もしここでジェレミアと会えていたなら彼女の求めるものは手に入っていた。しかしながら残念なことにすれ違いになってしまったのである。代わりに出会ったのはバトレー達
「お前は…」
「バトレーでございます。」
「ここで何をしている?」
「お助け下さい!」
事情を聞いたコーネリアは彼らと行動を共にするが、ある少年と出会ってしまう。ギアスを使う前にと動いたコーネリアはその少年に転蓮華をブチ込む。
「コーネリア殿下!?」
「どんなギアスを使うかも分からないからな。」
その場を去ろうと歩き出したコーネリア達に背後から声がかかる。
「そ、そうだね…流石はコーネリアだ…いたた…僕もお、叔父として誇らしいよ…」
不死身の存在V.V.は怪しく笑う
が、その後すぐに苦痛に顔を歪めた。
「ごめん、ちょっとこの首だけ直してくれない?」
それでは本編スタートです!
「モニター越しで済まない。」
『いや、我々は現在各地に分散している。それは問題ないだろう。』
『ところでゼロ、急ぎの案件とはなんだ?』
俺は画面の映る範囲を拡大し、ロロとジェレミアを映す。
「そろそろ君達には私がエリア11での活動において協力して貰っている彼らを紹介しておこうと思ってな。」
『なっ、その男は確かオレンジ事件の…成程、あの時から既にブリタニア軍に協力者を送っていたとは…流石はゼロ』
『今になって紹介すると言うことは大きく動くのだな?』
俺は頷く。ジェレミアの齎した情報により、嚮団の位置は特定できた。後は人員を送り込み殲滅するだけだ。
「私はこれよりブリタニアの極秘研究施設を強襲する。」
『極秘研究施設を?』
「あぁ、そこでは死なない兵士や人間の脳を改造して人間に秘められた超能力を発見しようと日夜人体実験を繰り返している。更には幼子を洗脳し暗殺者に仕立て上げているのだ。」
ロロは俺の元に送られるまでは暗殺者として使われていた。故にこれは嘘ではない。実際、俺の知らぬところでギアスユーザー同士の戦いがないとも言えないからな。
『幼子を!?許せん!ブリタニアめ…!』
星刻は顔を歪ませ、怒りを露わにしていた。
『人体実験とはな…分かったゼロ、我々はどうすれば良い?』
「敵に悟られぬよう通常通り作戦を続けてくれ。作戦は私自らが指揮し、少数精鋭で実行する。」
俺、ロロ、ジェレミア、C.C.、後はラクシャータが俺の試作品から気合いで完成させた自律型の暁達、ギアスの情報を秘匿する目的からからは仕方がなかった。
『分かった。作戦が終わったらまた呼んでくれ。近頃ブリタニアの脅しに屈する勢力も増えてきている』
「分かっている」
こうして俺たちは中華連邦のとある場所、ギアス嚮団にやってきていた。
「よし、全軍位置に付いたか。それでは作戦を開始する。」
ジェレミアの通信ネットワークを利用し、まずはV.V.を足止めする。態々エリア11の俺の自室に似せたハリボテのセットを運び込み、通信の発信元もエリア11になるように偽装をしておいた。
通信が繋がり、画面には幼い金髪の男…心なしか昔の俺に似ているような…が映し出された。
「お前がV.V.か。どんな憎たらしい顔をしているかと思えば存外整った容姿をしているのだな。」
『…その様子だとやっぱり記憶は戻ってたんだね。』
「あぁそうだ。俺が…」
そこで俺は立ち上がり、ダブルバイセップスを決める。
「ゼロだ!」
『へーぇ…やっぱりシャルルの息子だね、改めて見ると凄い筋肉だ。叔父として誇りに思うよ。』
何…?コイツが俺の叔父だと…?まさかコイツ…シャルルの…!?
『そうか、ジェレミアを使ってこっちの位置を特定したんだね?でも君が来る頃には僕達はここを引き上げてるよ。まぁ良いや、近くにC.C.はいるんでしょ?だったらC.C.を頂戴。あれさえ貰えれば僕らも君からは手をひくからさ。エリア11に人手を送るからC.Cを…』
ということはこいつらの目的のためにはC.C.が必要ということ、C.C.さえ押さえていれば必ず奴らの動きを阻止できるということか
「多忙な我が叔父上にそこまでしてもらうのは忍びない、せっかくですからこちらから向かおうじゃ無いか」
それと同時に入口を爆破、流石に衝撃はV.V.のところまで届いたようだ。
『へーぇ…そういうことか。これは一本取られちゃったな』
「俺の目的はお前を足止めする事。お前が逃げる前に攻撃を仕掛ける時間が欲しかった。」
『やっぱりシャルルの息子達は侮れないな。本当に…気に食わないよ』
俺はすぐさまハリボテの壁をブチ抜き蜃気楼に搭乗する。既に向かわせたC.C達により施設を全方向からしらみつぶしに制圧させていく。
『こちらオレンジ隊!多数のギアスユーザーとの接触あり、敵勢力は計画通りまだ脱出は出来ていないようです。』
「引き続き施設を破壊しつつ制圧を続行せよ!」
『イエスユアマッスル!』
通信記録の情報からおそらく中央の施設だとは思うが、ギアスユーザーの奇襲を警戒して包囲しつ殲滅を実行している。しかし情報通りとは言え反撃はほとんど無いようだ。主戦力をドローンにしたのは正解だったな。これではブリタニアとやっていることは変わらない、虐殺だ。
だが、どんなギアスを持つかわからない以上、余計な争いの火種になる前に始末してやる。それがせめてもの情けだ。
しかし、眼前の施設が急に自壊したかと思うと、中から見覚えのあるスラッシュハーケンが飛んでくる。
「これはまさか…ジークフリート!」
特徴的なオレンジ色に丸いフォルム。機体に取り付けられた緑のトゲトゲが印象的なナイトギガフォートレス、ジークフリート。かつてジェレミアが使用したあの忌々しい機体だ。
スラッシュハーケンは絶対守護領域によって防ぐものの、勢いは殺せない、天井を突き破り屋外へと押し出されてしまった。しかしここで問題なのは乗っている奴だ。
「ジェレミア、あの機体は…」
『はい、神経電位接続ですから私以外では…』
どうやらV.V.自らが出て来てくれたらしい、
「これはこれは叔父上、自ら出て来てくださるとはありがたい。探す手間が省けました。」
『可愛い甥っ子の顔を見に来ただけさ。手荒い歓迎に僕も手が震えてるよ。やんちゃな甥っ子は叔父の僕が教育してあげなくっちゃぁね』
そう言いながらの回転攻撃、なんとか躱すが触れるだけで並のナイトメアを吹き飛ばす威力は健在だ。
『僕は結構君のことを気に入ってたんだけどね、シャルルに似てるからさ』
「俺はあいつのような自分のために鍛えたようなマッスルガイではない!!」
『いや、筋肉じゃなくて内面の話してるんだけどな』
放たれるスラッシュハーケンで着々と自律型暁が穿たれて行く。
やはりここは一気に決着をつけるしかないようだ。あの図体ならば拡散させるまでもない、相転移砲で蹴散らしてやる!
しかし、放たれた相転移砲は直撃も虚しく装甲に弾かれる。
『あはっ!効かないよ、そんなもの…このジークフリートには!』
相転移砲が効かない…!ならば次の手だ!
ジークフリートは高速回転しながらこちらに突っ込んでくる。絶対守護領域で防ぐことはできるが、行き掛けの駄賃かの如く暁達が蹴散らされていく。これ以上無駄に戦力を削るのは無意味だ。
「全軍距離を取れ!コイツは私が相手する。」
『でもブラザー!』
「C.C.は逃走ルートを潰しに行け、奴らの狙いはお前だ。自律暁は距離をとって一斉射撃!ロロとジェレミアは敵の弱点を探れ!」
俺は距離を詰めんと絶対守護領域を展開する。このまま守護領域を蹴って距離を詰め拳を叩き込んでやる!
『マリアンヌの子供が何を企んでるのか知らないけどさ』
回転攻撃ではなくスラッシュハーケンか、ならば絶対守護領域で受け流し、そのまま距離を詰める!そして最高硬度の絶対守護領域を拳に展開。それで相手をブン殴る。これこそが我が蜃気楼最強の攻撃、これが効かなければ他の手段を考えるしかないが…。
「どっせい!!」
『なっ!?このジークフリートの電子装甲が!!』
よし、やはり効いたか!
『こうなったら!』
突如ジークフリートが変形し、電極のようなものが現れた。すると俺の全身に電流のようなものが駆け巡る。こ、これは…まずい…!
『ブラザー!』
ロロがヴィンセントで必死に距離を詰めようとしていたが、スラッシュハーケンでうまく近づけないようだ。い、いけない…!このままでは…!
すると突如下方から大量の弾丸が飛来し、ジークフリートに直撃する。
『ジークフリートの弱点を知っているかのような攻撃…!一体誰だ…!』
砲撃を受け体制を崩したからか、電気による拘束から解放された。
更に俺は落下するかのように見せかけ真下から相転移砲を叩き込む。破損した場所ならば弾くことも出来まい!
『しまったッ!?』
まだまだ終わらない!俺は空中に絶対守護領域を展開、それを足場にして跳躍を繰り返し、ジークフリートへの距離を詰めていく。何かしようとしたジークフリートは更なる大量砲撃により阻まれていた。
『「これで滅せよ!ギアスの…源ッ!!』」
更なる大量砲撃と真下からのアッパーにより、ジークフリートは完全に墜落軌道をとっていた。しかしその動きに諦めは見えない…!
『ルルーシュ!このムキムキな皇子め!!』
最後の悪あがきか、ジークフリートは俺に向かって回転攻撃を仕掛けてきたが、絶対守護領域を脚部に展開し、ジークフリートを地面へと蹴っ飛ばす。
僕はヴィクトル ジ ブリタニア。弟のシャルルと共に神聖ブリタニア帝国に産まれた皇子だ。僕は産まれてから暫くしてこの世界を、この世界の神を呪った。
それはある日の出来事だった。母さんの乗った馬車が事故に見せ掛けられて襲われ、そのまま母の命を奪った。ブリタニア皇族は常に次の皇帝争いを強いられた。だからその陰謀で母は殺された。僕らは絶望した。そして憎んだ。この世界の神を、こんな風に人と人を殺させる神ならば必要ない。だから僕とシャルルは自分達を守る為にある契約をした。そして力を手に入れた。
『神を殴り殺す。』『それが僕らの契約』
シャルルは争いを起こす神を殴り殺す為にギアスと筋肉を手に入れた。そして僕は神を殺すための時間を手に入れた。コードを持つ不死身の存在として研究を続け、やがて作り上げた。それが『アーカーシャの拳』神を殴り殺すためのシステム。
このままじゃシャルルとの約束が果たせない。僕はお兄さんなんだ、シャルルにこんな格好悪い姿を見せられない。今までの衝撃で身体中が痛いけれど、僕はお兄さん…長男だからね、長男だから我慢できる。
「まだだ…!まだ動く!こんなんじゃ終われない!お前だってそうだろう?ジークフリートォ!!」
スラッシュハーケンも回転攻撃もルルーシュには効かない、ならば…
合体技だッ!!
スラッシュハーケンを発射しつつ回転攻撃、これならば!!
『何ッ!?』
よし!ルルーシュのシールドを砕いた!!これで…
『ブラザー!!』
なっ!?ロロ…!?
ロロのヴィンセントがルルーシュのナイトメアを蹴り飛ばして追撃を躱させた!?あの裏切り者め…僕の邪魔ばかりして…!
『ブラザーはボクが守ル!!』
しまった!動きが止まった隙にスラッシュハーケンに組み付かれた!くそ、振り落とせない…なんだ?ロロのナイトメア、あれは肘打ち…!?
『どっせイ!!』
スラッシュハーケンが壊された!?生意気な…!
!?そう言えばさっきからルルーシュが見えない…どこに…
『誰をお探しかな?叔父上』
なっ!?既に組み付いて……
『行くぞロロ!』『オーケーブラザー!』
コイツら何を…!
『『合体技(だ)(ダ)ッ!!!』』
激しい衝撃がジークフリートを襲う。爆発と共に僕は落下した。負けたのだ。あの二人の肘打ちによって…
「ダメだ…!このジークフリートはもう!!」
まだだ。まだ、負けてない…僕は死なない不死身の体、地を這ってでも、門まで辿り着けば逃げられる。シャルルのもとまで行ければ僕らの勝ちなんだ。
「兄さん」
門の前にシャルルがいた。これで僕らの勝ちだ。僕は不死身だからどんなに怪我をしようと問題はないし、後はシャルルにかかえて貰って黄昏の門をくぐるだけだ。
「やっぱり最後に頼りになるのは兄弟だよね。助けに来てくれたんだろ?」
「…ジェレミアをルルーシュに刺客として送ったというのは、本当ですか?」
「そんな事どうでも良いじゃない…聞いてくれよシャルル、ルルーシュは記憶が戻っていたんだ。あいつはずっと嘘をついていたんだよ…ナナリーにもね」
シャルルは僕にゆっくりと近づいて来た。…なぜ、シャルルは怒ってる…?僕はシャルルのためにやったのに…
「マリアンヌを殺したのは、兄さんですね?」
「…それは僕じゃないって言ったじゃないか。それにマリアンヌは僕らの同志だろ?殺す理由がないよ」
シャルル…君はどうしてそんな顔で拳を振り上げてるのさ…まさか…僕を…?嘘だろう…?僕らは兄弟じゃないか、何でそんな…嫌だ…!
「兄さんは、また…嘘を……………吐いたッ!!」
尺が足りず無理矢理V.V.パートを挿入…
ここで書くべきことじゃないですけど、この前ロスストでノネットさんとモニカが当たりました。モニカがモニモニ言ってないし、凄い落ち着いた声で喋ってたので脳がバグりそうです。