけない、距離を取れ朝比奈!」
『えっ?』
おかしな戦闘機に銃撃していた朝比奈だったが、突如進行方向を変えた戦闘機がナイトメアへと変形し、朝比奈の月下へと攻撃を仕掛けた。
「させるか!」
俺の攻撃で何とか攻撃を凌ぎ、銃撃で一時的に追い払う。
『すみません卜部さん!助かりました。』
「気にするな、朝比奈。」
トウキョウからの援軍…できれば背後備えを蹴散らしたから相手したかったが仕方がない…味方の残りはゼロを除けば6機、凌ぎ切れるだろうか…さらに右翼の護衛艦が制御不能になったからなのかこちらへと突っ込んできている。あんなものが直撃したら艦内探索どころではない。
「紅月!退避しろ!」
『でも!』
すると昔見たガウェインのハドロン砲のような極太の光が護衛艦を一撃で木っ端微塵に消しとばした。
「なんだあの威力は!?」
『あんなのくらったらひとたまりもない!』
続けて旗艦も謎の揺れが発生していた。
「藤堂さん!何が…!」
『敵が愚かにも自らのエンジンを攻撃したのだ…!このままでは…』
墜落…ブリタニアと仲良く海水浴だと!?そんな馬鹿な…!
「ゼロ!卜部です、総督の確保は…!」
『まだできていない、そちらは平気か?』
「いえ、敵の新型に攻撃されこのままでは…」
空を自由に飛び回るナイトメア相手に紅蓮と月下ではどうしようもない。外にいれば良い的だ。とは言え中に入っても回避行動が限られる。追い詰められるのがオチだ。更に、この墜ち行く艦に二機の航空機が近づいてきた。一期は素通りし、もう一機はこの艦の中に…まさかまだ敵のナイトメアが!?
『仙波がやられた!これ以上は…!』
仙波大尉が…!?現状紅月達とは合流できず、藤堂中佐は孤立してしまっている。このままでは…
突然、甲板を突き破って何かが現れた。
『ナイトオブトゥエルブ、モニカ クルシェフスキー参上モニ!」モニ-ン!
「更にナイトオブラウンズだと!?」
カマキリのようなフォルムのナイトメア…コイツが甲板を突き破ったのか…!?先ほどの可変ナイトメアと言い、ラウンズの機体とはこうも奇怪な形状のものばかりなのか!?
『卜部さん、左右から同時に仕掛けましょう!』
「分かった。タイミングはそちらに合わせる。行くぞ!」
『そんな世代遅れのナイトメアなんかに負けないモニ!』モニィ
こちらの左右からの同時攻撃を跳ぶように回避し、そのまま鎌の様な腕で斬撃を放ってきた。すかさず廻転刃刀で防ぐが、衝撃は防ぎきれずに吹き飛ばされる。
『中々やるモニ。でも、これで終わりモニ!』モニモニ
カマキリナイトメアは変形し、人型になった。更に背中から銃身のようなものがこちらに向いている。まずい…!
「朝比奈!避けろ!!」
『分かってます!』
『ハドロンブラスター、発射モニィ!』モニニーン!
放たれるビームを躱しきれなかったのか、朝比奈の月下は爆散してしまう。幸い脱出は間に合ったようだが。
ふと足元を見ると爆発の衝撃で飛んできたのか、朝比奈の廻転刃刀が転がっていた。それを拾い上げ、2本の刀を交差して対峙する。
『今のを避けるとは中々やるモニ。二刀流対決なら負けないモニ!』モニ!
銃撃を仕掛けるが再びカマキリになり、甲板を蹴り跳ねるように避け、こちらに近付いてくる。そしてこちらを跳び越えざまに放たれる斬撃をギリギリで回避するが、続けて先程のビームと同じものを連射される。
「くっ!?機体性能が違いすぎる…!」
『調整が終わったから実際に乗って最終調整しようと思ってたところに、たまたま黒の騎士団がくるなんてラッキーモニ!ここで黒の騎士団を壊滅させれば皇帝陛下もお喜びになるモニ!』モニ~
人型になってからの二刀流による斬撃を何とか防がんと、こちらも2本の廻転刃刀で受けるが、直後のキックで吹き飛ばされた。
「蹴りだと…!?」
『さよならモニ』モニ
スラッシュハーケンを使いなんとか直撃を回避するが、体制が崩れたところに放たれた斬撃は防げず、脱出…これがラウンズか…!機体性能もパイロットとしての腕も負けている…!こんなはずでは!
『済まないゼロ…!』
くっ…!卜部までやられたか。幸い仙波以外は脱出には成功しているようだが…先程カレンも船から落ちたと聞く。しかし、ようやくナナリーのいるところに辿り着いた。これで戦局は逆転する。卜部達が作ったこの刹那、決して無駄にはしない。墜落が始まり揺れる中、俺はナナリーへと近づいて行く。
「お久しぶりですね、ナナリー総督。お迎えにあがりました。」
「キャーワタシヲツレサルキデスカゼロータスケテコワイデスー」
棒読みのナナリーも可愛い。一応マイクを警戒して俺に連れさられるという設定に合わせてくれているらしい。久しぶりに皇族の服を着ているナナリーもとても可愛らしいな。よし、後はこのまま連れていけば…
『ナナリー!』
突如壁が突き破られ、空気が外へと流れていく。…あれはランスロット!?不味い…!
「ナナリー!俺と!!」
いけない!ランスロットの奴、拳を振り上げて…!
『どけェ!!』
くっ…!ナナリーに近づけない!こんなに近くにいるのに!!
『脱出します、捕まって!』
「でも…」
ナナリーの意思とは関係なく、スザクはナナリーを連れ去った。クソ!どこまでも俺の邪魔をする気かスザク…!
『ゼロ!聞こえますか!ゼロ!』
「カレン!?どうやって戻ってきた!?」
『ラクシャータさんが飛翔滑走翼を!』
沈みゆく艦内を走り、回収しやすそうなところへと走る。
「この土壇場に間に合ったことは素直に喜ぶべきだろう。今回は総督を諦める他ない。カレン、回収を頼む」
『分かりました!ゼロ!』
必ず、必ず迎えに行く…だから待っていてくれ、ナナリー…!
\モニ~!アーニャ、絶対に離さないでモニィ〜!/\必死なモニカ、記録/
とは言え、不味い事になった。こちらのナイトメアは紅蓮可翔式のみ、団員も仙波を始めとする何人かを失った。総領事館には帰れない。ラクシャータの潜水艦のお陰で隠れる事はできてもいつまでもつか…
ルルーシュは脳筋病を患っているのでギアスでさっさとナナリーを見つけると言う最適解が取れていません。
モニモニさんのナイトメア、フローレンスは一応公式存在です。闘い方まであってるかはわかりません()
また、最終調整前なのでフロートは付いていません。