ミートギアス 〜筋肉のルルーシュ〜   作:ベルゼバビデブ

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「私、トウキョウ租界出るのって初めてなんですよ」
「ルルーシュも来られると良かったのにね〜」
 ミレイ、シャーリー、ニーナの3人は電車に乗り、トウキョウ租界を離れて河口湖へ観光に向かっていた。
「ルルーシュって湖でガチ泳ぎしそうだから観光にはちょっと…」
「あー…分かるかも。まぁ、今宵は夜通し語り合おうぞ。ルルーシュの好きな部位とか教えあったりさ〜」
「私はやっぱり逞しい背中かな…」

そんな訳で本編スタートです。


STAGE08

 コーネリアに敗北した俺は組織の重要性を知った。組織に必要なのものと言えばアジトだ。俺は道楽者の貴族を拳で捩じ伏せ…………るのは強盗の様な真似なのでギアスを使い、そこそこ大きめの多機能車両を譲ってもらった。カレンを通して扇達を呼び出す。扇達は何故か入り口で立ち止まっていた。俺でもなんとか通れたのだからあいつらに通れないはずはないのだが。

「どうした?早く入れ」

 扇達はようやく入ってくると車内をキョロキョロと見渡している。

「今からここが私たちのアジトだ。残念ながら筋トレ道具はないがな」

 そこそこ大きめと言っても筋トレ道具を置けるほどのスペースはなかった。まぁその気になれば空気椅子などやりようはいくらでもある。

「それはあんたが俺達と組むと考えていいのか?」

「あぁ、私達は仲間だ。」

 サイタマでの失敗は組織と人、そして俺への信頼だ。シンジュクで一度共に戦っているコイツらは都合が良い。

「でもこんなもの一体どうやって…」

「筋肉で捩じ伏せたら譲ってくれたよ。道楽者の貴族が」

「それ世間じゃ強盗って言わないか?」

「おいおい、2階まであるぞ?広過ぎないかこの車…」

 確かに隠密性は劣るが移動可能な点は評価が高い。

「これくらい大きいと『まさかイレブンがこんな物買えるはずがない』って盲点になるかも」

 カレンは中々鋭い奴だな。

「テレビまでついてるよ」

 テレビではニュースが流れていた。

『こちら河口湖のコンベンションセンターホテル前です。ホテルジャック犯は日本解放戦線を名乗っておりジェームス議長を中心とするサクラダイト配分会議のメンバーと居合わせた観光客および数人の従業員を人質にとっています。これが犯人から送られてきた映像です。ジェームス議長の他学生の姿も見受けられます』

 映像にはみんなでアドミナブル・アンド・サイをしている様子が映されていた。うーむシャーリー、まだまだキレが足りないようだな。今度アドバイスでもしてみるか。

「日本解放戦線、動いてきたな…」

「日本最大の反ブリタニア組織だからな。意地もあるんだろう」

 ゼロ…つまり俺の活躍を見て真似をしたくなった訳だ。リヴァルからの電話を無視し…まぁ言い訳としてはまた誤って砕いたとか言っておけば大丈夫だろう。

「いつまでテレビに齧り付いている。アジトの片付けや運び込みはまだ終わっていないが?」

「あ、あぁ、そうだな。ほらみんな」

 テレビにはシャーリーの父親が映っていた。何度か話したことがある。シャーリーの父親ということもあり優しげな…悪く言えば甘い人だったのを覚えている。

『ただの観光なんですよ!まだ学生なのに…それをテロリストは無差別に…許せない!シャーリーは無事なんでしょうか!?』

 このニュースを見れば日本解放戦線の行動がいかに迂闊か分かる。多くの日本人はブリタニアに対して良い感情は持っていないだろう。だからと言って無差別に市民をも巻き込む様なやり方を人々は支持するだろうか?答えは否だ。ブリタニアと戦うには組織は必要、だが…ここでクラスメイトも守れない様な男が果たしてナナリーを守れるだろうか?答えは否だ。しかし無策で突っ込む訳にも行かない。しかし珍しいこともあるものだ。コーネリアの性格なら人質など無視して……?では何故無視して強硬策を取らない?強硬策が取れない…人質を殺されたら困る都合でもあるのか?まさか…人質のなかに…?

「ルルーシュ、人質…会長達どうなるかな」

「…ここではゼロと呼べ。任せておけ俺に策がある」

 カレンと話をしていると扇が入ってきた。

「おーいゼロ。これみんなに配っていいのか?これさ、かっこいいとは思うけど俺達レジスタンスだし…」

 扇が持ってきたのは俺の組織の制服。それにしてもまだレジスタンス気分らしい。

「違うな扇。間違っているぞ。我々はレジスタンスではない。私たちが目指すのは…正義の味方だ」

 

「なぁゼロ。正義の味方は人を殴って中継車を奪ったりしないと思うんだが」

「彼…ギブソン氏は正義をなすための犠牲となったのだ。彼も本望だろう」

「無茶苦茶だな。」

 コーネリア達を超えてホテルまで行くにはどうしても車両が必要だった。それに中継車は色々と都合が良い。そのために中継車にいたギブソンと名札をかけたスタッフをぶん殴り黙らせた。

 

 中継車に乗り俺はブリタニア軍の中を進んだ。包囲後に逮捕するつもりだろう。

「ゼロ!この前の礼をこんなに早く返せるとは嬉しいぞ」

「おや?これは驚きだ。あの日敗北したのは私のはずですが」

 コーネリアは突然発砲してきたが、この距離なら予備動作の時点で反応は可能。放たれた弾丸を掴み、コーネリア側に軽く放り投げる。

「女性からのプレゼントとはいえ鉛玉は趣味ではない。これはお返ししよう」

 カランコロンと弾が転がる音がするが、不思議と次の攻撃は行われなかった。

「流石は我が弟を殴り殺したという野蛮人なことはある。銃が効かないとはな。ところで何しにきた?お前は日本解放戦線のメンバーだったのか?それとも協力するつもりか?何方にせよここを通す気はない!」

「コーネリア…何方を選ぶ?殴り殺されたクロヴィスと、生きているユーフェミア」

「!」

 コーネリアの表情を見れば図星という言葉がよく似合う。俺ほどになればあらゆる事態において顔面の筋肉を矯正してポーカーフェイスを保つことが可能だ。コーネリアの武人としての才は認めざるを得ないがやはりこういうことは不得意とする様だな。

「ななななななんのことかわわわわわわ分からないな!」

「救ってみせる!私なら!」

「…良いだろう、通してやれ」

 俺を捕らえられないデメリットはあるものの、ユーフェミア救助の可能性と、そうでなくとも俺と日本解放戦線が接触することによる時間稼ぎのメリットがある。それくらいの損得の勘定は可能らしい。しかしやはりコーネリア、あなたは甘い。妹のユーフェミア…いつまで経っても妹離れできない女だ。溺愛するユーフェミア…だから動けない。情の尻尾が邪魔をする。

 

 日本解放戦線としてはゼロに会いたいという誘惑を押されられるはずがない。案内され、俺は今回の首謀者である草壁という男に会うことができた。

「私と手を組み体を鍛えるつもりはないか?」

「ならば素顔を見せてもらおうゼロ。無礼であろう」

「分かった。しかし草壁よ。なぜこんな行動をした?この行動の果てに何がある?是非聞かせてほしいな」

 無論顔を見せるつもりはないが、俺にもわからないなにか凄い考えがある可能性が無きにしも非ずにて候。まぁ無いとは思うが、聞くくらいの余裕はあるだろう。

「知れたことよ。日本人がまだ死んでいないと内外に知らしめるためだ」

 日本人が死んでいないことを内外に知らしめるのであれば俺くらい筋肉を鍛え、街中で筋肉を見せつけるほうが早いだろうに。この男は考えが古く更には愚かな様だ。救いようがない。

「下らない考えだ。そして何よりお前達は救いようがない。筋肉もない。」

「どういう意味かな?ゼロ」

 その時、日本解放戦線の兵士によりドアが開けられ、ユーフェミアが連れて来られた。どうやらまだ殺されていない様だが、それを見た草壁は刀を抜き、俺に切り掛かってくる。

「最早問答無用!」

 俺は刀を両手で挟む様にして刀を止める、本当はこの程度の刃物で切れるほどヤワな鍛え方はしていないのだが、一度やってみたかったのだ。

「白刃取りだと…!?」

 俺は刀を奪い取り、そのまま草壁の顔面を殴る。思い切り殴り飛ばす事で他の兵士を草壁の身体で吹き飛ばし、同時にこちらに銃を構えていた兵士に刀を投げつけて無力化する。更にはカレン達が銃を構えて入ってきた為、日本解放戦線は制圧された。

 

 現在部屋には俺とユーフェミアしか居ない。カレン達には人質の解放と誘導を命じている。更には爆弾の設置も行なっている。

「ユーフェミア、民衆の為に人質を買って出たか。筋肉も無いのに相変わらずだな。」

「それ筋肉関係あります?」

 

 

 

「ユーフェミア皇女殿下。副総督への着任おめでとうございます。」

「喜べることではありません。」

「そう、私がクロヴィスを殴り殺したからだな」

 クロヴィスが生きていれば副総督としてエリア11にくることはなかっただろう。武人としての才もなければ頭もそれほど良くないユーフェミアのことだ、お気楽に本国の学生でもしていたのだろう。

「何故クロヴィス兄様を殺したのですか?」

「ブリタニアを破壊する為ですよ。私はこの拳でブリタニアを破壊するのです。ユーフェミア副総督、貴方も皇族…私の殴打を受けて死んでいただこう。せめてもの慈悲に顔以外にしてあげましょう」

 しかし、突如爆音と振動が起きる。

『ゼロ!基礎ブロックが破壊された!』

 何事かと外を見ればスザクが乗っているであろう白いナイトメアが視界に映る。スザクめ、想定より早いこの爆発はあいつの仕業か。通信を聞きけば悠長にユーフェミアを殴り殺す時間がないことがわかる。仕方なくユーフェミアを抱き抱えて脱出を急ぎ、人質達をボートに乗せ脱出させる。

 

 事件が解決したのならば次はお披露目会と行こう。奪った中継車を使い、テレビ放送を行う。

「ブリタニア人よ。動じることはない、ホテルに捕らわれていた人質は全員救出した。あなた方の元へお返ししよう。」

 無論、今コーネリアが何か仕掛ければ人質に戻ってもらうことになるが、その場合悪いのは救出の功労者に銃を突きつけるブリタニアだ。

「人々よ!我らを恐れ、我らを求めるが良い!我らの名は…黒の騎士団!」

 俺はダブルバイセップスを決め、筋肉を膨張させる。

「我々黒の騎士団は武器を持たない全ての者の味方である。イレブンだろうと!ブリタニア人であろうと!」

 続けて俺はサイドチェストを決める。

「日本解放戦線は怠惰にも筋肉を鍛えず、卑劣にもブリタニアの民間人を人質に取り無惨に殺害した。」

 そしてこれがアドミナブル・アンド・サイだ。もっともこの服装では俺の腹筋は見えないがな。

「無意味な行為だ。故に我々が制裁として鉄拳を下した。この私直々にこの拳でな。」

 そして俺は両手拳を前で合わせるモスト・マスキュラーのポーズをとり、この鍛えた拳を見せつける。

「クロヴィス前総督も同じだ。武器を持たないイレブンの虐殺を命じた。この様な残虐行為を見過ごすわけにはいかない…故に拳を加えたのだ!」

 ラットスプレッド・フロントを決めつつ俺は筋肉をアピールする。今日の俺の筋肉はキレキレだ。多くの者が俺の身体に釘付けになっていることだろう。

「私は戦いを否定しない。しかし強い者が弱いものを一方的に殺すことは断じて許さない!人を撃って良いのは…人にぶたれる覚悟のある奴だけだ!!」

 俺はふたたびポージングをダブルバイセップスに戻す。

「我々は力ある者が力無きものを襲う時再び現れるだろう。例えその敵がどれだけ大きな力を持っているとしても。抵抗して見せよう、この拳で」

 そして俺はマントをはためかせる。

「力あるものよ!我が拳を恐れよ!力無きものよ!筋肉を鍛えよ」

 

「世界は我々黒の騎士団が裁き、殴る!!!」




生徒会メンバー救出時には出来るだけルルーシュはそばにいない様にカレンから忠告を受けています。

●オマケ●
ミートギアス 〜筋肉のルルーシュ〜 OPテーマ歌詞

拳で世界さえも変えてしまえそうな
肉体は既に我がものに…

隠せぬ筋肉と 立ち尽くし鏡を見つめ
鍛えながら(1回目)
鍛えながら!(2回目)
鍛えながら!!(3回目)
(ポーズを)決めればいいさ
母がくれた 身体ひとつ
体脂肪は消え去り
ヒョロガリだった僕の身体筋肉増した

鍛えた肉体が強く引き締まって行く
閉ざした窓を開くと…割れた
拳で世界さえも変えてしまえそうな
肉体は既に我がものに…
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