ミートギアス 〜筋肉のルルーシュ〜   作:ベルゼバビデブ

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 フレイヤを撃ったことによる大量殺害、その事実に心が壊れそうになるスザクだったが…

『"鍛えろ!"』

 スザクにかけられたギアスはそれを許さない。壊れないように鍛えろ。そう訴えるギアスによってスザクは精神的にも鍛えられ、身も心も鋼のような頑丈さを持つ真のマッスルガイになった。そこに現れたニーナがナヨナヨした発言をするのに対し
「大成功だよニーナ。フレイヤ弾頭の威力は絶大だ。結果的に我がブリタニアに勝利をもたらすだろう。」
 そう告げて立ち去るだけだった。

 やがてビリヤードやダーツを楽しむロイド達の部屋に壁を突き破って侵入したスザクはそのまま顔面にロイドの投げたダーツを受け…弾き返しつつ、ロイドを睨みつけた。
「ドアから入ってきてよね…」
「ロイドさん。ランスロットはどうなってますか」
「どうって、コアルミナスがあの状態じゃね」
「いえ、ランスロットアルビオンのほうです。」
「ロールアウト直前…そりゃあ確かにあれは君のために作った機体だけど…今の君には渡したくな…」
 ロイドの言葉を聞き、無表情でギュピッギュピッと足音を鳴らし、胸倉を掴んで拳を振り上げてから
「これは命令です。」
「脅迫の間違いじゃないのかな…」
 やがてやってきたシュナイゼルに対し、スザクは交渉を持ちかける。
「シュナイゼル殿下、私をフレイヤの功績を認めナイトオブワンに任じていただきたい。代わりに今の皇帝は自分が暗殺します。自分にはそれができるだけの筋肉がある。」

 こうしてスザクは神根島へと向かった。


 それでは本編スタートです。


TURN20 マッスルガイ失格(皇帝失格)

 所属不明…恐らくギアスに関わるローブにマスクの怪しげな格好をした男たちを拳でねじ伏せる。そして視線の先には皇帝陛下がいた。

「シュナイゼルの…差金か」

「これは自分の意志です。皇帝陛下、自分を取り立てていただいたことには感謝しています。しかし、あなたには三つの罪がある」

「ほう…?」

 久しぶりに皇帝陛下の体を近くで見る。前と全く変わらない筋肉をしている…この歳でそれは凄い…が、前と全く変わらないということは進化していないということだ。つまり、僕の方が強い!

「一つは!王たる責務を放棄した事。次に!ギアスに手を染めた事。最後に!マッスルガイでありながら人を守ろうとしない事です!!」

「それが罪だと?」

「マッスルガイは人を守る為に存在すべきものです。そう、全てを鍛え抜いたあなたなら…ユフィやナナリーのことだって救えたはず。なのに見捨てた。」

「それが、どうした?」

 なんだと…!この男…!!修正してやる!!!僕は軽く、トントンとステップを踏み、拳を握り締め臨戦態勢を取る。皇帝陛下は…構えない?余裕だとでも…

「この拳!ルルーシュとナナリーの絶望も込めさせていただきます!…一方的に殴られる痛みと恐怖を知ればその筋肉で人を守ろうと考えるはずです!覚悟!!」

 突き出した拳は横から現れた人物によって止められてしまった。

「ビスマルクさん!?どうしてここに…!」

「ギアスの事を知っているのは自分だけだとでも?それに私は皇帝陛下直々に鍛えていただいたマッスルガイ。残念だったな、お前のような裏切り続けのマッスルガイなど誰が信じるというのだ」

「ビスマルク、俗事は任せる」

「イエス ユア マジェスティ」

 そこからビスマルクさんは容赦ない蹴り…軌道が金的…を放ってきた。しかし、こちらにはロイド印のファールカップがある!

「むっ?ファールカップか、小癪な…」

 

 そこからお互いの拳をぶつけ合い、蹴りが空を切る。

 

 すると、ビスマルクさんが突如右手を貫手にした。

「食らうが良い」

 瞬間、ビスマルクさんが消えたかと思うと、僕じゃなきゃ見逃しそうな素早い手刀が繰り出された。バックステップで躱すが間に合わず、僕の胸を切り裂いた。幸い深くは無いが、僕の身体を切り裂くなんて…!

「これぞエクスカリバー!皇帝陛下自らが鍛えて下さった我が体に宿し聖剣なり!」

 いけない…!僕にかかっている鍛えろのギアスが、一度鍛え直してこいと叫んでいる!そこまでの相手か!ナイトオブワン…!

「しかし!弱さは捨てたッ!!」

「愚かな!貴様の弱さこそがッ!!」

 また金的…いけない!ファールカップがミシミシと音を立てて…!ここは距離を取るしかない!

「優しさという強さの裏付けであったものを。そう、正義なき筋肉などただの暴力。ならば…ここで死ぬが良い枢木 スザク」

 ビスマルクさんは拳を構えるが、ここは一度鍛え直すしかない…!しかし逃げようにもそんな隙は…突如僕の後方から爆発音が聞こえた。一体何が…

『モニ〜!ビスマルク助けて欲しいモニ。反乱が起きたモニ』モニモニ

「反乱だと!?モニカ!グレートブリタニアはドロテアに任せてお前は鎮圧に回れ!」

『分かったモニ〜』モニ~

 ビスマルクさんは電話でモニカさんとやりとりをしている…今のうちに逃げるしかない!しかし、このタイミングでの襲撃…ルルーシュか?ダメだ、これは僕が背負うべき十字架だ…!そうして走っていると突如地面が崩れてしまった。こんな時に…!

 

 

 

 まさかロロだけでなく卜部まで来てくれるとは意外だった。ジェレミアから通信が入り、聞いたときには驚いた。しかしこれで戦力は十分。ギアスを使い輸送船でナイトメアを運ばせ、皇帝の目的地であろう神根島へと向かう。その道中、俺は全てを卜部に話した。俺の出自、本当は妹の為にみんなを駒にしていたこと、ギアスを使いユフィに命じたこと、そしてジェレミアの持つギアスキャンセラーでユフィのギアスは解かれたこと。卜部は驚くことはあったが怒ることは無かった。

「君の筋肉を見ればどれだけ妹を大切に思っていたかはよく分かる。それに君を殺しても日本は取り戻せない。ならば君に協力する方が得策だろう?君の才覚は知っているつもりだ。」

「…感謝する」

「気にするな、過程はともかく結果として真の意味で日本は解放される。」

 こうして卜部は俺と共に戦ってくれると言ってくれた。

 ギアスも俺の全ても知った上でついてきてくれるジェレミアは兎も角、もう一人については問題が山積みだ。久しぶりに正気のユフィと話すことはできたが、ユフィは泣いてばかりだった。

「ル、ルルーシュ…私は…人を…日本人の皆さんを…」

「違うよユフィ。そう君に命じたのは俺だ。君は悪くない」

 俺はナナリーを失ったのだ、ユフィまで失いたくはない。だからユフィにはロロとジェレミアを護衛につけてどこかで大人しくしていてもらおう。そしてユフィに"誰かに起こされるまで眠れ"とギアスをかけてジェレミアに預けた。

 

 俺のギアスがあれば簡単に式根島の守備部隊をこちらの手駒にすることができる。

「"お前達は今から私の指示通りに動け!"」

 そして他の人間を捕らえさせ、それらにギアスをかけてまた操っていく。

「なるほど、口で説明を受けたときにはなんとなくだったが、こうして目の当たりにするとやはりギアスとやらは便利だな。道理で今まで数々の奇跡が起こせた訳だ。」

「奇跡の種が割れて見限る気にでもなったか?」

「いいや、元より我々の戦力差を考えればこれでもまだ足りないくらいだろう。それに、その力だけに頼っていないことは君の筋肉と数々の策略を見た俺には分かるさ。バベルタワーの突破などは君の才覚なしには不可能だった。」

 ギアスの存在を知りながら俺を素直に褒めてくれる卜部に感謝しつつ、今後の作戦を説明した。まずは不死身の存在、シャルルの撃破だ。混乱は守備部隊に裏切らせることで作れば良い。もしイレギュラーがあれば卜部が排除することになっている。

 作戦はまず、奴があの空間にいる事を確認し、その後あの空間から出て俺は入り口を爆破、奴を奴自身が作った牢獄に閉じ込めてこちらの世界に干渉できないようにしてしまえば良い。一人孤独に己の罪と向き合い、死ぬこともできずに永遠と彷徨うのが奴にはお似合いだろう。

 

 あの壁に触れると俺はあの空間の中に入ることができた。

「さぁ、神よ…決着の時が来た…!」

 居た。あの男だ。謎の捩れて回転する物体にあの男は話しかけていた。よし、今からここを出て入り口を爆破し…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ようとすると、当然空間に雷が迸る。いけない…!何かトラブルがあったか!?

「ぬぅ!出口を封じた!?貴様の仕業か…ルッルーシュ!!」

 悔しそうに顔を歪めるシャルルの顔を見れたので、ここはもっと悔しがらせてやるために乗るとしよう。

「当たり前だ!この俺は何から何まで計算済み…これでお前は出られなくなった!決着をつけるべきは神ではなくこの俺だ!シャルル ジ ブリタニア!貴様は最早この空間に閉じ込められた…現実世界に干渉できなくなった以上、お前の行動は全てが無意味だ!」

「貴様ァァ!!ルッルーシュ!!!」

 滑稽だなシャルル。お前の作ったこのシステムはそのままお前…と俺…を閉じ込める魂の牢獄だ。精々俺と共に永遠の懺悔と筋トレをしてもらおうじゃ無いか…!

 

 

 

 ルルーシュの作戦におけるイレギュラーの処理、それが俺の役割だ。そして空に見えたカマキリ…モニカ殿だ。あれはイレギュラーだろう。ルルーシュがギアスで寝返らせたナイトメアを次々と屠っているのだから。斑鳩から奪っておいた暁に乗り込み、上昇する。

「モニカ殿ッ!ここで決着をつける!」

『モニッ!卜部さん…望むところモニ!』モニッ!

 すると空飛ぶカマキリはこちらに背中の砲身を向けてくる。あれが来るな…!

「出し惜しみはしないモニ!ハドロンブラスター発射モニィ!」モニニーン‼︎

 放たれたビームの間を縫うように月下を駆る。飛翔滑走翼は旋回性に富む、故に出来る芸当だろう…叶うならばラクシャータには改めて礼を言う機会が欲しいものだ。しかし今の射線の先には確かルルーシュの向かった遺跡があったような…いや、今は目の前の戦いに集中すべきだろう。

『モニニ…普通なら大きく左右に避けるところを敢えて真ん中を突っ切ってくるとは中々やるモニ…』モニ…

 モニカ殿はビームの発射をやめ、距離を詰める俺に対し、ブレードによる斬撃を放ってきた。それを廻転刃刀で受け流し、更に距離を詰める!

「御命頂戴!」

 上段からの振り下ろしに対し、モニカ殿は臆することなく蹴りで距離を取ってきた。流石はナイトオブトゥエルブ…!あの奇怪なナイトメアの脚力であれば一撃でかなりの距離を確保することが可能だろう。つまり次の攻撃は…

『食らうモニ!』モニモニモニ!

 距離を開けてすぐにハドロンブラスターによる連続放射、先ほどの反省点から左右の同時発射では無く、左右を交互に放つことで確実に当てることを狙っているようだ。

「くっ…!」

 その狙い通り、やがて一撃が飛翔滑走翼に当たってしまい、飛行性能が大きく下がった。この隙をモニカ殿が見逃すはずはない。といことは…

『お別れモニ!』モニニーン!

 これでもう避けられないと左右の同時発射で勝負を決めに掛かったのだろう。このままでは避けられない…

 

--普通、空中で攻撃をされたら飛翔滑走翼やフロートシステムで飛んで避けようとする

 

 だが卜部は違った!

 

 追い詰められた卜部の脳に、かつて片瀬に言われた古い記憶が蘇ったッ!!

 

『何?草壁中佐が稽古用の木刀を奪って返してくれない?卜部よ…逆に考えるのだ。素手で殴ればいいさ…と』

 

 飛べないなら飛ばなければ良い。不利な状況を活かし味方につける!その発想が卜部に宿ったのだッ!

 

 そしてッ!卜部は敢えて飛翔滑走翼の出力をオフにし、重力を受けて落下したッ!!--

 

 

「モニ!?」モニ⁉︎

 私はてっきり左右に飛んで逃げると予測していたモニ…これは意表を突かれたモニ…。そして意表をつかれて生まれたその一瞬の隙を卜部さんが見逃すはずは無いモニ!卜部さんはフローレンスにスラッシュハーケンを放ち、巻き付けると一気に巻き取ったモニ!

『秘技、八艘跳びッ!』

 スラッシュハーケンの巻き取りで勢いをつけ、高所をとってきた卜部さんはすぐさま斬撃でコクピットを狙ってきたモニ…でも、甘いモニ!!

『貰ったァ!!』

「させないモニ!」モニ!

 なんとか斬撃をコクピットブロックからずらすことに成功したモニ。しかし、避けきれずフロートユニットに直撃してしまったモニ…

『これでお互い翼は失った!』

「地上戦なら勝てるとでも思ってるモニ?」モニ?

 そう、本来アレクサンダはインセクトモードによる高い機動力が売りの機体モニ。故にそれをベースに開発されたフローレンスもまた地上戦は得意モニ。更に落下先は森林地帯…木を足場にジャンプしての三次元移動が可能なフローレンスは圧倒的に有利なはずモニ!

 落ちる前に蹴られて距離を取られたからお互い別々の場所に落ちたモニ。森林地帯ではお互いに視界が悪く先に見つけた方が有利モニ。しかしこちらにはハドロンブラスターがあるモニ。使えば位置がバレるけれど、これなら遮蔽物に隠れられても遮蔽物ごとぶっ飛ばせるモニ…!

 狙いを絞らせないように三次元的に移動しつつ、索敵を開始するモニ

 

 そしてある木の裏に何かを見つけたモニ。あの形は…敵のフロートユニットモニ!うまく隠れたつもりモニ?甘いモニ!

 確実に当てるため動きを止め、ハドロンブラスターで狙いを受けるモニ。

 

 

 

『これで、トドメモニ!』モニニーン!

 モニカ殿のビーム発射と同時に俺は木の上からモニカ殿に飛び掛かった。

『上モニ!?』モニィ⁉︎

 そう、飛翔滑走翼は囮!わざと木からはみ出る様に隠したのだ!丁寧に扱えずすまんラクシャータ!

「これでッ!」

 上段からの振り下ろしを辛うじて避けるモニカ殿だったが、こちらも避けられることをくらいは読んでいる。故にどう避けても必ず片腕は切れる軌道で放ち、そのまま斬撃は見事片腕を切断することに成功した。

『調子に乗るなモニ!』モニッ!

 こちらは下段の切り払いによりモニカ殿のブレードによる反撃を回避しつつ、あのカマキリモード時に胴体を支える脚を切り落とす。

『狙いは脚モニ…!?これではインセクトモードが取れないモニ!』モニ!

 人型モードになったモニカ殿、そして俺の二人は森の中で斬撃は何度も撃ち合いを重ねた。

 

 

 

『流石はナイトオブトゥエルブ!ただの斬り合いでも強い…!』

 いや、押されているのはこちらモニ…!片腕ではこのまま接近戦を続けてもいずれは押し負けるモニ…!ならばこのハドロンブラスターを叩き込むモニ!一旦距離を取ると卜部さんは即座に反応して木の裏へと隠れたモニ

「隠れても無駄モニ!発射モニ!!」モニニーン‼︎

 一撃目、左のハドロンブラスターは木を穿ち、木から出てきたナイトメアに対して右のハドロンブラスターを放つモニ。木で回避ルートが制限さているモニ!これは避けられないはずモニ!

『右腕をッ!?』

 勝ったモニ!接近戦が出来なければあのナイトメアにこのフローレンスが負けるはず無いモ…

 

 突如、目の前に何かが突き刺さったモニ。フローレンスの目の前ではなく、このコクピットの中にいる私の目の前モニ…

 

 まさかこの土壇場で木の裏から武器の投擲をしたモニ!?い、いけない…幸い私に直撃はしなかったけれど、もうこのフローレンスは動かないモニ!脱出をするモニ…!

 次の瞬間、コクピットブロックに横からの殴打を喰らいフローレンスは横転したモニ。なんとかハッチを開け外に出たけれど、そこにはナイトメアの銃口が見えたモニ

『降伏して欲しい。貴殿を殺したくはない』

「…私の負けモニ。」モニ…

 

『ナイトオブトゥエルブはこの卜部巧雪が討ち取ったッ!!』




卜部がナイトオブトゥエルブを討ち取る話が読めるのは二次創作界隈広しと言えどミートギアスぐらいでしょう()

作者、バトルに熱が入り始めるとセリフとかがジョジョ化しますが…まぁ許して下さい。なにせ今後もっとひどくなります。()

●オマケ● 唐突なオマケ話の予告
2022年8月21日12:00公開

TURN20.5


●追加●
2022 08 23 04:17にビスマルクによる手刀のシーンを追加
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