咲世子の中にあるルルーシュの記憶。それは…
『おはよう、ナナリー』『おはようございます、お兄様』からの流れるような頬へのキス
『おやすみ、ナナリー』『おやすみなさい、お兄様』からの流れるような額へのキス
つまり、ルルーシュ=挨拶のようにキスをする男=キス魔
咲世子は未だに自分には挨拶のキスをしてくれたことがないと少しだけ不満を感じつつシャーリーに挨拶のキスをブチ込んだ。無論、唇と唇のである。
それでは混沌とした本編スタートです!(悪ふざけが過ぎて約9000字と長くなりました)
中華連邦の残党は藤堂達だけでも対応可能。そうなると俺は租界のゲフィオンディスターバー関連を進めるべきだろう。本命であるギアス嚮団も当たりを付けるまで時間がかかるだろうからな。一度学園に戻っておくとしよう。
嚮団を壊滅させればこれ以上厄介なギアスユーザーの刺客を相手にしなくて済む。俺のような命令を下せるギアス、ロロのように体感時間を止めるギアス、シャルルのように記憶を弄れるギアス…そしてマオのような心を読むギアス。ギアスが人に作用するものと考えると例えば未来を予知するギアスや、人から敵意を持たれなくなるギアスなど、様々なギアスが思い浮かぶ。どれにしても使われたら厄介だ。
こちらはC.C.がいるとは言え、こいつは皇帝を狙われている。一人だけギアスが効かないような素振りを見せればすぐに正体がわかる。つまりギアスは効くにしても効かないにしても皇帝にとっては都合がいい。
まだ皇帝から手を打たれていない事を考えると既に潜り込まれているという可能性は低いが…念のために機械による監視やドローンの製造を進めるべきだろう。それにギアス嚮団を襲うとなれば対ギアスの部隊を編成する必要がある。人間はギアスを受ける危険性があると考えれば最小限にするべきだろう。それに事情を知らない者に話さないことが多くなるのは都合が悪い。要らぬ不信を招くだろう。
服を脱ぎ綺麗に畳んでからチーズ君を抱えて寝転がるC.C.を尻目に…改めて見てみるとC.C.はまるで筋肉がないな…
「おいC.C.、お前ちゃんと鍛えてるのか?」
「…何が言いたい?」
俺から見てもピザばかり食って居る割には痩せてはいると思う。本人も露出を恥ずかしがらないくらいには自分の体型に自信を持って居るのだろう。だが…
「筋肉がまるでないと言っている」
「…不老不死の身体だからな、成長が止まっている。故に私は鍛えても筋肉がつかない」
なんだその地獄のような肉体は…あり得ない…!
「おい、そんな目で見るな。 筋肉がつかないなんて可哀想 的な目で見るなおい!」
なんて可哀想なC.C.…鍛えても筋肉がつかないなんてあんまりだ…可哀想だから今度戻ってくる時何かお土産買ってこよう…。
「おい聞いてるのか!おい!私を憐れむのはやめろ!」
C.C.には斑鳩に残り嚮団の位置が分かり次第連絡を送るように伝え俺はエリア11へと向かった。
機密情報局の所有物である水族館から蜃気楼を浮上させ、俺はエリア11に帰還した。
「おかえりなサイ!ブラザー!」
「ただいま、ロロ。咲世子、留守中に何か変わったことはあったか?」
「緊急のものは特に…詳細は指示されたファイルに入れてあります。また、出版した写真集の売り上げについても例の口座へ移し替えが完了しています。」
「そうか、ご苦労だったな。」
今後は超合衆国中華関連でまた金が必要になるからな…第四段にロロとのツーショット写真集でも出した方が良いだろうか。
そんなことを考えているうちに咲世子は変装を解き、特殊スーツも縮んでいく。
「しばらくはこっちにいるんデス?ブラザー」
「あぁ、ゲフィオンディスターバーや捕まったカレン、ナナリーの救出とその障壁となるラウンズ対応があるからな」
この間はスザクに勝てたものの、スザクに掛けた「鍛えろ」のギアスを甘く見るのは危険だ。今頃奴は己を鍛えて俺への対抗策を講じているだろう。我ながら厄介なギアスをかけたものだ…
「ボクもヴィンセントで闘いマス。この筋肉が見せ筋じゃないところヲ…」
「あぁ、お前には時が来たら戦ってもらう。それまでは引き続き鍛えろよ。あぁ、あと…真のマッスルガイはな、恋という筋肉も鍛える必要があるんだ。覚えておけよ」
「恋…オーケーブラザー!」
…?なんで今こいつは頬を赤らめた?
学園に戻ると俯くシャーリーと遭遇した。いつも活発なシャーリーが…何かあったのか?もしかして怪我とか…
「大丈夫かいシャーリー?怪我とか…」
「ねぇ、ルル。昨日のことなんだけど…」
昨日…?いけない、昨日シャーリーと何があったかなんて聞いていないぞ…!そう思っていると、シャッター音がなった。そして…誰だこら、乳首をさするな。おいこら。
「おはよう、ルルーシュくん」
ナイトオブシックス…!?
「おはようモニ!」モミモミ…
ナイトオブトゥエルブまで…!?あと挨拶がてらに乳首をさするのはやめような。
「やぁ、お久しぶりですね」
生徒会室からはナイトオブスリーが…!何だこれは…!?まさか俺の動きが読まれていたのか!?
「副会長のランペルージ卿!私たちは…」
「俺たち、だろ?」
「あぁ、そっか。俺たち、この学園に入る事にしたから」
「私は付き添いモニ」モミィ…
学園に潜入…スザクが総督のナナリーを補佐しているから代わりの人員ということか…!未だに乳首を…というかさっきから乳首を擦るスピードが加速していっている…。やめなさい。
ナイトオブトゥエルブは付き添いと言ったが恐らくは内部潜入の二人の要請を受けたらすぐさまナイトメアで突入してくるに違いない…!隙が無い…!何ということだ…!
「普通の学生ってのを経験したいんだって」
「いま話し方を教えてたところ」
クソ、ナナリーの安全を確保しつつ学園に潜入したラウンズの対応をしなくてはならないとは…!
その後、執拗に乳首をさすりつづけるナイトオブトゥエルブを無視しつつナイトオブスリー、シックスに学園生活及び生徒会の説明をし、一旦の解散を果たした俺は地下司令部にて咲世子の報告を受けた。
「ナイトオブラウンズが生徒会に…その問題もクリアしていないというのにこれは何だ…?俺がシャーリーと!?」
「はい、キスをさせていただきました。」
「ナンダッテ!?ボクもまだしてもらって無いノニ!?」
いやロロ、俺とお前のキスシーンなんて一生来ないぞ。きてたまるか。…後で咲世子に絶対にロロとはキスをするなと厳命しておくか…
「あの、いけなかったでしょうか?昔からルルーシュ様は昔はナナリー様に頻繁にキスをされていたので…その行動を考えれば不思議ではないと」
それはナナリーだからだ…!というかよく記憶を書き換えられた俺はロロにキスをしなかったな偉いぞ…!よく頑張ったと褒めてやりたいところだ…!
「咲世子はまぁ、よくはやってくれている…しかしシャーリーにキスとは…」
「あと、ルルーシュ様、明日のスケジュールです。」
人間関係は円滑にと伝えてあったし、何件か予定は埋まって……………ん?
7:00 マリー 手作り弁当
9:00 ジゼル 美術館
10:30 アリス ショッピング
12:00 ドナ 水族館
…etc
なんだこれは…!朝っぱらから女性とデート…?いつもはその時間は筋トレだというのに…!さらに睡眠時間が3時間?そんな睡眠時間では筋肉の回復が追いつかない!というかろくに筋トレする時間がない!!これでは真のマッスルガイとしてのボディが維持できない…!
いや、待てよ?
デート=恋 恋=パワー パワー=筋肉
つまりデートもまた筋肉…!つまり真のマッスルガイたるもの、デートすらも筋トレとして使えば良いという事ではないか!?まさか咲世子、俺の行動を先読みしたスケジュールを…!?
「流石だな咲世子。なかなか練られたスケジュールだ。」
「ブラザー!?」
7:00 マリーの手作り弁当
「はい、ルルーシュくん。どうぞ!」
運良く今日はチートデイだ。ありがたくいただくとしよう。ベンチに腰掛けると見せかけての空気椅子。さらに太腿の上にマリーを乗せる事で負荷をアップ!エネルギー補給と筋トレを兼ねた素晴らしい時間だ。これぞ真のマッスルガイ。
9:00 ジゼルと美術館巡り
「あ、あの…ルルーシュくん、流石にこれは恥ずかしい…」
「大丈夫、みんな絵画とか像を見てるんだし、誰もこっちを気にしてないよ。それに仮にこっちを見ても俺の筋肉に目を奪われるはずさ」
「そ、それもそうだね?」
美術館で走るなど言語道断。真のマッスルガイは心もマッスルガイ。故に俺は美術館では大人しく…
ジゼルを抱き抱え、爪先立ちで歩いていた。
これにより通常よりもより多くの負荷を脹脛にかけることができる。芸術を見ながら俺の芸術的筋肉がより洗練されるとは、これぞ真のマッスルガイ。
10:30 アリスとショッピング
「次はどこ行く?」
「じゃあ、ここの店の鞄が見たいな」
「分かった。じゃあしっかり捕まっててくれよ」
「う、うん!」
アリスを抱き抱え俺は走った。ショッピングモールならば使える空間は広い。さらに高速で移動することでショッピングにおける商品選びの時間を長く取ることができる。筋トレと効率的ショッピングを兼ね備えられるとは…これぞ真のマッスルガイだな。
「はいこれ、ルルーシュ君にプレゼント!」
「えっ、ありがとう。」
プレゼントか…俺も色々買っておくか
「次行きたいところあるんだけど、いいかな?」
「もちろん!」
「じゃあ、捕まっててくれよ!」
12:00 ドナと水族館
「ごめんルルーシュ君、今なんて?」
「今からイルカショーだろ?俺も一緒に出ようかと思って」
「???????」
俺はいうが早いか筋肉の膨張で服を破りさり、あらかじめ着用しておいた海パンフォームに着替えを完了した。
「あっ…筋肉凄…」
「じゃあ行ってくるから」
そのままプールにダイブ。イルカたちと泳ぎの速さやジャンプの高さを競い合った。
まぁ、イルカと勝負して俺が負けるはずがないがな。
「本日のイルカショー、優勝は飛び入り参加のルルーシュ君でーす!…なんで!?」
デートついでに泳ぐ事で全身の筋肉を鍛えられる。さらにショーを盛り上げる事で周りの人間をも喜ばせることができた。これぞ真のマッスルガイ。真のマッスルガイは周りの人間を幸せにしてこそだ。
「すごかったねルルーシュくん!でも何でイルカより早く泳げてるの???」
「それは…筋肉さ!」
「そっかぁ!」
水族館でドナと別れ、そのまま蜃気楼へ乗り込み、中華連邦へ向かう。ゼロの服に着替え、上海にて通商条約の提携をこなす。ふと星刻の体が目に入る。うむ、前よりも良い体になったな。褒めておこう。人間は誉められることでモチベーションが上がる。自分の作ったものに感想を言われると嬉しいものだからな。
「星刻、早速筋トレの成果が出てきたようだな。よい身体付きになってきているぞ」
「そうかな?君の指導とメニューが良いからだろう。」
「違うな、間違っているぞ星刻。君の天子を守り支えるという想いに眠れる筋肉、マッスルガイとしての素質が覚醒したのだ。」
「ふっ…そうかもしれないな」
新たなマッスルガイの育成もこなす。それが真のマッスルガイ。…おや?天子様も前より…おっと、忘れるところだった。
「おいC.C.」
「なんだ?私にプレゼントでも…」
「ほら、タバスコだ。ラー油しかないとボヤいていただろう」
業務用のタバスコを手渡し、さっさと蜃気楼に乗り、今度は帰国。しかし真のマッスルガイは移動時間でも筋トレを欠かさない。限られた空間を有効に活用して筋肉トレだ。更にそれだけじゃない!移動は自動操縦、つまり睡眠を取ることが可能!移動と筋トレと睡眠の両立。この効率的行動こそ真のマッスルガイに相応しいだろう。
次はシャーリーと映画のレイトショーだ。時間を確認するとまだ待ち合わせよりも時間があるな。逆立ちで向かおう。すると、俺の視界に誰かの足が映った。視線を上げると
「逆さマッスルガイ、記録」
カメラを持ったピンク髪の女子生徒…つまりナイトオブシックスのアーニャが現れた。まさか咲世子の奴ラウンズまで…?
「余裕があるなら尋ねたいことがある」
逆立ちしたままでは失礼なので腕のバネを使い空中に跳び上がり、そのまま縦に3回転半して着地する。アーニャは俺にある写真を見せてきた。
「体型が全然違ったから全然ピンとこなかったけど、これもルルーシュ?」
見せられたのは幼い頃…つまり皇子だった頃の俺の写真。薔薇を持って微笑んでいる。しかし今みればなんて貧相な身体だ。似ても似つかないな。しかし、これは恐らく皇帝の罠!なんとか誤魔化すしかない…!いざとなれば記憶抹消パンチを使ってでも…!
「…人違いでは?ほら、俺ってこんなにムキムキですし」
「そっか」
アーニャはあっさりと納得し去っていった。…拍子抜けだな。
「あ、ルルーシュ先輩!今度デスマッチ連れてってくださいよ!命かける奴!」
「デスマッチのこと話したら是非行きたいって」
ナイトオブスリー…お前そんな細い身体でよなそんなことが宣えたな…というかリヴァルもデスマッチのことを言いふらすな普通に犯罪なんだぞ。そしてそれに行きたいだと?こいつサイコパスかなにかか…?いや、ナイトオブラウンズな訳だし、もしかしたら強いのか…?…まさか、自分の筋力量を誤認させるギアスの持ち主!?いや、そんなことよりもシャーリーとの約束が…!
「きゃー!ルルーシュくーん!」「腕にスタントファーでも付けてんのかい」「私もう待てない!」「わたしもー!」「アタシもヨン」「肩にナイトメアでも乗っけてんのかい?」「ブラザー!」「まってー!」「ルルーシュくん今日もキレてるよー!」
「くそ!勘弁してください!」
俺は駆け出す。俺の全力疾走に追いつけるやつなど…
「ブラザー!!」
「ロロ!?」
居た。
我がソウルブラザーのロロだ…!前方には次の約束の相手シャーリー、後方にはロロ…いや、お前は我慢しろよ…クソ!こうなったら…
「シャーリーすまない!」
「ちょっ!?」
すれ違いざまにシャーリーを抱き抱え、スピードを落とさずそのまま駆け抜ける。デート(?)をこなしつつ逃走して更に脚力も鍛えられる。さらにロロの脚力も鍛えられるのでなんと効率的な行動だろう。まさに真のマッスルガイに相応しい行動だ。そういえば昔ナナリーもこうやって抱き抱えて走ったっけ…
「ブラザー!ボクにもキッスをくだサイ!!」
「ふざけるなロロ!俺のキスは愛している女性限定だ!」
「性別なんて関係ありまセン!!」
「お前になくても俺にはあるんだよ!」
「えっ、ルルじゃあ私のこと…!?」
しまった…!完全にナナリーを想定して喋ったつもりが…!
「くそ!済まないシャーリー、君とのレイトショーはお預けになりそうだ…!お詫びにプレゼントを…君の髪の色に合いそうなドレスをと選んだんだけど受け取って欲しい。…あとしっかり捕まっててくれ!ロロを振り切る!」
駆け抜けながら買っておいた洋服を手渡す。シャーリーがより強く俺にしがみついたことを確認すると更に加速させるために体を傾ける。
「あ、うん、ありがと…レイトショーじゃなくても私は別に…」
「ブラザー!!!」
馬鹿な…振り切れない!?
「しつこい奴!!」
いけない!このままでは追いつかれ…
「ルーーーーック!!」
走りながらチラリと声がした方を見ると会長の姿が見えた。
「決めました!私の卒業イベント!!名付けて、キューピットの日!当日は女子にこのピンクの帽子、男子は青の帽子を被ってもらいます!そして相手の帽子を奪って被ると…生徒会長命令でその二人は恋人同士になりまーす!」
なんだその倫理観に問題ある会長命令は…!するとロロが急に足を止めてミレイへと向かっていく。
「ミレイ会長!同性ハ!?同性はどうなりますカ!!」
おいやめろ、必死すぎて怖いぞ
「ど、同性はダメかな…」
よし、ならばロロの魔の手からは逃げられるな…!
「じゃあボクにピンクの帽子ヲ!!」
「う、うん、わ、分かった…」
会長が押し負けた!?何ということだ。こちらを振り返り白く輝く歯が見えた。ロロの目が…肉食獣のそれに…!いけない!何とかしなければ…!
「大丈夫?ルル…汗すごいよ…?」
「あぁ…ごめんシャーリー。」
ロロに追われながらでは真のマッスルガイになどなれない…!こうなればキューピットの日、これをうまく活用し万事を解決してやる…!そして俺にとって最大の障害はロロ。こいつさえ仕留めればあとは俺の筋肉量で何とでもなる。
「聞こえるか?咲世子」
『はい、ルルーシュ様。でも本当に宜しいのですか?ロロ様を遠距離から狙撃するなんて』
「問題ない、使用するのは熊などに使用する麻酔弾の麻酔を濃縮したもの、これならばいくらロロでも確実に眠らせられる」
『あ、え…あ…はい。かしこまりました。』
ロロが眠ればあとは時間切れまで走って逃げればいいだけだ。
『間も無くキューピットの日を開始します!ターゲットから最低3mは離れてくださいね!』
俺の初期位置はグラウンド。ここならばロロを確実に射殺…じゃなかった眠らせられるだろう。頼んだぞ咲世子。
『…帽子を取る方法は問いません。チームを組んでも動画を使っても、筋肉でゴリ押しても…では、スタートの前に私から一言…』
…嫌な予感がする。なんだか、とても…!
『3年D組ルルーシュ ランペルージの帽子を私のところに持ってきた部は部費を10倍にします!』
なんだと…つまり俺は殆どの学生…男子をも相手に逃げることに!?くそ!最後まで悪ふざけを…
『それでは!スタート!』
パンパンという花火の音に混じっての発砲音が…ダダダダダダダ‼︎という音が聞こえる
「ノー!咲世子め、ガトリングだなんテ!!」
ものの数秒で数十発の弾丸がロロに突き刺さり、倒れた。安らかに眠ってくれロロ。
「騎馬隊突撃ー!」
馬術部の連中…!馬で俺に突っ込んでくるとは!だが、馬とは動物…そして俺は今まで馬術の授業やらなんやで幾度か馬たちとは接してきた。
俺は馬達を睨む。すると馬たちはすぐさま俺との力量差、そして俺に逆らえば命がないと悟り馬術部員たちを振り落として逃げていく。
「よし!」
チラリと周りを見るとナイトオブスリーは数人の女子と追いかけっこをしていた。どうやら本当にただ遊びにきただけのようだ…それはそれでどうなんだ?暇なのかラウンズ…。
『アッシュフォード学園全部活メンバーに通達!』
会長…指示を出しているのか…!厄介だな。包囲網を敷くつもりか…
「ルルーシュ部長!是非我らウェイトリフティング部の予算確保のためにご協力を!!」
俺の前に現れたのはウェイトリフティング部の部員達。だが、現在のウェイトリフティング部の予算は…
ゼロ
ゼロに何掛けてもゼロだ。こいつらは筋肉を鍛えるのに精一杯で大切な頭をどこかに置いてきてしまったらしい。いや、これも俺が真のマッスルガイに導いてやらなかったのが悪い。こいつらの目はここで醒まさせてやろう。ウェイトリフティング部員達の全員の腹に拳を叩き込む。
「部長…なぜ…」
「許せ」
あまり一つの場所に留まるのはまずい、すぐに移動しなければ…
『アーチェリー部はルルーシュに向けて一斉射!当たってもルルーシュなら死なないわ!しっかり狙って!』
放たれた矢を全て叩き落とす…と落下した矢から爆発が起こる。
「くそ!制服が!」
なんだ今の爆発は…!俺じゃなかったら死んでたぞ…!くそ、制服がまたボロボロに…!さらに放たれた矢を今度は掴み、矢の先端を見る。これは…科学部が作ったニトログリセリン!?バカか!?いや、ウェイトリフティング部より頭は良いが科学部は何考えてるんだ。殺す気か!?くそ、こうなったら…!俺は大きく踏み込み、思い切り地面を揺らす。ニトログリセリンの塗られた矢を持つアーチェリー部&科学部連合は焦るだろう、その隙に一気に距離を詰め、矢を回収。全てを上に放り投げた上で起爆。最後に両部の全員の意識を刈り取る。どう考えてもニトログリセリンはやり過ぎだが、俺の筋肉を考えれば妥当か…。
『幻惑部隊、前へ!』
「ルルーシュ君も、男の子。」「絶対隙が出来るはず」
幻惑部隊と名付けられた女子生徒達は左からナース、水着、巫女(?)服、ボンテージ、メイド服…。いや、そこそこ寒いこの時期にその格好は色々と不味いぞ。すぐさま周りの男子生徒から上着を剥ぎ取り、ついでに意識を刈り取る。
幻惑部隊全員の意識を軽めに刈り取り全員に上着を被せる。
すると、俺に影がさす。
「上か!?」
見上げるとそこには…
空飛ぶカマキリ。
…まぁ、カマキリには翅があるし、空くらい飛ぶよな…。
…カマキリ?あのフォルム…どこかで…いや、あれは!
『ルルーシュくんと恋人になって筋肉を揉むモニ!』モミィ…
部外者が何故!?それに恋人関係なく勝手に揉んでくる癖に…!いけない、俺の筋肉がいかに強靭とてナイトメアに勝つことは出来ぬゥ!!か、勝てるわけが無い…屋内へ逃げれば追ってはこれないはず…!図書室!図書室から地下に逃げよう!窓は割れば良い!
そうして俺は跳躍して2階の図書室の窓を突き破り図書室に侵入する。するとそこにはシャーリーが居た…なんでここに…!?
『逃げても無駄モニ!』モミモミ
ブレードで壁を切り裂き、指をワキワキさせながらカマキリが突っ込んでくる。そんなのありか!?
「シャーリー!ここは危険だ!早く離れよう!」
「えっ!?えっ!?」
一般常識に欠けるなんてレベルではない…!そうだ、ヴィレッタに連絡を…!シャーリーを抱えつつ、廊下を走りながら携帯を取り出す。
「ヴィレッタ先生ですか!?」
『どうしたルルーシュ。なんだ…その、やけに…後ろがうるさいが…』
「それなんですがね!校内にナイトメアが!早くなんとかしてください!」
『わ、分かった。もうしばらく耐えてくれ』
すると今度は天井を切り裂き、腕が伸びてくる。進路を塞がれた…!
『ルルーシュくんの帽子は私のものモニ!』モミモミモミモミ…
「う、うわああああ!!」
「帽子…そっか!」
シャーリーは急に自分の帽子と俺の帽子を入れ替えた。
『なっ…そんな手があったモニ…!?』モニーン…
その後、モニカは暴動発生と勘違いして駆けつけたスザクから鬼の形相で怒られ、本国へと強制送還された。\怒られてるモニカ、記録ニャ/ニャ~
「ルルーシュ、シャーリー、怪我とかなかったルギ?」ルギ?
「あぁ、シャーリーの機転を効かせてくれなかったらあのナイトメアに掴まれてたよ」
…うん?ルギ?
「私は…必死で。それにルルが守ってくれてたし」
「そっか、怪我がないならよかったよ。じゃあ僕は会長と損害と賠償について話し合ってくるから…あぁ、ギルフォードさんに怒られる…」
なんだ、気のせいか。まぁ、学園内でナイトメアに追いかけられたんだ。錯乱だってするよな。
しかしスザク、こんな変人揃いのラウンズといつもつるんでいるのか…あいつも苦労してるんだな…
…フッ、良い気味だ。
確か18:00シャーリーだった気がして、でも21:00レイトショーとか待ち合わせがどうこうと言っていたのでその辺の詳細は筋肉が歪めたという事で。
原作ギャグ回+脳筋化=混沌
昨日のアンケートですが、かなりの人が私の正気を疑ってくれていて嬉しい限りです。ですが残念ながら正気です。HAHAHA………