ゼロレクイエムの後、ジェレミアのギアスキャンセラーで視力を取り戻したナナリーは神聖ブリタニア帝国第100代皇帝として即位し、国のあり方を変化させた。結果として今やブリタニア帝国は公国となり、皇帝とは国の象徴としての立場に留まり政治の実行権からは切り離されることとなった。そしてそのナナリーは世界人道支援機関の名誉顧問として難民キャンプを訪れている。その側にはゼロがいた。
そして、彼らは突如現れた武装ナイトメア集団に襲われることとなり、ゼロは砂地という足場でサンドボードもなくフロートシステムも切られ、儀礼用のお飾りの剣とスラッシュハーケンしか持たないナイトメアでの出撃を余儀なくされる。ところがそんな不利な条件もなんのその、怒涛の勢いで敵の数を減らしていくゼロだったが、突如現れた新型ナイトメアに追い詰められてしまう。バックステップを取り、罠にかかり、驚異的反応速度で片足を自ら切り落として何とか罠から脱出したものの、逃げた先には更に別のナイトメアが伏兵として待っていた。
「あんなところに罠があるだけでなくこんなところに伏兵まで!?」
『やれ、エクスカリバー!』
『ナムジャララタック』
「いけない!今のこいつでは……!!」
こうして、ゼロは敗北した。
それでは本編スタートです。
複数の男たちからルルーシュへと一斉に弾丸が放たれたが、それがルルーシュを傷つけることはなかった。
何故なら…
「ああああああ!!!」
ルルーシュは徐に左手を前に掲げると、赤い光と共に-"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"-という不愉快な音を鳴らす。赤い光に触れた弾丸は破壊されルルーシュを守っていた。
「あれって輻射波動!?」
「とうとうラクシャータは僕のメガネみたいに装置の小型化をしたの!?」
ルルーシュのアレはロイドのブレイズルミナスメガネのような小型化というようなものではない。
「ああああ!!」
ルルーシュは男を左手で掴まんとするが。男はバックステップや周りの部下を盾にすることでそれを躱して居た。
「パンチなど!間合いさえ取れば…!」
敵の部下らしき男もバックステップを踏むが、ルルーシュに掴まれた。
「なんだ!?今腕が伸びたぞ!!」
-"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"-
「う、うわぁぁぁ!!な、なんだこれはぁぁぁ!!!熱い!身体が…熱」
赤い波動の光が男を包む。
「ぽぺっ」
掴まれた男は爆散死した。
「クソ!ならばギアスを食らえ!」
隊長らしき男が何かをしたようだが、不幸なことに今のルルーシュには効かなかったか、意味がなかったようだ。
「なんなんだこいつは…!まさか、嚮主と同じ…!?」
ギアスが効かなかったことをコード所有者であると勘違いしたのだろうか。
…今のルルーシュは月下に乗ったままの爆死と、不完全なコード継承の結果、ルルーシュの抜け殻のような存在となっている。そして左手は歪な状態で復活することになった。死ぬ時に共に爆散したのは普通の月下だったが、黒の騎士団としての活動を始めた頃にルルーシュの手足のように戦場を駆け、多数の戦果を挙げた月下は『先行試作型月下』だった…そのせいでルルーシュの記憶に強く残っていたのか、結果として肘関節は通常よりも2つ多く、普段曲げている肘関節を伸ばすことにより腕のリーチが伸びることになった。
うん、意味がわからない。
さらに、左掌には多数の発声器官が備わっており、発声時の声帯の振動で発熱しそれを放射する熱放射器官が備わっていた。結果的に輻射波動機関の再現が可能となり…まぁ、速い話が左腕が実質紅蓮の右腕みたいな物だ。こうしてルルーシュはとうとう人間ナイトメアの如き力を手に入れてしまった。
うん、やっぱり意味がわからない。
「くそ、だったらこれでも食らいな!」
男が投げたのは閃光弾だろうか?しかしそれもルルーシュには無意味。
「チチチチチチチチ…」
「C.C.、何この音」
「できるだけ動かないようにしろ、今のルルーシュに見つかったら殺されるぞ。」
ルルーシュは視界を封じられても舌打ち音とその反響で周囲を認識できるのだ。そうして視界を奪ったはずなのにと考えている男達は次々とルルーシュに狩られていく。
「なんなんだこの化け物は!?くそ!撤退する!!ナイトメア部隊で足止めしろ!」
隠密性に特化させたからなのか、そもそもが歩兵部隊でナイトメア同士の戦闘を考慮していないからなのかは不明だが、黒く塗装された月下らしき機体と2機のグラスゴーらしき機体が現れる。しかしルルーシュは物怖じすることなく、進行方向とは逆に左腕を掲げ、掌の爆発を利用して突っ込んでいく。左腕を伸ばしつつの殴打でグラスゴーの頭部を破壊、更に思い切り振り上げた拳をコクピットブロックに叩き込むとグラスゴーは停止し、ルルーシュはすぐにもう一機のグラスゴーに飛び移った。今度は左腕の輻射波動で爆散させ、続けての月下の銃撃も輻射波動で防ぐ。爆散したグラスゴーの破片を拾い上げたルルーシュはそれを投擲。ぶつかってよろけた月下に対し、またもや左手の爆発で一気に距離を詰めると月下の脚を掴んでそのまま引き摺り回し、横転させた。生身相手だというのにナイトメアで勝てないというふざけた事態に月下のパイロットは脱出して走り去っていった。
その後も逃げる敵を次々と蹴散らすルルーシュだったが、後一人というところでエネルギー切れ…つまり腹が減ったようで戻ってきた。食べようとしていた私の作った飯は吹っ飛ばされてしまったからな…。
「ありがとうルルーシュ、お腹空いたろ?すぐに何か用意するからな」
腹が減って座り込んでしまったルルーシュにとりあえず簡単な食事を…とは言ってもカレン達から押収した保存食だったが…与え、カレン達の指示に従い車両に乗る事になった。
「ねぇねぇルルーシュくん、アレの積み込み、手伝ってくれなぁい?」
「あぁ!」
ライドの手伝いをしているルルーシュを眺めつつ…おい待て、何で会って数分のロイドには従順なんだ?私と会った頃なんて何度も殺してきたくせに…あいつ私に恨みでもあんのか!?
「ああぁ!」
するとルルーシュは私に抱きついてくる。おいよせ、胴体が千切れる。
「ルルーシュ様はC.C.様に褒めていただきたいのでは?」
咲世子に言われるがまま私はルルーシュの頭をなんとか…何とか撫で、胴体がちぎらない様に留意しつつ言葉を吐き出した
「そ、そうか…え、偉い…ぞ、ル…ルル…ルッ…」
あ、いかん千切れる
運転を咲世子に任せ、ある場所へと私達は向かっていた。
「で?いい加減事情を説明してくれる?」
車内で三重バック宙という意味不明なトレーニングをしているルルーシュを無視して…というか、カレンはそれに背中を向けて視界に入れない様にしながら尋ねてきた。
「…ルルーシュはシャルルを倒した時…ルルーシュはシャルルのコードを継承していた可能性があった。」
「…その、コードってC.C.も持ってる不死身になれるやつよね?」
「そんないい物ではないさ。だが、不老不死になれるのは事実だ。実際お前達の目の前でも見せただろう?」
ロイドは知的好奇心に眼を爛々とさせているが無視だ。…だから研究者ってのは嫌いなんだ…。
「ええ、C.C.ってピザばっかり食ってる割にスタイルいいまま体型変わらなくて羨ましいって思ってたけど、まさか不老不死だったとはね。」
「話を戻すと、コードを継承している可能性があり、実際にも今ルルーシュの体がここにある様にルルーシュはコードを継承していた。しかし、ルルーシュがCの世界で神に干渉した結果、Cの世界が不都合を起こしてな…Cの世界でルルーシュの人格を再構築しようにも今の私は自由にCの世界に入れないんだ」
「じゃあ今後ろで飛び跳ねてるあの肉ダルマはなんなの?」
「ルルーシュの筋肉を纏った虚…カラの器と言ったところかな」
器と言うか…土器?カレンは一瞬だけ後ろを振り返り、またこちらに向き直る。
「で?アンタはどうするの?」
「ルルーシュを再構築するためにCの世界に入る。幸いこの国には入るための門が残ってるはずなんだ」
「なるほどね、だからC.C.はこの国にね…。私達も協力していい?」
「…は?いや、協力してくれるのは嬉しいがなぜお前達が…?」
ルルーシュの復活は私の我儘だ。超合衆国にも黒の騎士団にも関係ないはず…
「知り合いのアンタが困ってるからに決まってるでしょ!それに、アレ見たら知らんぷりもいまさらできないわよ。というか夢に出てきそう」
「…恩に着るよ。」
あと、実際夢に出るし、私はいつもうなされてる。寝ても覚めても筋トレをしやがるので頭がおかしくなりそうだ。
そして私はこの国の拘束着を着させられていた。
「はぁ…何も考えていなかったのは事実だが、まさかこんな格好をする羽目になるとはな」
というか正直ルルーシュに突撃させれば全部解決するのではと思っていた。私もルルーシュも不死身だしな。
「へぇ、似合ってるじゃない、C.C.」
カレンからそんな揶揄いが飛んでくるが、ここは大人の余裕を見せてやろう。
「ふん、私はC.C.だからな。どんな服を着ても似合ってしまうのさ」
「はいはい」
はっ倒すぞ。
因みにルルーシュに着せるのは滅茶苦茶難航した。咲世子と私とカレンの三人がかりで私は2度ほど死んだ。畜生め。
やがて変装した咲世子と看守たちに着いて行き、牢屋内を歩く事となった。
「そろそろ良いでしょう」
「は?何が良いんだ?」
咲世子の発言を受け、看守達は疑問を口にした。そしてその瞬間に私は右手を前に出しルルーシュへと指示を出す。
「やれ、ルルーシュ!薙ぎ払え!」
「パワーーーーーーー!!!!!!」
瞬間、ルルーシュの拘束着が弾け飛び、看守の顔面をブン殴る。さらにもう一人の看守に左手を伸ばし、その圧倒的な握力で握り締めていた。
「う、うごご…体が…は、弾け…」
そのままルルーシュが放り投げると看守は檻に叩きつけられ動かなくなった。
「囚人達を解放して騒ぎを起こしますか?」
「いや、騒ぎを大きくするのは得策じゃない、さっさと先へ急ごう」
いくつかの通路を抜け、水に沈む門を見つけた。
「どうすんの?沈んじゃってるじゃない!」
狼狽えるカレンだが、何も問題はない。
「方法ならある。」
水を抜くためにルルーシュが水門らしきものを破壊させると水が抜けて行く。
…ここのシステムを作ったやつには謝らないとな。圧倒的暴力の前に意味をなさなかったが、きっと何かギミックがあったに違いない。
「見張りと守りは任せるぞ、カレン」
「分かったわ。必ず戻ってきなさいよね」
「ふん、誰に言っている」
そして、私はルルーシュの手を握り、門に触れる。
Cの世界に入った瞬間、ルルーシュはつかつかと意識の塊とも言うべき謎の紫の塊に近付き、その左手で殴り付け簡単に破壊した。
なんかこう、もっと障害というか困難があるかと思っていたが杞憂だったらしい。
「…ふむ、どうやらまたお前に礼を言うことになりそうだな?C.C.」
「…ルルーシュ!戻ってきてくれたのか!」
思わずその分厚い胸板に顔を埋め、抱き付いてしまう。
「…苦労をかけたな…。ここは、Cの世界か…?まぁいい、感動の再会って奴はここを出てからにしよう」
そしてルルーシュは私を引き剥がす。さらに自分の左腕を…二度…いや、三度見した。
「…な、なんだこの左腕は…!?これは…輻射波動か…?なぜ俺の左腕が…。…あぁ、そうか、月下…お前が守ってくれていたのか。」
そう言ってルルーシュが左手をさすると左腕が普通の…普通と言ってもあんな脚のような太さはやはり普通ではないと思うが…腕に戻った。そしてもう一度さするとまた人間ナイトメアの腕に戻った。
「これは…どういうことだC.C.」
いや知らん私に聞くなそんなもの。怖…
脳筋スザク、ただの罠なら反射神経で辛うじて回避できちゃう。
そしてCの世界でのあれこれは全カット。これも筋肉のおかげさ。
というわけで復活ルルーシュの左腕はナマモノ版紅蓮の右手みたいになってます。更にCの世界から出た後は通常の腕から切り替え可能です。なんで?