「報告ご苦労カノン。やはり彼はゼロとただならぬ関係だったようだね。」
「はい、あの筋肉量、そして彼はオレンジ事件とキュウシュウの二度命を救われて居ます。」
「神根様でも行動を共にして居たと聞くしね。しかし…皇族に恨みを持ち、彼と関わりのある頭の切れる男…か、ナナリーが生きて居ると聞いてまさかとは思うが…ゼロの正体が私の思う彼なら、是非とも会って話がしたいところだ。私は彼の血を分けた実の兄なのだから。」
それでは愉快な本編スタートです!
あの日、初めてこの階段を登った時はまだ鍛える前で、ナナリーを背負い必死に登ったのを覚えて居る。それが今やダッシュでかけ上がれるのだから努力とは恐ろしいものだ。
「一人で来たのか?」
「勿論。約束だからな。」
本当は嘘だ。作戦に組み込めないある人物を一人近くに配置している。俺の合図があれば駆けつけてもらう予定になって居る。
「よく来られたね」
「俺の肉体を持ってすればあらゆる場所が歩行可能だからな、簡単だったよ。」
「違うよルルーシュ」
うん?どういうことだ…?
「よく僕の前に顔が出せるな…そういう意味だ。」
スザクは俺を強く睨んだ。
「約束だから?今更君のことなんて信用できるはずないだろ。僕を…みんなを騙して…!ユフィのギアスを解除するだなんて嘘までついて!!」
「だったらなぜお前もここに一人で来たんだ…?」
「これ以上嘘を吐きたくないからね。ナナリーに嘘を吐いた…君と同じように…最低だ!何がマッスルガイだ!ずっと僕を裏切って居たくせに!」
スザク……………
言わせておけばコイツ、好き勝手なことを言いやがって…!!!もう許さん、ユフィのギアスを解除してやろうと思っていたがそっちがその気ならこっちだって考えがあるぞ
「…スザク!」
俺は四股を踏む。
「なんの真似だいルルーシュ?」
そして俺は見合った。言葉で言って分かってくれないなら拳でわからせるしかないからな。即ち…………………
相撲だ!!
「言葉の次は暴力か、いつまでも君に負ける僕だと思ったら大間違いだよルルーシュ」
スザク四股を踏み、俺に見合う。
「見合って」「見合って」「「はっけよーい…のこったッ!!」
スザクの初撃は突っ張り!これは恐らくフェイントではない!バックステップで躱す事に成功した。その場合奴はこちらの攻撃を避けるために距離を取るはずだ。移動座標は…X23!ならばそこに突っ込み、こちらも攻撃を仕掛ける!
「くっ…!式根島の時よりも強くなって居る…!」
「鍛えてるのはお前だけじゃないんだよスザク!」
俺達二人は互いの学生服をがっちりと掴み、離さない。
「答えろ…ルルーシュ!君がユフィにギアスをかけたのか!」
「あぁ、そうだ!」
一瞬俺の体が持ち上げられるがすぐに踏ん張り留まった。
「日本人を殴り殺せと?」
「俺が命じた!」
俺はジリジリとスザクを石段の方へと押し出していく。しかしスザクも踏ん張り、やがて拮抗する。
「なぜそんなギアスを…!ふんっ!」
「どっせい!…日本人を決起させるためだ!はっ!行政特区日本が成立すれば…どすこい!…黒の騎士団は崩壊して居た!」
俺はスザクを持ち上げ投げ飛ばそうとするが、スザクはスザクで体を捻り、着地する。こいつ…!
「かつてシャーリーの…ふんっ!記憶がなくなったのは?どすこいどすこい!」
「ふんぬっ!俺のせいだ…どっせい!ゼロの正体を知られたから口封じをした!」
「君にとっては…ぐぬぬっ!…シャーリーもユフィも!どすこい!野望のための駒に過ぎないのか!」
俺たちは身体と身体をぶつけあい大きな音を撒き散らす。スザクめ、予定ではもっと早期に決着をつけるつもりだったのだが…!やはり相撲は日本文化…藤堂達から指南を受けたとはいえ決めきれないか…!
「全ては盤上のことだ!どすこい!全ての罪はこの俺にある!ふっ!はっ!だが、ナナリーは関係ない!」
「卑怯だ!うぐっ!ナナリーをだしにして!!」
再度俺たちの攻防は階段際になった。流石にこの階段を転げ落ちれば打撲くらいするはずだ。俺たち二人は必死の攻防を繰り返す。
「ルルーシュ…!きみはっ!どすこい!許されるとどすこい!思ってどすこいどすこい!居るのか!どすこい!」
「どすこいどすこい!許す許さないじゃない!どすこい!俺はナナリーを助けたいだけだ!どすこいどすこい!そのためには!どすこい!お前に頼むしかないんだ!」
「それは人に物を頼む態度じゃないんだよ!!」
「お前が口で言っても分かってくれないからだろ!!」
ふと、スザクの手が緩んだ。…よし!勝った!!そう思った瞬間…
「ルルーシュッ!」
俺の顔面に拳が突き刺さった。
は?
「おい!パンチは相撲じゃ反則だろう!」
「うるさい!ギアスなんてものを使って人を操る君に反則だとか卑怯だとか言われる筋合いはないよ!」
なんだと…!?こんな時に正論を振り翳しやがって!そっちが殴るならこっちだってやってやるぞこの野郎!!
「スザクッ!」
俺の拳がスザクの顔面をブチ抜く。
しかしスザクは反撃に蹴りを繰り出してくる。とはいえ俺もそんなに黙って殴らたり蹴られたりしてやるほどお人好しじゃない。蹴りを腕で防御し、スザクを突き飛ばして距離を取る。
「かかってこいルルーシュ!君はなぜ僕に鍛えろとギアスをかけた!?」
「俺が…生き残りたかったからだ!」
お互いに走り、スザクは俺の顔面に一撃を、俺もスザクの顔面に一撃を叩き込んだ。お互いに顔面への殴打は中々キツく、ふらふらと距離をとり、一度呼吸を落ち着かせる。
「クロヴィス殿下殺害の時、俺を助けたのは何故だ!?」
「日本人を信用させるためだ!」
再度互いに走り、スザクは俺のボディに一撃を、俺もスザクのボディに拳を一撃ずつ叩き込んだ。
人間、顔面に対する殴打による脳震盪ばかりをイメージしがちだが、このボディへの一撃というのも中々来るものがある。やはり一度距離をとって互いに睨み合う。
「ホテルジャックの時、生徒会のみんなを助け出したのは何故だ!?」
「黒の騎士団のデビューに使えると思ったからだ!」
三度目の正直、お互いに走り、スザクは俺の顔面に回し蹴りを叩き込み、俺は膝蹴りをスザクの腹にブチ込んだ。
お互いノーガードでの殴り合いに体力がつき、仰向けになって倒れた。
「…嘘だな。君の拳を受ければわかる。君は本気じゃない、わざと僕に殴られて罰を受けて居るつもりか」
馬鹿な…俺が罰を受け入れているだと…!?そんなはずは…いや、もしかしたらそうなのかもしれない…俺は俺の拳を受けたことがない、そのスザクが言うのなら…
やがて、体力が回復して俺たちは起き上がり、再び向き合った。
「嘘なら…ルルーシュ、君の嘘を償う方法は一つ、嘘を本当にしてしまえばいい。君は正義の味方だと嘘をついた…だったら、本当に正義の味方になってみろ!!ついた嘘は最後まで突き通せ!この戦いを終わらせるんだ!君はゼロ、僕よりも頭が良くて筋肉もある、そんな君にしか出来ないことを!世界を平和に、みんなが幸せになるやり方で!!」
そう言うとスザクは少しだけバックステップを踏み、俺を睨む。俺は頷き、仁王立つ。
スザクはそこから助走を取って俺の顔面にドロップキックを叩き込んできた。俺はそれを甘んじて受け、吹き飛ばされる。石段を転げ落ちたので登ってからスザクと再び対峙した。
「ナナリーを守りたいのは僕だって同じさ、ルルーシュ」
「ありがとう、スザク…」
スザクから差し出された手に俺がスザクに手を伸ばす。
その瞬間、俺の脇腹を何かが貫通した。
『そこまでだゼロ!』『既に正体は知られて居るぞ!』
俺は思わず痛みでうずくまってしまった。周りを見渡すとブリタニアの兵士が集まってきた。なるほど、スザク…そう言うことか…また俺を裏切ったんだな…
「スザク…!俺の踏み心地はそんなに良かったか!?一度ならば二度までも俺を踏み台にするのか!!」
「ち、違う!ルルーシュ!」
俺は俺を押さえつける兵士たちを力を振り絞り跳ね除ける。
そして…ダブルバイセップス。
そう、合図を出したのだ。ブリタニアのナイトメアの一機が銃撃に沈み、場は混乱に陥る。俺の腹に弾丸ひとつ分の風穴を開けて安心するとは馬鹿な奴らめ。混乱で生じた隙にスザク以外の歩兵を拳で叩きのめす。
『ルルーシュ!』
『この声はコーネリア皇女殿下!何故ゼロと…!?』
『ギルフォードか…』
コーネリアの駆るグロースター・可翔式が瞬く間にブリタニアのナイトメアを…上手く腕と頭だけを吹き飛ばして…無力化していく。流石はコーネリアと言ったところか。
『何故です姫様!』
『訳は話せぬ!許せギルフォード!』
そう言ったコーネリアはギルフォードのヴィンセントを蹴り飛ばし、俺を乱暴に掴んだ。
『この程度で死ぬお前ではあるまい。ユフィのギアスを解くまで死んでもらっては困るからな!』
「この程度かすり傷だ…!だが、頼んでいたとはいえ助けに来てくれて嬉しかったよ、姉上」
『べ、別にお前のためではない!ユフィのためだ!か、勘違いするな!』
筋肉で腹の穴を塞ぎつつ、隠しておいた蜃気楼に乗り込みコーネリアにはトウキョウ租界への進軍を指示した。
トウキョウ租界の上空、乗り込んだ蜃気楼の中で俺は準備して居たそれを起動する。そう、ゲフィオンディスターバーだ。更に藤堂達に合図を出してトウキョウ決戦へと持ち込む。
「この真のマッスルガイたる俺が租界で筋トレだけに明け暮れて居たとでも?これでトウキョウ租界は停止する!ナナリーを救い出す!」
「ロロ!ナナリーの救出は任せたぞ!」
『任せてくれブラザー!うおおおお!待っててくれシスター!!』
そうだ、俺が間違っていた。友情などに頼ろうとしたのがいけなかったんだ!筋骨!隆々!自らの筋肉を完全な状態に置かねば、ナナリーは取り返せないんだ!!
『卜部殿は左翼の援護に!異常な突破力のナイトメアを抑えてくれ!』
「承知した!」
藤堂中佐達本体はトウキョウ租界へ、私は星刻殿の補佐として戦場を駆けていた。ゼロ曰く私はこの戦場における切り札らしい。確かに戦力的には星刻殿の方が強力だが、指令としての仕事もあるため動きが制限されるのだ。
味方の六角突貫陣を返り討ちにする所を目の当たりにして、即座に察した。この相手、ラウンズだ…!
『おやぁ?お次の相手は君一人かな?それじゃあ足りないなぁ…戦場に手向ける命の華としてはッ!!』
太腿辺りから放たれた光弾を回避し、その性質を理解する。あれはハドロンショット…!ゼロの蜃気楼の腕について居るものと同じだ、厄介だな…。右手の爪と鍔迫り合いにならば確実に撃たれる。ならば…!
『さぁ!咲かせろ!お前の命の華をッ!!』
敵のナイトメアは爪を回転させドリルのような物を形成して居た。まずい、あんなもの掠っただけでも危険だ。突き出されたドリルを刀で受け流し、すぐに斜め方向に距離を取る。予想通り先程まで俺の位置へとハドロンショットが放たれていた。正面から打ち合うのは危険だ。
『ほう?私の攻撃を避けるとは、中々やるなぁ貴様…これは良い華が咲きそうだ!!私はナイトオブラウンズが一人、ナイトオブテンのルキアーノ ブラッドリー!咲かせた華に付ける名は?』
この男やはりラウンズか…!つまりモニカ殿と同等の相手ということ…
「我が名は卜部 巧雪、相手にとって不足なし、いざ参る!」
『ウラベ…?あぁ、モニカが言ってたイレブンか。コイツはいい!良い華が咲きそうだ!!』
ドリルの薙ぎ払いを急制動で躱し、シールドでの殴打に対しこちらはシールドを蹴ることで回避する…が、しまったな。流石に無茶で脚が砕けたか、済まんラクシャータ。\もっと丁寧に扱いなさいよ!/
『体勢を崩したなぁ?所詮はイレブン、この私の手で咲けることを光栄に思うんだな!』
こちらに向けられたシールドが展開し、中からミサイルが飛来する。
「ミサイルだと!?だが!」
こちらには輻射障壁がある、ミサイルを防ぎつつ、煙で姿を隠して居る好きに反撃を…いや!
俺は咄嗟に刀を構え、煙の中から突き出されたドリルを受け流す。
『ほう?』
「ミサイルを防がれることまで折り込み済みの攻撃とは…!だがしかし!」
『まぁいい、これで距離は…』「詰まったッ!」『…何ッ!?』
こちらのスラッシュハーケンが相手の右肩を穿ち、あちらの頭部のスラッシュハーケンがこちらの胴体に直撃する。俺のところまではギリギリ突き刺さらなかったが俺はここまでのようだ。
『コイツ右腕を…フン、中々立派な華だったぞウラベ!』
落ちていく俺の暁にハドロンショットを撃ち込み奴は去っていった。俺はギリギリ脱出に間に合ったが…復帰までは時間がかかりそうだ。済まないゼロ、今度こそ日本を救ってくれ…!
ウラベとか言う男は…脱出したか…まぁ良い。この私にパーシヴァルの奥の手である頭部のスラッシュハーケンを使わせるとは…中々楽しめたぞ。
「ヴァルドシュタイン卿、パーシヴァルの右手をやられました。一度退がります。」
『ならば整備しつつグラウサム・ヴァルキリエ隊と共にトウキョウへ行け!』
「トウキョウ?なるほど、ゼロですか。わかりましたよ。…トウキョウ租界を花畑にしてやりますよ」
しかし最後の最後にこの私のパーシヴァルに手傷を負わせるとは、枢木スザク同様、思っていた以上にイレブン共は手強いようだな…!
ミートギアス相撲回その2
ミートギアス恒例の肉体言語による激しい話し合いですね。…ルルーシュ短気になってない?
ルキアーノさんの人間性が若干の上方修正を受けたため、それに伴い戦場でもちょっと変な言い回しするだけの人になってます。
●オマケ● 特に意味のないオマケコーナー
イエス マイ ロウドウ!
イエス ユア タフネス!
イエス ユア マッスル!
あなたが思う「最もキャラ崩壊しているキャラ」は?
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歩く脳筋
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出番を得た代償に変な語尾「モニカ」
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悲劇回避(?)撲殺皇女「ユーフェミア」
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謎の優遇で大活躍「卜部」
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だ れ だ お ま え「ロロ」