というわけで今回は原作崩壊がより酷い回です。
クラスのみんなはスザクの登場に困惑しているようだ。当然だろう、つい先日クロヴィス総督の殺害容疑者だった男が突然やってきたのだから。
「怖がってるだけじゃダメよ。話してみればどんな人か…」
こんな時もシャーリーは恐れず突っ込んでいく。勇敢過ぎるが危険に自ら突っ込むのはお勧めできない。どうやらシャーリーのことはリヴァルが止めてくれたらしい。俺は教室を出る時一瞬立ち止まり、あるサインを行う。スザクは気付いてくれたようだ。
「七年ぶりに使ったよ。このサイン」
俺は一方の手首を他方の手でつかみ腕および胸に力を込めて際立たせる姿勢を取った。
「『屋根裏部屋で話そう』」
昔、スザクの元で世話になっていた時の合図だ。
「軍事法廷はどうなったんだ?まさか俺のこと…」
スザクが無事だったことは喜ばしいが、恐ろしいのはゼロの正体のことだ。
「捜査を正しく行うように取り計らってくれた人がいたんだ。それに…君が殿下を殴り殺したのが自分だと名乗ったからね、証拠不十分さ。それに君の事は何も言ってないよ。その…助けてくれた友達を売るのは…流石にできなかったんだ」
「そうか…」
一安心だが、いつまでも黙ってくれているとは限らない。これからも気をつけなければ。
「そういえばルルーシュの事はルルーシュって呼んでいいの?」
「記録上俺とナナリーは死んだ事になってる。ルルーシュ ランペルージ…それが今の名だ。」
スザクは基本的に俺達をルルーシュ、ナナリーと呼ぶのでいかにスザクが天然でも問題はない。
「そういえばカプセルの子は?」
「…軍の方がわかるんじゃないのか?」
C.C.の事も正直に言うべきか迷うところだ。
「それが親衛隊しか知らないみたいで。その親衛隊もみんな本国に送られちゃったし」
「…あいつなら今ウチで住み込みのメイドをしてるよ。結局狭い家の中に押し込めてしまってるが、カプセルよりはマシだろう?」
「そっか、元気に過ごしてるならよかったよ。」
お人好しのスザクならこれ以上追求はしないだろう。後でバレるよりここで話しておくほうが話がこじらずに済む。
しかしスザクが生きていると言うこの事実、なによりもナナリーが喜びそうだ。俺はスザクに今日の予定を聞き、空いていると知るとスザクとナナリーを合わせる話を持ち出した。スザクはとてもいいアイデアだと言ってくれ、早速今日の夜に家に招くこととなった。
「おかえりナナリー、C.C.今日はナナリーにプレゼントがあるんだ。」
「まぁ!なにかしら?」
俺はC.C.に対し黙れのジェスチャーをし、スザクを招き寄せる。そしてナナリーの手を取り、スザクの胸板に当てる。
「この胸板…良かった!やっぱり無事だったんですね…」
「久しぶりだね、ナナリー」
スザクがこの学園に通うことになったことを伝えるとナナリーはとても喜んでくれた。しかしスザクが軍の仕事があると言うとナナリーは心配そうな顔をする。軍…俺は今後スザクと闘わなければならないと言うことだ。
暫く会話を楽しんだ後、スザクがそろそろ帰ると言い出した。送っていく時、スザクは信じられないことを言う。
「ルルーシュ、僕ら学校では他人でいよう。」
「なんでだ?」
「どう説明するんだ?ブリタニア人と名誉ブリタニア人が友達だなんて、下手をすればバレてしまう」
スザクはどうやら俺を甘く見ているらしい。俺とスザクが仲良くしても不思議でないように俺はスザクが転校してきてからあらかじめプランを練っておいたのだ。
「安心しろスザク策は講じてある」
「本当かい?」
「当たり前だろう。俺とスザク、2人でできないことなんてないだろ?」
「大変だ会長!」
「どうしたのリヴァルそんなに慌てて」
「喧嘩だよ喧嘩!ルルーシュのやつが転校生に喧嘩をふっかけたんだ!」
学園の中庭にて、俺はスザクと対峙していた。
「俺の名はルルーシュ ランペルージ。お前スザクとか言ったな?名誉ブリタニア人の癖にブリタニアの学校なんかに来るなよな。」
俺の作戦はこうだ。まず俺が難癖でスザクに喧嘩をふっかける。そして俺とスザクが喧嘩をし、いい感じのところで引き分けということで止める。男と言うものは一度拳を交えて強さを認めれば友情が芽生えるものだ。
「この学園に名誉ブリタニア人が通ってはいけないなんてルールは無いはずだ!それに僕はお世話になった人に17歳なら学校に通うべきと言ってもらったんだ!君に指図される謂れはないよ!」
先制攻撃は俺から。まずは周りからも分かりやすい右の大振りだ。スザクは上手く受け流し、カウンターを放ってくる。素早いバックステップでカウンターを躱すと、スザクお得意の回転クルクルローリング回し蹴りが飛んでくる。俺は敢えてそれをくらい、大袈裟に背後へと跳ぶ。
「あのルルーシュが先に一撃を喰らうなんて…!」
「イレブンに負けるなルルーシュ!」
「いいぞー!やっちまえー!」
周りの学生の前で拳を交えれば嫌でもスザクの力を認めざるを得ない。俺の作戦は完璧だ。
「その程度かい?」
スザクの挑発を受け、俺はクラウチングスタートの姿勢から指と両脚バネを使い一気に距離を詰める。
「速いッ!」
スザクの腹部に膝をブチ込む。
「決まった!ルルーシュの彗星蹴りだ!」
「ルルーシュのあの技を受けて病院から出られた奴はいない…」
ギャラリーが沸いている。いい流れのようだ。
「さぁさぁ本日突然始まった学園中庭ガチファイト!勝利するのは一体どちらか!一口300円※から受け付けております!」
「10分でルルーシュに3口!」
「俺は5分でルルーシュに5口だ!」
リヴァルの奴、こんな時に賭け事を始めたぞ。中々目敏い。そんな風に意識をスザクから外した時だった。スザクの手刀に一瞬反応が遅れ、躱しきれなかった俺は腕に手刀を受けてしまう。制服は破れ、皮膚が少し切れているようだ。
「やるな…おまえ」
「そっちこそ」
「あの転校生、ルルーシュの彗星蹴りを食らってもまだ戦えるのか…!?」
「すげえなイレブンのくせに!」
俺とスザクの攻防は30分に及んだ。力では俺が勝るが、スピードでは僅かにスザクが勝る。手数を捌き切れなかった俺は全身に切り傷が、対するスザクは至るところが内出血している。だが、そろそろ頃合いだ…次で決める!
「スザァク!!!」
「ルルーシュ!!!」
俺とスザクは同時に駆け出し、振りかぶった右手を振り抜く。いかん、マジになりすぎた。俺はスザクの拳を頬に受け…スザクもまた俺の拳を頬に受け…気絶した。
「嘘だろ!?ダブルノックダウン…!?」
「スザクさん、お兄様、喧嘩はめっ!ですよ」
「「はい…」」
暫くして目覚めた俺とスザクはナナリーに説教された。しかし、学園のみんなにスザクの力が認められたのか、周りに人が集まっていた。
「やるわね転校生!あのルルーシュと引き分けなんて」
「会長!何言ってるんですか!喧嘩なんて良くないですよ!」
「俺生徒会のリヴァル!君にいいバイトがあるんだけど…」
真っ先に声をかけたのは面白がったミレイ会長だ。俺の計算通りである。
「会長、スザクをウェイトリフティング部に…」
「却下よ」
なん…だと…!?この流れならウェイトリフティング部の部員を増やせると思ったのだが…
「スザク君は生徒会に入れます!」
「生徒会に?何故です!ウェイトリフティング部の方が…」
ここで引き下がるわけにはいかない。ミレイ会長のペースに乗らないように注意しつつ話を進める。
「転校して早々に喧嘩する不良生徒を見張るためよ。それにウェイトリフティング部ってルルーシュしか在籍してない非公式の部活じゃない。」
ダメだ。論破された。
因みにスザクは生徒会とウェイトリフティング部(非公式)の兼任となった。
危惧していたスザクへの嫌がらせは起きなかった。当たり前だろう、スザクのあの圧倒的力を目の当たりにすれば報復が怖くて嫌がらせをするような小者は手を出せない。
「よし、完成だ。」
「なんだそれは?」
C.C.に聞かれたのはゼロとしての衣装を隠すためのケース。
「ギアスと違ってこれは物的証拠になるからな。」
ケースを二重にしてヘルメットなどを隠しているのだ。ちなみに仕組みは俺ほどの筋力で無ければ開けられないというシンプルなもの。完璧である。
その後、猫がゼロのヘルメットを被って現れるというアクシデントに見舞われたが10秒ほどで回収できた。因みにナナリーは猫が気に入ったようで生徒会で飼うことになった。
「あ、その猫…」
どうやらスザクと顔馴染みらしい。試しに猫をスザクに近付けると…
おやおや、いきなりキスとはスザクの奴中々懐かれてるじゃないか。
ナナリーによって猫はアーサーと名付けられた。アーサーは人懐こくよくナナリーの膝の上にいる光景を見る。
「ふふっ、アーサーは私の膝の上がお気に入りなんですね」
「にゃー」
ナナリーも膝の上にいるアーサーを撫でて喜んでいる様だ。
…アーサー、正直そこを代わってほしい。
※日本円に自動翻訳
因みに脳筋に毒された世界なので「サイドトライセップス」と呼ばれるポーズが「屋根裏部屋で話そう」のサインになっています。
これは余談ですがボロボロになって殴りあうルルーシュとスザクを見て一部の女子は何かに目覚めたとか目覚めてないとか…
原作通りにしようとしてしまうとフィジカルマシマシなルルーシュが速攻で猫に追いついてしまい、スザクが認められるイベントがスキップされてしまうんですよね。